<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0"
    xmlns:ldnfeed="http://news.livedoor.com/ldnfeed/1.1/"
    xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
    xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
    xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
    xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
    xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
    xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
     xmlns:media="http://search.yahoo.com/mrss/"
     xmlns:snf="http://www.smartnews.be/snf"
    >

<channel>
    <language>ja</language>
    <title>Numero TOKYOcinema | Numero TOKYO</title>
    <link>https://numero.jp</link>
    <description>クリエイションが詰まったインターナショナル・モード誌『Numero TOKYO』のWEBサイト</description>
    <atom:link href="https://numero.jp/tag/cinema/feed/" rel="self" type="application/rss+xml" />
    <lastBuildDate>Wed, 29 Apr 2026 12:00:07 +0900</lastBuildDate>
    <sy:updatePeriod>hourly</sy:updatePeriod>
    <sy:updateFrequency>1</sy:updateFrequency>
        <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=508661</guid>
        <title>90年代NYインディペンデントの伝説的な映画作家が放つ待望の最新作『トゥ・ランド』</title>
        <link>https://numero.jp/cinema-news-20260428/</link>
        <pubDate>Tue, 28 Apr 2026 06:00:59 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[Naoto Mori / 森直人]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[cinema review]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>ハル・ハートリーという名を聞けば、90年代ニューヨーク・インディペンデント映画の空気がふっと蘇る。乾いたユーモア、哲学的な台詞、ぎこちない身体の動き、そして“青臭さ”の輝き──『トラスト・ミー』（1990年）、『シンプルメン』（1992年）、『ヘンリー・フール』（1997年）などが刻んだ青春の匂いは、当時を知る者にとって忘れがたい記憶だ。その孤高のシネアストが、コロナ禍による制作中断を越え、11年ぶりに長編へ帰還したのが2025年発表の『トゥ・ランド（原題：Where to Land）』である。タイトルが示すのは、人生のどこに着地するのか、あるいは着地できるのか？という問い。ハートリーが長年抱えてきた課題についての、最新のセルフアンサー（あるいはとりあえずの呟き）でもある。</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
不器用で未完成な大人たちのドタバタ珍騒動──そして“青臭さ”の残響
<p>物語は、「仕事を探してるんだ」と教会の墓地にふらりと現れた中年男の一言から始まる。清掃中のグラウンドキーパーに声をかけたその彼こそ、ジョー・フルトン（ビル・セイジ）。一見アッパーミドル風の身なりをした58歳の独身男で、かつてロマンティック・コメディで人気を博した映画監督だ。いまはセカンドライフを模索し、弁護士と相談しながら遺言書を作成中。悪化する世界情勢を見据えつつ、人々の役に立つ永続的な労働を望み、“ハズバンドリー（自然資源の保護や管理）”という言葉に心を動かされている。</p>
<p class="picture"></p>
<p>しかし、このささやかな転機の予感は、思わぬ方向へ転がり始める。ジョーの遺言書作成を知った恋人でテレビスターのミュリエル（キム・タフ）が、彼が余命わずかだと早合点し、取り乱した末にこう叫ぶのだ。<br />
「フランク・ザッパは52歳で死んだ。ブレヒトは58歳。ディケンズも……！」</p>
<p>この誤解は瞬く間に広まり、友人、元妻、姪、さらには見知らぬ若者たちまでがジョーのアパートに押しかける。そんなドタバタ珍騒動の渦中で、果たしてジョーの現在地と未来展望の行方はいかに……!?</p>
<p class="picture"></p>
<p>ハートリー映画を知る者にとって、本作には懐かしさと新しさが同時に押し寄せる。『アンビリーバブル・トゥルース』（1989年）から始まるロングアイランドの郊外（ハートリーの地元）を舞台にした初期三部作の“青臭さ”は、今回マンハッタンで相変わらず浮遊しながら生きる“老いた青年”の姿となって甦る。6本セット9ドルの安いライトビールを飲み、プルードンの「所有は束縛である」というアナーキズムの言葉を引用しながら、スマホの電源の入れ方すら知らないジョー。成熟したというより、ただ不器用に年齢を重ねただけの“未完成さ”こそが、ハートリー映画の魅力だ。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>キャストにはハートリー組の常連が集う。ジョーを演じるビル・セイジはハートリーの大学の後輩であり、初期からの盟友。ロバート・ジョン・バークやイーディ・ファルコも顔を揃え、同窓会のような温かさが漂う。特にちょろちょろ暇そうに現れて、ジョーの自宅でレスポールを弾いたりするエリック役のジョージ・フィースター──大学卒業制作短編『Kid』（1984年）から出演してきた古参──が絶妙な存在感。</p>
<p>一方、ジョーの大学生の姪ヴェロニカ（ケイトリン・スパークス）の瑞々しさは、初期作品のアイコニックなヒロイン像を思わせ、作品にフレッシュな風を吹き込む。第51回カンヌ国際映画祭で脚本賞を獲得した『ヘンリー・フール』に続く『フェイ・グリム』（2006年）、『ネッド・ライフル』（2014年）の三部作で培われた話芸が、初期回帰の温度と共に作家としての成熟を示し、弁護士オフィスに貼られた『FLIRT／フラート』（1995年）のポスターなどセルフオマージュも楽しい。</p>
<p class="picture"></p>
<p>編集にはジャン＝リュック・ゴダールの影響が滲み、黒画面の挿入やタイポグラフィなどが随所で特異なリズムを刻む。物語構造はスクリューボール・コメディのオフビートな応用形。ミュリエルの勘違いを皮切りに、友人、元妻クララ、自称息子の青年とその友人（ミックとキースという名で、劇中で「ローリング・ストーンズかよ！」とツッコミが入る）までが押しかけ、饒舌な会話劇が展開する。その中で浮かび上がるのは、自己決定が定まらないまま漂い続ける生のかたちだ。</p>
<p class="picture"></p>
<p>音楽は例によってハートリー自身が手がけ、インディギターポップの軽やかな響きにビートルズ「プリーズ・プリーズ・ミー」の一節が紛れ込む瞬間、“青臭さ”の残響が胸を温める。誰もが年齢を重ね、終わりを意識し始めるが、その先にはまだ見ぬ景色が広がっている。人生の着地点を探すジョーの姿はハートリー自身と重なり、着地とはどこかに到達することではなく、いま立っている場所を受け入れることだと我々観客にそっと気づかせる。“老いた青年”たちのチャームは輝きを失わず、むしろ年齢を重ねたからこそ深く、柔らかく沁みる。『トゥ・ランド』は、ハートリーの成熟と未成熟が美しく同居した静かな傑作であり、リスボン映画祭2025最優秀賞を受賞した。</p>
<p></p>
『トゥ・ランド』
<p>監督・製作・脚本・音楽／ハル・ハートリー<br />
出演／ビル・セイジ、キム・タフ、ケイトリン・スパークス、ロバート・ジョン・バーク、イーディ・ファルコ<br />
公開中<br />
https://toland-movie.com/</p>
<p>©Hal Hartley / Possible Films, LLC<br />
配給：ポッシブルフィルムズ<br />
配給協力：ユーロスペース、Gucchi&#8217;s Free School</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">映画レビューをもっと見る</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 90年代NYインディペンデントの伝説的な映画作家が放つ待望の最新作『トゥ・ランド』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/04/toland_pusp.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/04/toland_ec.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>シャーリーズ・セロン、ティモシー・シャラメを激しく非難</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260427-charlizetheron/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>マコーレー・カルキン、マリオカートが夫婦喧嘩に発展!?</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260426-macaulayculkin/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>リアーナの娘ロッキ、ディオールのオムツを着けてメディア初出演</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260425-rihanna/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>シャーリーズ・セロン、ティモシー・シャラメを激しく非難</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260427-charlizetheron/</url>
