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    <title>Numero TOKYOGenki Kawamura / 川村元気 | Numero TOKYO</title>
    <link>https://numero.jp</link>
    <description>クリエイションが詰まったインターナショナル・モード誌『Numero TOKYO』のWEBサイト</description>
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        <title>川村元気監督＆二宮和也インタビュー「『８番出口』の新しい作られ方」</title>
        <link>https://numero.jp/20250904-theexit8/</link>
        <pubDate>Thu, 04 Sep 2025 03:00:07 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Interview]]></category>
		<category><![CDATA[Genki Kawamura / 川村元気]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>ストーリーがないゲームの実写化に挑んだ話題の映画が、世界公開を迎えた。その独創性からカンヌ国際映画祭に選出された『８番出口』が切り開いたものとは？　監督・脚本の川村元気さんと主演の二宮和也さんの言葉、同名の小説も交えて、紐解く。（『Numero TOKYO（ヌメロ・トウキョウ）』2025年10月号掲載）</p>
<p>&nbsp;</p>
川村元気監督インタビュー：キャリアと得意技をすべて注ぎ込み映画の作り方を作る歩みがここに結実
<p>&nbsp;<br />
&nbsp;<br />
──映画『８番出口』は、長編映画の監督作としては自身の原作小説を題材にした2022年の『百花』に続いて2作目となります。同タイトルで大ヒットした無限ループゲームの実写化、今年の第78回カンヌ国際映画祭（以下カンヌ）のオフィシャルセレクション「ミッドナイトスクリーニング部門」に選出されたことで、世界でも公開が決定している話題作。川村さんにとっては短編コンペティション部門に選出された18年の『どちらを』（佐藤雅彦や平瀬謙太朗らと共同監督）、23年のコンペティション部門で脚本賞とクィア・パルム賞をダブル受賞した『怪物』（企画・プロデュース）に続き3度目のカンヌでしたが、そこはどんな意味を持つ場所ですか。</p>
<p>「映画の可能性を破壊して再生してくれるような作品を求めているのがカンヌであって、その姿勢がこの映画祭を異次元に成長させてきたと、過去2回参加するなかで感じていました。去年のカンヌで話題をさらった『サブスタンス』も、23年にパルムドール（最高賞）を受賞した『アノーラ』も、監督たちの新しい価値観やアイデンティティがぶつけられている。とことん自分のキャリアと得意技を注ぎ込んで勝負しないと駄目だなと感じました。だからといって『８番出口』はカンヌを狙って作った作品でもなく、多くの観客に見てもらうためにボールを遠くに投げようとしたら、カンヌが手招きしてくれた感覚に近い。いずれにしてもカンヌはあくまで映画を知ってもらうきっかけ。アニメーションではなく日本の実写映画を世界のフィルムメイカー、観客や配給に気づいてもらう場所は、今はカンヌのような大きな映画祭しかないのが現実ではあります」</p>
<p><br />
5月のカンヌ国際映画祭でのワールドプレミアには、二宮和也さん、同じく出演俳優の小松菜奈さん、共同脚本の平瀬謙太朗さんと参加。「観客からは、ドープとポップ、両レイヤーの感想が寄せられ、思い描いた理想でもあったのでうれしかった」と振り返る。<br />
&nbsp;<br />
──映画の基となったゲーム「８番出口」との出合いは？</p>
<p>「17年にSTORYという企画制作会社を立ち上げました。映画のトキワ荘のような場にできればと、あらゆる若い才能が育まれていると思っていますが、その中にインディゲーム業界に明るい坂田悠人くんというプロデューサーがいて、KOTAKE CREATEさんが制作した「８番出口」をいち早く見つけてきた。彼から話を聞いたとき、面白い映画になるかもしれないという勘が働いたものの、どうやって作るかは複雑すぎて人に説明できないから自分で撮るしかないと思って『監督として立候補させてほしい』と伝えたんです。長く映画を企画する仕事をやってきましたが、誰かの企画に乗っかって映画を作り始めることができたのは、STORYを立ち上げた成果かなと。そしてもう一人、『８番出口』で一緒に脚本を書いた平瀬謙太朗くんは所属こそ違いますが、『どちらを』で共にカンヌに行き、『百花』の脚本も共同で執筆した仲間で、今作は二人の後輩と作りました。自分は映画業界の中でずっと“年下”だったけれど、才能のある後輩たちとやれて気づきも多かったし、彼らの成長によって助けてもらえたということが、一つの作られ方として大きかったですね」</p>
<p>──一方で、川村さんとしての「新しい映画の作られ方」はどこに？</p>
<p>「『どちらを』を共同で監督させていただいた尊敬する佐藤雅彦さんの言葉でもありますが、僕がずっと取り組んできたのは『映画の作り方を作る』ということ。今作でいえば、普通は脚本があって、キャラクターが生まれて、美術が決まっていくところを、ゲームの空間やルールに対して物語を作ろうと決めました。具体的には、地下鉄の８番出口からの脱出をゴールに、異変があったら引き返し、異変がなかったら前に進むというゲームの決まりは踏襲しつつ、地下通路をダンテの『神曲』における煉獄に見立てた。そこは自分の罪を詳らかにされて、天国か地獄か、行く場所を決める空間であって、ゆえに異変についても人間が心に抱えている罪の意識が可視化されたものにしてみようと。21年に『神曲』という小説を出版していて、そのためにダンテを集中的に研究したことが生きました」</p>
<p>──異変に込めた罪の意識に関しては、どんな経験や経緯を物語に？</p>
<p>「僕は無関心こそが現代に蔓延する罪だと思っているんです。人を殺したり、何かを盗んだりする罪を犯す人は稀ですが、電車内で怒鳴っている人を見てみないふりをする、スマホのなかで見た戦争や誹謗中傷をスワイプして見なかったことにする。そこには例外なく累積ポイントのようにたまっている罪悪感があるんじゃないかと思いました」</p>
</p><p></p>「神は細部に宿る」──大事なのはマニファクチュールの突破力でしかない
<p>&nbsp;<br />
&nbsp;<br />
──ナラティブに対してヴィジュアルやルールを作るのではなく、ヴィジュアルやルールに対してナラティブを作る新しさがポイントだったと。</p>
<p>「ゲームの「８番出口」に最初に触れたとき、白い地下通路の空間を能の舞台のように感じたんです。能にはあの世とこの世の境目を描いている演目が多いですが、ならば映画では、ゲームと現実の世界が曖昧になっている現代に見立てられないかと。一方で『理系。』という対話集を出版したときにお話をさせていただいた、スーパーマリオの生みの親である宮本茂さんが『プレーしている人も楽しいけど、後ろで見ている人も楽しいゲームを作りたかった』とおっしゃっていた。今作もまた主人公の二宮和也くんがプレーヤーで、彼がプレーしているゲームを見ている感覚で鑑賞することもできる。誰かがスーパーマリオをやっている後方で、まさに自分も楽しんでいた子どもの頃の感覚を映画にしたらどうなるのか。そうしてゲームというものにとことん向き合ってみることで、映画表現の可能性の発明にたどり着けるんじゃないかという思いもありました。二宮くんは実際にゲームラバーでもあり、それも彼に主人公を演じてもらいたいと思った理由の一つですが、物語をある程度書いたところで本人に見てもらったら『もうちょっと主人公にハンディがあってもいいのでは？』と、まさにゲーム的な助言があったりもして。撮影現場でも彼からフィジカルなヒントをいっぱいもらって、そこから物語としての大発明が生まれたりしました」</p>
