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    <title>Numero TOKYOSetchu / セッチュウ | Numero TOKYO</title>
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    <description>クリエイションが詰まったインターナショナル・モード誌『Numero TOKYO』のWEBサイト</description>
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        <title>仕立てのいい服、シルエットの美しい服</title>
        <link>https://numero.jp/20241031-well-made-well-constructed/</link>
        <pubDate>Thu, 31 Oct 2024 07:00:47 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
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        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Fashion]]></category>
		<category><![CDATA[Seeall / シーオール]]></category>
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		<category><![CDATA[Taro Horiuchi / タロウ ホリウチ]]></category>
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            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>一見するとシンプルでミニマルなデザインだけど、そこには計算し尽くされた素材とパターンのバランス、丁寧なテーラリングで魅せる美しいシルエットが存在する。着るとわかる上質さ、洗練されたフォルム、ディテールまでこだわったデザイナーたちの服作り。（『Numero TOKYO（ヌメロ・トウキョウ）』2024年10月号掲載）</p>
<p>※小誌オンラインストア「Numero CLOSET」にて、本記事に掲載しているブランドや商品を一部お取り扱い中。</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
「Seeall（シーオール）」のバルーンスカート
<p>（写真右）貴重なエンブロイダリーレース機による総刺繍を施した古典的なフラワーモチーフの生地を、高密度なポリエステルと立体的なキルトの表現でアップデート。キルト素材独特のハリを活かした迫力のある美しいバルーンシルエット。バルーンスカート¥86,900／Seeall（トーゴ） ヘリンボーンベスト¥52,800／Kanako Sakai（カナコ サカイ） ネックレス（上）¥144,200／Tom Wood（トムウッド 青山店）  （下）¥167,200／Sophie Buhai（エスケーパーズ アナザーワールド） シューズ¥132,000／J.M.Weston（ジェイエムウエストン 青山店）</p>
「Gurtwein（ガーウィン）」のテーラードジャケット
<p>（写真左）シェイプされたウエスト、大胆なネックライン、ヒップを強調するペプラム、大きくなだらかなショルダーといった女性らしさと力強さを併せ持つジャケットは、「ガーウィン」を代表するデザイン。ジャケット。ジャケット¥486,200／Gurtwein（ガーウィン） ナイロンキルティッドビスチェ¥44,000／Fetico（ザ・ウォール ショールーム） パンツ¥55,000／Cobble Du（コブルドゥ） シューズ¥185,900／Pierre Hardy（ピエール アルディ 東京）</p>
<p class="btn_entry">
「Gurtwein」のアイテムをNumero CLOSETでチェック！</p>
<p></p><p class="picture"></p>
「Postelegant（ポステレガント）」のハーフコート
<p>（写真右）メイド・イン・ジャパンのハイクオリティな素材にこだわった「ポステレガント」のダブルフェイスのウールコート。薄手ながら高密度に仕上げているのでハリがありつつも軽い着心地。コート¥165,000／Postelegant（ポステレガント） アシメトリードレープトップ¥132,000／Gia Studios（ザ・ウォール ショールーム） ベルト¥37,400（参考価格）／Atelier Amboise（アマン） ブーツ¥148,500／Giaborghini（ラディモ・インク）</p>