        </related>
            <related>
            <title>マコーレー・カルキン、マリオカートが夫婦喧嘩に発展!?</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260426-macaulayculkin/</url>
        </related>
            <related>
            <title>リアーナの娘ロッキ、ディオールのオムツを着けてメディア初出演</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260425-rihanna/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=506362</guid>
        <title>メリル・ストリープ×アン・ハサウェイ対談「『プラダを着た悪魔２』に学んだ人生とファッション」</title>
        <link>https://numero.jp/interview485/</link>
        <pubDate>Mon, 20 Apr 2026 01:00:43 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Interview]]></category>
		<category><![CDATA[Meryl Streep / メリル・ストリープ]]></category>
		<category><![CDATA[Anne Hathaway / アン・ハサウェイ]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>あのミランダとアンディが20年ぶりにカムバック！ 2006年公開の前作『プラダを着た悪魔』ではジャーナリストを志すアンディ（アン・ハサウェイ）がファッション業界のアイコンである「ランウェイ」誌の編集長ミランダ（メリル・ストリープ）のアシスタントとして仕事にやりがいを見いだしたのち、誰もが憧れるそのポジションを手放して自分の人生を歩み始める。そんなサクセスストーリーが世界中の女性たちの共感を呼び、ファッション業界あるあるや数々の名スタイリングとともに、長きにわたり熱く語られ続けている「ファッション×映画」のエポックメイキングな作品だ。</p>
<p class="picture"></p>
<p>2026年5月1日に公開となる続編『プラダを着た悪魔2』では、存続の危機に瀕する「ランウェイ」を舞台に、20年の時を経て、再び二人がタッグを組む。彼女たちは、いまの私たちに何を問いかけ、どのようなインスピレーションを与えてくれるのか。猛スピードで変化し続ける現代社会で、私たちはどんなふうに自分の人生を前へ進ませればよいのか。華やかにアップデートした“働く女性のバイブル”を引っさげて来日した主演の二人に、ファッション業界や時代の変化を捉えた本作について聞いた。</p>
<p>「この映画はファッション界の『トップガン マーヴェリック』みたいなもの」（アン・ハサウェイ）
</p>
<p class="picture"></p>
<p>──この映画を通じて、ファッション業界特有の慣習や文化について驚いたことはありましたか。</p>
<p>メリル・ストリープ（以下、メリル）「1作目公開から今作公開までのあいだに、ファッション業界は劇的に変化しましたよね。前作はiPhoneが登場した1年前に撮影したのですが、当時と比べるとファッション業界のビジネスモデルは完全に変わり、細分化されました。前作でも危機に瀕していた雑誌は、今やオンラインに載せるための広告塔のような存在になっています。ファッションはストリートから生まれ、どこの企業もがそれに必死に追いつこうとしている状況で、どうやって稼ぐか、ビジネスの回り方も大きく変わりましたよね。他のあらゆる企業も同じように複雑な状況になっていると思います」</p>
<p>アン・ハサウェイ（以下、アン）「特にファッションのような視覚的なものにおけるSNSのインパクトは大きく、SNSの影響は計り知れません。一作目では、ファッション界はちょっと隔絶されたところだということも描かれていたと思います。その世界には門番がいて、ごく一部の人だけが入ることを許可された人しか入れない。でも、そのコンセプトはSNSの台頭によって消え去りましたよね。ある意味でファッションが民主化されたことで、パーソナルなスタイルが花開いている。ファッショナブルなスタイルの正解は一つではなくて、それぞれの解釈に委ねられるようになったことはすごく素敵だなと思います」</p>
<p class="picture"></p>
<p>──今回は数々のトップブランドが協力していて、前作よりスケールアップしているように見えます。</p>
<p>メリル「前作は本当に予算が少なかったんです。衣装デザイナーのパトリシア・フィールド、当時のアシスタントで今作でもスタイリングを手がけたモリー・ロジャースは、ニュージャージーの倉庫を駆け回って、ダナ・キャランのヴィンテージのような誰ひとり見向きもしない服までもかき集めなければなりませんでした。『アナ・ウィンターを怒らせたくない』という理由で、多くのデザイナーが私たちに協力するのを恐れていたので、本当に苦労しました。前作で協力してくれたのは、ヴァレンティノだけ。でも今回は、前作が大ヒットしたおかげでどのブランドも非常に協力的でした（笑）」</p>
<p>アン「この映画はファッション界の『トップガン マーヴェリック』みたいなものです。あちらにはドッグファイト（空中戦）、こちらにはランウェイ、そしてキャットファイト（女性同士の取っ組み合い）もあります（笑）。今回受け入れなければならなかったのは、撮影現場を見に来る大勢の人々やパパラッチ、私たちが着ている衣装が映画の公開前に大衆に消費されてしまうということに対する挑戦です。今回、映画の大部分がミラノで撮影されましたが、ファッションのモンタージュを私たち自らデザインし、誰からも見られない閉鎖された空間を作りました。街中でのシーンの流出は避けられませんが、まだ全部は見せていませんのでご安心を。アクション映画では火を使うと莫大なお金がかかるんですが、マーヴェリックでいう爆発シーンと同じぐらいのお金をかけているので、そういった意味でも今作は壮大だと言えますね」</p>
<p class="picture"></p>
<p>──撮影現場やプロモーションで世界中を回られて、ファンのみなさんは今作をどのように感じていると思われましたか。</p>
<p>アン「この映画を観たとき、自分がここまで反応できる作品に仕上がっていたことを本当に嬉しく思いました。同時に、自分のためだけでなく周りの方の期待や希望に応える作品になっているか、観客のみなさんが満足する出来かどうかを意識しました。きっと多くの方に映画を気に入ってもらえると信じていますし、もし満足していただけなかったとしても、皮肉を言ったりしながら、ある意味楽しんでいただけるのではないかな思います（笑）。面白おかしくもシリアスで、愛と喜びに満ちた映画ですから」</p>
</p><p></p>「新しい現実を受け入れて、新しい役割に自分を適応させなくてはならない」（メリル・ストリープ）
<p>──人生を前進させるエネルギーにあふれた前作の大ヒットから20年、今作にも大きな期待が寄せられています。プレッシャーや葛藤を抱えたとき、お二人はどのように乗り越えていますか。</p>
<p>メリル「俳優は他業種の方のプレッシャーとは少し違った、特殊な職業かもしれないですね。私たちは常に“失業”しているような状態で、確約された仕事はありません。ただ、いまの時代はある意味で、他の多くの職業の人たちも俳優と同様の感覚を持った経験があるのではないでしょうか。不安定な社会で、新しい現実を受け入れて、新しい役割に自分を適応させなければならないという意味です。私の父は40年間同じ会社で働きましたが、いまの若者はそんなに長く一つのところにとどまるなんて想像もできないでしょう。私たちは柔軟にシフトチェンジしながら、自分をしっかり持ち、できるだけ楽観的でいることが大事です」</p>
<p>アン「今作へのご期待に対して言えることは、この映画は愛で作られているということです。みなさんに喜んでもらい、楽しんでもらった前作と同様に、いろんなことを大事にする人たちによって作られた今作からどんな学びを得るかは、一人一人違うと思います。自分にとっては1作目、2作目を通じてこの作品の核心は『私たちは決して一人で生きているわけではない』ということです。チームでいるからこそ、最高の力を発揮できるということを学びました。撮影においては素晴らしいスタッフと一緒だということがわかっていたので、プレッシャーは少なかったかもしれません」</p>
<p> </p>
<p>──ご自身のキャリアやワークライフバランスにおいて、お互いから受けたインスピレーションや学びはありますか。</p>
<p>アン「幸運なことに私は、メリルのお子さんたちとお友だちなんです。3回もアカデミー賞を受賞した俳優は平均的な人ではないのだとどうしても思ってしまいますが、才能あるお子さんたちとともに彼女の人生に触れてきた中で、本当に地に足のついた方で、“みんなと同じ”であることに気がつきました。そのように演じているわけではないことが素晴らしいと感じます。だからこそ『自分も一人のリアルな人間であり続けたい』と思えますし、とてもいい影響を受けています」</p>
<p>メリル「ありがとう。私は仕事をするたびに、スポンジのようにいろんな人のことを吸収していくんです。他の人がどうやって演じているのかわからないし、私こそあなたからいつも学んでいますよ。あなたは常に新鮮で、すべての瞬間で生き生きとしていて、脆さもあって……たまに少しだけ“やりすぎ”な場面もありますけど（笑）。役者として常にオープンな状態で、そのシーンに臨むのは素晴らしいことですし、それを維持するのはすごく難しいんです。私の子どもたち（娘3人は俳優、息子はミュージシャン）には、アンと同じようなアプローチをしてほしいと伝えていますが、聞いてくれているかどうかはわかりません」</p>
<p>アン「お互いスポンジで、吸収し合いましょうね。“やりすぎ”と言われてしまいましたが、わざと大きく演じているんですよ。大きくやってから抑えるほうが楽だからです。今回もワンテイク終わった後に監督から何も言わずに手の動きで“もうちょっと控えめに”と指摘されましたが、いつも『それで観客は楽しめるの!?』『月でさえ見えるぐらいの大きさで演じてた？』とリアクションするんです（笑）」</p>
<p>メリル「1作目からそれがアンディの素晴らしいところ。何度倒しても笑顔で起き上がってくるおもちゃ（おきあがりこぼし）みたいでしょう（笑）」</p>
<p class="picture"></p>
<p>──20年ぶりに同じ役を演じるにあたって、どのように役へ戻ったのでしょうか。</p>
<p>メリル「アンはYouTubeで2つのシーンを観ただけなんですよ！ 私はミランダを思い出すために前作を全部見直しましたが、役に戻るには“モノ”が大きな手助けになりました。あのウィッグを被って、衣装を身につけて、とりわけ靴を履いた瞬間に『ああ、これが彼女だ』という感覚を取り戻したんです」</p>