<p>©2025 映画「8番出口」製作委員会</p>
<p>──音楽に関して発明はありましたか？ 川村さんは手がける映画の主題歌や劇伴、音楽アーティストのプロデュースやそのMVでも次の可能性を切り開いてきました。今作ではYasutaka Nakataさんと網守将平さんを起用されています。</p>
<p>「『百花』の劇伴をやってもらった網守さんはクラシックの文脈を持った才能なので、各キャラクターの人間性に関わる音をピアノなどの生楽器で、16年公開の映画『何者』をはじめ幾つかの企画で協業をしてきたNakataさんには空間自体が発している音をゲーム音楽的に、それぞれ作ってもらいました。二人の曲がリレーしていくことで観客の感情を動かす狙いですが、そういう複雑な音楽の組み立ても、自分が積み重ねてきたキャリアがあってこそできた荒技かと。またラヴェルの『ボレロ』も使用していますが、世界で最も有名なループミュージックで、そのことで国内外の人に『今から我々はループを見るんだ』と察してもらえる。言語は自ずと映画に国境を作ってしまう。なるべく言語を排することで没入感を創出するために、今作では音楽に多くを救ってもらっています」</p>
<p>──映画に貫かれているイエローという色の選択と、映画とグラフィックデザインとの融合については？</p>
<p>「色はカラーチャートを作って絵を決めていくというアニメーション映画の仕事から学んだ作り方を引用しています。今作は地下通路が舞台なので、必然的に東京メトロが看板に使っているイエローとタイルのグリッドがデザインのベースとなっています。グラフィックデザインを映画に取り入れている映画監督だとスタンリー・キューブリックやウェス・アンダーソンが思い浮かびますが、日本映画でやろうとすると失敗することも多いので、これ見よがしにならないようにどう落とし込むかがポイントでした」</p>
<p>©Yoshiharu Ota『８番出口』撮影現場での川村さん。脚本を仕上げる段階で自身の映画の先生である3人、山田洋次監督からは「独りで地下鉄の通路にいるとしたら、独り言を言わずにはいられないのでは」、是枝裕和監督からは「様々な世代の人間がそこで平等に罪を問われるべきなんじゃないか」、李相日監督からは「主人公の罪、嫌なところを掘ったらどうか」と助言を得たという。いわく「後輩と先輩全てに助けてもらって作った映画が今作」。<br />
&nbsp;<br />
──『８番出口』が世界から評価されたことは、今後の歩みにどんな影響を与え始めていますか。</p>
<p>「アメリカのエージェントやヨーロッパの映画会社から、次回作について積極的に声をかけてもらえる状況になりました。とはいえ海外に行くことより、面白い映画を作り続けられるかが大事です。そう考えると、日本的な物語や音楽や美術感覚を投入して日本人の感性で作る映画を、どう次のステップで海外の人たちと組んでやれるのかに尽きます」</p>
<p>──それは、映画監督として？</p>
<p>「『８番出口』でやっと監督としてのスタイルが作れたのかなと思っています。そしてそれがいちばん、海外から引きがあった。ただ、仮に日米合作だったとしても『究極、東京だけで撮ることはできないだろうか』という考えで、やっぱり作り方を作りたい。映画『８番出口』は地下通路だけで撮り切るという制約が、繰り返しリテイクができるという自由につながった。撮影途中で思いついた展開を脚本に追加できたのも、撮影場所が一つだったから叶ったことでした」</p>
<p>──つまり、世界との闘い方は大きくは変わらないと？</p>
<p>「日本の人口が減って、韓国のようにグローバルで勝負せざるを得ない状況の中で、『８番出口』以前は、企画力で世界に認めてもらう見立てでいました。でも、結局のところ『神は細部に宿る』というか、大事なのはマニファクチュールの突破力でしかない。今作にしてもこつこつと脚本を書き、低予算で自分の仲間とこだわり抜いて撮って編集したことが、一つの結果をもたらしてくれた。年を重ねてもっと人に任せることができるのかなと思ったりもしていましたけど、やはりどこまでも自分の手触りで作り続けるしかないと、覚悟しています」</p>
<p></p>二宮和也インタビュー：芝居は新しいことをせずシンプルにその分を全体の構成の組み立てに注力
<p>Photo：Ko Yuhsuan　Styling：Harumi Fukuda　Hair &#038;　Makeup：Yousuke Asazu</p>
<p>──監督である川村元気さんが、脚本制作の段階での二宮さんの助言に始まり、「彼からは撮影現場でもフィジカルなヒントをいっぱいもらった」と語られていました。映画『８番出口』。のクレジットでは、主演以外に“脚本協力”としても二宮さんの名前があり、その作られ方の深みを感じさせます。</p>
<p>「この作品に関しては、いただいた脚本のままお芝居をするとなると、おそらく現場で僕が割と口を出すだろうなと予測していました。なぜなら、ほぼ一人でやるお芝居なので、自分が介在していないものに対してだと、歪みが出るんじゃないかと。それを元気さんも察して初めの段階で『（脚本も）やらない？』と言ってもらえたのは助かりました。脚本協力という高貴な位置に置いてはもらいましたけど、経緯としては『言いたいことを言えるように最初から入ってほしい』という感じでした」</p>
<p>──そうした経験を通して、今後の作品への参画の仕方についても意識は変わりましたか。</p>
<p>「普段は『俳優が言っていることも実は確度が高いんじゃないか』というときに具現化できない現場もあるので、今後も広い意味で作品に関わることで、自分はもちろん、みんながいい環境で映画を作れるんじゃないかということは、すごく感じています。今回はもともとストーリーがないゲームの実写化ということもあって、当初から元気さんが『全員の意見をください』というスタンスだったので、いろいろな提案が出て、さまざまな答えがあって、それをまとめていくなかの自然な結果論としての映画が『８番出口』だったのかなと。フレキシブルな現場でみんながみんなを尊重し合いながら作っていける、それぞれが思うパターンを何回もリテイクができる環境は、地下通路という一つの舞台だけだったことも大きかったですね」</p>
<p>&nbsp;</p>
映画『８番出口』に関しては“二宮和也を打ち出したもの”にしたいと思わなかった
<p>&nbsp;<br />
&nbsp;<br />
──二宮さんとしての「新しい作られ方」はありましたか。</p>
<p>「出る側も作る側も、立ち位置をわかってものづくりに入れたのが、いちばんだったと思います。前者でいえば、全国公開が前提のスケールで、原作のゲームも世界中にユーザーがいるタイトルの実写化となると、考え方が演劇的になって“二宮和也を打ち出したもの”になっていきがちですが、僕は『８番出口』ではそうしたいと全く思わなかった。だから胸を張って言えるのは、芝居では新しいことはしていない。一段上を目指すとか一皮むけるというより、そこはものすごくシンプルにして、全体の構成を組み立てていくことに注力しました。もともとストーリーがない分、原作の設定だけを借りて中身がめちゃくちゃになるのは避けたかったし、なるべく遊んでいる方々が付いてくることができる延長線上にありながら、異変探しをループするという単調のなかに、芝居の波をどこに持ってくるか。そういう感情論の整理も今回はある意味ドライにできて、自分でもずっと不思議な現場だなと思っていたんですけど、それも脚本から参加していたからなのか…。いずれにしても『俺を見てくれ』ではないギリギリのところを、カメラを感じながらも展開していくということが印象的でした」</p>
<p>──“二宮和也を打ち出したものにしない”という意味では、川村さんが二宮さんを起用した理由を「無個性から始まる役名のない男を演じられる役者を他に思いつかなかった」とも言葉にされていました。</p>
