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    <title>Numero TOKYOSharar Lazima / シャラ ラジマ | Numero TOKYO</title>
    <link>https://numero.jp</link>
    <description>クリエイションが詰まったインターナショナル・モード誌『Numero TOKYO』のWEBサイト</description>
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        <title>シャラ ラジマの新プロジェクト「HOLY BLUE」がスタート</title>
        <link>https://numero.jp/news-20251102-holyblue/</link>
        <pubDate>Sun, 02 Nov 2025 02:00:16 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[News]]></category>
		<category><![CDATA[Fashion]]></category>
		<category><![CDATA[Sharar Lazima / シャラ ラジマ]]></category>
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            <![CDATA[<article>
                
         
            
    
                 
                    
                        
                    
                
            
                 
                    
                        
                    
                
            
                 
                    
                        
                    
                
            
            
        
    
                
                    Real Summer Tops（Pink / Navy）¥12,500
                
            
                
                    Kirameki Anklet（Silver 925) ¥17,500
                
            
                
                    Kirameki Earrings（Silver 925) ¥19,500（11月上旬発売予定）
                
            
        
        
        
         
            
                
             
            
                
             
        
    
        
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        <p class="first_section"><p>「HOLY BLUE」は、シャラ ラジマのルーツである南アジアの精神性と、東京のストリートを揺らすリアルな音楽的日常が交差して生まれたプロジェクト。「生きているすべての人が自身のリズムを持っていて、それ自体が非常に音楽的な営みである」との想いから、“踊り子”をテーマに掲げ、“神聖なお守り”のようなアイテムを提案する。</p>
</p><p></p><p>Real Summer Tops（Pink / Navy）¥12,500</p>
<p>踊る人のために作られた100％リネンのレイブウェアや、光や太陽をイメージしたチャームとインド舞踊の鈴を組み合わせたアンクレット、「Sharar」を意味する“輝く光”に着想を得て生まれたモチーフの新作ピアスなどをラインナップ。</p>


	


<p>（左）Kirameki Anklet（Silver 925) ¥17,500<br />
（右）Kirameki Earrings（Silver 925) ¥19,500（11月上旬発売予定）</p>
<p>自分らしく表現する人のお守りのような存在として、そっと寄り添ってくれるはず。</p>
<p></p><p>HOLY BLUE<br />
URL／https://holybleu.base.shop/<br />
Instagram／@holybleuforall</p>
<p>&nbsp;<br />




シャラ ラジマ 「当たり前の肌の色」 
Culture / 23 01 2024



</p>
<p></p><p>The post シャラ ラジマの新プロジェクト「HOLY BLUE」がスタート first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>軍事アナリスト小泉悠と、シャララジマ＆リサタニムラが語る映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』</title>
        <link>https://numero.jp/20241022-civilwar/</link>
        <pubDate>Tue, 22 Oct 2024 05:00:47 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[Lisa Tanimura / リサタニムラ]]></category>
		<category><![CDATA[Yu Koizumi / 小泉悠]]></category>
		<category><![CDATA[Sharar Lazima / シャラ ラジマ]]></category>
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		<category><![CDATA[cinema]]></category>
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            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>現在、公開中の『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、A24が史上最大の予算で製作した注目作。アメリカの分断が進んだ国内戦争を描く本作について、軍事アナリスト小泉悠と、モデルのシャララジマとエディターのリサタニムラが意見を交換。各々が考える見所、監督の意図、本作のテーマとは。<br />
※一部ネタバレがありますので、ご注意ください。</p>
<p>今回取り上げる作品は……<br />
</p>
シビル・ウォー アメリカ最後の日
<p><br />
<br />
ストーリーの舞台は、連邦政府から19の州が離脱し大規模な分断が進んだアメリカ。各地で西部勢力と政府軍による内戦が勃発している。キルステン・ダンストが演じる戦場カメラマンのリー・ミラーと戦場カメラマン見習いのジェシー、ジャーナリストのジョエル、ベテラン記者のサミー、老若男女4人組は、ホワイトハウスで大統に領単独取材を行おうと車でNYCからワシントンD.Cを目指す。その道中で目の当たりにしたのは、戦地となった自国の変わりようと憎む合う国民の姿だった。</p>
<p>三人による「映画を見て、戦争と平和について考えてみよう」鼎談 第一弾はこちら</p>
</p><p></p>
	