<p class="btn_entry">「Postelegant」のアイテムをNumero CLOSETでチェック！</p>
「Sulvam（サルバム）」のテーラードジャケット クチュールシャツ
<p>（写真左）裏地をも計算したアシメトリーなデザインのジャケット、パリのアトリエにて職人が一枚ずつ手作業で縫い上げた特別なシャツ、ネクタイなど、デザイナー藤田哲平自ら手引きするパターンとクチュール的な手仕事が一つになった。ジャケット¥105,600　シャツ¥95,700　ネクタイ¥41,800／すべてSulvam（サルバム）  シフォンスカート付きショーツ¥113,300／Gurtwein（ガーウィン）</p>
<p></p><p class="picture"></p>
「Issey Miyake（イッセイ ミヤケ）」のアシメトリーシャツ
<p>（写真右）布を身体にまとうという原点に立ち戻り、ドレープ、重なり、折りやねじれを構造に取り入れた非対称なシルエットのトップ。パンツは2本のベルトの結び方で着方をアレンジできる。シャツ[Envision]¥88,000 パンツ[Enclothe Pants]¥ 82,500／ともにIssey Miyake（イッセイ ミヤケ） シューズ¥67,100／Tela（ティースクエア プレスルーム） </p>
「Harunobumurata（ハルノブムラタ）」の コートドレス
<p>（写真左）ミリタリーの要素をエレガントに昇華させたコートとドレスが一体化したデザイン。風を受けるとマントのように空気をはらみドレープが美しく映える。ドレス¥162,800／Harunobumurata（ザ・ウォール ショールーム）トップス¥50,600／Wolford（リトルリーグ インク）シューズ¥108,900／Paul Andrew（アマン）</p>
<p></p><p class="picture"></p>
「Gurtwein（ガーウィン）」 シアーブラウス ガーターパンツ
<p>（写真右）尾州の最高級アルパカ生地とシアーな素材を組みわせたクチュールライクなブラウスに、35枚ものパターン、10本のファスナーによって構成されたガーターベルトディテールのパンツを合わせ、ブランドテーマであるゴシック、ポエティックを表現。ブラウス¥82,500 ガーターベルト付きカットパンツ¥134,200／ともにGurtwein（ガーウィン）  [Amish]ハット¥71,500／Entwurfein （エントワフェイン）  ブーツ¥165,000 ／Giaborghini（ラディモ・インク）</p>
<p class="btn_entry">
「Gurtwein」のブラウスをNumero CLOSETで購入する</p>
「Coate（コート）」のアシメトリードレス
<p>（写真左）美しい素材と確かなパターン力、熟練した縫製士によって丁寧に一枚一枚縫い上げる「コート」。ハイストレッチのウールジャージーが程よくボディをホールドするドレスは、アシメトリーのデザインで、着用することで生まれるドレープや立体感が美しい。ドレス¥319,000／Coate（メゾン・ディセット）  [Viola]ハット¥49,500／Entwurfein （エントワフェイン）グローブ¥42,900／Mame Kurogouchi（マメ クロゴウチ オンラインストア）　下に着けたシースルーグローブ 参考商品／Gurtwein（ガーウィン）  シューズ ¥104,500／Gia Studios（ザ・ウォール ショールーム）</p>
<p></p><p class="picture"></p>
「Mtmodelist（エムティーモデリスト）」のジャケット＆スカート
<p>（写真右）メンズ用レピア織機で細番手の軽く膨らみある糸を使い、高密度に打ち込み織り上げた贅沢なリバー仕立て素材のショートジャケットとロングスカートのセットアップ。モダンとクラシックが共存する佇まい。ジャケット¥64,900 スカート¥63,800／ともにMtmodelist（エムティーモデリスト）フーディ¥39,600／Inscrire（アマン）中に着たボディ¥44,000／Tela（ティースクエア プレスルーム） シューズ¥185,900／Pierre Hardy（ピエール アルディ 東京）</p>
<p class="btn_entry">
「Mtmodelist」のジャケットをNumero CLOSETで購入する</p>
「Setchu（セッチュウ）」の折り紙ジャケット
<p>（写真左）LVMHプライズグランプリを受賞し注目のブランド「セッチュウ」。和洋折衷に由来する名のとおり、古典的なオブジェからインスピレーションを受けシンプルかつ機能的な服に仕上げる。折り紙の折り目やシワに着想を得た、アイコニックな折り紙ジャケットは、きれいに折り畳める上に、モダンでジェンダーレスなデザインへとアップデート。ジャケット（ベルト付）¥231,000 パンツ¥121,000／ともにSetchu（ロンハーマン） トップス¥29,700／Cobble Du（コブルドゥ） シューズ¥152,900／トッズ（トッズ・ジャパン）</p>