<p>「そもそも役名とかは、普段からあまり僕は必要ないと思っているところがあります。以前に見習いの陶芸家の役をやることになって練習していたときに、先生から『これが自分のオンリーワンでベストワンだと言える作品は1日でもできるけれど、同じ形を10枚作れるようになってからが一人前で、それができるようにならないともったいないよ』ということを言われたことがあって、なるほどと思いました。『割れてもいいから、数枚買っとこうか』という皿は面白くないからみんな作りたがらないけれど、僕はそっちに感銘を受けたんですよね。『８番出口』では、作品的にも主役がいない映画を目指したかったので、お客さんがちゃんと息を吸えるタイミングを作っていくのが大事かなと思いました」</p>
<p>──そして、初のカンヌはいかがでしたか。</p>
<p>「なかには評価されない作品もありましたし、それを肌で感じることができたのは、すごくいい経験になりました。『８番出口』は上映後のスタンディングオベーションもあって、『自分たちが目指していた方向はまあまあ間違いじゃなかった』と思えて安心しましたけど、どの作品でも全力でやった結果を自分としてちゃんと受け止めるのが大事だと思っています。その上で、想像以上の結果が出たときは『たまたまだ』と思うように、想像以下でも額面通りに受け止めて『あそこをブラッシュアップできていたら、もっとフィットしたんじゃないか』と考えることができる容量を常に持っていたい。大前提として素人だった僕を諦めずに叱り続けてくれた大人への感謝があって、すべては皆さんのおかげでしかないと思っています」</p>
<p>&nbsp;</p>
本ならではの“遊び”をちりばめた小説が伴走することでコンプリート
<p>&nbsp;<br />
</p>
<p>映画『８番出口』にはもう一つの作られ方が存在する。劇場公開に先立って発売された、川村元気さんの書き下ろしによるオリジナル小説『８番出口』と、そのプロセスだ。12年に「世界から猫が消えたなら」で小説家としてもデビューした川村さんは、フィルムメイカーの視点から次のテーマやムードをつかまえ、脚本作りで研磨した台詞の妙、映画でなく逆に小説にしかできないことに向き合った意欲作を継続的に発表。文芸の世界でも国内外にコアなファンを獲得してきた。</p>
<p>「映画『８番出口』の撮影を終えたタイミングで、長年の友人でもある水鈴社の篠原一朗社長から、突然『小説も書いてほしい』と言われたんです。そこから映画の編集作業と同時並行で小説を書くことになったわけですが、両方のピースが重なることで一つの形が見えてくる“入れ子構造”になっているといいなと思いました。今回の映画は登場人物がほとんどしゃべらず、ある意味では無言劇に近い。すべては彼らの表情や動きを通して読み解いてもらうしかないんですが、小説『８番出口』では、映画では描いていないモノローグや、空間や重要な異変が意味するもの、文芸というメディアの特性である心の内を掘り下げました。他にも編集でカットしてしまった異変や、二宮くんのアドリブから生まれたシーンや台詞やアクションなどを書いています」（川村さん）</p>
<p>自身による小説『億男』『四月になれば彼女は』『百花』も映画化してきた川村さんにとって、先に映画の製作があって、後で小説が伴走していく作られ方は、『８番出口』が初のこと。そこには、今の時代に紙の本を読むことならではの“遊び”も意図してちりばめられているという。</p>
<p>「黒だけでなく一部イエローのインクを使わせていただいたりもして、小説でないと楽しめない感情の動きを楽しんでもらえるように、さらにそうした小説の異変をたどっていくとそこにも謎が現れてくるという演出をしています。映画と小説には違ったエンターテインメントの価値があって、その究極的な追求をやり続けてきました。映画であればYouTubeやTikTok、Netflixが離脱をさせないことが命題のエンターテインメントとなっているのに対して、『８番出口』では映画館で見るからこその不条理な時間や気づきを観客に問いかけてみたり…。そうして映画と小説、それぞれのダイナミズムに自分なりの答えを出せた作品が『８番出口』です」（川村さん）</p>
<p>&nbsp;</p>
映画『８番出口』
<p>©2025 映画「8番出口」製作委員会<br />
2025年8月29日（金）公開<br />
監督・脚本／川村元気<br />
出演／二宮和也、河内大和、小松菜奈ほか<br />
公式サイト／https://exit8-movie.toho.co.jp<br />
&nbsp;<br />
©2025 映画「8番出口」製作委員会<br />
二宮和也以外は演じられなかった無限ループゲームを実写映画化<br />
地下鉄の改札を出て通路を歩いていく。天井には「出口８」の看板があるが、いつまでも出口にたどり着けない。何度もすれ違う男に違和感を感じ、やがて自分が同じ通路を繰り返し歩いていることに気づく。見つけたのは壁に提示された４つの「ご案内」。異変があれば引き返し、なければそのまま進むことで、正しければ「８番出口」が近づき、見落とせば「０番出口」に逆戻りしてしまう、累計販売本数190本超の世界的大ヒットゲーム「８番出口」（制作：KOTAKE CREATE）の実写映画化。二宮さん起用の理由を監督の川村さんは「ずっと仕事をしたかったが、なかなかタイミングが合わなかった。個性を演じられる役者は多いが、今作のように役名のない男を、無個性からのグラデーションで表現できるのは、彼以外にちょっと思いつかなかった」と話す。<br />
&nbsp;</p>
小説『８番出口』
<p><br />
&nbsp;<br />
著者／川村元気<br />
価格／¥977<br />
発行／水鈴社<br />
公式サイト／https://www.suirinsha.co.jp</p>
<p>ハンディな文庫サイズ、キャッチーなイエロー、くり抜かれた「８」の中の二宮さんが目印の小説『８番出口』。そのカバーを外すとまた別のカバー（上）が現れ、本体888円（税込977円）をはじめ「８」へのこだわり、黄色のインクに潜ませた異変の謎解きもお楽しみ！ 出版社である水鈴社は、過去に作家の申し出を受けてその印税を苦境下の書店の応援に回す仕組みを整えるなど、こちらも新しい手法で、今の時代の本のあり方を生み出し続けている。</p>
<p></p><p>The post 川村元気監督＆二宮和也インタビュー「『８番出口』の新しい作られ方」 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>映画『怪物』企画・プロデュース 川村元気にカンヌでインタビュー「是枝裕和、坂元裕二から学んだ“物語”のこと」</title>
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        <pubDate>Wed, 21 Jun 2023 09:00:58 +0900</pubDate>
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        		<category><![CDATA[Interview]]></category>
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		<category><![CDATA[Genki Kawamura / 川村元気]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
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            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>76回目を迎えた今年のカンヌ国際映画祭で見事２冠に輝き、現在劇場公開中の話題作『怪物』。その企画者である川村元気が現地で語った、トップランナーの大先輩たちとの共闘において教わった物語の生み出し方について。</p>
</p><p></p>どう表現するのかという以前に、何を感じているか