<p>【参加者プロフィール】<br />
（右から）<br />
小泉 悠<br />
軍事評論家、軍事アナリスト。ロシアの軍事・安全保障政策を専門とする。東京大学先端科学技術研究センター准教授を務める。千葉県出身。ユーリィ・イズムィコのペンネームでも知られ、多くの著書を執筆。</p>
<p>リサタニムラ<br />
『Cult* Magazine』ファウンダー。東京で生まれ育ち、10代で渡英。ロンドン、ベルリンに居住後、日本に帰国。アート、ファッション、音楽の領域で政治的・哲学的な側面を国際的な視点で捉えるプロジェクトや作品を手がける。</p>
<p>シャラ ラジマ<br />
広島県出身。バングラデシュをルーツに持ち、東京で育つ。国籍や人種の区別に捉われず、雑誌や広告、ランウェイにモデル出演。雑誌連載の文筆業のほか、ベイFM『シャララ島』ではラジオパーソナリティを務める。</p>
<p></p>もしもアメリカで内戦が起こったら。<br />
A24が描くアメリカの仮の未来
<p>リサタニムラ（以下L）「映画製作会社A24のファンで、公開作品をずっと追っています。インディペンデントなクリエイターと制作方法で、常にハリウッド大作とは異なる視点を与えてくれる作品が多い。今作はA24に興味がない人にも刺さるようなテーマと内容だったと感じました。今年の４月に公開したアメリカでもヒットしたようですね」</p>
<p>シャラ ラジマ（以下S）「低予算だけど、アート性が高い作品を作る姿勢のプロダクションだよね。ミュージックビデオのような映像美やニッチなサブカルチャー的な要素が多用されている。あとは、ホラー映画にも力を入れていたり」</p>
<p>小泉悠（以下K）「それに比べると、いわゆるハリウッド大作感がありましたしね。主に戦車とヘリコプターあたりに、予算はだいぶかかってるなと思いました（笑）。CGじゃないものが結構混じっていたと思います。あとは戦争ものなのに、光とかカメラワークがやたら凝っているなと。確かにミュージックビデオっぽい表現でした」</p>
<p>S「やはり軍事的な演出に注目したんですね（笑）。特にどこのシーンですが？」</p>
<p>K「ホワイトハウスの壁を戦車が乗り越えるところ。普通の乗用車ってガソリン17km／Lとか20km／Lくらい走るんですが、戦車って、大体500m／Lしか走れないんですよ。50tくらいある車体を動かすので燃費が悪いし、少し動かすだけでもとてもお金がかかる。本作に出てきたM1というアメリカ戦車はマスタービーエンジンを積んでいて、陸上自衛隊の戦車よりもさらに燃費が悪いと思うので200m／Lくらいかも。アメリカ陸軍の主力戦車ですが、借りて動かすだけで、あのロケをするのに一体いくら費用がかかるのか。ヘリも本物だろうし、その辺りにハリウッド的なスケールを感じたんです」</p>
<p>L「IMAXで上映されるということで、迫力ある戦闘シーンでした。戦地と化したワシントンDCを空撮するシーンも迫力があって、ホワイトハウスが潰されるまでのシークエンスも目が離せなかった」</p>
<p>K「ワシントンDCのビルの上から迫撃砲を撃っているシーンもやたらリアルで。『ここは抑えるよね、やっぱ』という納得感がありました。出演している兵士の人たちは、軍隊経験がある人だと思うんです。爆発音が大きすぎると、号令が聞こえなくて取り残される人がいるので、移動するときに肩をトントンたたくとか、そういう決まった動作をきちんとやっている。銃撃シーンも実弾に近いレベルの火薬を入れて、戦場に使い音響の設計にもこだわっているそうで。俳優たちの驚き方も演技のレベルを超えていましたし、リアルな戦場の描写と表現への熱量がすごかったです」</p>
<p>ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.</p>
<p></p><p>L「アメリカでの予告編では“Adrenaline-fueled”つまり“アドレナリンがみなぎる”作品と紹介されていたんです。その文言で誰が映画館に行くだろうと考えたときに、アメリカの戦争作品が好きな人、もしかしたらちょとコンサバな人かもしれないと。日常的にウクライナやパレスチナのリアルな戦場の情報を追っている人たちは、果たして観るのかな？とも思いました」</p>
<p>S「正直、リアルな戦争の映像はSNSで日常的に流れているもんね。でも、内戦がテーマだから、アメリカだけで起こることとは限らない。どの国の人にも当事者性があるんだと思う」</p>
<p>L「アレックス・ガーランド監督がインタビューで語っているのが、この映画を作った理由は２つあって、１つはジャーナリズムを讃えたかったと。例えば、ジャーナリストが政府の不正を暴いて大統領が失脚したウォーターゲート事件みたいなことは、現代社会では起こりえないと言うんです。２つ目は、世界中で起きている分断の危うさについて。監督は英国人なんですが、舞台になるのは、アメリカでもどこの国でもよくて、観る人が考えるきっかけになればいいと語っています。確かに興味本位で鑑賞した人が、ガザなど戦争で起きていることを自分ごととして考えられるきっかけとなる作品なのかもしれないと思いました」</p>
<p>ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.</p>
<p></p><p>K「ジャーナリストについては、戦場カメラマンのリーもそうですが、サミーのことじゃないかなと思っています。おじいちゃんだし大した動きはしない人物だけど、古き良きアメリカを覚えている人として描かれています。ウォーターゲート事件で有名になったボブ・ウッドワードという伝説的なジャーナリストがいますね。彼はのちにブッシュ政権がいかにいい加減な理由でイラク戦争を始めたかを暴いた『攻撃計画』という本を書いていますが、このようにアメリカにかつていた骨のあるジャーナリストの化身として、サミーは出てきたのではないかという気がしました」</p>
<p>L「ネタバレになりますが、サミーは最後の最後で若者たちを救ってくれる。かつてのジャーナリズムが、これからの未来を救うのではないかと監督は語りかけているんでしょう。メタファーなんですよね」</p>
<p>S「最初、リー達はなぜカメラばかりを使うんだろうと疑問でした。普通に考えたら、スマートフォンで撮った方が早いしネットに拡散できる。その後の話の展開で、作中のアメリカではネットは使えなくなっており、ジェシーがスマホを所持しているのはフィルムカメラの現像に使うからだと分かります。極限の状況では、フィルムさえ残ればデータは消えないし、アナログなものが強いのかなと思いました。逆にネットがある状況なら、戦時下の最前線でもジャーナリズムを発揮できるのではないかと思いました。ただ、ネットによって情報が錯綜して何が真実かがわからなくなる可能性があり、それはジャーナリストにとっても同じ。そうなると戦争や政治において、広報として記事が出ることもあると考えると、ジャーナリズムがどこまでの範囲を指し、どんな意味を持つのかわからない。事実と憶測の判別について受け手側にもリテラシーが要求されているなと思いました」</p>
<p>K「ネットがなくてもジャーナリズムの力は大きいんだと思います。1960年代のヴェトナム戦争では、ロバート・キャパみたいな戦場写真家が最前線まで行って米兵がこんなひどいことしているぞと暴いたりした。まさに、アナログのカメラで撮影して『LIFE』や『週刊朝日』などの雑誌媒体にバンと写真を掲載したわけです。そうすると、スキャンダルが世の中に伝わって「これはひどいじゃないか、許せない」となるわけです」</p>
<p></p><p>ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.</p>
<p>K「ある新聞記者のエッセイで、伊勢湾台風のときに愛知の支局にいたという話があって。沿岸にあった大工場で被害を受けた人がたくさんいたらしいんです。彼は現地の人と惨状を一緒に取材していたら、そこに東京から大物記者が来た。周囲を気にせずに、浸水したところを船で一回りだけして帰ってしまったらしくて。『冷たいやつだな』と思っていたら、その後その人が書いた記事で、大工場で働く人は貧しい人ばかりで、浸水が起きやすい危険な地域に住まわされていたということが分かった。重役たちは高台に住んでいて、みんな無事でしたということを指摘したんだそうです。このように、必ずしも現場で危険にさらされなくても、ジャーナリズムは成立しうると思っているんです。政府とかの公式発表だけを伝えるのであれば、TVも新聞もいらないですよね。政府とは違う視点、政府が知って欲しくないことを提供することが、ジャーナリズムなのではないかと思います」</p>
<p>S「日本はジャーナリズムがうまく機能しているんでしょうか。大学ではマスコミニケーション学部でジャーナリズムを専攻しました。リー達みたいな人たちを思い描いて進学したんですが、正直内容は報道の3原則や記者クラブ的なことを教わって『あれ？』って感じだった。日本では鋭い指摘をしたり、切り込んだ批判的な記事はあまり目にしないし、ジャーナリズムは日本にいると感じにくくて理解できないのかも」</p>
<p>L「報道の自由度も年々下がっている。180カ国・地域のうち日本は70位でG7中最下位だった。私はメディアスタディーズを学んだのですが、言語哲学者のノーム・チョムスキーの著書『マニュファクチャリング・コンセント マスメディアの政治経済学』などを読んで、いかに政治がジャーナリズムを牛耳っているかを知りました」</p>
<p>K「いわゆる古き良きジャーナリストは、“どこの政府にも汲みせず何が起きているかを暴く。このままではいけない”という態度でした。リーを始めとする４人組と共通するのかなと。しかしこういう活動に、賢い米軍はいち早く気がつくんです。どんなに戦場で成果を上げても、このジャーナリストに批判されるとダメなことがあると。次の湾岸戦争くらいから“メディアさんいらっしゃい”みたいな感じでプレスツアーを組んで連れて行っちゃう。イラク戦争ではさらに洗練されたプレス戦略を行った。ロシア軍も90年代前半の最初のチェチェン戦争では、世界中のジャーナリストが現地入りしていた。でも、残虐行為をどんどん暴かれちゃうので、99年の第二次チェチェン戦争では締め出していたようです。もともとメディアの力は、戦争においても大きな影響力があることは早くから世の中に知れ渡っていて、どう使うかまたは排除するかが焦点になっている。それもあって、作中の４人組は至る所でこいつらは何者だという目で見られるんでしょう」</p>
<p>S「実際、戦場ではプレスは攻撃から守られるんでしょうか。作品からは分からなくて。ガザで多くのジャーナリストが犠牲になっていますが、国際的なルールとかあるんでしょうか？」</p>
<p></p><p>K「国際条約はなく、戦争によると思います。どちらかというと、プレスだからというより、戦争に関する国際法上の非戦闘員保護みたいな扱いになるんじゃないかと。とはいえ、非戦闘員の犠牲って出ているじゃないですか。専門家ではないのですが、軍事上の合理性がある場合は巻き添えを出してもしょうがないという判例になっているらしくて、軍事的な合理性と比例原則と呼ぶらしい。国によっては、プレスに配慮していたら軍事作戦が成り立たないと判断するのでしょう。アメリカだと大問題になるから、そこまでのことはしないと言っていますが。ロシア軍もやるだろし、イスラエル軍に関しては国連職員でもプレスでも、まとめて吹っ飛ばしている現実がある」</p>
