People / Interview

藤原竜也インタビュー
「ジジイの特権を行使するダメ俳優が理想」

旬な俳優、女優、アーティストやクリエイターが登場し、「ONとOFF」をテーマに自身のクリエイションについて語る連載「Talks」。 vol.34は俳優、藤原竜也にインタビュー。

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怖くて近寄れなかった街、渋谷で芝居できる歓び

──印象的だった稽古場はありますか。

「それぞれ大変で印象的。稽古期間は一番大変かもしれない。もっと言えば、その前、台本をもらって稽古に入る前の時間は、より苦しいものかもしれない。セリフを入れて、読み解く作業。吉田鋼太郎さんがよく言うのは、『暗記パンがあったら俺は怖いものがない!』。どの稽古も大変です」

──最近、刺激を受けたことは?

「ミュージカル『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』のレッスンを見学に行ったら、本当に良くて。ビリー役の子どもたちがとても清々しく、一つの目標に向かっている。「大丈夫?大変なことない?」と聞いたら、「何もありません。楽しみだけです」って。そんな子ども達を前に、自分は最近こんなに輝かしく目標に向かって、芝居に向き合っていなかったよなぁなんて思ったり」

──もしかしたら、藤原さんのデビュー作の舞台『身毒丸』の頃を思い出しました?

「もちろん。デビュー時は15歳。ビリー役の子と同じくらいの年齢でしたから。もともと『ビリー・エリオット』は好きなミュージカルでね。ロンドンで観て、出待ちをした思い出(笑)」

──『プレイヤー』は渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演されますが、デビュー時の『身毒丸』東京公演もコクーンでしたね。

「好きな劇場です。渋谷の雑踏、猥雑で危険なバランスの街に、ただ確実に演劇をやっている場所がある。 渋谷って危険な香りがするでしょ?中学の時、僕埼玉だったから、池袋から原宿へ行って、でも渋谷は怖くて行けなかった。竹下通りで十分、センター街は行かないほうがいいと思っていた。今、大人になってここ渋谷で芝居を打っている、その現実が嬉しい。そのコクーンで僕は蜷川さんにデビューさせてもらって。『身毒丸』のラストシーンは、舞台奥が開いて、白石加代子さんと二人渋谷の雑踏に消えていく。タクシー、カップルや若者、老人たちが通る街中に二人が彷徨いながら入って行く。そのイメージも残っていますね。コクーンはいいなぁ」

ジジイの特権を使って、典型的なダメ俳優でいたい

Photo:Yuji Nanba
Interview&Text:Maki Miura
Edit:Masumi Sasaki

Profile

藤原竜也(Tatsuya Fujiwara) 1982年5月15日生まれ。埼玉県出身。97 年に蜷川幸雄に見出され舞台『身毒丸』のロンドン公演にて俳優デビュー。2003年『ハムレット』にて、紀伊國屋演劇賞個人賞、朝日舞台芸術賞寺山修 司賞、読売演劇大賞優秀男優賞・杉村春子賞を受賞。『ロミオとジュリエット』(04-05)、『ムサシ』 (09)、『下谷万年町物語』(11)などの蜷川演出作品ほか、数多くの舞台に出演。同時に映画、TV ドラマでも活躍。主な出演作に、ブルーリボン賞 新人賞、日本アカデミー賞主演男優賞・新人俳優賞を受賞した『バトル・ロワイアル』(00)、『DEATH NOTE』(06)、『カイジ』(09)などがある。現在、主演映画『22 年目の告白 ―私が殺人犯です―』公開中。

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