<p>去る5月に閉幕したカンヌ国際映画祭で公式コンペティションに出品され、全部門のノミネーションの中からLGBTやクィアを扱った最優秀作品に贈られるクィアパルム賞と、坂元裕二が最優秀脚本賞の二冠を達成した『怪物』。その華々しいレッドカーペットから、海外プレスからも絶え間なく質問が相次いだ記者会見、さらにパーティの夜に至るまで、メガホンを取った是枝裕和監督の傍には、今作のプロデューサーである川村元気の姿があった。</p>
<p class="picture"></p>
<p></p><p>川村といえば、20代から『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』をはじめとする実写映画のプロデュースで手腕を発揮し、33歳で手がけた初小説『世界から猫が消えたなら』が全世界で累計発行部数200万部を突破。その後はアニメーション映画のプロデュースにも軸足を置き、企画制作会社STORY inc.を設立。『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『未来のミライ』『竜とそばかすの姫』で細田守監督、『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』では新海誠監督と制作を共にし、宮崎駿以降の日本のアニメーションを世界的認知に貢献した一方で、2022年には自身の原作小説『百花』で初の長編監督としてデビュー。サン・セバスティアン国際映画祭の最優秀監督賞を受賞した。</p>
<p>世界とわたり合うエンターテインメントを切り拓いてきた背景には、本人が過去のインタビューでも徹頭徹尾言葉にしてきた「絶えず新人になれる場所を探している」という姿だ。『怪物』では、先に坂元とプロットを開発していた川村と共同でプロデュースを担った山田兼司が、物語の中で少年たちが重要な要素になるとわかった段階で、『誰も知らない』『そして父になる』、2018年には『万引き家族』でカンヌのパルムドール（最高賞）に輝いたことでも明らかな「子どもを大人と同じレベルで演出できる監督」として、是枝に演出を依頼。そこから坂元と是枝という最も尊敬する大先輩たちの仕事を、文字通り新人に戻って、つぶさに観察し続けたという。</p>
<p></p><p>「作り続けるというのは本当につらくて、僕が映画でも小説でも僅かな幸福を描きたいと思うのは、自分の人生のほとんどの時間がずっと苦しいからです（苦笑）。でも『怪物』を通して、トップランナーである是枝さんや坂元さんが、苦しみながらも作り続けようとする姿に感銘を受けました。そしてふたりが、今の世界をどう見つめ、何を受信しているのか。その深淵を見せつけられました。</p>
<p>つまり、どう表現するのかという以前に、何を感じているかということが大事で、優れたクリエイターはその受信力が頭抜けている。今回、このチームで仕事をして、重層的な感性で受信したことを、キャラクターや物語に落とし込むことができるのが日本という小さな国の強みだと改めて感じました。『怪物』もそれぞれの人物の複雑な感情のレイヤーを繊細に描いたことで、世界の観客とコミュニケーションできるストーリーに昇華されたように感じています。SNS上の喧嘩から国同士の戦争にもあらわれている、それぞれの正論を振りかざす不寛容な世界こそが、揺るぎないテーマになっています」</p>
<p>© Makoto Suenaga</p>
<p>©Getty Images</p>
<p></p><p>確かに『怪物』は、社会や内面からいつからか目を背け、気を紛らわす方にコミットする風潮に身を浸している側の観客にも、この世界をどう見ているか、そこから何を感じているか。目を見開いて、この世の中を、怪物化しているかもしれないその我が姿を見よと、迫り来る。</p>
<p>「相手に向いていたカメラがくるりと自分に向くことを映画ではカットバックと言いますが、僕を含むほとんどの人が自分の見た世界についてはアップやロングで語るのに、自分が相手からどう見えているかを想像する力が欠如していたりする。でも、是枝さんは子役の少年たちにもその人間力をもってフェアに接するのと同じように、年下のクリエイターにも遠慮なく意見させる空気感を出していて、彼らの提案をちゃんと取り入れて編集を変えてみた結果、『ごめん、やっぱり元に戻したい』とも言えてしまう。キャリアを積んでくると、だんだん何も言われなくなるし、自分の言ったことを撤回できなくなるものだけど、常に自分のアングル以外を試すことができることが大切だという学びは、大きかったですね。</p>
<p>坂元さんにしてもあんなに素晴らしいセリフを書く人でありながら『常に言葉を疑っている』と公言されてもいて、悔しさや悲しみを表現するにも、どう今までの類型に陥らず新しい表現を生み出せるかというシミュレーションを無限に繰り返している感じがありました。その姿に非常に感銘を受けましたし、坂元さんは実際に自分でもぶつぶつ呟きながら、セリフを書いている。それもある種、自分にカメラを向け続けている状態にも思えました。</p>
<p>映画はどうしても物語を進めるための会話に終始しがちですが、現実世界ではくだらないこともたくさん話すし、ましてや子どもたちなんてほとんど内容のない会話を延々としたりするわけで、そういう細かなリアルを拾い上げる坂元さんのセリフを引き受けつつ、物語としてのダイナミズムやスピードを落とさずヒューマニティに帰結させる是枝さんを、あらためてすごいなと感じ入りました」</p>
<p></p><p>©Getty Images</p>
<p>そんな大先輩二人の間で、川村が是枝との編集のプロセスに至るまで徹したスタンスは、具体的にこうして欲しいというより、あくまで双方の良さが活きるアングルを探り続けることだった。その上でやはりいちばんは、是枝と坂元がまず世界や社会や人間に何を感じそれをどう表現していくのかを、ひたすら見つめることだったと反芻する。</p>
<p></p>坂本龍一のような音楽家はこの世界にもういない
<p>川村は、『君の名は。』など新海作品でRADWINPSを、『バクマン。』ではサカナクションを起用するなど多彩な映画音楽のプロデュースでも知られるが、『怪物』を取り巻くもう一人の偉大な大先輩である坂本龍一とは、自身のプロデュース作において一つの到達点と語る李相日監督の『怒り』（2016年）で音楽を依頼した間柄。今作が遺作となった坂本の音楽は、カンヌでも深い哀悼の意をもって迎えられた。</p>
<p>「ラストシーンの後にスクリーンが暗転して、是枝さんと坂元さんのお名前に続いて“In memory of Ryuichi Sakamoto”というクレジットが流れてきたところで、会場から一斉に拍手とスタンディングオベーションが沸き起こった瞬間、カンヌの観客にこの映画が音楽も相まって受け入れられたことを実感できました。坂本さんと、是枝さんのプライベートなやりとりの中から生まれた『怪物』の音楽は、ラッシュを見た坂本さんが『子どもたちの姿に胸を打たれて作ることができた』とデモを送られてきたと聞いています。音楽が子どもたちの未来に語りかけているというか、ロジックを飛び越えたとても純粋な、でも絶対に坂本さんでしかない力強い音でもあって。そんなことができる作曲家はこの世界にもういないと思います」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>© Makoto Suenaga</p>
<p>今作の音楽については是枝もまたカンヌでの公式会見の場で、生前の坂本が「（クライマックスでもある）音楽室のシーンが素晴らしいので、邪魔しないようにやりたいと言っていただいた」と振り返っている。そして今年のカンヌの初日のレッドカーペットの冒頭、坂本の映画音楽の代表作である『Merry Christmas Mr. Lawrence』が予期せず流れ、映画ファンの感慨に触れたことも記しておきたい。</p>
<p>「映画を作るにしても小説を書くにしても、年を重ねて解像度が上がる一方で、かつての何倍も時間がかかります（苦笑）。若い頃のように勢いで書けないから、キャリアを積んでしまったクリエイターはみんな苦しくなっていく。</p>