<p>S「報道を通して現在起っている戦争の映像を見ていると、プレス戦略的なことは当たり前になっているのかなと感じます。本当は一般人に見せられないようなことが起きていて、目の前で流れている映像は一部の見せられる情報だけなのではないかと疑ってしまう」</p>
<p>K「そう考えるべきでしょうね。作中で、政府直属のレポーターとカメラマンが出てきますが、彼らに比べると、リー達はアウトロー。そんなに崇高な存在ではなく野次馬でやっているだけなのかもしれないけど、少なくとも広報係じゃない」</p>
<p>L「そういった意味だと、SNSは政府や検閲などを介さずに個人が発信できる手段。今後のジャーナリズムを担うのは、個人なのかなと。とはいえ、TikTokやインスタグラムはプラットフォームがガザについての投稿を検閲して消していますが」</p>
<p>K「でも、SNSはどこかの国の巨大企業が所有するプラットフォームです。そこを締め付けるのは難しくない。SNSは職業記者じゃない人も発信できるいい面もあるけど、その分、情報の確実性は大幅に下がりますね」</p>
<p>S「世代的にSNSから情報を得ることが多いですが、発信者が職業記者なのか素人なのか判断できない時がある。職業記者の語り口を知らないし、個人の主観や憶測なのかも見分けにくい」</p>
<p>L「そう考えると、写真というメディアは日本語で真実を映し出すと書くけれど、果たしてどうなのだろう。リーとジェシーが目の前にある惨状を淡々と写していく姿は衝撃的です。映画の中でも、彼らが撮影した写真が途中で差し込まれますよね。動いてた画面が、どう切り取られたかがわかる演出になっている。その時点で、情報が書き換えられていることがわかります。普段、見ている写真やイメージも、写真になった時点で現実とは違う情報だということを改めて認識しなくてはならないなと思いました」</p>
<p>K「報じる、誰かに伝える時点で、すべては伝えきれないのじゃないでしょうか。写真や文字にした時点で、ごっそり抜け落ちるものがある。その中の何を残すかは、権力だと思うんです。つまらない日本のマスコミ論の授業でも、マスコミは第4の権力と言われるわけじゃないですか。揶揄的に使われることもありますが。作中でリーやジェシーが構えるカメラも、何だか銃に見えてくる瞬間があって。目的地に車で乗り付けて降りてくるとき、いわゆる戦争映画だと銃を構えた兵士が登場しますが、カメラを構えた女性たちが出てくる。撮影自体は誰も殺さないけど、どこを撮るかという権力は行使しているんです」</p>
<p>L「確かに、アメリカの評論家スーザン・ソンタグが、著作『写真論』のなかでで写真を撮ることは暴力的な行為だと言っていて。カメラと銃を比較して論じているんです。被写体を自分の視点で切り取り、彼らを使いたいように使うというのには、客体と主体、被支配と支配という関係性が生まれる。そういった意図があったのかもしれないですね」</p>
<p>K「何か揉め事があると、スマートフォンのカメラを向けることが日常的にありますしね。もはや一種の敵対行為（笑）。昔だったら、一眼レフの何十万円のカメラを使いこなせる人ってほとんどいなかった。今はみんながカメラ付きのスマホを持ち歩いているとうのは、暴力手段の拡散としても考えられるのかもしれない」</p>
<p>S「対して、ジェシーはマニュアルのカメラだと露出とか調整するの大変すぎない？って見ながらずっと思っていたんですよ。フィルムの入れ替えも面倒だし。リーはデジカメでしたね」</p>
<p>L「ジェシーのフィルム代って、めちゃくちゃ高額になるんじゃないかと気になりました（笑）。でも、言葉では語られませんが、往年の写真家と同じくフィルムで情報を残すことに価値を見出していたのかもしれないです」</p>
<p>ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.</p>
<p></p>これまでにない新感覚の反戦映画として
<p>S「怖かったのは、マット・デイモンにそっくりの俳優、ジェシー・プレモンスが演じた超冷酷な軍人。アメリカは他民族国家なのに分断となったら、まずは分かりやすく自分と異質なものから弾いていく。理由が明確にあるわけでもなく、“非アメリカ人”または“自分とは違うアメリカ人”を始末していくんです。移民が多くさまざまな容姿や思想が溢れて多様性が重んじられてきたからこそ、ああいった人間の仕分け方になるんだなと。日本は私のような人種が違う移民は少ないので、内戦時は実はターゲットになりにくく安全なんじゃないかとすら思いました」</p>
<p>ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.</p>
<p>L「驚いたのが、フロリダの人はギリ大丈夫なんだっていう、絶妙な線引き（笑）。</p>
<p>K「アジア人差別もあったしね。香港、中国でだめなら、同盟国とはいえ日本人もパールハーバーとか言われてアウトだろうなあ（笑）」</p>
<p>S「サミーは黒人だったけど、どうなったんだろう。“自分とは違うアメリカ人”としてダメなのかな。あの超冷酷軍人が、ホワイト・トラッシュやレッドネックの比喩だとして、銃を持っているだけで何が起こるかわからない恐怖がありました」</p>
<p>L「この映画で思ったのは、国によって国民の心に刺さる武器って違うということ。とにかくアメリカ人は銃！建国した瞬間からのアイデンティティなんでしょうね」</p>
<p></p><p>ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved. </p>
<p>K「人間って不思議なもので、他国が攻めてきたときよりも、革命の時の内戦の記憶のほうが強く残っていたりする。ロシアも18世紀にポーランドが攻めてきたとき、大内乱になってモスクワの人口が1／3くらいになった。言葉が通じて、同じような飯を食べている同士の争いのほうが陰惨なんですよね。映画の中で、洗車機に吊るされていた人たちはその象徴。2022年にアメリカの政治学者バーバラ・F・ウォルターが『アメリカは内戦に向かうのか』という本を出していますが、南北戦争があったアメリカのように一回内戦している国って、あれを繰り返したら本当にやばいという意識があると思うんです。“シビル・ウォー”は、そもそも南北戦争のことを指す言葉です。作中のWF（西部連合） というのは、当時の南部連合かけているのでは。南北戦争では北軍が「海への進軍」という無差別破壊戦をやっているんです。南部連合が国家として存続できないくらい街を焼け野原にするという。WF（西部連合）の異常な残虐さは、この逆写しなんだと思う」</p>
<p>L「実際、いまのアメリカって内戦になりうるレベルの分断が起きているのですか。どれくらい可能性が高いのかな。もちろん、大統領選を前だからということはあると思いますが」</p>
<p>K「正直なところ、実際には起きないかもしれないけど、過去百何十年の中で最もアメリカ人がその危険を感じているとは思う。アメリカの専門家ではないので、なんとなくの発言になってしまいますが。どちらかというと、大統領選はその結果なのかもしれません。J.Dヴァンスがトランプ大統領の副大統領候補としてなぜ支持されるのかなど含めて。彼の著書『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』は意外にも面白い。彼は貧しくてさらにDQN家庭育ちだという…。アメリカから一番軽蔑されているヒルビリーの実情と、彼らが何でそうなってしまうかの論理を文学的な筆致で描いています。彼は実際に海兵隊員だったから、アメリカの若者がよくわからない正義のために死んでいくことにも憤りがある。国家秩序とか民主主義といった理想がすっかり形骸化して、そんなものはうんざりだという人が結構いるんじゃないですかね。で、まだそういう理想を信じている人たちのことを憎んだり軽蔑したりしている」</p>
<p>L「アメリカはNYとLAだけ別世界みたい。アレックス・ガーランド監督が言っていたのが、他の国の人たちは下手したら自国の政治よりもアメリカの政治に関心があって詳しいと言っていて。本当にそうだなあと。</p>
<p>K「確かに自分自身も全くの日本人ですが、トランプが大統領になったら日本の安全保障、貿易、気候変動がどうなるんだと気にしているんですよね。縁もゆかりもないのに、世界の構造上、私たちの生活に直結するようになっている」</p>
<p>S「もしかしたら日本の自民党総裁選よりも、関心が高いのかもしれない。自民党総裁よりも米国大統領の方が、日本国民の生活に影響力があるはずはないだろうに」</p>
<p></p><p>撮影の指揮をとるアレックス・ガーランド監督 ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.</p>
<p>K「アレックス・ガーランド監督は英国人の映画監督ということで、スタンリー・キューブリック監督を思い出しました。彼の『博士の異常な愛情』という作品があります。アメリカの空軍のジャック・リッパー将軍がトチ狂って、この世は全てディープステート（当時の場合は『共産主義者』）のようなものに支配されていて、水道水にはフッ素が入っていて男性を皆不能して、アメリカ人の子どもが生まれないようにしていると思い込む。その果てに、先に自分の核爆弾でソ連を壊滅させなければという思想に取り憑かれて使命感で核戦争を始めようとするんです。そんな将軍の元にイギリス空軍から派遣されてきた将校があの手この手で、核戦争をやめさせようとするんですが、これは象徴的でしたね。イギリス人はアメリカ人のことをすごくよくわかっているから、アメリカが変になったら最初に気づく。でもアメリカを羽交い締めにして止める力は自国には無い」</p>
<p>L「確かに。冷静な視点でアメリカを描くという点では、イギリス人の監督だからできたことなのかもしれませんね。すごく深いところで幅広い層の人たちの戦争に対する意識を変えようとしているのかも知れません。</p>
<p>K「先ほど、アドレナリンが出るという話が出ましたが、どこで出るかですよね。普通の戦争映画でもアドレナリンは出ると思うんです。戦争映画って、銃を持った気持ちで鑑賞する人が一定数いますし。リドリー・スコット監督の『ブラックホークダウン』を観ると自分もブラックホークに乗ってM４カービン小銃を持ち戦場にいる気がしてくる、そういうアドレナリンなんですよね。『シビル・ウォー』は、自分は何もできない、そんな処刑台に立たされているようなアドレナリンなんですよね。殺される側の気持ちを味わえと監督に突きつけられているような…」</p>
<p>L「IMAXだ、銃だ、戦車だ、戦争だと言って映画館に行くと、あれ、カメラ？なんか違うぞっていう（笑）」</p>