<p>アン「私は7月からインするという話にワクワクしていました。その後、5月にリリースされるということがわかったんです。つまり、撮影が終わってから編集にかける時間が9カ月しかない。ポスプロの期間としてはとても短く、それが監督にとってどれだけの挑戦になるのかがわかるからこそ、考える暇もなしに監督に全てを渡す覚悟で飛び込むしかありません。それがモチベーションにもなりました。そんな中で、私をあの空間に引き戻してくれたのは音楽でした。前作のサントラを聴き直したら、セリフが弾む感覚やリズムを掴めたんです」</p>
<p>──最後に、劇中の衣装で一番のお気に入りを教えてください。</p>
<p>メリル「冗談抜きで、一日の終わりに部屋でハイヒールを脱いだ後に履いていたUGG（アグ）のモコモコのスリッパです（笑）。あれ以上に愛せるファッションアイテムはありません。あとは、ヘリコプターで着ていたグリーンのスーツもお気に入りです」</p>
<p>アン「予告編でも見られる、深夜2時にミラノのガレリアを歩くシーンで、ミランダが着ているアルマーニが最高なんです。あれほどゴージャスなものは見たことがなくて、絶対に忘れません。そして、アンディの“ラストルック”もみなさんに観ていただきたいです」</p>
<p>メリル「私もそれが一番好きですね」</p>
<p>アン「あれこそが“真のスタイル”だとわかるはずです」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
『プラダを着た悪魔２』
<p>時代を席巻した“働く女性のバイブル”が、華やかにアップグレード！　トップファッション誌「ランウェイ」の“悪魔”のような編集長ミランダと、彼女の元アシスタント・アンディ。別々の道で成長を重ねたふたりが、雑誌存続の危機に再びタッグを組むとき、ファッション業界に大旋風が巻き起こる──。明日へのモチベーションをあげてくれる、映画という名のプレミアが、幕を開ける。</p>
<p>監督／デヴィッド・フランケル<br />
脚本／アライン・ブロッシュ・マッケンナ<br />
キャスト／メリル・ストリープ, アン・ハサウェイ, エミリー・ブラント, スタンリー・トゥッチ<br />
© 2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.<br />
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/devil-wears-prada2<br />
5月1日（金）GW 劇場公開</p>
<p></p>
<p></p><p>The post メリル・ストリープ×アン・ハサウェイ対談「『プラダを着た悪魔２』に学んだ人生とファッション」 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/04/d5fda55220e1f904d73dd50d9582a7d7.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/04/b06099951fae8f58e8c157c7632ab646.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>小泉今日子・峯村リエ インタビュー「少女の頃の自分に救われて」</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/interview392/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>小泉今日子・小林聡美 インタビュー「私たちにもみんなにも、心の中に阿修羅はいる」</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/interview335/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>中村倫也インタビュー「僕との仕事を楽しんでくれる人が、最高のパートナー」</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/interview311/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>小泉今日子・峯村リエ インタビュー「少女の頃の自分に救われて」</title>
            <url>https://numero.jp/interview392/</url>
        </related>
            <related>
            <title>小泉今日子・小林聡美 インタビュー「私たちにもみんなにも、心の中に阿修羅はいる」</title>
            <url>https://numero.jp/interview335/</url>
        </related>
            <related>
            <title>中村倫也インタビュー「僕との仕事を楽しんでくれる人が、最高のパートナー」</title>
            <url>https://numero.jp/interview311/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=505990</guid>
        <title>人生をマジカルな語り口で祝福するスティーヴン・キング原作の映画『サンキュー、チャック』</title>
        <link>https://numero.jp/news-20260410-thankyouchuck/</link>
        <pubDate>Fri, 10 Apr 2026 13:00:54 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[pick up]]></category>
		<category><![CDATA[Naoto Mori / 森直人]]></category>
		<category><![CDATA[cinema review]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>主演トム・ヒドルストンが魅せる鮮やかなダンスの圧倒的な歓喜――。人生をマジカルな語り口で祝福するスティーヴン・キング原作の珠玉の名作をマイク・フラナガン監督が映画化した『サンキュー、チャック』が5月1日より全国で公開される。それに先駆け、4月27日（月）に開催されるトークショー付き特別試写会にNumero.jp読者5組10名様をご招待！</p>
<p class="picture"></p>
恐怖のその先にある希望
<p>まもなく訪れる世界の終わり。ある学校の授業で、ウォルト・ホイットマンの詩篇「わたし自身の歌（Song of Myself）」（1855年刊の詩集『草の葉』収録）について教師マーティー（キウェテル・イジョフォー）が教えているとき、生徒のひとりがカリフォルニアでマグニチュード9.1の巨大地震が起こったことを伝える。すぐにインターネットはつながらなくなり、やがてテレビやラジオを通して、世界中が壊滅的な被害に遭っているニュースが届き出す。混乱と絶望の中を人々が鬱々と彷徨う状況の中、マーティーは保護者たちとの面談があった日の夜、看護師として働く別れた妻フェリシア（カレン・ギラン）からの電話を受け取る。彼女は続出する自殺者の対処に疲れ切っていた。そんな元妻にマーティーは、天文学者・SF作家のカール・セーガン（1934年生～1996年没）が唱えた“宇宙カレンダー”（Cosmic calendar）の話を始める。</p>
<p>「宇宙が誕生したのは150億年まえ。彼はその150億年を、1年間のカレンダーに圧縮したんだ。ビッグバンが起きたのが1月1日の午前0時0分1秒。いま現在は12月31日の午後11時59分59秒とする。銀河系が形成されたのは5月。太陽や地球が誕生するのは9月半ばだ。じゃあ、人類が出現したのはいつだと思う？」――。</p>
<p class="picture"></p>
<p>この答えは映画を観て、ぜひご確認いただきたい。2024年に作家生活50周年を迎えたスティーヴン・キング。その節目の年にマイク・フラナガン監督が映画化した『サンキュー、チャック』は、数多いキング原作映画の中でも特に完成度が高く、深い余韻を残すヒューマンドラマの新たな名作だ。原作は2020年刊行の短編集『IF IT BLEEDS』に収められた中編「The Life of Chuck」。日本では『チャックの数奇な人生　イフ・イット・ブリーズ』として4月23日に邦訳が発売される（文藝春秋刊）。</p>
</p><p></p><p>一般には「ホラーの帝王」として知られるキングだが、本作は『スタンド・バイ・ミー』（1986年／監督：ロブ・ライナー）、『ショーシャンクの空に』（1994年／監督：フランク・ダラボン）、『グリーンマイル』（1999年／監督：フランク・ダラボン）といった、彼のもうひとつの魅力である“人間を深く見つめる物語”の系譜に連なる。珠玉のストーリーテリングは高く評価され、2024年9月の第49回トロント国際映画祭では最高賞に当たる「観客賞」（ピープルズ・チョイス・アウォード）に輝いた。</p>
<p>監督のマイク・フラナガンは、少年時代からの熱心なスティーヴン・キング読者であり、これまでにも『ジェラルドのゲーム』（2017年）や『ドクター・スリープ』（2019年）といったキング作品の映画化を手がけてきた。さらに2026年にはテレビシリーズ『キャリー』も控えており、それらはホラー系の作品群となる。しかし『サンキュー、チャック』では、人生をマジカルな語り口で祝福する原作小説の独自性や精神性を大切に扱い、驚くほど丁寧なタッチで物語を紡ぎ上げている。キング作品にしばしば潜む“恐怖のその先にある希望”という主題を、フラナガンは原作通りの大胆な「逆時系列」構成によって鮮やかに描き切った。我々観客は物語を追ううちに、主人公チャックの人生だけでなく、自分自身の生の意味までも静かに問い直すことになるだろう。</p>
<p class="picture"></p>
<p>本作は三幕構成だが、物語は通常とは逆の順序で展開する。第三章から第二章、そして第一章へと時間を遡る構成によって、謎に満ちた主人公“チャック”ことチャールズ・クランツ（トム・ヒドルストン）の人生が“終わりから始まりへ”と反転して描かれていく。流麗でどこか講談調のナレーションが物語を導くこの語り口は、単なる技巧の披露にとどまらない。観客はまず、突然訪れる世界の終末という大きなミステリーに包まれる。そして幕が遡るごとに、チャックという人物の輪郭が少しずつ浮かび上がり、彼の人生の断片がパズルのように組み合わさっていく。やがて数々の謎は思わぬ姿を現わして多面的に響き合い、最終的には我々をより高い次元の思索へと誘う哲学的な体験へと変わっていく。</p>
<p>では、ここから物語全体の流れをざっくりと紹介していこう。</p>
■第三章：「ありがとう、チャック」

  </p>










この投稿をInstagramで見る






















<p></p>