<p></p><p class="picture"></p>
「Favi Mercato（ファビ・メルカート）」のブラウスコート
<p>（写真右）「旬をまとう」をテーマに自然素材を活かしたサステナブルなコレクションを展開する「ファビ・メルカート」。木の実由来のカポックを中綿に使用した薄さ5mmのナチュールダウンのブラウスコートは、軽やかさとダウンの暖かさを兼ね備える。裾を絞ってバルーンシルエットにも。ブラウスコート¥63,800／Favi Mercato（オルビーインク／Numero CLOSETでお取り扱い中） 中に着たトップス¥42,900／Mame Kurogouchi（マメ クロゴウチ オンラインストア） 中に着たドレス ¥319,000 シューズ¥74,800／ともにTory Burch（トリー バーチ ジャパン）</p>
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「Telma（テルマ）」のアシメトリースカート
<p>（写真左）独特のパターンが生み出すアシメトリーなシルエットが印象的なスカート。細身のウエスト周り、裾にかけての生地の落ち感とのバランスが絶妙。シャツ¥52,800 スカート¥86,900／ともにTelma（テルマ） 下に着たトップス¥49,500 シューズ¥75,900／ともにFetico（ザ・ウォール ショールーム）</p>
<p></p><p class="picture"></p>
Yohei Ohno（ヨウヘイ オオノ）のドレープドレス
<p>「大人へ向けたクラシック」をテーマに⼤⼈のラグジュアリーな世界と、⼤⼈になりきれていない⼈間の⼼的距離を遊び⼼ある世界観で描いた今季。クラシックな素材であるグレンチェックのウール地を使い、尖ったVネックラインとそこから繋がるたっぷりとしたドレープで身体への馴染みのよさや緩やかな落ち感をデザインした。ドレス¥85,800 ブーツ¥66,000／ともにYohei Ohno（ヨウヘイ オオノ）</p>
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「Taro Horiuchi（タロウ ホリウチ）」のダブルジャケット パネルスカート
<p>大きめのピークドラベルにウエストのシェイプが美しい、ウール調に仕上げたリサイクルポリエステル生地のダブルジャケットに、直線的なカットが入ったアシメトリーなパネルスカートを合わせて。ジャケット¥90,200 スカート¥42,900／ともにTaro Horiuchi（タロウ ホリウチ） シャツ¥35,200／Cobble Du（コブルドゥ） シューズ¥253,000／Paul Andrew（アマン）</p>
<p></p><p class="picture"></p>
「Harunobumurata（ハルノブムラタ）」のコートドレス
<p>コートとドレスが一体化したドレスは前後反対に着用することで違った表情に（p.92と反対に着用）。ドレス¥162,800／Harunobumurata（ザ・ウォール ショールーム） ベルト¥36,300（参考価格）／Atelier Amboise（アマン） シューズ¥152,900／トッズ（トッズ・ジャパン）</p>
「Nonnotte（ノノット）」のステンカラーコート
<p>素材の開発とドレーピングという立体裁断の技法を用いて「人体」と「空気」を意識した服作りを展開する「ノノット」。立体裁断の設計によるシルエットが特徴的なコートは、ウール×コットン×シルクの二重織で、裏面にハリのあるシルクの生糸を使い、織りの密度と技術で天然繊維のみを使用しながらまるでボンディングのようなハリ感を実現した。コート¥154,000／Nonnotte（トーゴ） ドレスシャツ¥46,200／Sulvam（サルバム）　シューズ¥67,100／Tela（ティースクエア プレスルーム）</p>
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「Numero CLOSET」でのショッピングはこちらから</p>
<p></p><p>The post 仕立てのいい服、シルエットの美しい服 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>古今東西を折衷するSETCHUの美学。デザイナー桑田悟史にインタビュー</title>
        <link>https://numero.jp/20240712-setchu/</link>
        <pubDate>Sat, 13 Jul 2024 05:00:27 +0900</pubDate>
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        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Fashion]]></category>
