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    <title>Numero TOKYOYoshiyuki Okuyama / 奥山由之 | Numero TOKYO</title>
    <link>https://numero.jp</link>
    <description>クリエイションが詰まったインターナショナル・モード誌『Numero TOKYO』のWEBサイト</description>
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        <title>映画『アット・ザ・ベンチ』奥山由之×生方美久に聞く、誰かの日常と愛おしい会話</title>
        <link>https://numero.jp/20241230-at-the-bench/</link>
        <pubDate>Mon, 30 Dec 2024 07:00:45 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[Miku Ubukata / 生方美久]]></category>
		<category><![CDATA[Yoshiyuki Okuyama / 奥山由之]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[interview]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>写真家、映画監督として第一線で活躍する奥山由之による映画『アット・ザ・ベンチ』は、変わり続ける東京の中で変わらずに佇むベンチだけを舞台に、ある日のある人たちによる会話劇で描くオムニバス長編。第1編と第5編の脚本を手がけた生方美久とともに、監督自ら作品に込めた思いを語る。（『ヌメロ・トウキョウ（Numero TOKYO）』2025年1・2月合併号掲載）</p>
<p class="picture"></p>
</p><p></p>一つのベンチを舞台にした自主制作映画の始まり
<p>──奥山さんが生方さんに脚本をお願いした理由は？</p>
<p>奥山由之（以下O）「生方さんの『silent』と『踊り場にて』を拝見して、登場人物だけでなく、情景や物語に対して温かなまなざしを向けて書かれていると感じました。気がつくとその登場人物と自分自身がつながり合う部分を無意識に接続させて見るようになって、どの人物にも愛おしさを感じていました。それと、人間を決して記号的、一面的には描かずに、多面性や矛盾に注視していることからも、各人物の好きな部分、嫌いな部分を全て引き受けて、愛情を持って書いてらっしゃるんだなと感じました。人間の面倒さにしっかりと向き合う創作体力に驚いたんです。</p>
<p>また、僕らが日常で話している口語体と台詞然とした言葉のあわいのような感触が台詞にあって、それがまた心地よくて、自分が演出をさせていただく際のイメージが広がりました。それから『踊り場にて』を見たときに、言葉が持ってるユーモアの側面に注視している人なのではないかと思ったことと、一つの場所、シーンに尺をじっくりとかけるスタイルが好きな方かなと思ったので、一つのベンチを舞台に登場人物たちやこの作品全体を愛おしく思ってもらえる入り口ともなる第1編のお話を書いていただけるのは生方さんしかいないと思いました」</p>
<p class="picture"></p>
<p>生方美久（以下U）「自分の作品に対する感想が『本当に深く見てくださっているんだな』と思える内容で、とても信頼できる方だと思いました。タイミング的に自主制作の依頼が来ることは珍しかったので興味が湧いたこともあってお受けいたしました」</p>
<p></p>多面的で矛盾している人間の愛おしさを描く
<p class="picture"></p>
<p>──今作も含めてお二人の表現からは想像力を膨らませる余白を感じるのですが、意識されているのでしょうか。</p>
<p>U「テレビドラマはどうしてもはっきりした結末を求められがちで、それはそれで面白さがあると思っていますが、映画は観客が余白を楽しむものだと思っています。今回はありがたいことに1編と5編の間に時間の経過があるような作品だったので、その間に何があったかを考えてもらえるものにしたいなとは思いました」</p>
<p>O「1編目と5編目は広瀬さんと太賀くんを基本的に背後から撮っていて、二人の表情や感情を想像させる余白を持たせている意識があります。生方さんの脚本には、精神的に誰かの背中に手を添えるような優しいまなざしがあったからこそ、そういった撮影手法を自然に選んだんだと思います。</p>
<p>『アット・ザ・ベンチ』第1編より</p>
<p>『アット・ザ・ベンチ』第1編より</p>
<p>僕はあまり人と目を合わせて話せない性質があるのですが、直さなきゃと思いながらも、正直にもの作りをすると、そういった人や世界の捉え方の癖が表出するんだと思います。例えば写真にしても被写体に真正面からこっちを見られるとあまりリアリティを感じられなくて。その人の姿形が情報としては伝わってきますが、本質的に伝えたいことが逆に抜け落ちてしまっている気がするんです。物理的に捉えにくい角度から認識したほうが、その人の身振り手振り、声の出し方に集中できるときもある。表情にしても、見えていない部分、つまり想像の余白があるからこそ、逆に見えてくるものがある。だから1編目と5編目は自分自身の視点、人の捉え方と近しく、安心して見ていられます」</p>
<p></p><p>『アット・ザ・ベンチ』第1編より</p>
<p>──登場人物たちの会話をのぞき見しているようなリアリティを感じました。</p>
<p>O「莉子も徳人も、とても愛おしかったですよね。1編目と5編目は別の時期に撮られているのですが、実際に物語の設定上空いている期間くらい空けて撮影しています。不思議だったのは、1編目を作り終えて、久しぶりに5編目で二人を撮影したときに、広瀬すずと莉子、仲野太賀と徳人、その本人と役柄の境界線が曖昧になる錯覚に陥りました。モニターを見ていて、心から100%『あぁ、久しぶりに莉子と徳人に会えたなぁ…』と思っている自分がいる。でも、ふと『あ、これは撮影だ』と気づく。一体これは何を見ているのだろうかと。台詞として書かれた言葉なのか、その場で本人たちが思ったことを話しているのか、いま自分はどこにいて誰の何を見ているのかわからなくなるような感覚がありました。</p>