<p style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; line-height:17px; margin-bottom:0; margin-top:8px; overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;">The Life of Chuck(@lifeofchuckfilm)がシェアした投稿</p>


<p><br />
冒頭、世界は崩壊の瀬戸際にある。通信は途絶え、自然災害が連鎖し、人々は混乱の中にいる。ミツバチもとうとう絶滅したようだ。そんな世界の街頭看板やラジオ放送、テレビ画面に突如として現れる謎の広告――「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい39年間！　ありがとう、チャック」。<br />
この不可解なメッセージはいったい何なのか？　世界の終わりを象徴するミームなのか？　一方、高校教師マーティーと元妻フェリシアは久々に再会し、星々がひとつずつ消えていく夜空を見上げながら終末の時に臨む。<br />
いったい“チャック”とは何者なのか？</p>
■第二章：「大道芸人サイコー」

  </p>










この投稿をInstagramで見る






















<p></p>
<p style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; line-height:17px; margin-bottom:0; margin-top:8px; overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;">NEON(@neonrated)がシェアした投稿</p>


<p></p>
<p>ある晴れた木曜日の午後。会計士の“チャック”ことチャールズ・クランツ（トム・ヒドルストン）が、ビジネススーツ姿で街を歩いている。ミッドウエスト銀行に勤める彼は、会議に出席するための出張でここに来た。<br />
そんな中、レコードショップのバイト店員でもあるミュージシャンのテイラー（テイラー・ゴードン）がストリートドラムを叩き始める。彼女は見知らぬ会計士の姿を目にすると、“歓迎のドラム”を叩きたくなった。するとチャックは路上に鞄を置き、その場で華麗に踊り始める。得意のムーンウォークも決め、途端に観客が集まってくる。チャックは、彼につられて踊り出した恋人にフラれたばかりのジャニス（アナリース・バッソ）に手を差し出し、ペアでダンスを展開。初対面の3人からなる即興コンボは皆の拍手喝采を浴びた――。<br />
この自然発生的に巻き起こる鮮やかなダンスシーンは、本作のハイライトであり、感情的な核ともいえる。なぜチャックは突然踊り出したのか。なぜその瞬間が彼の人生にとって特別だったのか。この章は、チャックの人生における“歓喜の凝縮”として描かれる。フラナガン監督は、『ラ・ラ・ランド』（2016年／監督：デイミアン・チャセル）で数々の名場面を生み出したマンディ・ムーアによる振付を活かし、ダンスを“生の祝祭”として映し出す。チャックが「世界はこの瞬間のために作られたのだ」と感じるくだりは、この映画の中でも屈指の美しさを持つ。</p>
■第一章：「私の中には無数の人が存在する」
<p>最終幕で描かれるのは、チャックの幼少期から青春期まで。ここで初めて、彼の人生の核が明らかになる。祖母サラ（ミア・サラ）が教えるダンスの喜び。祖父アルビー（マーク・ハミル）、そしていろいろな人との出会い。これらの要素が折り重なり合い、チャックという人物を形成していく。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>逆時系列という形式は、人生を俯瞰的に解体して見つめ直す装置として機能する。多様な経歴を持つキャスト陣のアンサンブルも最高だ。MCU『マイティ・ソー』や『アベンジャーズ』シリーズのロキ役でおなじみ、トム・ヒドルストンの紳士的な佇まいとダンスの魅力。名優キウェテル・イジョフォーやカレン・ギランらの確かな演技、そして『スター・ウォーズ』シリーズの初代ルーク・スカイウォーカー役で知られるマーク・ハミルの渋み。ニューオーリンズ出身の人気ドラマー、“ザ・ポケットクイーン”ことテイラー・ゴードンの出演も話題だ。なお主人公チャックの少年期（7歳時）は、監督の息子であるコーディ・フラナガンが演じている。</p>
<p>物語の鍵となる豊かなディテールの数々も見逃せない。少年期のチャックが祖母サラに教えてもらった想い出の作品として引用される、緑色のドレスに身を包んだリタ・ヘイワースが、ジーン・ケリーと共に踊る往年のハリウッド・ミュージカル映画『カバーガール』（1944年／監督：チャールズ・ヴィダー）の名シーン。スペンサー・デイヴィス・グループ（スティーヴ・ウィンウッド）の「Gimme Some Lovin’」、ワン・チャンの「Dance Hall Days」、ザ・ナックの「My Sharona」といったヒット曲。いずれもチャックの“宇宙”に欠かせないものだ。『サンキュー、チャック』は、世界の終わりを描きながら、むしろ人生の始まりを讃える寓話と言える。観終えたあと、誰もが自分の中の“多面性”と“宇宙”を見つめ直すことになるはず。</p>
<p></p>
『サンキュー、チャック』
<p>監督・脚本／マイク・フラナガン<br />
出演／トム・ヒドルストン、キウェテル・イジョフォー、カレン・ギラン、ジェイコブ・トレンブレイ、マーク・ハミル<br />
原作／スティーヴン・キング<br />
5⽉1⽇(⾦)新宿ピカデリー他全国ロードショー<br />
https://gaga.ne.jp/thankyou_chuck/</p>
<p>配給／ギャガ、松⽵<br />
© 2024 DANCE ANYWAY, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">試写会に応募する</p>
<p></p>
<p></p>
<p class="btn_entry">映画レビューをもっと見る</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 人生をマジカルな語り口で祝福するスティーヴン・キング原作の映画『サンキュー、チャック』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/04/a13cedfe6740a70af9dfc488d5fd0939.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/04/a13cedfe6740a70af9dfc488d5fd0939.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>サブリナ・カーペンター、姉サラとのクリエイティブな絆を語る</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260410-sabrinacarpenter/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ダコタ・ジョンソンに新恋人!?</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260409-dakotajohnson/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>レディー・ガガ、呼吸器感染症によりモントリオール公演を中止</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260408-ladygaga/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>サブリナ・カーペンター、姉サラとのクリエイティブな絆を語る</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260410-sabrinacarpenter/</url>
        </related>
            <related>
            <title>ダコタ・ジョンソンに新恋人!?</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260409-dakotajohnson/</url>
        </related>
            <related>
            <title>レディー・ガガ、呼吸器感染症によりモントリオール公演を中止</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260408-ladygaga/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=506199</guid>
        <title>オスカー主演女優賞、ジェシー・バックリーが放つ怒りと欲望の爆演フルスロットル『ザ・ブライド！』</title>
        <link>https://numero.jp/cinema-news-20260410/</link>
        <pubDate>Fri, 10 Apr 2026 03:00:56 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[cinema review]]></category>
		<category><![CDATA[Naoto Mori / 森直人]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>『ハムネット』（2025年／監督：クロエ・ジャオ）の名演で、第98回アカデミー賞の主演女優賞に輝いたジェシー・バックリー。その日本公開（4月10日）を前に、もう一本の強烈な主演作がわれわれのもとに届いた。それが人気俳優として知られるマギー・ギレンホールの監督第2作『ザ・ブライド！』だ。</p>
</p><p></p>世界に噛みつく“花嫁”誕生。パンクな怪奇ロマンスの逆襲！
<p>バックリーは、ギレンホールの長編監督デビュー作『ロスト・ドーター』（2021年）にも出演した盟友同士（ちなみに『ハムネット』でウィリアム・シェイクスピア役を演じたポール・メスカルも『ロスト・ドーター』組だ）。今回のバックリーが演じるのは“フランケンシュタインの花嫁”。メアリー・シェリーが1818年に発表したゴシック小説の古典『フランケンシュタイン』を、ギレンホール自ら再解釈して、オリジナル脚本を執筆。墓場から蘇り、怒りと欲望をむき出しにして世界へ噛みつくヒロインという、いま最も豊かな感情表現と強靭な存在感を併せ持つ俳優にふさわしい役をバックリーに託した（序盤に登場する原作者メアリー・シェリーもバックリーが演じている）。ギレンホールの作風は『ロスト・ドーター』の繊細な心理劇から一転、本作では怪奇ロマンス、ブラックコメディ、ギャング映画、さらにはフェミニズム神話の再構築までを飲み込む奔放なジャンル混成作へと踏み出した。その中心にバックリーという爆発的なエネルギーを据えている。</p>