		<category><![CDATA[Satoshi Kuwata / 桑田悟史]]></category>
		<category><![CDATA[Setchu / セッチュウ]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
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            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>LVMHプライズ2023で、満場一致のグランプリを受賞。ハイファッション界隈の目利きたちが今、熱い視線を注ぐ「セッチュウ」はサヴィル・ロウでキャリアをスタートし、20年かけてさまざまなメゾンで経験を積んだ桑田悟史が、パンデミックの最中にミラノで立ち上げたラグジュアリーブランドだ。そのユニークなバックグラウンドとブランドのヴィジョンを聞いた。（『Numero TOKYO（ヌメロ・トウキョウ）』2024年5月号掲載）</p>
<p>XXXXLを着る感覚で、女性がサイズ3を選んでも<br />
生地がより生地らしく、彫刻的に見えるように作っています
</p>
<p class="picture"></p>
</p><p></p>「ないものは作れ」の教育で服づくりに目覚めた子供時代
<p>──デザイナーになろうと決意したのはいつですか。</p>
<p>「10歳になる頃には自分のブランドをやりたいという夢を持っていました。家庭科の授業とか大好きで、ナップサックを作ろうとなったとき、僕は1個では作り足らずに10個くらい作って、さらに刺繍で名前を入れてみんなに配ったり。母親がすごく上手だったんです。お琴をやったり着物を作ったりといわゆる古典的な日本人女性で、僕も上手くなりたくて、どんどん教えてもらっていました」</p>
<p>──最初に作ったのはどんな服？</p>
<p>「5〜6歳の頃、家にあったジャケット2着を解体してみたのがすべての始まりかもしれません。シームというシームをとりあえずバラバラにしたら、なんだかわからないものがいろいろ入っていて衝撃を受けた。これをイチから組み立てていくのは面白そうだなっていう単純な考えです。うちにはレゴ以外、オモチャが全然なかったので、みんながガンダムを組み立てて遊んでいたときに、僕はそれをジャケットで楽しんでいた感じ。『ないものは作れ』というのが母親の教えで、買うという考えが一切ない。金銭的にタイトな教育でした。思い返せばすごくラッキーな環境だったと思います」</p>
<p>──そんな子供期の初心を貫いて、サヴィル・ロウへ。</p>
<p>「ヒースロー空港に着いて次の日には『GIVE ME JOB（＝仕事をください）』のプラカードを持ってサヴィル・ロウに立っていました。英語は話せなかったし、ヤバい日本人がいるぞと噂されていたようですが（笑）、訴えられるわけではないのでそのまま３カ月くらい続けて。そしたらある日『君、面白いね。とりあえずおいで』と誘ってくれる人が現れた。アレン兄弟というイズリントンにある黒人テーラーでした。彼らはコム・デ・ギャルソンのモデルをしたこともあって、ファッションとの関わりもあったので、興味を持ってくれたのかなと思います。実際にサヴィル・ロウで働くようになったのは、そのアレン兄弟のところでインターンをした後。僕はずっと知らなかったのですが、そのテーラーに時々出入りしていた彼の弟さんが、ジョニー・アレンという老舗『ハンツマン』のお偉いさんだったんです。ある日いきなり彼から呼び出しがかかって、働かせてもらえることになりました」</p>
<p></p><p>ミラノにあるアトリエにて</p>
サヴィル・ロウからファッションの世界へ
<p>──同時にセント・マーチンズにも入学。</p>
<p>「イギリスはビザが厳しくて、滞在を続けるためには学生ビザを取るしか方法がなかったから。だったら一番の学校に行きたいと思って応募したら、運良く入学することができました。今も親しくしてもらっているハワード・タンギーという先生がとても理解のある方で、『サヴィル・ロウに就職できた卒業生なんてほぼいないんだから、すでに働いているんだったら学校は来なくていい』と言ってくれた。セント・マーチンズの4年次は、卒業生デザイナーのアトリエで働けるカリキュラムになっていて、そのタイミングでハンツマンを辞めて、ガレス・ピューのところに行きました。まだファッションの経験が少なかったので、やってみたいと思ったんです」</p>
<p>──卒業後、多くのブランドからオファーがあったと聞きました。ご自身でどんなところが刺さったのだと思いますか。</p>
<p>「なんだろう。わからないですが、僕はコーヒーを一杯入れるだけでも全力でやるのが好きなので、いい意味で競争精神があるかもしれません。生地を作るときも同じで、縦糸と横糸さえわかっていたら、生地って簡単に作れるんです。それを知ろうとして実際に生地から作るのか、知ろうとしないで生地は作らないか、っていう差がそこにはあるだけ」</p>
<p>──桑田さんの場合は、全てを知りたい。</p>