<p>広瀬さんと太賀くんも『自分が今しゃべっていることは、脚本に書かれていることなのか本当に自分が思ったことなのかの境目が曖昧でわからなくなった』みたいなことを言ってくれていました。それは視界の先にカメラがなかったからということだけではなく、生方さんが1編目を見た上で、より登場人物やキャストの個性を踏まえて5編目の脚本を書いてくれたことも影響しているんじゃないかと思います」</p>
<p>──生方さんの作品は登場人物が愛おしくなってしまうものばかりですが、なぜそういう作品が生まれるのだと思いますか。</p>
<p>U「登場人物たちは極力『どこかにいる人』にしたいと思っています。長所も短所も持っている何も悪いことをしていない人たちが、何かのきっかけで人間関係がねじれるということを描きたいんです。物語というよりは人間関係を描くというところを掘り下げていくと、ああいう作品が生まれるんだと思います」</p>
<p class="picture"></p>
<p></p><p>──今後手がけてみたい作品アプローチはありますか。</p>
<p>O「今の生方さんのお話とつながるかもしれませんが、僕の創作テーマとして『矛盾に向き合うこと』と『虚実皮膜』があります。矛と盾、光があれば影があるように、何かが存在していたら、必ずその反対、相対する物事が用意されていて、その間には緩やかなあわいが存在している。この世界は一概には説明できない物事であふれています。何かと遭遇したとき、何かと向き合ったとき、表面があるということは必ず裏があって、奥行きを持たせて捉えたら側面が立ち現れて…というように多面体であることに気がつきます。</p>
<p>情報過多な現代を生きる上で『これはこういうもの』と、どんどん一単語でカテゴライズしないと時間的にそれらの情報を処理できない状態にある気がするので、自分自身でしっかりと考えて、じっくり一つ一つの物事を掘り下げる視座を持った作品作りができたらいいなと思っています。生方さんはそういうことを続けていらっしゃるのだと思うので、尊敬しています」</p>
<p class="picture"></p>
<p>U「ありがとうございます。私は今10代の役者さんにとても興味があります。学園ドラマというジャンルにおいて、一昔前は10代の役者さんが高校生役で主演するという作品が多くあったのに、今はお客さんを呼べる20～30代の俳優さんが先生役で主演というケースが増えています。</p>
<p>私は実際に当時10代の俳優さんが多く出演していた『野ブタ。をプロデュース』などを見ていた世代ということもあり、たった半年でも随分と顔が変わるような10代の俳優さんが演じることで生まれる一瞬の煌めきみたいなものを切り抜く作品に関われたらうれしいなと思っています。『いちばんすきな花』で中学生役を演じてくれた白鳥玉季ちゃんと黒川想矢くんは実際に中学生だったんですが、愛おしくて仕方なかったし、深く刺さるものがあったんですよね」</p>
<p></p><p></p>
『アット・ザ・ベンチ』
<p>舞台は、川沿いの芝生の中に佇む一つの小さなベンチ。久々に再会した幼馴染の男女、別れ話をするカップルとそこに割り込むおじさん、家出をした姉と、そんな姉を探しにやって来た妹、ベンチの撤去を計画する役所の職員たち。さまざまな人々のちょっとした日常を切り取るオムニバス長編。</p>
<p>監督／奥山由之<br />
出演／広瀬すず、仲野太賀、岸井ゆきの、岡山天音、荒川良々、今田美桜、森七菜、草彅剛、吉岡里帆、神木隆之介<br />
脚本／生方美久、蓮見翔、根本宗子、奥山由之<br />
全国公開中<br />
©2024 Yoshiyuki Okuyama/Spoon Inc, All Rights Reserved.<br />
https://www.spoon-inc.co.jp/at-the-bench/</p>
<p></p><p>The post 映画『アット・ザ・ベンチ』奥山由之×生方美久に聞く、誰かの日常と愛おしい会話 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>アーティストそれぞれの“探究の道” vol.1 奥山由之</title>
        <link>https://numero.jp/20231209-yoshiyuki-okuyama/</link>
        <pubDate>Sat, 09 Dec 2023 07:00:36 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Art]]></category>
		<category><![CDATA[Deeper and Deeper]]></category>
		<category><![CDATA[Yoshiyuki Okuyama / 奥山由之]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[interview]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>何かに魅せられ、意味を突き詰め、創意を凝らし、全霊を傾けて表現する。アートとは尽きせぬ問いの繰り返し。なぜやるのか、その先に何があるのか——。アーティストそれぞれの探究心、その飽くなき軌跡を、たどりながら見ていこう。（『Numero TOKYO（ヌメロ・トウキョウ）』2023年12月号掲載）</p>
<p>&nbsp;</p>
奥山由之インタビュー「不透明な窓、その奥に写るもの」
<p>写真表現から映像まで、奥深い光を捉え続ける奥山由之。その新作は、ひたすらに“東京の不透明な窓ガラス”を写し出したものだった——。10万枚もの写真に託した思い、探究の精神（こころ）を問うインタビュー。</p>
</p><p></p>東京の象徴としての“不透明なガラス窓”
<p>──不透明なガラス窓だけを写し出す「windows」シリーズ。テーマやモチーフが決まった経緯は？</p>
<p>
建物の窓を眺め、内側でどんな生活が営まれているのか想像するのが、昔から好きでした。海外へ出かけると、路上から垣間見える家の中の様子に心惹かれたものです。
</p>
<p>