<p>『怪物』は自分にとって42本目のプロデュース作品で、周囲からは『お前もそろそろ後輩に教える立場だよ』という言葉が聞こえてきたりするけど、今回大先輩たちとこうして仕事ができて、まだまだ勉強しないとなと改めて思いました。</p>
<p>今年のカンヌでも、ビクトル・エリセやマーティン・スコセッシやヴィム・ヴェンダースといった、存在そのものが映画史みたいな大先輩の監督たちがやってきて、彼らもまた作り続けている。僕もますます苦しみを引き受けて（苦笑）、物語の力強さをより信じて作り続けなきゃいけないなと思っています」</p>
<p></p>映画『怪物』
<p>現在東宝シネマズ日比谷ほか全国ロードショー中<br />
https://gaga.ne.jp/kaibutsu-movie/</p>




カンヌでW受賞！ 是枝裕和、坂元裕二、坂本龍一がコラボレーションした映画『怪物』 
Culture / 03 06 2023




<p></p><p>The post 映画『怪物』企画・プロデュース 川村元気にカンヌでインタビュー「是枝裕和、坂元裕二から学んだ“物語”のこと」 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>川村元気、南仏「シャトー・ラ・コスト」の旅</title>
        <link>https://numero.jp/trip-59/</link>
        <pubDate>Thu, 12 Jul 2018 06:56:41 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Travel]]></category>
		<category><![CDATA[南仏]]></category>
		<category><![CDATA[Genki Kawamura / 川村元気]]></category>
		<category><![CDATA[trip]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>映画プロデューサーとして『告白』『モテキ』『君の名は。』をはじめ日本映画の歴史を塗り替える意欲作を次々と生み出し、「世界から猫が消えたなら」「億男」と小説家としても躍進を続ける川村元気は、高校時代からバックパッカーとして一人旅を続けてきた「旅人」としての顔も持つ。</p>
<p>「ある場所を隅から隅まで歩くと、まだあまり知られていないけど、みんなが興味を持ちそうな面白い場所が見えてくる。僕は仕事でもそういうことを映画や小説にしている」――旅と仕事の相互関係をそう語る川村が、そのスケールに惹かれ、初めてのカンヌに絡めてどうしても訪れたかった場所が「シャトー・ラ・コスト」。アイルランドの不動産投資家で知られるパディ・マックランが所有する200ヘクタールものワイナリーの野外に、2002年からこれまで名だたるアーティストによる31の建築と現代アートが作られ、2011年から有料で一般公開されている。</p>
<p class="picture"></p>
<p>カンヌからチャーターした車で高速道路を飛ばすこと2時間強。途中にセザンヌが度々描いたサント=ヴィクトワール山を眺め、インターチェンジを下り長閑な田舎道をしばらく進むにつれ、ブドウ畑が広がり始める。程なく到着したコンクリート建築の1階に設けられたパーキングに車を停め、ささやかな階段を上がると、窓越しに人工池を望むドラマティックなアプローチが現れ、池の中央に設置されたルイーズ・ブルジョワの蜘蛛の彫刻「Crouching Spider」（2003）、さらに“キャラメル”という名前の看板猫に出迎えられた。ベストセラーとなった初小説「世界から猫が消えたなら」というタイトルの通り、猫好きの川村はこの表情。</p>
<p class="picture"></p>
</p><p></p><p>なお、「シャトー・ラ・コスト」の母屋ともいえるコンクリート建築は「アートセンター」と称され、安藤忠雄の設計。どおりで先のアプローチで感じたサプライズと五感に訴える建築的演出にも納得。さらに建物の正面にまわると、今度は小さな池の中央に杉本博司の名作「Mathematical Model 012」が鎮座。杉本は2014年に出版された対話集『仕事。』の対談を通じて出会って以来、「杉本さんが小田原に誕生させた江之浦測候所をはじめ、作品のスケールの大きさに圧倒され続けている」と語る存在。その作品をしみじみと眺める。</p>
<p class="picture"></p>
<p>続いてレセプションでチケットを購入、選書から土産物までショップをくまなくチェックした後、いざ、ワイナリーへ！ ひょんなやりとりから川村が『君の名は。』のプロデューサーであることを知った女性スタッフが案内役を申し出てくれ、厚意に甘えることに（『君の名は。』英題『Your Name.』は宮崎駿作品などを通じて日本のアニメーションにファンが多いフランスでもヒットを記録）。</p>
<p class="picture"></p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>まず初めに案内されたのは、普段は解放されていないというオーナーのプライベートコレクションが設置された一角。出始めのルバーブやアーティチョーク、各種ハーブをはじめ、数十種類の野菜が伸び伸びと育つ畑の中を歩いていくと、ジャン・プルーヴェのプレハブ建築に辿り着いた。窓越しに内部を覗き込むと、名作のヴィンテージ家具も収められている。「自宅の机や椅子もプルーヴェ」という川村は、他にプルーヴェのドアを再利用した納屋にも静かに興奮。</p>
<p class="picture"></p>
<p class="picture"></p>
<p class="picture"></p>
<p></p><p>オーナーの宝物を特別に見学した後は、いよいよ通常のルートへ。まず目に飛び込んできたのは見るからにフランク・O・ゲーリー建築、野外音楽シアター「Pavillon De Musique」（2008）。毎年6月～7月にはジャズ、ソウル、ポップフォークといった様々なジャンルのコンサート（有料）も開催されるというこのシアターは、シカゴの野外音楽堂ジェイ・プリツカー・パビリオンや、ウォルト・ディズニー・コンサートホールなどを手がけてきたゲーリーが、ワイナリー環境での音響にこだわって設計した。</p>
<p class="picture"></p>
<p>近年の企画・プロデュース作でも、音楽にサカナクション（『バクマン。』※2016年日本アカデミー最優秀音楽賞受賞）、坂本龍一（『怒り』）、RADWIMPS（『君の名は。』）を起用。普段から「映画より音楽の方が好きだと感じるときもある」と話す川村は、建築の細かいディテールまで興味津々の様子。</p>
<p class="picture"></p>
<p></p><p>続いて川村が目に留めたのはトム・シャノンの「Drop」（2009）。手動で回転させると、ふらふらと傾きながら浮遊するUFOさながらの動きをするアートと戯れ、しばし童心に帰る。</p>
<p class="picture"></p>
<p>体験型のアートとしては、こちらポール・マティスの「Meditation Bell」（2012）にもトライ。振り子のベルを鳴らし、響きわたる音に目を瞑って耳を澄ます。</p>
<p class="picture"></p>
<p></p><p>次の作品に向かう緑の散歩道もまた、季節や天候によって揺らぐ自然のアート。</p>
<p class="picture"></p>
<p>やがて辿り着いたのは、この日2つ目の安藤忠雄建築「Pavillion“Four Cubes To Contemplate Our Environment”」（2008-2011）。安藤建築としては珍しい木造建築内には、4つのキューブ型アートが展示されている。</p>
<p class="picture"></p>
<p class="picture"></p>