<p>S「自分の命もここまでなのかもっていう気持ちは味わえましたね。終末を迎える人の立場になるから、アドレナリンが出るんだと思う。記者のジョエルに関しては、戦場に向かうと決まった瞬間に異常な興奮をしていた。記者であっても戦争は変なテンションになるものなんだろうな」</p>
<p>L「それに対して、リーはとても冷静。彼女が戦場を撮る動機は、台詞にあるように『アメリカに警告を発してる』というものだからなのかも。終盤は諦めているような、辛そうな表情が印象的です。ラストも衝撃的でしたが」</p>
<p>K「サミーが亡くなってから、リーは写真を撮らなくなって完全に無気力になっちゃう。とうとうアメリカ合衆国の最後の瞬間を見ていることへの絶望なんだと思う。彼女のモチベーションだった、アメリカへの警告が、ついに現実になり最悪の状況になったことへのショックなのかなと。自分自身は割と国家に対して信頼を置いている人間なので、国がああなったら立ち直れないと思う。彼女にそんな愛国心があるかはわからないけど、あのアパシーを個人的にそう理解しました。最後のジェシーのリーに対する態度、次の行動にすぐ移るところはちょっと理解しがたかったなあ」</p>
<p>S「ジェシーが戦場で写真を取り出してから、徐々にリーは撮影する量が減っていったのは、リーの使命がジェシーにどんどん乗り移っていったのではないかと。彼女の人格を引き継いだというか」</p>
<p>L「ジェシーの顔つきもだんだん変わっていって。彼女の成長を追っていましたよね」</p>
<p>S「この作品を通して戦場カメラマンの現地での動きみたいなものが分かって良かった。正直、自分も最前線で何が行われているかを見てみたいという気持ちになったし、戦場カメラマンに抱く一種の憧れみたいなものも理解できました」</p>
<p>ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.</p>
<p></p><p>K「最後までわからないのは、アメリカが何をめぐって内戦しているか。いきなり首都陥落が目前という前提で話が始まるので。そこは、監督にとって大事なことではないのだなと。個人的にサミーが好きな登場人物で、太った老体を押してでも、DCに向かったというのは、アメリカのゴールデンエイジを知るものとして、最後を見届けなければと思ったのでしょう。1982年生まれの自分は、アメリカが光り輝いた最後の時代を見ているし、裏を返せば冷戦でソ連が潰れたからアメリカが一強になったのも知っている。アメリカの国会議事堂が襲われるとか、こんなにもバラバラになっているというのは、高校生の自分が知ったら信じられないと思うんです。サミーは、ボロボロになったアメリカに、自分の人生を否定されたような気持ちなったのではないですかね。なので命懸けの姿には、勝手に胸を打たれましたね。サミーが母国の崩壊していく姿を見つめている心情は、きっとウクライナ人が自分の国を見ている気持ちと同じなんだろうなと。普通に生活できていた場所が廃物的なものに置き換わっていく。ドンバス地方を除けば、ウクライナの人たちはここ30年は平和に暮らしてきたわけで。ガザの人たちは、ずっと戦争状態の中だったので、もっとその喪失は長引くものなのかもしれない。サミーは、ゴールデンエイジの日常を内面化した人の辛さみたいなのを感じました」</p>
<p>S「サミーとは年齢こそ違いますし、私もそういったことは縁遠いことだと思っていたんです。でも最近私のルーツであるバングラデシュで学生が主導する革命が起きました。以前の政権を追いやって、現在は臨時政府で対応していて国が不安定な状態です。イスラム教が大多数の国をルーツに持つ女性としては、これからの政治的状況によっては立場が弱くなる可能性もあって、日本という先進国で育ってしまった自分としては非現実的なことに感じました。よく考えるのは、バングラデシュはインド的な文化の上にイスラム教があるので、文化と宗教どちらが強いのだろうということ。ここ数年は子供時代に過ごした国の景色が大きく変化してきていました。服装は基本サリーだったのが、イスラム色が強くなっていく過程でヒジャブの人が増えていっている。サリーを着た美しい女性たちを見るのが好きだった身としては、文化ごとひっくり返されて奪われているような気持ちになる。まるで知らない国になっていく様子を見ているいまは、サミーの感覚に近いかもしれません」</p>
<p>K「世界をひっくりかえされる側の悲しみは計り知れない。ロシアのウクライナ侵攻初頭の2022年3月にウクライナのキーウ近郊のブチャとその周辺で、ロシア軍が民間人を殺害したのも、NHK『映像の世界 バタフライエフェクト』的なモノクロの映像の世界で見ていたことが、2022年に行われているのも衝撃的でしたし。ブチャは平穏な住宅街だったので、本当にショックが大きかったです」</p>
<p>S「文明が進化するとともに、人々のリテラシーは良くなって、頭脳も賢くなっているはずなのに、それでもこのような戦争や殺戮を繰り広げることができる。実は後退しているんじゃないかと感じることすらあります」</p>
<p>L「アメリカが舞台でないと成立しなかったと思うのは、アメリカは南北戦争以降、自国が戦場になっていないんですよね。もし舞台が日本やバングラデシュだったら、生々しすぎるというか。ここまで、多くの人の共感を呼べなかったのではないでしょうか」</p>
<p>K「内戦が起きても、アメリカは正規軍と西部連合それぞれの戦闘力がすごいので、海外から攻め込まれることはない。ロシアや中国もですが。大国において最大の敵は自国だという。アメリカは銃を捨てられない国だから、一度火がつくと本当に大変なことになる。あまり世界の先行きが明るいとは思えない結末でしたが、多くの人に見てもらいたい作品ですね」</p>
<p>S「結末は、スタンリー・キューブリックの『フルメタル・ジャケット』感もありました。ピュアな若者がまた一人、戦場に染まってしまったという意味で」</p>
<p>K「戦争映画は、ヒーローものになりがち。特にアメリカ映画は美談にする傾向があります。最近は、ロシアも薄っぺらいヒーローものの戦争映画を作っていて、まあつまらないですね。あとは、ベラルーシの会社が戦争を題材にしたゲーム『ワールド・オブ・タンクス』を作っています。ロシア国防省とタイアップして、ロシア国防省の中央軍事博物館には『ワールドオブタンクス』部屋があって、戦時下を体験できるという。このように、マッチョな感覚で映画を作るとヒーローやエンタメになる。または『博士の異常な愛情』みたいな悪いジョークみたいになるか。本作は一味違っていて、どこにも行き場はなく、一貫してどよ〜んとしているんですよね」</p>
<p>L「中立的な視点で終始淡々と語られるので、ある種のアメリカのリアリズムを感じました。結末は、もう「各自持って帰って考えてください」って感じもある。そういう意味ではやはりA24らしい作品だったのかも。新しい感覚の戦争映画として、意義深いと思う。一見面白そうなSFだけど、後味の悪さで内省させてられるんですね」</p>
<p>K「本当に。『トップガンマーベリック』と同時上映したほうがいい（笑）。最後の結末は、「この愚かな戦争をやっているのはお前だ」と突きつけてくる感じすらある。戦争映画のメッセージの届け方として「戦争は悲劇だからいけないんですよ」という描き方があります。反戦映画って往々にして主人公や見ている人は被害者。あの４人組は被害者ではなく、戦争に対して客体ではなく主体で自分たちが戦争の一部になっていますよね。だからこそ、見た人は自分の物語としてしまう後味の悪さがある。珍しい印象を残す作品かもしれません」</p>
<p>L「リーは最年少でマグナムに所属したという設定もあり、監督の戦場カメラマンへの憧れと尊敬、あとちょっとした哀愁を感じる。また、ああいうジャーナリズムがこの世の中に戻ってくるのか。それに関しては描かれないことが、一番SFっぽいかも。アメリカの内戦の物語よりも、ずっと夢物語に感じます」</p>
<p>K「さっき話になったSNSは大手新聞社やTV局ができない発信方法だけど、人々の行動に関してまだコンダクトはできていないんですよ。それが今後作れたら、新しいジャーナリスト像が生まれるかもしれませんね」</p>
<p></p><p>ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.</p>
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』 
<p>監督／脚本：アレックス・ガーランド<br />
キャスト／キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラ、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、ケイリー・スピーニ―<br />
配給／ハピネットファントム・スタジオ<br />
原題／CIVIL WAR｜2024年｜アメリカ・イギリス映画｜PG12<br />
https://happinet-phantom.com/a24/civilwar/<br />
ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.  All Rights Reserved.</p>
<p>TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 軍事アナリスト小泉悠と、シャララジマ＆リサタニムラが語る映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>小泉 悠×リサタニムラ×シャラ ラジマ鼎談：映画を見て、戦争と平和について考えてみよう</title>
        <link>https://numero.jp/20240731-sensotoheiwa/</link>
        <pubDate>Wed, 31 Jul 2024 03:00:14 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[Lisa Tanimura / リサタニムラ]]></category>
		<category><![CDATA[Yu Koizumi / 小泉悠]]></category>
		<category><![CDATA[Sharar Lazima / シャラ ラジマ]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
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            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>ウクライナ・ロシア戦争に、パレスチナ・イスラエル戦争。さらに日本の周辺国においても核兵器や政治的な緊張が報道される昨今。そこで、日本に暮らす、ルーツも年代も異なる３名が戦争について考えるきっかけとなった映画作品を挙げて各々の戦争観を語り、平和について考えます。（『ヌメロ・トウキョウ（Numero TOKYO）』4月号掲載）</p>
</p><p></p>
	