それがコロナ禍で東京に居続けるようになり、近場での散歩が常になりました。そのなかで東京は海外と違って、外部から室内を見通せることは少なく、窓ガラスも不透明なものが多いと気づいたのです。またこの７年来、東京以外の都市で“東京らしい”と感じる光景を撮り集める「TOKYO」シリーズを作っているのですが、その作中にも不透明なガラスはよく写り込んでいました。
</p>
<p>奥山由之『windows』（2020-2022年）より。　&#169; Yoshiyuki Okuyama</p>
<p>
どうやら自分は不透明なガラスを、東京という街のシンボルとして無意識下で捉えている。ならば、日用品や洗濯物など窓際に置かれたものが不透明なガラスを通して抽象的な模様に見えるさまを撮ることで、東京の人々の表情を描けるのではないか。そう考えるに至りました。
</p>
<p>
それで2020年4月から22年11月にかけて都内をくまなく歩き、不透明なガラス窓を約10万点撮影していきました。同時に日本の建築様式や、治安などを含む社会・経済状況、人口密度なども絡んだ都市のありようについて、本や資料を読んだり識者に話を聞いたりして、リサーチも進めました。コンセプトに確信を持つための、自分なりの裏付けが必要だったのです。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p class="picture"></p>
<p>奥山由之『windows』（2020-2022年）より。　&#169; Yoshiyuki Okuyama</p>
<p></p><p>──2年半の時間と10万枚という量は圧倒的です。なぜそこまでのめり込んで探究するのですか。</p>
<p>
創作時にはいつも、世界の一点を凝視することから始め、その狭い入り口から普遍的な広い出口に到達するようなものを作りたいと考えています。「windows」は、そんな思いを十分に叶えられる構造を備えています。不透明なガラスという極めて限定的な被写体を撮り続けることで、その土地に根差した固有の人間性という普遍的なテーマを描き出す、そんな見込みがあるわけですから。それでどんどんのめり込んでいきました。どの作品も、作り始めると夢中になって、その創作世界に入り込んでしまうのは毎度のことではありますが。
</p>
言葉より直感で写真を選ぶ
<p>──撮影のみならず、撮った写真をセレクトし編集するのにも、かなりの時間をかけたとか。</p>
<p>
撮影後のセレクトやレイアウトに半年以上を費やしました。軽々しく言葉を用いて規則的に選んでいくと、見る人に「ああ、こういうルールで構成しているのか」とすぐに言語化されてしまうような作品になり、“言葉の檻”を超えられなくなります。言葉に頼るのではなく、自分の真の直観に根差した写真を選ぼうと心がけました。それで、ずいぶん時間と体力を要することとなったのです。
</p>
<p>
でもこれは「windows」という作品にとって、必要なプロセスだったと感じています。全身全霊で写真と向き合って、とことんまで掘り下げた作品にこそ、簡単に分析しきれない魅力が宿るはずですし、見る人により広がりのあることを感じてもらえるものになる、そう信じていますから。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p class="picture"></p>
<p>奥山由之『windows』（2020-2022年）より。　&#169; Yoshiyuki Okuyama</p>
<p></p><p>──具体性の強い写真表現にしては抽象度の高いシリーズですが、受け入れられると思えましたか。</p>
<p>
誰もが無意識下で気に留めていたことが作品という形になって初めて「そうそう、これ前から気になってました！」と言いたくなる表現は、自分も好きです。そして「windows」は、そういう作品になり得ていると思います。少なくとも不透明なガラス越しの抽象的な模様を、きれいだな、面白いなと感じたことのある人は多いはず。「昔住んでいた家に似た窓があった」とか「自分もこういう写真を撮ったことがある」という話を、作品の感想代わりに聞く機会は実際のところ多いです。僕の感じたことや考えたことが、窓だけ写っている“入り口の狭い作品”を通して、いろんな人の記憶と結びつき、奥深く伝わる普遍性を帯びているとしたら、うれしい限りです。
</p>
<p>奥山由之『windows』（通常版）赤々舎</p>
<p>花を媒介に亡き祖母との対話を試みた「flowers」シリーズに続き、“人以外の被写体を通して人を描く”3部作の2作目。コロナ禍の日々、東京の家々に多く見られる不透明なガラス窓を約10万枚も写し続け、今年6〜7月にamanaTIGPで開催の個展「windows」にて初公開。作品集も刊行した（写真上／サイン入り特別限定版も刊行された）。</p>
<p></p><p>The post アーティストそれぞれの“探究の道” vol.1 奥山由之 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>注目の写真家・奥山由之のアートブックがブックイベントにて限定販売</title>
        <link>https://numero.jp/news-20231004-phs23/</link>
        <pubDate>Wed, 04 Oct 2023 01:00:38 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Art]]></category>
		<category><![CDATA[exhibition]]></category>
		<category><![CDATA[Yoshiyuki Okuyama / 奥山由之]]></category>
		        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>唯一無二の表現に挑む写真家・奥山由之の作品をテーマに、デザイナーと印刷会社がタッグを組んで4種類のアートブックを制作。2023年10月8日（日）、9日（月）に開催されるイベントにて、部数限定で販売される。</p>
<p>
弊誌も注目する写真家・映像監督の奥山由之。米津玄師や星野源、あいみょんら名だたるアーティストとのコラボレーションのほか、ポカリスエットなどの広告写真、大河ドラマ「麒麟がくる」のメインビジュアルなどで知られるほか、アートとしての写真表現にも精力的に取り組んでいる。（※1）</p>