<p class="picture"></p>
<p>物語の舞台は1930年代のシカゴ。自らを創造した博士の名前を名乗って生きる人造人間の“フランク”ことフランケンシュタイン（クリスチャン・ベール）は、“怪物”として人々から忌み嫌われ、孤独な日々を送ってきた。そんな彼は高名な研究者ユーフォロニウス博士（アネット・ベニング）に「伴侶を創ってほしい」と懇願する。 博士は事故死した女性アイダ（ジェシー・バックリー）の遺体を掘り起こし、彼女を“ブライド（花嫁）”として蘇らせる。しかし復活したブライドは、怒りと混乱と異様な生命力を抱えた存在だった。</p>
<p>やがてこの新奇なカップルはある事件をきっかけに追われる身となり、シカゴの街を警察やギャングから逃げ回る逃避行へと展開する。怪物と花嫁──ふたりの暴走は、愛の物語であると同時に、抑圧された声が世界を揺さぶる寓話として響き始める。</p>
<p class="picture"></p>
<p>本作は『フランケンシュタイン』の二次創作には違いないが、最大のベースになったのは1935年の映画『フランケンシュタインの花嫁』（監督：ジェームズ・ホエール）だ。ボリス・カーロフ主演の1931年の映画化がヒットして、原作にはない怪物の花嫁を登場させた続編。ただしこの映画での花嫁の出番は終盤の数分ほど。それを『ザ・ブライド！』では視点を大胆に反転させる。怪物ではなく“花嫁”こそが物語の中心であり、彼女の怒り、欲望、言葉が世界を動かす原動力となる。しかもジェシー・バックリー演じるブライドは、DCコミックスのハーレイ・クインばりのパンクなキャラクター。「そうしないほうが好ましい（I would prefer not to）」を決め台詞として、自由意志と反抗を貫こうとするブライドは、死者の身体に宿ったメアリー・シェリーの魂のようでもあり、男性社会に押し込められた女性たちの集合的な叫びのようでもある。</p>
<p class="picture"></p>
<p>対するフランケンシュタインは、ボリス・カーロフの怪物像を思わせる不器用な優しさをまとい、ブライドの暴走と共鳴しながら逃避行へと踏み出す。ふたりの関係は『俺たちに明日はない』（1967年／監督：アーサー・ペン）などで描かれた、1930年代に実在した伝説の強盗カップル、“ボニー＆クライド”を連想させる犯罪ロマンスのパロディであり、同時に疎外されたマイノリティ同士の連帯という寓意も装填されている。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>ジェシー・バックリーは『ロスト・ドーター』での不安定な若い母親役、そして『ハムネット』での深い洞察力と悲しみを抱えた（さらに歴史的評価のうえで“悪妻”のレッテルを貼られ続けてきた）謎多き文豪のパートナーなど、既存の社会的規範に収まらない規格外の女性像を演じ続けてきた。本作のブライドも同じラインにあり、彼女の身体表現と声の力は、ギレンホールの演出を支える最重要の柱となっている。特に上流階級の舞踏会で彼女が痙攣し、叫び、踊り狂うシーンは、女性の身体が歴史的に押し込められてきた“正しさ”を破壊する瞬間として鮮烈だ。バックリーがいなければ、この映画は成立しなかったと言っていい。またギレンホールは女性が抱える不満や欲望を、心理劇ではなく怪奇映画の形式に託すことで、より直接的で、より野蛮で、より解放的な表現へと押し広げている。</p>
<p class="picture"></p>
<p>もちろんW主演のジェシー・バックリー、クリスチャン・ベールだけでなく、ピーター・サースガード、ペネロペ・クルス、アネット・ベニング、そしてフランケンシュタインが憧れるミュージカル映画のスター俳優、ロニー・リードを演じるジェイク・ギレンホール（言うまでもなく、マギー・ギレンホール監督の実弟）など、脇にも名優をそろえた鉄壁の布陣によるアンサンブルは見応えたっぷりだ。『ジョーカー』（2019年／監督：トッド・フィリップス）やその続編『ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ』（2024年）などで知られるローレンス・シャーによる撮影は、IMAXカメラを使用しており、B級的なキッチュ色を打ち出すと同時にダイナミズムあふれる映像表現を実現している。ちなみにブライドの生前の名前である「アイダ」と、ズラッコ・ブリッチ演じる犯罪組織のボス、「ルピノ」を合わせると、往年の大女優アイダ・ルピノとなる──といった小ネタも含め、ギレンホール監督による脚本はマニアックな情報満載だ。</p>
<p class="picture"></p>
<p>なお、原作者のメアリー・シェリー（1797年生～1851年没）は、不当にも“詩人パーシー・シェリーの妻”という副次的な座に長年甘んじていた史実の経緯があり、『フランケンシュタイン』は最初匿名で発表することを余儀なくされた。男性優位社会に抑圧された彼女の苦悩や葛藤については、『メアリーの総て』（2017年／監督：ハイファ・アル＝マンスール）をぜひご覧いただきたい。</p>
<p></p>
『ザ・ブライド！』
<p>監督／マギー・ギレンホール（『ロスト・ドーター』）<br />
出演／ジェシー・バックリー、クリスチャン・ベール、ピーター・サースガード、アネット・ベニング、ジェイク・ギレンホール、ペネロペ・クルス<br />
絶賛公開中<br />
https://thebride-movie.jp/</p>
<p>配給／東和ピクチャーズ・東宝<br />
©2026 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">映画レビューをもっと見る</p>
<p></p>
<p></p><p>The post オスカー主演女優賞、ジェシー・バックリーが放つ怒りと欲望の爆演フルスロットル『ザ・ブライド！』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/04/664ed3f97f332afc745568259962f05f.jpeg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/04/thebride_ec.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ダコタ・ジョンソンに新恋人!?</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260409-dakotajohnson/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>レディー・ガガ、呼吸器感染症によりモントリオール公演を中止</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260408-ladygaga/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ヘイリー・スタインフェルド、第1子を出産！</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260407-hailee-steinfeld/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>ダコタ・ジョンソンに新恋人!?</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260409-dakotajohnson/</url>
        </related>
            <related>
            <title>レディー・ガガ、呼吸器感染症によりモントリオール公演を中止</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260408-ladygaga/</url>
        </related>
            <related>
            <title>ヘイリー・スタインフェルド、第1子を出産！</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260407-hailee-steinfeld/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=504859</guid>
        <title>【プレゼント】60年代アイコンの人生と魅力に迫るドキュメンタリー『ツイッギー』特別試写会に5組10名様をご招待</title>
        <link>https://numero.jp/news-20260331-twiggy/</link>
        <pubDate>Tue, 31 Mar 2026 11:00:03 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[News]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>60年代スウィンギング・ロンドンの象徴として一世を風靡したアイコン、ツイッギーのドキュメンタリー作品が4月24日（金）より全国順次公開される。それに先駆け、4月17日（金）に開催されるNumero.jp読者5組10名様をトークイベント付き特別試写会にご招待！</p>
デビュー60周年。今なお世界中の女性に影響を与え続ける、初の本人公認ドキュメンタリー映画
<p class="picture"></p>
<p>華奢なスタイルと大きな瞳、ピクシーカットで16歳にして彗星のごとくデビューしたツイッギー。瞬く間にスターの階段を駆け上った彼女は、それまでの常識を覆し、ファッション界に革命をもたらした。マリー・クワントのミニスカートを着こなし「ミニの女王」と呼ばれ、ミニスカートブームの火付け役に。わずか4年でモデルを引退し、女優と歌手に転身した後は、ケン・ラッセル監督のミュージカル映画『ボーイフレンド』（71）では、ゴールデングローブ賞の2部門を受賞。ブロードウェイ・ミュージカルの「My One and Only」にも挑戦し、トニー賞にノミネートされた。2019年にはその功績が称えられ、大英帝国勲章も授与された。</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
<p>本作では、本人の言葉や貴重なアーカイブ映像、ゆかりある人物の独占インタビューを通して、スターとして、そして一人の女性としての生き様を描き出す。ダスティン・ホフマンやブルック・シールズ、ポール・マッカートニー、ステラ・マッカートニー、シエナ・ミラーといった、ツイッギーと親交のある各界の著名人も登場する。</p>
<p class="picture"></p>
<p>監督を務めたのは、『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』（21）のサディ・フロスト。ツイッギー自身が、この人になら安心して託せると信頼を寄せ、制作を一任したという。</p>
<p class="picture"></p>
<p>2026年、デビューから60年を迎えた今もなお、人々をインスパイアし続けているツイッギー。彼女の歩みは、「自分らしくいること」の大切さを改めて感じさせてくれる。</p>
