People / Interview

マリオン・コティヤール インタビュー
「自分の内側は息子のためにある」

旬な俳優、女優、アーティストやクリエイターが登場し、「ONとOFF」をテーマに自身のクリエイションについて語る連載「Talks」。 vol.3は女優、マリオン・コティヤールにインタビュー。

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──あなたが演じるヒロインのサンドラは、自分が解雇されるか、さもなければ同僚にボーナスを諦めてもらうしかないという窮地に立たされ、同僚を説得しにまわります。決して楽しい役柄とは言えませんが、こういう役を演じる場合、毎日仕事を終えて帰ってきたときの状態はどんなものですか。オンとオフを区別するのは難しくないですか。

「そうね、たしかに私は切り替えがあまり得意な方ではない。『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』を撮影したときは、ずっと役柄に入ったままだった。でも今は母親になったから、自然に自分に戻ることができるようになったわ。小さな頭が自分を必要としているのを見て、変な言い方だけど、自分の内側は彼のためにあると実感するの。だから息子の存在が、自分自身に戻る手助けをしてくれる。それでも役柄によってはとてもタフなものよ。サンドラはそうでもなかったけれど、その後に撮影した『マクベス』はとてもハードだった。私が演じたマクベス夫人は、とても鬱屈したキャラクターだから。サンドラにはどこか太陽があって、たとえ困難な状況でも希望があるけれど、マクベスは真っ暗なキャラクター。演じているのは、決して気分がいいものではなかった。だから自分自身、気持ちをコントロールしなければという自覚が強かったの。それで一時ギョームに、息子を連れてバカンスに行ってきてと頼んだほどよ(笑)」

──自分に近い役と遠い役、どちらが演じやすいですか。

「私の場合、絶対に自分とは遠いキャラクターを演じる方がやりやすいわ」

──パートナーの監督作と他の監督の作品ではどちらが?

「役にもよるけれど、ギョームは私のことをよく知っているという点で安心できるから、やはり他の監督とは異なるわ」

──すでにハリウッドで何本も撮影されていますが、外国人としてハリウッドで働くのは、フランスでの仕事とはやはり異なるものですか。

「誰も自分を知らない、という点で逆にリラックスできる。自分自身どこか仕事的に、ゼロから誰も知らないところで出発したいと思うところがあって、アメリカの体験は実際にそれを経験させてくれた」

──ところで、ティム・バートンの『ビッグ・フィッシュ』に出演したとき、自らチョコレートケーキを焼いてセットに持っていったそうですね。

「ええ、だってアメリカのケーキは砂糖の固まりみたいだったから(笑)」

──ダルデンヌ兄弟のときは、何か持っていきましたか。

「ケーキどころじゃなかったわ(笑)。ナスのキッシュとかいろいろ。撮影の終わりのほうでね。というのも、私たちは予定より3日早いスケジュールで進んでいて、ただでさえ終わってしまうのが嫌だったのに、3日も早く終わるなんて信じがたかったから(笑)。借りていた家を解放して、みんなを招待していろいろと料理したの。素晴らしい思い出になったわ」

映画『サンドラの週末』の情報はこちら

Interview & Text:Kuriko Sato

Profile

マリオン・コティヤール(Marion Cotillard)1975年フランス、パリ生まれの女優。オルレアンの演劇学校で演技を学び16歳で映画デビュー。『ロング・エンゲージメント』(2004年)にてセザール賞助演女優賞を受賞。『エディット・ピアフ ~愛の讃歌~』(2007年)でフランス人女優として史上2人目となるアカデミー賞主演女優賞に輝く。『ミッドナイト・イン・パリ』『ダークナイト ライジング』などにも出演。『サンドラの週末』は2015年5月23日よりBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー。

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