<p>（※1）参考記事：Numero.jp「奥山由之インタビュー「個から個への強い気持ちは人間の“普遍”にタッチできる」」</p>
<p class="picture"></p>
</p><p></p><p>そんな奥山のアーティストブック4種類がこのたび限定発売。これは、個性豊かな4つの印刷会社と気鋭の4人のデザイナーがそれぞれ手を組み、アーティストのアートブックを制作するプロジェクト「Print House Session」の第二弾として行われるもの。2019年の初回は、写真家・横田大輔の作品で実施された。<br />
今回は奥山の作品シリーズ「Windows」をテーマにして、印刷所のサンエムカラー、東京印書館、Live Art Books、山田写真製版所と、デザイナーのアーロン・ニエ、田中義久、上西祐理、岡﨑真理子がそれぞれ手を組んでアーティストブックを制作したという。</p>
<p>本書は、アートブックフェアが同時開催される2日間限定のイベント会場で購入できるほか、オンラインのプレオーダーでも注文可能。</p>
<p>本書は部数限定。お見逃しなく！</p>
<p class="picture"></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>※掲載情報は10月2日時点のものです。 <br />
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。</p>
<p>Print House Session / Photo Market<br />
会期／2023年10月8日（日）〜9日（月）<br />
会場／東京スクエアガーデン1F 貫通路<br />
住所／東京都中央区京橋3-1-1<br />
料金／無料<br />
 時間／11:00〜17:00　<br />
問い合わせ／info@flotsambooks.com<br />
URL／printhousesession.cargo.site/</p>
<p></p><p>The post 注目の写真家・奥山由之のアートブックがブックイベントにて限定販売 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>奥山由之インタビュー「個から個への強い気持ちは人間の“普遍”にタッチできる」</title>
        <link>https://numero.jp/interview297/</link>
        <pubDate>Fri, 25 Feb 2022 09:00:28 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Interview]]></category>
		<category><![CDATA[People]]></category>
		<category><![CDATA[Yoshiyuki Okuyama / 奥山由之]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[photography]]></category>
		<category><![CDATA[book]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>写真家・映像監督の奥山由之がデビュー以来12年間に渡って手掛けてきたクライアントワークをまとめた写真集『BEST BEFORE』を刊行。米津玄師、星野源、あいみょんらアーティストとのコラボレーション、ポカリスエットなどの広告写真、大河ドラマ「麒麟がくる」のメインビジュアルなどなど、500ページ超の大ボリュームに仕上がった1冊は、とてもエネルギッシュで混沌として、無邪気で、ユニーク。個人の作品制作や映像の監督業と並行して、コマーシャルの領域でも唯一無二の表現に挑戦し続けてきた奥山が語る、創作への思いとは。</p>
<p class="picture"></p>
ジャンルや年代を越えてクライアントワークを編纂した写真集『BEST BEFORE』
<p>──これまで17冊の写真集を作ってきて、今回クライアントワークをまとめて写真集を作ることになったきっかけを教えてください。</p>
<p>「2年前に活動が10年の節目を迎えて、そのタイミングで、クライアントワークだけをまとめてみようと思ったのが最初のきっかけでした。点で散乱していた写真が、物理的に編集不可能な“本”という状態にまとまると、数十年後、自分が今の自分ではなくなった時に、客観的に、その作品が持っている個性や本質に気付けるのではないか、という思いからスタートしました。なので本作りは、ある種のタイムカプセル的な感覚がいつもあります。当初は『PORTFOLIO』というタイトルで進めていたのですが、内容を編み上げる過程で『BEST BEFORE』（＝賞味期限）という今のタイトルに落ち着きました」</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
<p>──もともとは違うかたちで進んでいたんですね。</p>
<p>「最初の予定ではもっとページ数が少なくて、逆に判型は大きかったですね。経緯はあれど、クライアントワークをまとめるのは、一緒に写真を作ってきて下さった方々に掲載許可をいただくという意味でも信頼関係がないと実現できないので、無事に完成できたのは本当に皆さんのおかげです」</p>
<p>──被写体やスタッフはもちろん、案件ごとにご一緒する方が違えば仕上がりも違いますよね。</p>
<p>「そうなんです。僕は企画ごとに全然違う撮り方をしてきました。写真における自分の個性が何なのか、表面上の統一感がないので、明確な言語化が難しいほうだと思います。よくフィルムでしか撮らないと勘違いされるのですが、デジタルでしか出来ない撮影手法をあえて活かして撮った写真も中にはあります。</p>
<p>頼んでくださったアーティストやクライアント、アートディレクターに対して、まっすぐに向き合うと毎回同じ撮り方ではベストが尽くせない。だからその都度手法を変えていくわけですが、そうすると結果として混沌とした内容の1冊になりました」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