<p>【参加者プロフィール】<br />
（右から）<br />
小泉 悠<br />
軍事評論家、軍事アナリスト。ロシアの軍事・安全保障政策を専門とする。東京大学先端科学技術研究センター准教授を務める。千葉県出身。ユーリィ・イズムィコのペンネームでも知られ、多くの著書を執筆。</p>
<p>リサタニムラ<br />
『Cult* Magazine』編集長。東京で生まれ育ち、10代で渡英。ロンドン、ベルリンに居住後、日本に帰国。アート、ファッション、音楽の領域で政治的・哲学的な側面を国際的な視点で捉えるプロジェクトや作品を手がける。</p>
<p>シャラ ラジマ<br />
広島県出身。バングラデシュをルーツに持ち、東京で育つ。国籍や人種の区別に捉われず、雑誌や広告、ランウェイにモデル出演。雑誌連載の文筆業のほか、ベイFM『シャララ島』ではラジオパーソナリティを務める。</p>
<p></p>戦争にまつわる原体験
<p>リサタニムラ（以下L）「母方の親族が広島出身で、お墓の墓誌に1947年8月6日の日付があり、家族を被爆で亡くした実感がありました。一方で小学生のとき憤りを感じたのは、社会科の教科書。日本がアジアで行った大虐殺や731部隊による人体実験の記述が不十分で。それから高校生になり、留学先のイギリスで『ブリジット・ジョーンズの日記』を見て。ブリジットが思いを寄せるイケメンについて『彼は日本人の元妻に浮気されたのよ。残酷な人種だわ』という台詞があり、一緒にいた友人たちは大爆笑！ 世界で日本を残虐な国だと思う人がいると実感し、とてもショックでした」</p>
<p>『ブリジット・ジョーンズの日記』（2001）<br />
2歳の独身女性が生活習慣を改め、恋人を見つけると決意。仕事と２人の男性との恋に悩む日常を日記で綴るラブコメ。　U-NEXTにて配信中</p>
<p>小泉悠（以下K）「1982年に生まれ、両親も戦争経験がなく、祖父母が経験した世代です。僕の場合は不健全な関心で、第二次世界大戦の体験記を読んで「わあ、軍艦かっこいい」と、そのままプラモデル屋に。後に母が所属していた反戦団体が開催する原爆写真展で、レイモンド・ブリッグズ原作のアニメ『風が吹くとき』を見ました。かわいい絵柄に反して内容はエグい。初老の夫婦が当時の民間防衛政策を言われるがままうのみにし、核爆弾による放射線障害で苦しみながら、じゃがいも袋に入って死ぬ。イギリスらしいブラックジョークと捉えていいのかって感じの結末で、小学生の頃は放射能が怖くてたまらないトラウマチックな時期もありました。大人になりロシアの核戦略を専門に研究するようになったのは、恐怖からだと思っています」</p>
<p>『︎風が吹くとき』（1986）<br />
英国の田舎に住む老夫婦。政府の核戦争に対するパンフレットに従いシェルターを準備する中、核ミサイルが着弾する。 ©MCMLXXXVI<br />
『風が吹くとき』（日本語＜吹替＞版）のリバイバル上映が決定！　＜声の出演＞ジム：森繁久彌 ヒルダ：加藤治子　＜スタッフ＞原作・脚本：レイモンド・ブリッグズ　監督：ジミー・T・ムラカミ　音楽：ロジャー・ウォーターズ　主題歌：デヴィッド・ボウイ「When The Wind Blows」　日本語版監督：大島渚　8月2日（金）より新宿武蔵野館ほか全国順次公開<br />
https://child-film.com/kazega_fukutoki/</p>
<p></p><p>シャラ ラジマ（以下S）「私は広島で生まれ、一度バングラデシュに戻り、10歳から東京で生活しています。バングラデシュはもともとイギリス領インド帝国で、祖母はイギリス、インド、東パキスタン、バングラデシュと４つの母国を経験しているんです。母はバングラデシュが東パキスタンと戦争して独立した71年生まれ。核こそ落とされていないけど、空爆から逃れるため、新生児のときに疎開しました。南アジアは川が多いので逃げるために渡ろうとしてパキスタン軍に見つかると、みんな射殺されてしまう。母を見つけたパキスタンの軍人は娘が生まれたばかりで、たまたまうちの家族は見逃してもらえ生き延びたそうです。祖母からは「日本人はみんなおかっぱ頭でもんぺだ」と聞かされていて、日本に来たら全然違うやんけって（笑）。小学校で『火垂るの墓』を見て、祖母の日本についての記憶は第二次世界大戦で止まってたんだと気づき、同時期に家族が広島の原爆ドームや資料館に連れていってくれて、遠くで聞いていた日本の戦争のパズルがつながったのを覚えています」</p>
<p>K「71年、日本は高度経済成長期で繁栄し、印パ戦争が起きたことを知らない人が多いはず。『火垂るの墓』も最後のシーンで、お金持ちそうな家族が自宅に帰ってきて女の子がうーんと伸びをする。清太と節子が痩せ細って死にそうなときに、疎開先の軽井沢なんかから帰ってきた人たちなんでしょう。あと『火垂るの墓』は『となりのトトロ』と同時公開で、節子とサツキは同い年の設定だとか。節子も死なずに済んだら、ああいう未来もあったのかなあと。戦争って恐ろしいねと言いつつ、現実の惨状はなかなか見えてこない」</p>
<p>『火垂るの墓』（1988）昭和20年、神戸。空爆で両親を亡くした14歳の清太と4歳の妹の節子は、頼れる大人もいない防空壕で生活を始める。 © 野坂昭如/新潮社,1988<br />
発売元 ウォルト・ディズニー・ジャパン ¥5,170（税込）</p>
<p>『となりのトトロ』（1988）小学生のサツキと妹のメイは母の療養のため父と農村へ引っ越す。裏山に住む不思議な生き物と出会い、心を通わせていく。 © 1988 Studio Ghibli</p>
<p></p><p>S「『アラビアのロレンス』は、イギリスとオリエンタリズムのテーマが自分と重なる部分がある。アラビアの美しい文化への憧れと人々の争いが隣り合わせにある構図が生々しい。最近パレスチナ・イスラエル戦争でよく語られるイギリスの二枚舌外交の一枚目ってこれかと理解できます。バングラデシュの国籍だと、国がパレスチナ側を支持し、イスラエルを国家として認めていないので、イスラエルに入国できないんですよ。なので私にとって戦争は国家間より民族間のイメージが身近で」</p>
<p>『︎アラビアのロレンス』（1962）イギリス将校のロレンスがアラビア人たちと交流し独立闘争への支援を約束するが、イギリス政府の意向で裏切ることに。 U-NEXTにて配信中 © 1962, renewed 1990, c 1988 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.</p>
<p>K「舌は３枚目もあるしね（笑）。かつての覇権国家イギリスや、いまの軍事大国アメリカ、昔のソ連やロシアはろくでもないことをする。大国の国民は日々どう向き合うかを強いられるんだろうと想像します」</p>
<p>L「英国の寄宿学校は、CCFと呼ばれる軍事訓練があり、日本人なのにイギリスのために戦う準備を強制されたのはつらい思い出。『いざ戦争が始まったら、自分はどうなってしまうんだろう』とよく考えていました」</p>
<p>S「『フルメタル・ジャケット』はアメリカの軍人の立場で戦争を考えられる作品。若いピュアな男性が怒鳴り散らされて人格を破壊され、物質的な兵器になっていく。PTSDにもなるはずだなと。ラストも本当に衝撃的で…」</p>
<p>『フルメタル・ジャケット』（1987）ベトナム戦時下の米国、海兵隊に志願した青年たちは訓練所で厳しい教練を受ける。戦地へ渡り戦った敵の狙撃兵は…。 U-NEXTにて配信中</p>
<p>K「キューブリックは、本当にすごい。怒鳴りっ放しのハートマン軍曹は本当の海兵隊員なんですよ。役者がイマイチで撮影チームにいた元海兵隊員のスタッフにやらせたら、怒号がうまかった（笑）。『連合艦隊』は娯楽大作映画ですが、おじさん役者たちの声が腹から出ている感じがする」</p>
<p>S「あの軍曹の迫力、異常だと思ったけど、やっと納得がいったわ（笑）！」</p>
<p>『連合艦隊』（1981）太平洋戦争の日独伊三国同盟締結から戦艦大和沈没までの海軍連合艦隊の興亡を、2つの家族の人間模様を交錯させて描く。 © TOHO Co., Ltd -</p>
<p></p><p>K「『ジャーヘッド』は若い兵士たちが集団生活で、おバカをさんざんやるんです。自分の高校生時代を思い返してもこうなりそうな人たちが戦地に行くと思えるリアルさがある。最近だと『ドローン・オブ・ウォー』が印象的。ドローン部隊の操作員が毎日家から出勤し、遠隔でイラク上空からミサイルを落として心を病む。一方で大ヒット作『トップガン マーヴェリック』は敵の軍人がバイザーかなんかをしていて、人らしく見えない。殺してもあまり罪悪感がないんです。でも自分たちの身内に関しては、とてもセンチメタルな話が展開されて。そういう身勝手さは必ずあるんですよね。『SF核戦争後の未来・スレッズ』は、イギリスが核攻撃を受けて生き残ってしまった人の地獄を描いている。血まみれの中、放射能の残骸が降り、医者もいない。80年代当時のイギリスの映像作品の核戦争のヴィジョンは全く忖度がなかった」</p>