<p></p>『ツイッギー』
<p><br />
監督／サディ・フロスト<br />
出演／ツイッギー、ブルック・シールズ、ダスティン・ホフマン、ポール・マッカートニー、ステラ・マッカートニー、シエナ・ミラー<br />
4月24日（金）より新宿武蔵野館ほか全国順次公開<br />
https://unpfilm.com/twiggy/</p>
<p>配給／アンプラグド<br />
© Copyright Soho Talent Limited 2024 All Rights Reserved.</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">試写会に応募する</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 【プレゼント】60年代アイコンの人生と魅力に迫るドキュメンタリー『ツイッギー』特別試写会に5組10名様をご招待 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/03/ec-1twiggy-.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/03/ec-1twiggy-.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>キム・カーダシアン、オークションの収益全額を女性のための法的支援団体へ寄付</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260330-kimkardashian/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ローラ・ダーン、年齢を隠さず生きる美しさを語る</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260329-lauradern/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>市川染五郎主演！祖父、父に続き三代目の『ハムレット』へ</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260329-hamlet/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>キム・カーダシアン、オークションの収益全額を女性のための法的支援団体へ寄付</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260330-kimkardashian/</url>
        </related>
            <related>
            <title>ローラ・ダーン、年齢を隠さず生きる美しさを語る</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260329-lauradern/</url>
        </related>
            <related>
            <title>市川染五郎主演！祖父、父に続き三代目の『ハムレット』へ</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260329-hamlet/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=504547</guid>
        <title>名匠ダルデンヌ兄弟、キャリア最高傑作の呼び声高いカンヌW受賞作『そして彼女たちは』</title>
        <link>https://numero.jp/cinema-news-20260330/</link>
        <pubDate>Mon, 30 Mar 2026 03:00:42 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
		<category><![CDATA[cinema review]]></category>
		<category><![CDATA[Naoto Mori / 森直人]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>ベルギーの代表的な映画監督であり、社会派リアリズムの最高峰に立つ現代の名匠、ジャン＝ピエール＆リュック・ダルデンヌ兄弟が、キャリア30年を超えるベテランの身にしてまたも鮮やかな自己更新を果たした。2025年の最新作『そして彼女たちは（原題：Jeunes mères／若い母親たち）』は、彼らの映画作家としての歩みを途中総括しつつ、未来へと開かれた瑞々しい傑作である。これまで主に“ひとりの主人公”の人生に寄り添い、その背中越しに世界を見つめてきた彼らが、本作では初めて5人の少女を主人公とする群像劇に挑んだ。第78回カンヌ国際映画祭では脚本賞とエキュメニカル審査員賞をW受賞し、第98回アカデミー賞の際は国際長編映画賞の候補としてベルギー代表に選出されている。</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
5人の少女たちはいかなる愛と未来を選択するか？
<p>メインとなる舞台はベルギー東部ワロン地域の工業都市、リエージュ近郊の母子支援施設。ダルデンヌ兄弟が生まれ育った地元でもあるこの土地は、彼らの映画世界の原点であり、社会の周縁に追いやられた人々の声を拾い続けてきたシネアストとしての視線を形作った場所だ。『そして彼女たちは』では薬物依存、家族の崩壊、暴力、貧困といった問題に晒され、頼るものを持たずに妊娠し、赤ん坊を抱えた5人の少女たちが、同じ施設で共に暮らしている。ジェシカ、ペルラ、アリアンヌ、ジュリー、ナイマ。それぞれが深い傷と孤独を抱えながらも、母として、ひとりの人間として、未来を選び取ろうともがく姿が描かれる。</p>
<p class="picture"></p>
<p>少女たちは“母になる”という現実の前で立ち尽くし、家族像を見いだせず、押し寄せる孤独に飲まれそうになる。それでも、時に誰かに寄り添われながら、自分なりの「愛」を選び取っていく。その姿はわれわれ観客の胸に、静かに、しかし確かな震えを残す。</p>
<p>本作の出発点は、ダルデンヌ兄弟が映画の撮影場所にもなったリエージュ近郊の母子支援施設を訪れたリサーチにあった。当初は“ひとりの若い母親”を主人公とする脚本を構想していたが、施設で目にした共同生活の風景──食事、赤ん坊の入浴、母性や暴力についての語り合い──に強く惹かれ、少女たち個々の人生に近づくために、主人公を複数にする決断を下したという。</p>
<p class="picture"></p>
<p>この「世界の縮図」的要素──施設で妊娠・出産・育児のサポートを務めるナースやケースワーカー、職員たちなども含め、ひとつの場所で網の目のように絡まる人間模様という点では、フレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリーを連想させる瞬間もある。だがダルデンヌ兄弟は「場所」そのものの構造や営為よりも、あくまで「人」に焦点を当てる。施設という空間は背景であり、困難を抱えた少女たちの内的必然性が物語を導いていく。群像劇でありながら、5つのポートレートが自然に呼吸し合うのは、その“人間中心の視線”ゆえだ。</p>
<p class="picture"></p>
<p>例えばジェシカ（バベット・ヴェルベーク）は、生まれてくる赤ん坊に「決して見捨てない」と誓いながら、かつて自らを手放して養子に出した顔も知らない母親を探し続ける。ペルラ（リュシー・ラリュエル）は少年院帰りの彼氏に拒絶され、姉だけを頼りにしながらも、恋人への想いを捨て切れない。ジュリー（エルザ・ウーベン）は薬物依存から抜け出し、恋人ディランと未来を築こうとする。アリアンヌ（ジャナイナ・アロワ・フォカン）は赤ん坊を手放す決断をめぐり、虐待的な母との関係に立ち向かう。そしてナイマ（サミア・イルミ）の送別会は、他の少女たちにとって希望の形としてそっと置かれる。ほとんどが10代とおぼしき彼女たちはまだ“子ども”でありながら、すでに“母親”でもある。その矛盾を抱えた存在の揺らぎが、映画全体を当初鋭利に、やがて柔らかく照らしていく。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>近年のティーンの“望まない妊娠”を扱った映画──『17歳の瞳に映る世界』（2020年／監督：エリザ・ヒットマン）や『あのこと』（2021年／監督：オードレイ・ディヴァン）が「中絶の選択をめぐる自由意志の闘い」を描いたのに対し、『そして彼女たちは』は妊娠を継続した少女たちの“その後”に寄り添う。そこには断罪も英雄化もない。あるのは、ただ生きようとする姿の尊厳だ。</p>
<p>この視線は、ダルデンヌ兄弟の代表作『ロゼッタ』（1999年）や『ある子供』（2005年）とも深く響き合う。『ロゼッタ』が17歳の少女の苛烈な孤独を刻み、『ある子供』が“父になる責任から逃げる少年”を描いたのに対し、本作はその両者を受け止めて新たに統合し、若い母親たちの揺らぎと選択を見つめる。逃げてしまう少年たちが容赦なくフレームアウトしていく構図は、『ある子供』のセルフアンサーのようでもあり、彼らの映画が長い時間をかけて問い続けてきたテーマが、ここで新たな形を得たことを示している。</p>
<p class="picture"></p>
<p>手持ちカメラはノンプロも含む俳優たちの息づかいを拾い、彷徨う感情をリアルに映し取る（その裏には当然、作品の強度を端正に支える緻密な設計思想とリハーサルの積み重ねがある）。四半世紀を経て再びティーンの少女の物語に向き合うその背後には、『ロゼッタ』の主役でデビューして第52回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞し、昨年若くして亡くなったエミリー・ドゥケンヌ（2025年3月16日に43歳で逝去）への静かな追悼の気配すら漂うようだ。</p>
<p>さらに本作には、ベルギー映画界の新たな旗手ルーカス・ドンが共同プロデューサーとして参加している。ドン監督の『CLOSE／クロース』（2022年）にはエミリー・ドゥケンヌが重要な役で出演していた。ダルデンヌ兄弟は近年、レオナルド・ヴァン・デイル監督の『ジュリーは沈黙したままで』（2024年）、ローラ・ワンデル監督の『アダムの原罪』（2025年／本年6月5日に日本公開予定）など、新鋭監督のプロデュースにも積極的に関わっている。若い世代の作家たちと協働することで、彼ら自身も新たな刺激を受けていることが、本作のフレッシュな輝きにも繋がっているのかもしれない。</p>
<p class="picture"></p>
<p>5人の主人公は各々の選択に（とりあえず）向かうが、映画は答えを提示しない。それでもダルデンヌ兄弟はフィクションだからこそ可能な意志表明として、彼女たちの人生に“前向きな提案”をもたらす。ピアノの伴奏に乗って歌われるアポリネールの詩篇「別れ」からモーツァルトの「トルコ行進曲」へ──美しい音楽の連なりは、少女たちの胸の奥に灯る小さな希望を象徴する。赤ん坊が世界に向けてふと見せる微笑みのように、未来はまだ壊れていないと囁く。わが子を抱きしめる少女たちの震える手は、同時に世界の未来をそっと揺らしている。その微かな波動や兆し──動き出した力と始まりの気配は、われわれ観客の心にも確かに伝わるはずだ。</p>