「個から個への強い気持ちは人間の“普遍”にタッチできる」
<p>──普段の仕事では、一緒に創作をしてくれている身近な人に向けて作るということを以前取材でお話していましたが、今回のようにクライアントワークをまとめた写真集は、具体的な読者を想定しながら作ったのでしょうか。</p>
<p>「そこは個々のお仕事の考え方と変わりありません。まずは一緒に作り上げてくださった方々が、奥山と創作をして良かったなと思えるもの作りをしたいです。その上で、少人数から対少人数に対して届ける強い気持ちがこもっていないと、結果的に大多数には伝わらないと思う。個から個への太くて短いベクトルが何よりも強い。湖に大きな石を投げ込むと、フワーっと波紋が周囲に広がっていきますよね、あんなイメージです。『大衆に向けて』なんていう作り方をしても、想定している受け取り手ひとりひとりは、“大衆”ではなく“個人”ですから。ただ大人数の目を撫でるだけで、記憶に残らないような脆弱な作りに終始してしまう。それは避けたいので、何を作るにしても、誰か1人や少人数の誰かへの気持ちを具体的に思い描いて作っています」</p>
<p>──たしかに、最終的な受け取り手も結果として個人ですよね。</p>
<p>「だから個から個への強い気持ちは、結果的に人間の普遍的な感情や情景にタッチできると思っていて。今回も一緒に本をつくって下さったアートディレクターの平林奈緒美さんや編集者の新庄さん、寄稿文を執筆してくださった伊藤さんや河尻さん、推薦コメントを書いてくださった米津さんに届けたいという思いがまず最初にあります。同時に読者への意識として、これから写真を撮りたいとか、写真を仕事にしたいと思ってる自分よりもキャリアや世代が若い人たちに見てもらいたいという気持ちもあります」</p>
<p></p><p>奥山由之写真集『BEST BEFORE』より　POCARI SWEAT「踊る修学旅行」篇（2017）</p>
<p>──20代以下のこれからの人たちですね。</p>
<p>「巻末のクレジットページには、撮影に関わってくださった方々のお名前が掲載されています。ものを作るというのは一人ではできない。自分自身と向き合うというのは創作における当たり前の行為でありながら、さらに『他者とのコミュニケーションを重ねないことには、本当の意味で人の心に深く届くものは作れない』という事実が、創作を始める人の前提認識としてまずあってほしいんです。僕の個性として認識されているものは、決して僕だけの力ではなくて、打ち合わせの会話やメールから始まって、誰かと影響を与え合った結果として、それがたまたま写真や映像という媒体になっていたということなんです。ものづくりの過程で他者とコミュニケーションを交わすことの大切さをこの本を通して実感してもらえたら嬉しいです。他者というのは、必ずしも人間だけではなくて、環境や社会なども含めた自分以外のすべてです」</p>
<p></p><p>──そもそも写真集『Girl』でデビューして以降、コマーシャルの領域でも写真を撮りたいと思ったきっかけは何だったんですか？</p>
<p>「コマーシャルでも写真を撮り始めた十数年前、街で見かける写真、例えば駅で目にするポスターは、2秒で言語化できるような、情報データそのものみたいな写真が多いと思っていました。言語的すぎて余白がないといいますか、言語をただ写真に置き換えているみたいな、それ以上でも以下でもないというか、つまり写真である必然性があまりないような気がしていました。情報データとしては瞬時に理解できるけれど、受け取り手それぞれの個性で感じたり考えられる余白がないので、すぐに別の新しい情報に上書きされてしまう。言いたいことは分かるけど、記憶や感情に残りづらい」</p>
<p class="picture"></p>
<p>──プレゼンの時に全部理屈で説明できちゃうような。</p>
<p>「人に伝えるってそういうことじゃなくて、『この気持ちは何だろう』とか、『これってどういうことなんだろう』と受け取り手が感情を重ねて考えてしまうような、その個々人の情景にタッチするという行為なんだと思うんです。見る人が想像したり考えることも含めて創作していくことができないと写真である意味もあまりない。写真は瞬間芸術であるがゆえに、こうとも取れる、ああとも取れるみたいな、曖昧さゆえの表現の余白や揺らぎ、が魅力であるはずなのに、微塵の余白も作らず、絵コンテの段階でガチガチに固められたこれ以上でも以下でもないみたいな、言葉よりも言葉らしい写真が多く思えたんです。写真というよりは情報画像に近いかもしれません。</p>
<p>こんな言い方は適切じゃないかもしれませんが、極端に言うと、時代が進むにつれて観る側の感性を信じていない表現が多くなってきている気がします。『分かりやすくないとどうせ伝わらないだろう』みたいな諦めのため息混じりで作られたようなものが。それは観る人に対して失礼な姿勢だと思っています。少し話が逸れてしまいましたが、僕はそういったものではなく、ちゃんと個々人の感情に触れられるものを作りたくて、続けてきました。なので、作ったものが誰かの心に伝わり、自分もこういった表現をしたいなと思う人がもしいたら、とても嬉しいです」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
「僕らしいと思われているものも、僕だけが考えて作り出したものじゃない」
<p>──コミュニケーションの大切さや、チームワークとしてのクリエイティブの大事さをおっしゃっていましたが、奥山さんの創作は、個人の強い作家性で作り上げていると思っている方々も多いのではないでしょうか？</p>
<p>「当たり前のことですが、奥山くんらしいよねと思われている創作があったとしても、それは僕だけの力で作られているわけではありません。僕自身の発想や考え方、アイデアに対して誰かが意見を述べてくれて、それを受けて僕もよく考えてまた意見を相手に伝える。そのコミュニケーションの過程にきっと自分らしい個性があるのであって、発想そのものやアイデアは、きっと世界中探せば同じようなことを考えている人は他にもいるはずです。だから仮にどんな個性的な作家性であったとしても、それは一人では作り上げられないものだと思っています」</p>
<p></p><p>──なるほど。関わる人の意見や世界が全部合わさった結果ということですね。</p>