<p></p><p>ところで前述のパディ・マックランは、旅で訪れた直島からインスピレーションを受け「シャトー・ラ・コスト」のプロジェクトをスタートさせたそうで、全体のマスタープランも安藤忠雄が手がけていることもあり、「シャトー・ラ・コスト」には他にチャペルとベンチも含め4つの安藤建築が存在。アーティスト別では最多となっている。</p>
<p>こちらは去年できたばかりのレンゾ・ピアノ設計によるアートギャラリー「Pavillon D’Exposition」（2017）に向かうアプローチ。今夏は8月15日までソフィ・カルの個展が開催中。</p>
<p class="picture"></p>
<p></p><p>なお、他に現代アートではリチャード・セラ、リ・ウーファン、アイ・ウェイウェイ、アレキサンダー・カルダー、建築ではジャン・ヌーベル、隈研吾の作品などもまだまだ点在するが、あろうことか、ここで時間切れに！ 「今回見れなかった部分は次回カンヌ映画祭にノミネートされたときに」と自らを鼓舞する方向で潔く諦め、予約しておいた敷地内のレストラン「The Salon」でのランチへ。</p>
<p class="picture"></p>
<p>「The Salon」は2016年から営業がスタートした敷地内の宿泊施設「Villa La Coste」内にあるセカンドレストランで、南仏マルセイユにあるミシュラン三つ星レストラン「Le Petit Nice」のスターシェフ、ジェラルド・パセダが監修する施設のメインダイニング「Louison」の料理をプリフィクス＆アラカルトで提供している。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p class="picture"></p>
<p>例えばこの日のプリフィクスでは、独創性を感じるタコのカルパッチョに自家製オリーブオイルを、ジェノベーゼソースをかけていただく季節野菜のラタトゥユなど、上述の畑で収穫した食材を活かしたアーティスティックで土地の滋味に富んだ味わいは、川村が咄嗟に「今回の滞在でこれ以上の料理に出会うのは難しそう」と口にするほどのクオリティ。「シャトー・ラ・コスト」を訪れたらもれなく堪能を！</p>
<p class="picture"></p>
<p class="picture"></p>
<p></p><p>「The Salon」というだけあって、セカンドレストランはまさにサロンとして、ライブラリーも併設。知の刺激も存分に満たしてくれるのと、壁には「シャトー・ラ・コスト」に多大な貢献をした安藤忠雄を描いたこんなペインティングも発見。</p>
<p class="picture"></p>
<p class="picture"></p>
<p>さらに忘れてはならないのが主役のワイン！ 最新設備により生み出された土地のテロワールに忠実なビオワインは2009年にフランスのオーガニックラベルの「AB」を取得。現在までに泡、赤、白、ロゼなど10種以上がプロデュースされている。2棟の醸造所はいずれもジャン・ヌーベル建築という贅沢さで、事前に予約すれば建築探訪も兼ねてのワインテイスティングツアー（有料）への参加も可能。</p>
<p class="picture"></p>
<p></p><p>なお、冒頭で触れた母屋こと「アートセンター」には「Tadao Ando Restaurant」と名付けられたカジュアルなブラッスリーも併設されているのと、この建物、上から眺めるとなんとVinyard（ブドウ畑）の「V」の形をしているのだそう。</p>
<p class="picture"></p>
<p>というわけで、帰り際は看板猫キャラメルに再会し、愛らしい姿に時間配分のミスを癒されつつ、名残惜しさ全開で「シャトー・ラ・コスト」を後に。ちなみに2時間のアート＆アーキテクチャーウォーク（有料）も事前予約できるが、「本当に素晴らしいところだったので、1日かけて自分のペースでゆっくりと、あわよくばVilla La Costeへの宿泊、そこからエクス・アン・プロヴァンスを巡る旅も正解な気がします」（川村）</p>
<p class="picture"></p>
Château La Coste
<p>シャトー・ラ・コスト<br />
住所／2750 Route De La Cride, 13610 Le Puy-Sainte-Réparade,France<br />
TEL／+33 4 42 61 92 92<br />
URL／chateau-la-coste.com</p>
<p></p>
<p class="text" style="margin: 0 0 20px 0;text-align: center;font-weight: bold;font-size: 120%;display:block;">川村元気が語る「現代男女のリアルな恋愛論」を読む</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 川村元気、南仏「シャトー・ラ・コスト」の旅 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>川村元気インタビュー「先に愛した人が、甘い果実を手に入れる」</title>
        <link>https://numero.jp/interview16/</link>
        <pubDate>Mon, 26 Dec 2016 07:08:34 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Interview]]></category>
		<category><![CDATA[People]]></category>
		<category><![CDATA[Genki Kawamura / 川村元気]]></category>
		<category><![CDATA[interview]]></category>
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            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
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<p>「君の名は。」「何者」「怒り」と、2016年に限ってもこれだけの大作に携わっている映画プロデューサー川村元気は、物語を紡ぐ作家でもある。今秋、自身3作目となる小説「四月になれば彼女は」を発表した。テーマは「恋愛」。出版業界では恋愛小説が売れないとささやかれているこの時代に、男女の物語を書き上げた理由とは？</p>
<p>──小説「四月になれば彼女は」の中に、「私たちはいつから恋愛することを忘れたのか？」という言葉がありました。恋愛小説が売れていないという事実もある今、なぜラブストーリーを手がけたのでしょうか？</p>
<p>「恋愛する大人が減っていることがミステリーだったんです。僕は小説を2年に1度しか書けないので、書くときは自分が切実に知りたいことを題材にすると決めています。簡単に“したり顔”で語れないテーマというか、探偵のように調べて驚きながら書くことが読者の驚きに直接繋がるだろうと思っているから。僕が恋愛小説を書くと言ったら、出版社の人みんなが『売れない』という反応でした。恋愛という一大ジャンルなのにです。その理由が知りたくて、その後100人への取材をはじめることになるのですが、分かったのは誰も熱烈な恋愛をしていないんだってこと。昔は男と女は恋愛しますというのが前提で、映画『冷静と情熱のあいだ』の世界が成立していた。でもいまは、男と女は全然恋愛できないという前提に変わっているんです。恋愛小説が売れないのは、どれだけ熱烈に恋愛をする男女を描いてもそれはファンタジーだから誰も共感しないというだけ。だったら、恋愛感情を失っていく人たちがどうそれを取り戻していくのか描くことで、現代の恋愛小説にしようと決めました。目の前にいる人との愛が失われていくことを止められないとか、そもそも好きな人ができないみたいな問題はみんな抱えていて、なのにインターネットに答えが出ていない。検索をかけても出てこない答えを探すことが小説にはできると思っているんです」</p>