<p></p>
『そして彼女たちは』
<p>監督・脚本／ジャン=ピエール＆リュック・ダルデンヌ<br />
出演／バベット・ヴェルベーク、エルザ・ウーベン、ジャナイナ・アロワ・フォカン、リュシー・ラリュエル、サミア・イルミ<br />
全国大ヒット上映中<br />
https://www.bitters.co.jp/youngmothers/</p>
<p>配給／ビターズ・エンド<br />
ⓒLes Films du Fleuve &#8211; Archipel 35 &#8211; The Reunion &#8211; France 2 Cinéma &#8211; Be Tv &#038; Orange &#8211; Proximus &#8211; RTBF (Télévision belge) / PhotoⓒChristine Plenus</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">映画レビューをもっと見る</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 名匠ダルデンヌ兄弟、キャリア最高傑作の呼び声高いカンヌW受賞作『そして彼女たちは』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/03/0c8ed4508cd4cea4a2151f91eda7ab76.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/03/30b1f122b758639826ab72edd17dd557.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ローラ・ダーン、年齢を隠さず生きる美しさを語る</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260329-lauradern/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>市川染五郎主演！祖父、父に続き三代目の『ハムレット』へ</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260329-hamlet/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ブリトニー・スピアーズ、元ボディーガードの不正アクセスを主張</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260328-britneyspears/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>ローラ・ダーン、年齢を隠さず生きる美しさを語る</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260329-lauradern/</url>
        </related>
            <related>
            <title>市川染五郎主演！祖父、父に続き三代目の『ハムレット』へ</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260329-hamlet/</url>
        </related>
            <related>
            <title>ブリトニー・スピアーズ、元ボディーガードの不正アクセスを主張</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260328-britneyspears/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=504118</guid>
        <title>韓国きってのカリスマ監督の連続公開「月刊ホン・サンス」最終号！『自然は君に何を語るのか』</title>
        <link>https://numero.jp/cinema-news-20260326/</link>
        <pubDate>Thu, 26 Mar 2026 07:00:53 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[Naoto Mori / 森直人]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[cinema review]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>1996年の『豚が井戸に落ちた日』で登場した韓国の異才にして軽やかな名匠──ホン・サンス監督のデビュー30周年を記念して始まった特別企画「月刊ホン・サンス」。 2025年11月から5ヶ月連続で新作を公開するという、世界的にも異例の“月刊連載”のような映画体験だ。 驚異のハイペースかつマイペースで新作を発表し続ける監督の創作速度を、そのまま観客の時間に重ねていく。一本ごとに小さな変化が積み重なり、気づけば「監督・脚本・製作・撮影・編集・音楽」をひとりでこなすホン・サンスという特異な作家の現在地が見えてくる。 その最終号、第5弾として登場したのが、長編第33作『自然は君に何を語るのか』である。</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
恋人の実家を訪れた青年の痛みと揺らぎをコミカルに描く
<p>2025年の第75回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に選出された本作は、ひとりの浮遊する青年が直面する痛くて、どこか可笑しい一日を描くコメディ。 主人公は、詩を書きながらバイト（結婚式場の動画撮影）で食いつなぐ35歳のドンファ。演じるのは「月刊ホン・サンス」全5作に出演し続け、ついに本作で初主演を果たしたハ・ソングク（1989年生まれ）だ。 『逃げた女』（2020年）や『旅人の必需品』（2024年）などを引き継ぐ“自称・詩人役”の系譜にありながら、今回はより生々しく、より危うい。</p>
<p>愛用の中古車で3年ほど付き合っている恋人ジュニ（カン・ソイ）を実家まで送り届けるドンファだが、初めて目にするその豪邸の大きさに驚いているうち、彼女の父親（クォン・ヘヒョ）と鉢合わせ。そのまま“義実家での一日”に巻き込まれていく。 アメリカ映画『ミート・ザ・ペアレンツ』（2000年／監督：ジェイ・ローチ）にもなぞらえられる、あの逃げ場のない空気。最初はぎこちなくも、やがて距離が縮まり、そして酒が入り、酔った勢いで取り返しのつかない失態が発火する。</p>
<p class="picture"></p>
<p>ホン・サンスの映画はフィルモグラフィーの連続性で見ていくことが重要だ。作品ごとにあらゆる“反復と差異”を重ねていき、らせん状に進化していくのがホン・サンス・ユニバースの特徴である。本作で特筆すべきは、監督が“家族”の肖像をこれまでになく立体的に描いている点。 裕福な家に育ちながら、自分は物質主義や競争社会に背を向け、気ままにモラトリアムな日々を生きるドンファは、監督が初期からよく描いてきた“ホン・サンス的主人公”の典型と言える。しかし一方、自分の娘の彼氏にこんな奴が来たらイヤだ！という父親視点が、クォン・ヘヒョ演じる“恋人のパパ”によってもたらされる。言わば本作は従来的なホン・サンス節の延長と、かつての主人公像を自己批評的に捉え直す二焦点へと拡張した説話構造を備えているのだ。</p>
<p class="picture"></p>
<p>ドンファは『イントロダクション』（2020年）でシン・ソクホが演じた青年ヨンホのように、権威的で支配的な父親との確執を抱えている。ドンファの父はセレブリティともいえる高名な弁護士だが、息子の彼は親の援助に頼らず、文化芸術を大切にした貧乏暮らしを続けている。貯金なんてゼロだ。だが“所詮はお坊ちゃんの戯言”という彼の痛いところを、空気を読まない恋人の姉ヌンヒ（パク・ミソ）が執拗に突いてくるのだ。彼女が夕食の席でドンファに向けて放つ「あなたのお父さんは金持ちで有名人なんでしょ」という言葉は、彼の感情を逆撫でして、やがて不様に爆発する。切実ながらも滑稽で、笑えるほど情けない。この不意に訪問した“義実家”は、ドンファが「世間」の身も蓋もないリアルに晒される試練の場所となる。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>そして本作を特異なものにしているのが“自然”だ。 ホン・サンスの映画は基本的に“都市派”であり、街中やそれに準ずる郊外、あるいはバカンス先のリゾートなどを舞台にしてきたが、今回は山の中の大きな家。敷地内には鶏が歩き回り、父とドンファが“詩人の髭”について語る背後で、コケコケと鳴き続ける。やがてその鶏は食卓に上がる運命にある。『ヘウォンの恋愛日記』（2013年）の山歩きを思わせつつ、より生活に密着した“自然”が、登場人物たちのぎこちなさや不安を増幅させる。自然は何も語らない。だがその沈黙が、彼らの心の揺れだけをやけに大きく響かせる。</p>
<p>また視界の“ぼやけ”も重要なモチーフだ。近眼なのに眼鏡を中々かけようとしないドンファは、「少しぼやけているのがいいんです」と語る。ホン・サンス・ユニバースの中でもとりわけ実験的な傑作『水の中で』（2023年）で発明された“ピンぼけ”という新奇な視覚言語が、物語世界の中で効果的に導入されている。</p>
<p>尺は108分。全8章仕立てだが、7章まで細かく刻んだあと、８章だけ長いという不思議なチャプター分けもどこか人を食ったようなユニークさだ。本作ののち、ホン・サンスは本年（2026年）の第76回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に出品された最新作『THE DAY SHE RETURNS（彼女が帰ってきた日）』へと歩みを進める。現在65歳、ホン・サンスの“ゆるやかで速い”破格の前進はまだまだ続く。</p>
<p></p>
『自然は君に何を語るのか』
<p>脚本・監督・製作・撮影・編集・音楽／ホン・サンス<br />
出演／ハ・ソングク、クォン・ヘヒョ、チョ・ユニ、カン・ソイ、パク・ミソ<br />
全国順次公開中<br />
https://mimosafilms.com/gekkan-hongsangsoo/</p>
<p>配給／ミモザフィルムズ<br />