<p>「決して頭の中にある発想が天才的なわけではなく、もし僕に個性が認められているとしたら、人とどうコミュニケーションを取るかというところにあるだけだと思います。クリエイターやアーティストと呼ばれる人たちは、唯我独尊の精神で、自分の中で爆発する世界を表現するみたいなイメージがありますけど、例えそういう描き方をされている作家であったとしても、その人なりの世界との接し方にちゃんと個性があるはずなんです。一人だけの人間の内面から湧き出てくるものはそんなに膨大にはなくて、やっぱり誰かと影響し合う、考えや思想を反射し合ってこそ個性的なものを生み出していくのが人間だと思っています。</p>
<p>先日対談した小説家の朝吹真理子さんは『浸食』という言い方で、小説を書く行為自体はひとりだけれど、登場人物がどういう人なのかその人の中に入って対話、浸食し合うみたいな感覚があると説明されていました。コミュニケーションの相手は必ずしも外側に存在していなくてもよくて、頭の中にある世界もひとつの他者。何かしらと向き合い、正直で深いコミュニケーションとることで、自分らしいクリエイティブに到達できるのではないか、と思っています。この12年間でそのことを勉強できて、とてもありがたかったです。関わってきて下さった皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです」</p>
<p>──一緒に作ってきた人たちにとってもうれしい言葉ですね。</p>
<p>「周囲がしっかりと意見を伝えてくれて、自分とコミュニケーションを取ってくれたことがとても大きな財産になっていると思います」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
見る側も作る側も飽きないものを
<p>──仕事を始めた最初の頃はその思いには至らず、もうちょっと自分が自分がみたいなことで作っていた時もありましたか？</p>
<p>「もちろんそういう時期もありました。この本には初期のお仕事も掲載されていますが、最初の頃は被写体ともほとんどコミュニケーションを取らずに、カメラ機材のギミックに凝ったり、美術を過度に盛り込むことで、無意識に自分らしい世界観を強調しようとしていました。2017年に出版した『君の住む街』という写真集があって。東京の街と、そこで生きる女優さんを撮る雑誌連載35回分をまとめた本なのですが、最初の数回を撮った段階で、どの回の写真も似ているように感じてしまって。被写体のかたは毎回違うのに、写真から醸し出される様相が似ている。なぜだろうと考えると、それぞれの被写体の個性をよく見られていないのではないか、という結論に至って、そのことに気付いてからは、被写体の過去のインタビューを読んだり、その人が出演している作品を観たりするようにしました。現場でも撮る前に、コンセプトや撮影意図はもちろん、なぜそのかたを撮りたいと思ったのかなども、言葉にして伝えるようにすると、積極的にこちらの意図を理解しようと歩み寄ってもらえるようになったんです。そうやって相互理解の循環が生まれると、写真もその被写体である必然性を感じるものになったし、僕にしか見せてくれない表情や様相を撮れるようになった気がしました。それは必ずしもリラックスして自然体で笑っているみたいなことではなくて、どんな表情だとしても、信頼関係がちゃんと映り込んでいたり、その被写体と僕という、双方がその個々人でないと撮れない個性的なものになっていったという意味です。</p>
<p>それ以降、被写体ごとに撮影スタイルを変えるようになりました。着ぐるみの中に入るようなイメージで、その人の目から世界を見ようとすると、どう向き合えば、どう伝えれば自分の意図が相手に届くのかが分かってくる。相手の立場に立つこととか、それを受けて自分がどう思い、どう考えているのかをしっかり相手に伝わるように伝えること。それが創作の基本なんだということに初めて気が付いたんです」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>──自分だけのものづくりをやり尽くして、連載中に目覚めたわけですね。</p>
<p>「キャリアの初期、最初の3年間ぐらいは世界中のフィルムを買って試してみたり、フィルムを燃やして、砕いて、刻んで、またコラージュしたり、カメラの中にゴミや粉末を入れてみたりして、あらゆる実験を試していました。それはそれで実りある試行錯誤だったと思います。けれどそういった技術面における工夫だけでは描けるものは限られていて、次第に飽きてしまう感覚がありました。見る人の記憶や心に残り続けるものって、やっぱり人と人が向き合って“人間”を描いた創作だと思うんです。人間同士が浸食し合って、反射させ合って作られたものにしか宿らない、人間らしい“矛盾”みたいなものがあって、そういったものにこそ、みる人は自己を投影したり、違和感を抱いたり、感情移入したりするのだと思います。“人間”というこの世界で最大の矛盾をはらんでいるものに向き合うような創作を続けられれば、どこかで飽きてしまうとか、辞めたいみたいなことは起こらない気がしています。</p>
<p>技術的に高度で実験的な手法ばかりに取り組んでいた時期はたくさんの方に注意やお叱りもいただきました。誰もやったことのない未知の手法であるだけに自分でもどういう仕上がりになるのか明確には分からないこともありました。そういうチャレンジを一緒にして下さる心強い方々もいれば、叱ってくださるような方もいたり、そういうギリギリの世代や時代だったのかなとも思ったりします」</p>
<p class="picture"></p>
<p></p><p>──もういいやと諦められるのではなく、叱ってくれてその後も仕事をご一緒してくれたわけですね。</p>
<p>「それこそ十年ぐらい前、雑誌やウェブマガジンでとにかくたくさん撮るようになっていった最初の頃は、撮影に慣れているわけでもないのに、週に7〜8件撮っていたので、もう生活もぐちゃぐちゃで、何もかもが追いつかず、いろいろなスタイリストさんやヘアメイクさん、編集さんに、毎回のように怒られていた気もします……」</p>
<p>──20代前半で毎回となるとなかなかしんどいですね。</p>