<p>「はい。ただ、つねにレーダーは張っていましたし、気になるブランドには自分から作品のPDFを送っていました。あと、当時はまだSNSがない時代だったので、いい評判が出るとそこに集中しやすかったというのはすごくラッキーでした。ジバンシィは反応が早かったです。メールを送った次の日には来てくれと返事が来て、1週間後にはパリに引っ越していました」</p>
<p>──ジバンシィ、イードゥン、そしてYe（カニエ・ウェスト）。サヴィル・ロウから始まったキャリアとしては、振り幅がとても大きいです。</p>
<p>「サヴィル・ロウは誂えの文化であり、究極の形はそこにあると思うので、一生かけてもよかったかもしれない。ただ、サヴィル・ロウには女性服がない。女性のオートクチュールをやってみたい思いがあったのと、母親がオードリー・ヘプバーン好きだったので、そうするとジバンシィですよね。その後にNYのイードゥンに入った理由は、まだ誰もやっていなかったことを彼らがやっていたから。つまりアフリカでものづくりをするという、いわゆるサステナビリティです。実際に行って蓋を開けてみると彼らの服は中国製だったので、全部アフリカ製に変えたいと社長に直談判して、しばらくアフリカに通ったりしました」</p>
<p>──自分のブランドを立ち上げる夢のために、必要なピースを集めていった感じですか。</p>
<p>「サステナブルを武器に商売をするつもりはないですが、サステナブルであり続ける会社をつくるためにはサステナブルなこともわかっていないとダメですよね。イードゥンの後は、コンテンポラリーなブランドの経験が欠けていることに気づいて、ゴールデングースへ。ミラノに住んだことがなかったので、その意味でもちょうどよかった。カニエ・ウェストのところで働いたのも動機は単純で、セレブたちがどんなことを考えて、どういう生活をしているのかを知っておきたいと思ったからです。すごく勉強になりましたし、おかげでヴァージルと出会うこともできました。後に彼からオフ-ホワイトに誘ってもらったときは、すでに興味が次に向かっていたので断りましたけれど」</p>
<p></p><p>春シーズンは、モノトーンのストライプをさまざまなアプローチで表現。ジャケット裏側には共布の帯ベルトが配されており、アレンジ次第でまるで別の服のように着映えする。</p>
<p>──ヴィジョンがとてもクリアです。そして2020年、満を持してセッチュウを立ち上げた。</p>
<p>「本当は31歳で始める人生設計を立てていたので、自分としては遅かったです。日本とイタリア半々でやるつもりだったのですが、その準備のために一度日本に帰国し、ミラノに戻る便でコロナになってしまった。プランを練り直し、ミラノで『セッチュウ』を立ち上げて今に至ります。日本でものづくりをするプランに関しては、当初とは違う形ですが進めているところです」</p>
<p>──ロンドンでもパリでもなく、ミラノを選んだ理由は。</p>
<p>「単純に工場との距離が近いから。小さなチームですが、いつも生地から作っています。例えば先日発表した秋冬シーズンでは、シルク100%でジャカードを作りました。生地屋さんからは売れないだろうといぶかしがられていましたが、いざ発表したらたくさんオーダーがついた。すごいねと生地屋さんも見直してくれたり、そういうやり取りの中で一緒に進化していくのは面白いです。縫製に関してはイタリア各地の工場で、やっぱり同様に直接足を運んで、昔ながらのやり方でやり取りさせてもらっています。そのほうが、人も時間もお金もかからない。取引しているのは、トップメゾンも使っている超一流の工場です」</p>
<p>──ジバンシィ時代などに築いたつながりで。</p>
<p>「それもありますが、同時に僕たちは工場の職人に楽しく作ってもらえるようにキャッチボールを大事にしています。今シーズンはこの部分が気になったから、次のシーズンで改善してね、とか、嫌な工程があったら教えてね、というふうな会話をしています。僕たちの服は基本の作り方が変わらないからできることです。つねに手作業にこだわり、表から見えないところでも改良し続けています」</p>
<p></p>

	


<p>右：ドライタッチで軽やかなダブルブレストジャケット。セッチュウの服は折り紙のように美しく畳みやすいのも特徴。左：最高級のシルクに、葛飾北斎をイメージした色柄をプリント。花の合間に妖怪が潜んでいる。</p>
会社そのものをデザインする
<p>──セッチュウというブランド名はいつ決めたのですか。</p>
<p>「馴染みのある日本語で、発音がしやすくて、高級感のあるもので。ということで、なんとなく前から思い浮かべていたのですが、ブランドを立ち上げるときにやっぱりコレだなと。あと、僕がいなくなったときに、ブランド名が自分の名前だと意味がないなとも思っていて。セッチュウのヴィジョンは、一つのメゾンになることであり、僕は会社をデザインしたい」</p>
<p>──和洋折衷、の折衷ですよね。</p>