<p>『ジャーヘッド』（2006）父親と同じ海兵隊員になった青年が過酷な訓練を経て湾岸戦争下のサウジアラビアへ。しかし任務は退屈な油田警備だった。 U-NEXTにて配信中 ©2005 Universal Studios. All Rights Reserved.</p>
<p>『ドローン・オブ・ウォー』（2014）米国空軍の元パイロット、トミー・イーガン少佐はラスベガスの基地のコンテナ内でドローンを遠隔操作し殺戮を続ける。 U-NEXTにて配信中</p>
<p>『トップガン マーヴェリック』（2022）<br />
米国海軍の養成学校トップガンに、伝説のパイロットマーヴェリックが教官として帰還。生徒には親友グースの息子がいた。 ©2022 Paramount Pictures.</p>
<p>『SF核戦争後の未来・スレッズ』（1984）<br />
BBC制作。英国北部で米国らNATO構成国とソ連間で核戦争が勃発した場合に人類と地球への影響をシミュレーションした作品。</p>
<p></p>多様な視点とナショナリズム
<p>L「以前テレビで見た戦後60年特別企画番組で、原爆を投下した兵士ポール・ティベッツが『戦争を終わらせるために仕方がなかった。私は絶対に謝らない』という発言をしていて。痛感するのは、戦争にも歴史にもいろいろな視点があるってこと。ロシア・ウクライナ戦争では、日本で目にするのは圧倒的に西側のメディアの情報で、ウクライナをサポートする視点が多い。一方で、ロシアのメディアは全く違う主張をしている。戦争は、さまざまなナラティブ（語り）があって、物語を紡ぐ人によって全く異なったものになっていく。だからいろんな視点を与えてくれる映画、音楽、エンターテインメント、SNSはすごく大切ではないかと。ニュース、プロパガンダ、歴史などにおいて消えていってしまう個人的な物語、本来は知り得なかった視点を誰かに届けられると思うんです」</p>
<p>K「戦争で難しいのが、他の視点をどう扱うか。僕は今回の戦争で、ロシア仲間に「おまえは西側の話ばかりしている」って批判されるんです。いや、私は日本で唯一参謀本部の会報を購読しているんだけどって言い返すしかなくて。メインストリームでオーソリティー（権威）のある言説と違うことを取り上げると、確かに違う視点にはなります。その場合、ただ違う視点にシフトしただけで、メインストリームが見えなくなる人が少なくない。CNNやNHKが信用できないといって、ロシアトゥディだけを見ている人って、そっちの視点にどっぷりはまってしまいがちで。カメラの向きが変わっただけで視野が広くなったわけではない。そうならないために、広い視点を持ち続けるのは結構大変です。いまだにこうだっていう答えはないと思うんです。</p>
<p>L「思い出すのは『ハンナ・アーレント』の言葉。ユダヤ人の彼女がアイヒマンというナチズムの悪の根源とされていた人物をひもとくにあたって、ユダヤ人の指導者たちにも責任があるのではないかと問い、ものすごくバッシングされた。『私はユダヤ人であるとか、ドイツ人であるとか、労働者階級であるとか特定の集団や人種に対して愛を感じたことはない。唯一愛するのは自分の友人だけであって、その他の集団を愛することはできない。自分がユダヤ人だからといって、すべてのユダヤ人を愛するとは限らない』と言っていて。人種や階級を超えた視点だと思いました。国を語るときに、ついそれが自分のアイデンティティのように思い、イデオロギーと固く結びつきがち。でも人間はそんな単純ではない」</p>
<p>『ハンナ・アーレント』（2012）60年代、ユダヤ人哲学者ハンナ・アーレントはアイヒマン裁判を傍聴するが、大量殺人を指揮した被告の凡庸さに当惑する。配給　セテラ・インターナショナル 発売・販売元　ポニーキャニオン デジタル配信中 Blu-ray＆DVD好評発売中 ©2012 Heimatfilm GmbH+Co KG, Amour Fou Luxembourg sarl,MACT Productions SA ,Metro Communicationsltd.</p>
<p></p><p>K「その視点がないと、現在のイスラエルの蛮行を非難できなくなってしまいますよね。ただ、本当に中立の立場から物事を見るのはとても難しいとも感じています。仕事柄、周りは基本的に安全保障関連や自衛隊の人たち。彼らにハンナ・アーレント的な視点になれといっても難しいと思う。なんなら私自身も、ハンナ・アーレント的な立場でいたいし、そういう人がいてほしい。二つをどう両立させるか」</p>
<p>S「ハンナ・アーレント的な考えの反対って何だろう。ナショナリズム？」</p>
<p>K「多分そう。でもナショナリズムという言葉も多義的で、めちゃくちゃ右翼的なことを指す場合もあるし、もっと単純な郷土愛、国家へのアレジャンス（忠誠）みたいなものもあると思う」</p>
<p>S「安全保障的な意味でナショナリズムは、どんな意味合いになるんですか。私は越境しているからナショナリズムがあまりなくて、自分はバングラデシュ人より“南アジア系”と言っています。大陸だから、あの辺りをまとめて言う以外、納得感がなくて」</p>
<p>K「戦争研究者がナショナリズムという言葉を使った場合、その国の人が自分の国のことを自分たちのものだと思っているかの尺度だと思います。今回、プーチンがウクライナを攻めたとき、ウクライナ人は大した愛国心を持っていないと思ったわけですよ。攻めたら諦めるか、近い国だしロシアの一部に戻ってもいいと思っているだろうと。でもウクライナ人たちは、ふざけんじゃねえって抵抗した。かつて東パキスタンと呼ばれたバングラデシュのアイデンティティ問題が難しいのもそうで、どこに線を引くかはフィクション。完全にその時の人間たちの思想や雰囲気で決めているので。でも一回作られたフィクションって強固なんですよ。ときに戦争の火種になるくらい」</p>
<p>L「日本なら、アイヌ、沖縄、在日朝鮮人の方々など本当は多くの人種が存在しているのに、フィクションの中に落とし込まれて、存在しないかのようになってしまっていないか。そこに目を向けたとき、実は日本が単一民族国家ではないという当たり前の事実に気づくかもしれないし、日本人ってそもそも何だろうと考えることができるかもしれない。『この世界の片隅に』の日本が敗戦して、朝鮮人の方々が国旗を掲げている最後のシーン。意味のある描写だと思います」</p>
<p>K「仮に国家や民族がフィクションだとしても、それを解体する方法が暴力ではいけない。今回、プーチンが用いた方法が近くて、ウクライナ人という民族が存在しない、またはロシアの一部なんだと論文を書いて言っているんですよ。ウクライナ人がロシアと一緒になるというのならそれでもいいと思うし、逆にロシア連邦もあんなに広いのだから分割されても構わないと思っていますが、その方法がいまみたいに一般人を殺し、街を壊して財産を奪い解体するのは間違っていると思うんです。そういったことを企むやつがいるなか、日本としてどうするのか。安全保障屋さんはそういう思考になるんです」</p>
<p>『この世界の片隅に』（2016）昭和19、20年の広島が舞台。戦争で身近なものが失われていく中、工夫を凝らして日々を生きていく女性の姿を描く。 © 2019こうの史代・コアミックス / 「この世界の片隅に」製作委員会</p>
<p></p>表現が果たす役割は
<p>L「戦争や核兵器に興味を持つのって、不謹慎だけど意外とグロテスクで血なまぐさいところだったりする。小学校の図書館で『はだしのゲン』の漫画を見て『グロい！』みたいな」</p>
<p>S「いまは、SNSで上がる戦争の動画や画像を見たくないって話題になるし、私も気持ちが引っ張られてきついなと思うときはある。戦争は『はだしのゲン』みたいな恐怖や衝撃とともに記憶に焼きつけないと、人は簡単に忘れてしまうと思うし、そもそも戦争自体がそれ以外で表現できるものでもない。過剰にグロテスクなものを排除して見せない社会も、容易に心を戦争へ向かわせるんじゃないかと感じている」</p>
<p>L「これまで教科書や新聞が現実の戦争の圧倒的な残虐さを伝えられていなかったとして、その分カルチャーの作品表現がその部分を担っていた。だけど、現在はTikTokやInstagramで現地の動画をダイレクトに目にできるわけではないですか。では、現在カルチャーができることって何だろう」</p>