<p>「本当によく怒られていました。けれど先輩方の言葉は、勉強になることがとても多くて、いまの自分を作って下さっているのは、そういった言葉の一つ一つだったりもすると思います。なので、ギリギリそうやって厳しく言ってもらえる時代に仕事を始められて本当に良かったと思っています。今は社会全体に、強くは言えない風潮もある気がするので、そういった意味で大変な時代ではないでしょうか。経験のない人であっても、みんな自分自身で気付かないといけなかったりする」</p>
<p>──師匠に付いて厳しく言われることがなかった分、仕事を一緒にしてくれた方たちから教えてもらったわけですね。</p>
<p>「そうですね。特にこの本を見返すといろいろなことを思い出します。みなさん愛情をもって共に創作に取り組んで下さったことを、心から感謝しています」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
「写真は言語に縛られない、言葉を超えていく力がある」
<p>──今回アートディレクションを平林さんにお願いしたのは、奥山さんの希望ですか？</p>
<p>「そうですね。平林さんのデザインは、整然と機能的な側面を持ちながら、圧倒的に個性あるユーモアが共存している。一見無機質な中に、人間らしいかわいげが同居しているデザインが、平林さんの特徴の一つだと僕は思っいて、とても好きなんです。この写真集はアーカイブ的性質も持たせるべき本なので、情報が整頓されていたり、機能的でありたいと同時に、本としての佇まいにどこかかわいげや愛らしさのあるものにしたかったんです」</p>
<p>──アーカイブとしてのファイルぽっさやボックス感みたいなものも感じますね。</p>
<p>「タイトルの『BEST BEFORE』＝賞味期限という製品的なコンセプトに対して、やり過ぎず、引き過ぎず、本らしいデザインから逸れずに個性的に落とし込めるのも平林さんしかいないのではないかと思いました。余談ですが、平林さんには、最初、アークティック・モンキーズがデビュー直後にレディング・フェスティバルのトリで演奏した時の映像をお送りして『こういう本にしたいです』と伝えました」</p>
<p>──わかるような、わからないような依頼……！</p>
<p>「デビュー当時のアークティック・モンキーズって、ほんとにガレージで音楽に熱狂していた子供たちがそのままステージに来ちゃったみたいな雰囲気があったんです。みんな家着みたいな服装だったし…。（笑）一見、肩の力が抜けてるように見えて、キレ味が尋常ではなくて……とにかく緩急があってカッコいいんですよ。衝動でやってるように見えて、絶妙なバランスでまとまっていて。あの突風みたいな状態って、きっとどのバンドも瞬間的にしか生み出せない最大風速なんだと思うんです。『そういう本を作れないでしょうか』って。平林さんは、取りあえず一回受け取ります、みたいな感じでした（笑）」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>──でしょうね（笑）。写真の順番は奥山さんが決めたんですか？</p>
<p>「写真の配置やサイズ、流れも含めてレイアウトを一度自分で組んで、平林さんにお渡しました。その後、平林さんに仕上げの微調整をしていただきました」</p>
<p>──アーカイブ性を求めながらも案件ごとにまとめず、ひとつのシリーズが散りばめられていますが、編集方針はどういうものだったのですか？</p>
<p>「同じ写真であっても、シリーズとしてまとまって見るのと、間に他のシリーズの写真が混在した構成で見るのでは、その一枚の捉え方に大きな違いがあると思っています。せっかく12年間分のあらゆるジャンル、あらゆる時期の写真を1冊にまとめるのであれば、一枚一枚の写真が、それぞれ最初に発表された初出時の印象とは異なるものにできるといいな、と思いました。つまり、この本のこのレイアウトだからこそこう捉えられる、みたいに、新たな意味を各写真に持たせたかったんです」</p>
<p>──最初の方に話していただいた、余白の意味が生きてくるわけですね。</p>
<p>「一つの案件で撮られた複数枚の写真であっても一枚一枚独立した写真として捉えた上で、再構成してみたかったんです。シリーズごとにまとめてページ構成を組むのは、言葉、キーワードに起因したレイアウト作業なので、ある意味とても楽なんですよね。けれども、写真は言語に縛られない、言葉を超えていく観念的な力がある。レイアウトを組む時は、極力その力を信じたいんです。異なる時期に異なる目的で撮られた写真なのに、見開きで並べてみるとその当時とはまた別の意味を持ち始めることがあります。この見開きの構成じゃないと、この写真の魅力が伝わらないみたいなことも『BEST BEFORE』の中では起きていると思います。写真集は、流れや構成といった全体でもって作品のコンセプトを伝えるメディアだと思っているので、一枚で見るときの魅力と、見開きで見るときの魅力がまた異なって感じ取れるように構成されていてほしい。全体性に意義があると思っています」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>──never young beachの写真がたくさん掲載されていて、ページをめくりながら、「ネバヤンの写真は印象に残るものが多いな」と思いながら見ていました。</p>
<p>「最初にお話ししたような、コミュニケーションの蓄積がそのまま写真なり映像なりに映るということを最も体現しているシリーズだと思います。メンバーと僕は友人関係でもあるので、撮影の時点で既に積み上げられてきたコミュニケーションが十分にあって、お互いに信頼関係をもって創作に臨めているのが大きいと思います。信頼の土壌の上で作っているので、きっと互いの個性を発揮できているからこそ、印象深いものになっているのだと思います」</p>
<p><br />
never young beach「SURELY」Music Video（監督：奥山由之）</p>
<p></p><p>──仕事を振り返って印象的だった人はどなたですか？</p>
<p>「やっぱりスティーブン・ショアと対談できたのは夢のような時間でした。ショアのポートレイトを撮ろうとした時、後ろに彼の愛犬を2匹見かけたんです。その犬を1匹ずつ両脇に抱いてほしいと伝えたら、『いいよ』って。『うわぁ、スティーブン・ショアが僕のお願いによって、両脇に愛犬を抱えている……!』と、妙な高揚を覚えましたね。『これはすごい』と思いながら撮っていました」</p>
<p>──世界の写真史に残るレジェンドですからね。</p>