<p>──恋愛が失われている理由、答えは見つかりましたか？</p>
<p>「まずはみんな、自己愛が強すぎること。そもそも自己愛が強い人が多いし、それを助長するSNSがある。誰かに好きになってもらいたくてやっているSNSなのに、リアルなライクに繋がらない虚無感がありますよね。Facebookの友達が一体何人、自分のお葬式に来てくれるか？ という話。小説に出てくる主人公・藤代の婚約者、弥生が『一人でいるときの孤独は耐えられるけど、二人でいるときの孤独は耐えられない』と言う場面があるのですが、まさにそれです。それぞれが自分を好き過ぎるゆえに、みんなでいるのに孤独を感じる。そうすると、自分以外の誰かを愛するところまで余裕が持てない。二つ目は、恋愛が非効率で非合理的なものだから。時間を使うしお金がかかるし、無用な感情に振り回される。大人になるとそれぞれ自立していて世間体もあるからダサいことはしたくない。大人を恋愛から遠ざける理由がこれだけあったら、結構必然的なことなのかなとも思います」</p>
<p>──恋人や夫婦になっても、本当に愛し合っているのか分からないという状況もあります。</p>
<p>「愛という言葉の危うさですよね。例えば恋人同士で『愛』という言葉を挟んで向かい合ったときに、同じように向かい合ったつもりでもそれぞれが思っている愛は違います。感情はものすごく複雑なのに、ひとつの言葉に収容して共有しようとするのには無理がある。だから、恋愛感情が消えたんじゃなくて恋愛っていう言葉が通用しなくなっているんだと気づきました。ラブストーリーという言葉が通用しないんです」</p>
<p>──現代の恋愛は多種多様。小説には4人の女性が出てきますが、性格も恋愛の状況も四者四様で全然違うことがリアル。まるでノンフィクション作品を読んでいるかのようでした。</p>
<p>「特定の人をずっと想い続けている人もいれば、となりにいる彼のことを好きかわからなくなっている人、とにかく自由奔放に男性を愛せる人、はたまた全てを絶ってしまう人と、いろいろいますよね。本を書くときは探偵みたいに調べると言いましたが、この作品を書くために20代から50代まで約100人の男女に取材をしているので、ある種、実録小説という側面もあります。話を聞いていくと女性は多種多様で能動的。いまの状況に満足していない場合、打開策を考えている人が多かったです」</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
<p>──女性が能動的なのに対して、男性から告白してくれない、なかなか結婚を決断してくれない、セックスレスなのに気にしていない…など、男性が保守的だというのはよく話題になります。主人公の藤代の行動は常に受け身。現代男子たちの象徴に見えました。</p>
<p>「取材をしていても男性は、ことなかれ主義で受動的。がんばるくらいなら今のままでいいか…という思考の人が思ったより多かった。このズレに女性の苛立ちがあると分かったので、主人公の藤代をとことん『何でこいつ何もしないんだろう』って思われる男性像にしたのはわざとです」</p>
<p>──男性が受け身になりやすい世の中なのでしょうか？</p>
<p>「そうなんですよ。取材した結果、男の人のがんばらなさとか、何を考えているか分からないことに女性たちが疲れ果てている印象をすごく受けました。男同士でも結婚を言い出せないとかセックスレスっていう議題は絶えず挙がるのだけど、全く議論を深めない。なぜ人は、欲しがったり失ったりする人をかっこ悪いとバカにするのだろうという憤りはかねてから感じて、それは僕自身に向けられた刃でもありました。ただ、男性の本音を聞いていると、自信がないだけのケースもかなり多い。一緒にいる女の人を幸せにできるのだろうか？ この人のことをずっと愛し続けられるのだろうか？と調べたときに、インターネット上に溢れているのは恋愛の悪いシナリオばかりだから、考える能力だけ進化してしまって全く動けないんですよね」</p>
<p>──全く動けなかった藤代が一歩踏み出すシーンが印象的です。川村さんのつくる世界は、小説でも携わっている映画でも、現実を突きつけられた後に光を見せられる感覚がありますが意図的なものですか？</p>
<p>「今回の場合は、きれいごとではなく、取材した女性たちが誰一人諦めていなかったんです。それが事実だとしたら、諦めていない姿を描こうと。本当はこのままじゃだめだと思っているけど大人だから何もできないという男性の本心を描こうと。僕の小説は1作目から一貫して幸福論なんです。人は何をもって幸せだと感じるのか？の追求。今回の作品では、『大人になって恋愛感情をセルフコントロールできるようになり安定した状態』と、『学生時代に誰かを好きになってじたばたしたり無様な姿を晒したりアンコントロールな状態』では、どちらが幸せだっただろう？という二択を読者にゆだねました。これを読んでも、自分は保守派だと思う人はいるだろうし、セルフコントロールしながら波風のない人生を送るのが幸せなのかもしれないけど、僕はどこかで、今の大人たちも誰かのために走ったり泣いたりしたいんじゃないかなって思っているんです。幸せを判断基準にしたときに、みなさんどちらを選びますか？って」</p>
<p>──きっかけがないと踏み出せないのが大人かもしれません。『君の名は。』も、ある意味そのきっかけのような映画でしたね。</p>
<p>「『君の名は。』を見て、僕より年上の男性たちがかなり泣いていたんですけど、好きな人のために走るとか、叫ぶとか、大人になってできなくなってしまったことをあの映画が代替えしたからなんですよね。ティーンエイジャーの子は『いまの僕たち私たち』を投影しているから全然違う見方ですが、大人たちはかつて自分の中にもエモーションがあったと、昔のつぼを押されている気がします。動員数が1500万人を超えましたが、その中に子どもと大人の両方がいることに希望を感じます。火は消えていないんだなと。あとたぶんこれから数年で、インターネットに感情を逃げ込ませていた我々は気持ちの置き場所をオフラインにしていく時代が来ると思っています。だから『君の名は。』のヒットは予言めいているところがある。インターネットに預けてきた人間関係も欲望も飽和状態でみんな飽きてきているから、生身の感情の方が面白いって、そういう反応だと思うんです」</p>
<p>──消えかかった灯火を蘇らせる、というのが川村さんの作り方なんですね。</p>
<p>「最強の物語って、見た人の人生に混ざって定着する物語ですよね。心の奥で思っているけど言えないことが公になると人は反応するから、『それ、誰か言わないかと思っていたんだよね』という石を投げ続けることがヒットの構造だと思っています。今回の小説では『誰も恋愛していないじゃん』という石を投げました。男が何にもしないよねって、言ったらおしまいだと思われていることをあえて描く。そう考えると、男性って『蹴りたい背中』（綿矢りさ作 2003年）に描かれた10代から、何も変わっていないと気づくんです」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>──変わらない男性と付き合っていくには、女性は何をしたらいいのでしょうか？</p>
<p>「絶望を前提に置くこと。『世界から猫が消えたなら』では、人が死ぬという究極の状況になったときに、はじめて人生の優先順位が決まるっていう描き方をしたんですが、恋愛の幸福論も同じ気がしています。絶望のどん底までをイメージすると何をするべきか、何を守るべきか見えてくる。みんなが恋愛を求めていないことを前提だと認めるというか。例えば、恋に悩んでいる女性が対男性へ『あなたたちも恋愛したいでしょう』という視線を送っていたらそもそも成立しないし、分かってくれる人がいるとか、結婚しなければいけないとか、前提から違うということに気づくと根本解決に繋がるかもしれない。女性が、誰も恋愛を求めていない世界を認めた瞬間に、火を見るように選んじゃいけない男性って分かるようになると思うんですけどね」</p>