<p>K「難しいですね。戦争はいろんな顔を持った現象なので、どのシーンを切り取るかがカルチャーの役割。前の戦争で日本社会はかっこいいシーンしか切り取らなかったわけです。でも僕自身は、戦争は悲惨なことしか起きないですよと教えられて。だから戦争を語るとき、軍隊はなぜか人を惹きつけるダークな魅力があると認めて語らないといけない。かっこいいけど非常に気をつけないといけないよと言わないと、簡単に多くの男性が魅了されると思う」</p>
<p>S「新幹線や自動車が好きで、かっこよく感じる感覚に近いのかな。このネット、SNS社会で、現実に存在することをなかったことにするのは無理がある。やっぱりいびつな結果を招くよね」</p>
<p>L「多様な視点があることを知り、何が自分の考えに近いかを知ることが大事なのかも」</p>
<p>K「それぞれの言い分がどうなっているのかを解明するまでは僕たち研究者の仕事だけど、安全保障というのは結局、究極的にどういう価値を実現したいのかという、人間の価値観の問題なのかもと思うようになったんです。そう考えた時、ロシアの侵略がうまくいく世の中は甚だ困る。だからこういう立場を取ろう、と考えられるのかなと。試されるのは、どれだけ自分が明確なヴィジョンを持ってどういう世界に生きたいと思っているか。それがふわっとしていると、別にどうでもいいんじゃないですかというふうになるかもしれないし、逆に絶対こうなるべきだというヴィジョンがあれば、世の中に物申すアクションを取れるようになるのでは。僕自身は2010年生まれの子どもがいて、彼女が22世紀初頭までは生きると考えたとき、その下地をつくる責任はあると思っています。みんな言い分があるにせよ、暴力で解決しない世の中にしたいと思うし、核兵器はすぐにはなくならないけれど、使われたときに人類が滅亡しないレベルまでは減らしたい」</p>
<p></p><p>L「自分の子どもは、ものすごく個人的で明確なヴィジョンですね。漠然とした大きな世界平和に対して、一個人でもいきなり解像度が上がるというか。個人の視点もすごく大事なんだな」</p>
<p>K「今日、日本にミサイルが飛んできていないのは日本の抑止力のおかげかもしれないし、北朝鮮の金正恩の気まぐれかもしれない。目に目えない安全保障が具体性を帯びるのはミサイルが何発みたいな話もあるけど、実際にどうなっていたいかという視点こそが手触りを感じられるフックになる」</p>
<p>L「安全保障や軍隊、経済制裁のようなハードパワーと呼ばれる強制的な抑止力になるものに対して、映画や物語はソフトパワーと称されて、文化や価値観を持って人々の共感を生むもの。私たちみたいなカルチャーやファッションを生業にしている者からすると、戦争ってあまりにも遠くに感じる。小泉さんのように最前線にいるわけでもなくて、どこかで戦争が起きても相変わらずファッションやアートの話ばかり。罪悪感を感じます。でもこんなときだからこそ、カルチャーにはハードパワーにはない力もあるようにも感じたり。まずできることは自分の物語は何かと問い続けることなのかもしれない」</p>
<p>K「僕は決して最前線にはいなくて。ミサイルや戦車の話をするから前線との距離が近く感じるのかもしれません。でも物理的な距離は皆さんと同じ」</p>
<p>S「私たちからするとだいぶ最前線に感じる（笑）」</p>
<p>L「私たちはかなり後方部隊（笑）」</p>
<p>K「ハードパワーは局面を劇的に変える力はあれど、できることは限られている。物事の長期的なコースを変えられるのはソフトパワー。ロシアがこの戦争で怒られるのって、国連憲章違反だからなんです。武力紛争というのは問題解決の手段にしてはいけないと70年前くらいにルールを作ったわけですよ。その上で無実の人を拷問して殺してはいけないという価値観を僕らが持っているからですよね。ソフトパワーの影響があるからだと思う。日本は軍事大国ではないんですよ。私たちの業界でいう軍事大国というのは、核を持っているか否か。日本は軍事的なエスカレーションに最後までついていけない。そんな国としては、やはりハードパワーだけで解決できない分、ソフトパワーのほうをそれなりにしっかり頑張らないと。日本の安全は全うできないどころか、周辺国と戦争しないでいることもできなくなるでしょう。僕から言うと、むしろカルチャーの方が全然、前線に近いんじゃないですか」</p>
<p>L「最近、韓国ってすごいと思う。みんな韓流やK-POPが大好きで、ここまでお互いズブズブになったらもう戦争できないでしょう。下の世代は特に」</p>
<p>K「11年前のロシアの国営テレビのお正月番組の総合司会って、当時お笑い芸人だったゼレンスキーだったんですよ。彼はお笑いコンビで旧ソ連版M-1で優勝もしている。“関係がここまできたら大丈夫っしょ”という感覚は意外と脆いのかもしれない」</p>
<p>S「K-POPの男性アイドルや韓国の俳優たちは兵役へ行ってるよね」</p>
<p>K「でも諦めないでいろんなものを積み重ねていくことが大事。日韓関係は少し前と比べたら今はずっといいに決まっている。それを続けていかないと、いつまでもハードパワーの世界であり続けるし、それは望ましくないこと」</p>
<p>L「日本公開が遅れた『オッペンハイマー』。クリストファー・ノーランは素敵な映画監督だけど、アメリカって歴史の教科書での原子爆弾の扱いが日本と違う。歴史的な正しさを伝えるよりは、お金を稼ぐ大作のように思えて。日本にはいまも被爆された方がいるし、ずっと引っかかっていて」</p>
<p>『オッペンハイマー』マンハッタン計画に参加した、ロバート・オッペンハイマーは原子爆弾の開発に成功。 しかし実戦で投下され、苦悩する。 監督、脚本：クリストファー・ノーラン 出演：キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr. 配給　ビターズ・エンド ユニバーサル映画 © Universal Pictures. All Rights Reserved.</p>
<p></p><p>K「本当に難しいよね。でも、アメリカから見た原爆というさまざまな視点の一つではある。僕個人は不快なものも含めて、言論は自由であるべきだとは思う。見てみないと批判もできないわけだし。50、60年代の日本社会はあっさり原爆を忘れて、アメリカが使ったスーパー兵器くらいに受け入れていた時期もあるらしくて。その後のマーシャル諸島の核実験で日本の漁船が死の灰を浴びて、あらためて原子力について考え直すタイミングが来た。つらい思いをするかもしれないけど、一回みんなで見てみて議論してみたらどうかなと思っています」</p>
<p>S「原子爆弾を経験した人が周囲にいない若い世代こそ、見てみたらいいのかも。作品についてSNSで議論がされて、新たな視点と出会うきっかけになったらいいのではないかと思います」</p>
<p></p><p>The post 小泉 悠×リサタニムラ×シャラ ラジマ鼎談：映画を見て、戦争と平和について考えてみよう first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>シャラ ラジマ 「当たり前の肌の色」</title>
        <link>https://numero.jp/20240123-sharar-lazima/</link>
        <pubDate>Tue, 23 Jan 2024 05:00:11 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[Sharar Lazima / シャラ ラジマ]]></category>
		<category><![CDATA[Living in Colors]]></category>
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            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>本誌1・2月合併号「カラフルに輝くファンタジーへの誘い」（p.70〜）でモデルも務めてくれたシャラ ラジマ。周りとは違う肌の色を生まれ持った彼女が肌色をめぐる思索を通じて社会を考える。（『ヌメロ・トウキョウ（Numero TOKYO）』2024年1・2月合併号掲載）</p>
<p class="picture"></p>
</p><p></p>「当たり前の肌の色」
<p>文・シャラ ラジマ</p>
<p>思い返せば思春期の頃から、私は美容やおしゃれに疎かった。これは私の経験に裏付けされるもので、女の子が色気付いて美容やメイクに関心を持つ中高生の頃に、もちろん私も関心を持った。</p>