<p>「それから、米津玄師さんも印象的でした。『感電』のMVで初めてご一緒したのですが、一曲の中に膨大な思考と実践のレイヤーが重なっていて、創作へ懸ける思いに切実さと質量を感じましたし、米津さんもまた、それをしっかり言葉にして伝えてくれたんです。自分もその思いの強さに応えたいという気持ちで臨みましたから、結果的に、ものすごく純粋なものづくりを一緒にできた感覚がありました。米津さんは、言葉数は少なくても、誠実に対話をしてくれる印象があって、それが共に創作をする時に大きな手助けになりました」</p>
<p class="picture"></p>
<p></p><p>──ふたりとも91年の早生まれで同い年ですよね。</p>
<p>「そうなんです。年齢が一緒なので、見てきたものが近かったり、キャリアのスタートも同じ時期だったりして。初めましてでもお互いを理解し合うことが自然にできた気がしています」</p>
<p>──なるほど。</p>
<p><br />
米津玄師「感電」Music Video（監督：奥山由之）</p>
<p>「『感電』のMVはとても貴重な物作りだったと思います。アーティスト写真にしても、米津さんの曲作りへの思いを丁寧に伝えてもらえたので、被写体が米津さんで、撮り手が僕じゃないと成り立たない、オリジナリティのあるものになった気がします。そのプロセスの中で、米津さんの人への伝え方がとても素敵だと思いました。僕は誰かと話す時に、強くて含みのある一言だけでなく、その言葉に行き着く前後や背景についても全部説明してしまう癖があるのですが、米津さんは出来る限り言葉を尽くして話してくださる時もあれば、きっとあえて言葉数を減らしてこちらに想像の余白を与えて話しているような時もあって。それがとても魅力的でした」</p>
<p>──誰もができることじゃないですね。</p>
<p>「真摯なんだろうなって。取り繕っていたり、嘘があったりすると、説明する時の言葉に真実味が出なくなってしまう。けれど、真剣に打ち込めば打ち込むほど、例え少ない言葉数であっても的確な言葉選びになるんだろう、と思います」</p>
<p>──自分の中の思考がクリアになるまでやるっていうことなんでしょうね。</p>
<p>「そうだと思います。作り手として僕もこういう人でありたいな、と強く思った出会いでした」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
奥山由之『BEST BEFORE』
<p>アートディレクション／平林奈緒美<br />
寄稿／伊藤貴弘（東京都写真美術館 学芸員）／河尻亨一（編集者）<br />
発行／青幻舎<br />
定価／￥8,800</p>
<p>Amazonでのご購入はこちらから</p>
<p></p><p>The post 奥山由之インタビュー「個から個への強い気持ちは人間の“普遍”にタッチできる」 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>奥山由之 × edenworks「flowers」展＠渋谷パルコ</title>
        <link>https://numero.jp/news-202001230-parco-museum-tokyo</link>
        <pubDate>Wed, 29 Jan 2020 23:00:20 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Art]]></category>
				<category><![CDATA[exhibition]]></category>
		<category><![CDATA[edenworks]]></category>
		<category><![CDATA[Yoshiyuki Okuyama / 奥山由之]]></category>
		<category><![CDATA[Shibuya Parco / 渋谷パルコ]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>生前に花を愛した祖母が暮らした家を、自身のアトリエとしている写真家／映像作家の奥山由之。広告、CDジャケット、雑誌に加え、テレビCMやミュージックビデオまで幅広く活躍する一方で、フラワークリエイターの篠崎恵美（edenworks／エデンワークス)が提供する、棄てられてしまう花々をアトリエに飾り、祖母と対話をするように撮り続けてきた。</p>
</p><p></p><p>篠崎恵美</p>
<p>本展では、その貴重なプライベートワーク作品を公開。独自の感性で花の可能性を見つけ、独創的に表現してきたedenworksによるインスタレーション空間で展示を行う。</p>
<p>会場では、奥山が撮影したedenworksの花の写真をプリントしたアイテムや、奥山由之×edenworksの数量限定POST FLOWER（ドライフラワー入りポストカード）も発売。会期途中からは、インスタレーションで展示された花々をドライフラワーに加工し、オリジナルパッケージに入れ数量限定で販売する企画も。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>昨年11月にグランドオープンした渋谷パルコのミュージアムで開催される、注目の展覧会。この機会を、どうぞお見逃しなく！</p>
<p>「奥山由之×edenworks exhibition “flowers”」<br />
会期／2020年1月31日(金)～2月16日(日)　<br />
会場／PARCO MUSEUM TOKYO<br />
住所／東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ4F<br />
開館時間／10:00〜21:00<br />
※入場は閉場の30分前まで<br />
※最終日は18:00まで<br />
料金／一般¥500、学生¥400、小学生以下無料<br />
URL／art.parco.jp</p>
<p></p><p>The post 奥山由之 × edenworks「flowers」展＠渋谷パルコ first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
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