<p>──「なかなか付き合ってくれない」「結婚したいのに彼が煮え切らない」という女性の声をよく耳にしますが、相手が恋愛しようとしていないのであれば気持ちをぶつけても決断してくれないのは当然のこと。そこを見極めて、分かり合えないことを認めたほうが楽なのかもしれないですね。</p>
<p>「この話をするとそれ自体がすごく絶望的に聞こえるかもしれないのですがそうじゃなくて、現実を見たらあとは光しかない。分かり合えない人たちがハグし合おうとするという方が、生きていく上では感動的だと思うんです。恋愛対象を丁寧に探すようにもなりますよ。『飲み会に来てるからあの人は恋愛したいはず』じゃなくて、恋愛したい人ゼロの日があるのが当たり前だと思うと目を凝らす。でも一方で、女性ってどこか男の人の空白を埋めてあげたいっていう不思議な気持ちがあったりするから、藤代みたいな多くを語らない男の人って僕のまわりでもとてもモテていたりするんです。この人何考えているんだろうな？ 何かを求めているけど何も見つからないんだろうな… じゃあ私が！みたいな。そこには行くな地獄だぞ！ってことには、気づいた方がいいかもしれませんね（笑）」</p>
<p>──ヒロインを写真家にしたのには何か想いがあったのですか？</p>
<p>「そこは小説を書いていて一番面白いと感じた部分でした。何となく写真で何となくフィルムカメラだったんです。書きはじめはその理由が僕には分からなかったのですが、書いている途中に適当に組んでいくパズルがちゃんと正方形にはまるみたいな瞬間がありました。写真って恋愛なんです。恋愛は記憶の中にしかないから。自分が今どんな恋愛感情かということがリアルタイムでは分からないのってフィルムカメラに似ていて、撮った瞬間は何が写っているか分からないけど後になって現像して見たときに『あ、こういう顔していたんだ』『自分ってこういう気持ちだったんだ』と分かってくるのが恋愛だと思うんです。だから、女性写真家にもたくさん話を聞きました」</p>
<p>──取材して見えてくることって、日常でもあるかもしれませんね。</p>
<p>「そう。だから、恋愛したい大人は取材した方がいいですよ。この小説自体、自分がこうだろうって勝手に決め付けていたり、甘くみていたことがぶっこわされ続けてきた僕の体験をそのまま書いたようなもので、自分の頭で考えていることって前提から違うことだらけ。ただ言い切れるとしたら、一番甘くていい果実を手に入れているのは『先に愛する』というのをやっている人です。今回書いたフレーズで、男の人から一番刺さったって言われたのが『私たちは愛することをさぼった』で、女性からは『私は愛したときにはじめて愛された』というセリフ。先に愛することの難しさは男女共通みたいです。愛されるのを待ってリターンエースを打とうというのは、虫がよすぎるのかもしれない。はたまた、『愛を失わない方法はひとつしかない。手に入れないことだ』というフレーズが刺さったという人もいるから、考え方は本当に多様ですけどね」</p>
<p>──『四月になれば彼女は』のどのフレーズにマーカーを引くかで、自分の本質的な恋愛観を知ることができますね。そして、みんながどこにマーカーを引くのか気になります。</p>
<p>「僕はタスクくんに共感しますね。女性のストッキングの伝線は絶対指摘しないですから（笑）。読んでくれたらその意味が、きっと分かると思います」</p>
<p></p>
<p class="text" style="margin: 0 0 20px 0;text-align: center;font-weight: bold;font-size: 120%;display:block;">「四月になれば彼女は」書籍をチェック</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 川村元気インタビュー<br>「先に愛した人が、甘い果実を手に入れる」 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>「旅するルイ・ヴィトン」展森山未來が踊る「もうひとつの世界への旅」</title>
        <link>https://numero.jp/news-20160603-louisvuitton/</link>
        <pubDate>Fri, 03 Jun 2016 06:15:30 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Fashion]]></category>
				<category><![CDATA[Louis Vuitton / ルイ・ヴィトン]]></category>
		<category><![CDATA[Mirai Moriyama / 森山未來]]></category>
		<category><![CDATA[Genki Kawamura / 川村元気]]></category>
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            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>企画構成は、映画プロデューサー、小説家、クリエイティブ・ディレクターとして活躍する川村元気。エキシビションの主題でもある「旅」をテーマにしたその演目のパフォーマーを、俳優業だけでなくダンサーとしても高い評価を得る森山未來が務めた。また、ダンス演出をコレオグラファーのMIKIKO、映像演出をライゾマティクスリサーチの真鍋大度、音楽に気鋭の音楽家evalaが参加。</p>
<p class="picture"></p>
<p>「人間とAIが共演する、ミクロからマクロへの旅（DANCE WITH AI）」。砂漠をイメージした大地に立つダンサー森山未來。人類がこの世に生まれ、最初の一歩を踏み出し歴史と共に進化してゆく様を、MIKIKOがダンスで表現。森山未來の踊りに、真鍋大度率いるライゾマティクスリサーチが深層学習（ディープ・ラーニング）によって生み出した美しいビジュアルとevalaの音楽が折り重なることで別次元の世界が表出。時代とともに進化しながら、常に「旅」という人類の原点を見つめ続けてきた歴史あるルイ・ヴィトンだからこそ実現した、珠玉のパフォーマンスとなった。</p>
<p class="picture"></p>
<p>「東京都-パリ市 文化交流事業」として2016年4月23日に幕開けした「空へ、海へ、彼方へ ─ 旅するルイ・ヴィトン」展。来場者数はすでに10万人を超えているが、会期終了の6月19日まで残すところあとわずか（入場料無料）。パリのグラン・パレにて開催され好評を博した同展覧会世界初の巡回展で、ガリエラ宮パリ市立モード美術館館長のオリヴィエ・サイヤールをキュレーターに迎え、創業者一族のアーカイブから今日のルイ・ヴィトン（Louis Vuitton）を創り上げる人々を通して、1854年から現在までのルイ・ヴィトンの壮大な軌跡を辿る旅となっている。</p>
<p>Volez, Voguez, Voyagez – LOUIS VUITTON<br />
空へ、海へ、彼方へ ─ 旅するルイ・ヴィトン展<br />
会期／2016年4月23日（土）〜6月19日（日）<br />
住所／東京都千代田区麹町5丁目「旅するルイ・ヴィトン展」特設会場<br />
時間／10：00〜20:00<br />
閉館日／月曜日（6/13は13:00オープン)<br />
入場料／無料<br />
キュレーター／オリヴィエ・サイヤール<br />
アーティスティック・ディレクター&amp;セットデザイナー／ロバート・カーセン<br />
アルバム／アスリーヌ社（5カ国語対応）<br />
オーディオガイド 公式アプリの情報はこちら<br />
HP／www.louisvuitton.com</p>
</p><p></p><p>The post 「旅するルイ・ヴィトン」展森山未來が踊る「もうひとつの世界への旅」 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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