<p>しかしメイクをしてみようと、みんなと一緒に駅前の大型薬局に行ってみても、まずファンデの色がなかった。当たり前だ、当時まわりにほとんど外国人がいない環境で育っていた。血筋的には韓国や中国人などのアジア系が混じっている人はいたが、一目で顔と肌の色が違う南アジア系は私だけ。一人だけ明らかに肌のトーンが違う私の色のファンデーションだけポンと置いてあるはずがなかった。</p>
<p>ファンデーションだけではない。書店で見かける雑誌やテレビで見かけるメイクは全てアジア人用の、当時は清楚モテ系のメイクが流行っていた。日本の人から見たら明らかに濃すぎる顔と肌の色である私のモテとは、どこを基準点にすれば良いのだろうか。アイシャドウやリップはどんな色が合うだろうか？ベースの色が違う場合、例外についての記述や参考はほとんどどこにも見当たらなかった。</p>
<p>デジタルネイティブ世代とはいえ、その頃の私はまだインターネットディグの技術は全然間に合ってなかった。そして何よりも、めんどくさがりでズボラな私にとって美容は最優先事項ではないのかもしれないと考え、すぐに諦めた。</p>
<p>有色人種に生まれて、小さく細かい問題はほかにもいくつかある。例えばファストフード店でバイトをしていた頃、制服のスカートの下に「肌色」のタイツを履かなければならなかった。規則通りに履いたタイツは生脚を隠すどころか、明らかに身体の他の部位から浮いていて、むしろ目立ってしまっていた。</p>
<p>「肌色」という言葉は、私自身も今も昔も日本人の基準で使ってしまっているし、今後も読者の認識と同じ「肌色」を指しているが、この言葉は私の肌の色ではないんだなと、こういった経験の積み重ねで知っていくことになる。小学生の頃に購入したクレヨンの「肌色」もオレンジと桃色の間のような淡い色合いだったと思い出す。</p>
<p></p><p>個人の趣味で留まる範囲であれば、化粧をしない、タイツを履かないことで私側が工夫すれば、これらの問題は取るに足らないかもしれない。だがモデルの仕事を始めて、自分の身体が社会に露出された時、これらはどうにかできる問題でなく、私自身のデメリットとハンデになった。</p>
<p>モデルという「理想的な姿と身体」を持つとされている職業に、親しみのない肌色の外国人で、しかも褐色の肌に対して髪の毛を金髪にし、目には青いカラコンという姿で挑んでいるのは、美の評価基準の場外にいた私のアナーキズムだ。偶然にもヌメロ・トウキョウは初めて仕事をした雑誌である上、今回も偶然同じ号でモデルの仕事をいただいた縁がある媒体である。ここではプロフェッショナルの手によって読者にはなんの違和感もなくモデルをやってる人と思われるかもしれない。美の価値基準の中での良しあしでなく、少し前まで場外だった者がこの壇上で、ページの中であなたに会えていること自体が奇跡であることをよく理解してほしい。</p>
<p>例えばモデルの仕事ではオーディション、フィッティングや撮影の時など服の邪魔にならないように常に肌色の下着を着る。私の肌の色に馴染むようなベージュ系の下着はほとんどないので「肌色」の人が着るものを身につける。撮影する際の服が下着の見えない形や素材であれば問題ないが、透けている素材の場合、私の肌の色では明らかに「肌色の下着」は浮いてしまっていて「肌色の下着」の役割を果たしておらず、いつもブランドやスタイリストさんに対して申し訳なく感じていた。もちろん海外には私の肌の色に馴染む下着があったかもしれないが、今ほど知られていたわけではないことと、BLM以降により多様化していったように思う。</p>
<p></p><p>どう考えても身体的にお金にならない私を「かっこいい」のひとことの言葉でモデルに誘ってくれた前事務所の社長は永遠に私の恩師だ。ファッションは目に見えないかっこいいを売る仕事だと今も信じてる。</p>
<p>私の「元」の肌の色というのは一体どの箇所をいうのだろうか。顔と比較すると、胸やお腹は明るいし、かといってお尻などの紫外線が当たらない部分であるにもかかわらず肌の色が暗く、特に脚は上半身と比べても格段に色が暗い。このように日焼けをせずとも、パーツによって色が違う私のような肌はとても捉えづらい。<br />
将来シミができるのかさえ私にはわからないが、最低限の肌のダメージを防ぐために日焼け止めを塗っている。色白でないわたしはすでに七難を晒し続けていると思うが、自分にとっての肌の健康と美しさを守っていけるように独自に調べながら試していくしかないのだ。</p>
<p>モデルの仕事を始めたての頃は、プロのメイクさんは皆きっと誰よりも私の生かし方を知っているはずだろうと、一点の疑いもなく身を任せていた。だがプロのメイクさんでも私の肌の色は難しく、白浮きするような仕上がりになることがあった。アジアの血が入ったハーフでもない上に、パーツで肌のトーンも違うため、正直とても難しかったと思う。無駄に硬派で謙虚だった私は、プロの最大限がこれということは「私の肌の色」がこの世の中でも特に良くないのだろうと思いを仕舞うようにしていた。</p>
<p></p><p>しかし仕事をしていく中で、当たり前に私の肌の色を生かすことができる、色彩感覚がとても優れてるベテランの人にも多く出会っていった。特にレジェンドのメイクアップアーティストUDAさんにメイクしてもらった時はいままでにないほど美しい肌にしてもらった。私の肌色のファンデーションのトーンに黄い色を混ぜることで自然と馴染む仕上がりになり、私は「あぁ私の肌の色でもメイクをしてもいいんだ」と心の底から認められた気持ちになった。今でこそ知ることができたが、「南アジア系」の肌の色は特に難しいと業界でも言われているそうだった。普通のファンデーションを塗ると、なぜか全体的な印象が「緑」「カーキ」になる。それは他の色の濃い人種の黒人の肌の色とも違う。UDAさんはそのベースの色味を自然と「黄色」で打ち消したのだろうと理解できた。ベースとなる色が全く違うし、肌のトーンも本当に様々であるから、まだ南アジアの人種の肌に特化した化粧品の開発は進んでいないのだろうなと推察した。</p>
<p>そういった様々な技法をメイクさんたちに教えてもらいながら、初めてデパコスや海外のブランドだったら自分に合ったものを見つけることができるとアドバイスしてもらった。有色人種のモデル仲間にも「仕事の時、ファンデーションの色どうしてる？」と聞くと、「念のためいつも自分のファンデ持ち歩いてるよ、私たちの色持ってない人もいるからね」と教えてもらい、そんな技もあるのかと学習する。無駄に謙虚だった私はプロのメイクさんにそんなことしていいのかと驚いたが、どんな経緯があれど、容姿のコンディションが悪く見えてうまく写れないことで仕事がなくなるのは私たち側だ。美しく写ることは死活問題なんだと学んだ。</p>
<p></p><p>ブルベ春やイエベ夏などのメイクのあれこれから整形や美容医療まで、世に溢れていて流れてくる情報は無限にある。そういったものに当てはまらず参考にできないことというのも、マイノリティの一種の孤独でもある。そうして自分に不足する部分を、圧倒的な想像力で賄う必然性が生まれる。技術の革新はもちろん先進国の白人からのトップダウンだったわけであって、今ではその構造も変わりつつあり、私が偶然にも育ってしまったアジア圏にはもちろんアジア人が大多数で、彼らのための情報に溢れていて当然だ。</p>
<p>自分の特異性も十分に理解しているので、そういったことに文句はないが、このような時に感じる孤独というのはきっとマイノリティ同士、その経験がある者でないとわかり合えないものなのかもしれない。未来から見た私はただ時代の転換に挟まってしまっているだけの存在かもしれなくて、これからもっと色んな技術が進歩し、私にも想像がつかなかった価値観が生まれていくだろう。</p>
<p>でも一見こんな個人的に見える経験や思考は、同じ立場のマイノリティの人にとってだけではなく、実はマジョリティにとっても新たな発見の機会になるかもしれない。そもそもその「マイノリティ」と「マジョリティ」の立場だって、地域と時の運で常に変わり続けているのではないか。私はこのうねるような時代の転換期に一つでも多くの焦点を打つように、アーカイブを残しているに過ぎないのだ。</p>
<p></p><p class="btn_entry">
特集「色とりどりの人生」をもっと読む</p>
<p></p><p>The post シャラ ラジマ 「当たり前の肌の色」 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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