<p>「はい。西洋では馴染みのない言葉で、英訳するとしたらcompromiseが近いですが、ややネガティブな響きもあるので『それはやめたほうがいい』とこっちのジャーナリストには言われます。その人には会うたびに『サトシ、答えは見つかった？』と聞かれますし、そこからいつも会話が始まる。そんな答えが出ない感じも含めて気に入っています」</p>
<p>──HPのトップにある水と油が入ったビーカーの写真が象徴的です。</p>
<p>「僕なりの侘び・寂びの解釈です。和洋折衷はまさに水と油の関係だと思います。例えば料理でも、水と油があるから味がまろやかに感じますが、実際のところはどう混ぜても交わることはない。セッチュウのデザインにもそういうところがあって、わざとバランスを崩したところに面白さがある。あれ？なんかエラーっぽいけど、全然きれいだよねっていう」</p>
<p>──あれ？というところでいくと、24年春のルック写真にも違和感を覚えました。粒子が粗すぎるのか、解像度が低いのか。</p>
<p>「気づきましたか？　そうです。1950年代のヴィンテージのフィルムを使って映像で撮って、ローマで現像して、ミラノでカラコレなどをしたものから切り取って、またエディットして、というプロセスを経て作っています。撮影をお願いしたのはマッシミリアーノ・ボンバという映画監督。彼が持っているフィルムカメラを目にしたとき、その機能美がすごく気に入って、これで撮ってほしい！とすぐにオファーしました。普段はハイブランドのキャンペーンフィルムなどを多く手掛けている方ですが、ルックブックとして撮ってもらったのは僕が初めてだと思います」</p>
<p></p><p>定番の型、ボタンの配置や帯ベルトなどのあしらいをシグニチャーに持つセッチュウの服は、シーズンごとに生地、色柄を変えながらアップデートされていく。アイコン的存在の折り紙ジャケットを始め、メンズ仕立ての服をあえて選ぶ女性ファンも多い。「女性に一番人気はサイズ0。でもシーズンによってはサイズ3を選び、XXXXLを着るような感覚でスタイリングを楽しんでいる人もいます。デザイナーとしても、そのときの気分で決めてもらえたらうれしい。それがその人のサイズになります。ジャケットというのは本来ゆったり着るもの。セッチュウでは肩が後ろにちょっと落ちるくらいの計算で作っています」（桑田）。</p>


	


<p>ルックすべて2024年春コレクションより</p>
黒はファッションのすごみ。白は初心を忘れないための色
<p>──興味が赴くままに進む道はリスクも多いのではないかと想像しますが、そんな中でも桑田さんは「絶対に怒らない」とスタッフの人が言っていました。</p>
<p>「何かを決めるときは、絶対に妥協しません。白黒はっきりさせてから進めます。ただ、そのゴールに向かってみんなで何かを作る、その過程には逆に白黒は置いていないかもしれません。そこで起きる化学反応を楽しんでいます」</p>
<p>──桑田さんにとっての白黒はどんな色、存在でしょうか。</p>
<p>「黒はずっと憧れの色でした。ドレスコード上は、タキシードや燕尾服などの礼装を除いて存在しない色だから。サヴィル・ロウでお客さんが黒で作りたいと言ったら断りますしね。でも、ファッションデザイナーなら黒もアリですよね。歳を重ねるほど、川久保怜さんのすごさがわかるようになってきました。一方の白は、僕にとっては初心を忘れないための色。汚れるのに10万円もするシャツを買える人って、限られていると思うんです。つまり売りやすい色ではない。でもだからこそ、謙虚さと感謝の気持ちを込めて、つねに白でいいものを作りたい。なので、僕はコレクションの中に10〜15%の白と黒がいつもあるようにしています。それがあることによって、日本的な美も伝わるようにしたいと考えています」</p>
<p>── LVMH プライズのグランプリを受賞後、変化はありますか。</p>
<p>「僕の中で一番大きいのは、これまでずっと支えてくれてきた仲間とのチームワークがさらに強くなったこと。母親も大喜びしています。いつか新聞に載るなら悪いニュースだろうと心配させ続けた問題児だったので、少しは恩返しができたかなと」</p>
<p>──これからの展望を。</p>
<p>「いつか美術館にも呼んでもらえるような方向を目指しています。そのために今、何をすればいいのかということを、チーム全員で共有しています。ものづくりの世界との懸け橋を生み出すために、伝統のアーティザナルにフィーチャーするようなイベントもいろいろ考えています。10年後にはLVMHの一つのメゾンになるようなパワーをどんどん蓄えながら、ラグジュアリーライフスタイルブランドとして、生活に必要なものはすべてデザインしていきたいです」</p>
<p>SETCHU<br />
セッチュウ<br />
https://www.laesetchu.com/</p>
<p></p><p>The post 古今東西を折衷するSETCHUの美学。デザイナー桑田悟史にインタビュー first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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