©2025 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">映画レビューをもっと見る</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 韓国きってのカリスマ監督の連続公開「月刊ホン・サンス」最終号！『自然は君に何を語るのか』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/03/4277d53c1388181ad13bbdc9802eac89.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/03/1d964d941c708b9a7a48a3c30a3fdb28.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ジェシー・J、「首が折れたと思った」と恐怖体験を明かす</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260325-jessie-j/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>吉田羊が欲望むき出しの『リチャード三世』を演じる</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260325-richard/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>シドニー・スウィーニー、胸を縮小する手術を受けようとしていた!?</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260324-sydneysweeney/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>ジェシー・J、「首が折れたと思った」と恐怖体験を明かす</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260325-jessie-j/</url>
        </related>
            <related>
            <title>吉田羊が欲望むき出しの『リチャード三世』を演じる</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260325-richard/</url>
        </related>
            <related>
            <title>シドニー・スウィーニー、胸を縮小する手術を受けようとしていた!?</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260324-sydneysweeney/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=501723</guid>
        <title>恋のときめき、安らぎ、尊さ&#8230;いまこそみたい恋愛映画、本、ドラマ</title>
        <link>https://numero.jp/20260323-love-in-the-culture/</link>
        <pubDate>Mon, 23 Mar 2026 01:00:01 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[Layla Okuhama / 奥浜レイラ]]></category>
		<category><![CDATA[Taro Someno / 染野太朗]]></category>
		<category><![CDATA[comics]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
		<category><![CDATA[book]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>いまこそ楽しみたい、恋愛を描いた本や映画、ドラマを8人のクリエイターに聞いた。あなたの胸が高鳴る作品を見つけよう。（『Numero TOKYO（ヌメロ・トウキョウ）』2026年3月号掲載）</p>
<p>&nbsp;</p>
1. コラムニスト・山崎まどか 選『甘美なる作戦』
<p></p>
複雑な構造を借りて、ベタなロマンスに浸る
<p>「イアン・マキューアンの小説ではよく恋愛が大事な役割を果たす。なかでも私が『（恋愛小説が好きな）女を甘やかす作品』と呼んでいるのが本書だ。舞台は1970年代の英国、小説好きの女子大生だったヒロインが諜報員としてMI5に就職するという設定からしてワクワクする。冷戦下の時代らしく、彼女に課されたミッションは新進作家に取り入って、彼に反共産主義的な作品を書かせることだった。ところが思いもよらず、彼女はそのターゲットの作家に本気で恋をしてしまう。相手に正体を知られてはいけない恋なんて、それだけでハラハラドキドキする。ヒロインの恋愛小説好きがそれに拍車をかける。こんなフィクションのロマンティックなシチュエーションには誰もが憧れるが、いろんなことが妨げになってそれに浸れないこともあるのが現代という時代だ。</p>
<p>私たちが恋愛に──特に異性愛の物語に心がときめくのは、結局のところ家父長制社会を上手に継続させるための陰謀に乗せられているからなのではないか。恋愛至上（市場）主義に侵されている結果なのでは？ 大丈夫、この作品は複雑な構造を借りて、ベタなロマンティックを楽しむことを全面的に肯定してくれる。最も甘美で、心がときめくのはこの小説の“仕掛け”の部分だ。読者は最後、作家がヒロインに愛の証として特大のプレゼントをしたことを知る。それが何かは読んでのお楽しみだが、その中身を知って『ああ！』とため息が漏れることは間違いなしである」<br />Text：Madoka Yamasaki</p>
<p>山崎まどか（やまさき・まどか） <br />
コラムニスト。著書に『優雅な読書が最高の復讐である』『映画の感傷』、翻訳書にイヴ・バビッツ著『ブラック・スワンズ』、サリー・ルーニー著『ノーマル・ピープル』など。</p>
</p><p></p>2. MC、ライター・奥浜レイラ 選<br />
『ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン』
<p class="picture"></p>
レコードが結ぶナードな恋
<p>「生きるために人間を狩るヴァンパイア一家の中で、主人公サシャだけは親から供給されたパック入りの血液をスムージーのごとく吸い込んでいる。年頃になると生えてくる尖った牙で“食糧”を調達する＝大人として自立することが、人道的で殺人嫌いな少女にとっては難しい。気を揉む家族、生命維持と良心のあいだで苦悶する彼女の前に、自殺志願者の青年が現れる──。</p>
<p>『ぼくのエリ　200歳の少女』や『トワイライト』シリーズなどこれまでの吸血鬼映画でも、恋の衝動や性の目覚めが人血への渇望に重ねて描かれてきたが、本作はそのジャンルの中でも特にユニークな味わい。ジム・ジャームッシュ的な美意識に独特のユーモアをまぶし、社会の片隅で生きづらさを感じるナードな2人のシンパシーを繊細に描写する。歌姫ブレンダ・リーによる1961年のスローなバラード『しびれちゃうの（原題：Emotions）』のレコードを聴きながら、少しずつ相手への壁を崩していく不器用な姿はもどかしさで目が離せない」<br />Text：Layla Okuhama</p>
<p>監督：アリアーヌ・ルイ・セーズ　出演：サラ・モンプチ　2023年　Blu-ray ¥5,280  発売元・販売元：ライツキューブ　© Belles canines inc. – 2023 Tous droits réservés.</p>
<p>奥浜レイラ（おくはま・れいら）<br />
映画・音楽のMC・ライター。映画の舞台挨拶やトークイベント、ラジオ番組でMCを務めるほか、ライターとしても活動している。<br />
&nbsp;</p>
3. マンガライター・ちゃんめい 選『瓜を破（わ）る』
<p class="picture"></p>
恋がもたらす“揺らぎ”の尊さ
<p>「10代の頃、『恋』は無条件にきらきらとした、ただ素敵なものだと思っていた。けれど大人になるにつれて、当時は想像もしなかった性や恋愛にまつわるコンプレックスが、静かに心に影を落とすことを知る。恋は思っていたよりずっと複雑で、ままならないものだった。『瓜を破（わ）る』は、そんな現実を真摯にすくい取った等身大の恋物語だ。主人公は、30歳を過ぎても性体験がないことに悩むOL・まい子。彼女が出会うのは、夢の挫折をきっかけに人との関わりを避けて淡々と生きてきた、メンテナンス業者の青年・鍵谷。恋愛初心者のふたりは、戸惑い、すれ違い、言葉を尽くしながら、少しずつ距離を縮めていく。</p>
<p>本作はその歩みを、双方の視点から描いていく。ぎこちなく、不器用なふたりのやり取りは、思わず頬がゆるむほど初々しく、静かなときめきを運んでくる。なかでも印象的なのは、想いが通じ合った先で、鍵谷のなかに『欲』が芽生える瞬間だ。恋をしなくても人生は成立する。それでもなお恋が人生にもたらす揺らぎやその尊さ、抗えず惹かれてしまう理由をそっと教えてくれる」<br />Text：Chanmei</p>
<p>板倉梓／著（芳文社）  2020年より、週刊漫画TIMESで不定期連載中。単行本が1～13巻まで発売中。画像は『瓜を破る 6』より　©板倉梓／芳文社</p>
<p>ちゃんめい<br />
マンガライター。マンガを中心に書評・コラムの執筆のほか作家への取材を行う。宝島社『このマンガがすごい！』にてアンケート参加、その他トークイベントにも出演。<br />
&nbsp;</p>
4. 韓国エンタメウォッチャー・K-POPゆりこ 選<br />
『ダイナマイト・キス』
<p>Netflixシリーズ「ダイナマイト・キス」独占配信中  出演：チャン・ギヨン、アン・ウンジン　2025年</p>
やっぱり見たい、王道のキュン
<p>「アン・ウンジン演じる人生崖っぷち女子、ダリムが、リッチなハイスペ男性となりゆきでキスしてしまうことから始まるラブコメディ。韓ドラのTHE王道設定に、最初から最後までダイナマイト級の“キュン”が仕掛けられており『やっぱりこういうのが見たかった！』と思わせてくれる。人を好きになったときの高揚感や、切なさ……。理屈では説明できない恋愛感情のあれこれを、ここまで純度高くストレートに描いている作品は、最近ではむしろ珍しいかもしれない。さまざまなシチュエーションで描かれるキスシーンは、毎回違うときめきをくれる。</p>
<p>そしてチャン・ギヨン演じるジヒョクが、ダリムの『恋愛できない事情』に配慮しながらも、抑えきれない恋心に悶々とする姿が可愛すぎて、思わずキュン！ 済州島や桜並木の映像美も物語をよりロマンティックに盛り上げる。最近少し韓国ドラマから離れていた人や、『安心してときめきたい』お疲れモードの人にもおすすめ」<br />Text：K-POP Yuriko</p>
<p>K-POPゆりこ（けーぽっぷ・ゆりこ）<br />
韓国エンタメウォッチャー、ラジオパーソナリティ。編集者を経て渡韓。帰国後は雑誌やウェブメディアでの執筆するほか、TOKYO FM『K-Monday Spotlight』にて韓国カルチャーの魅力を発信中。<br />
&nbsp;</p>
5. 歌人・染野太朗 選『Dance with the invisibles』
<p>睦月都／著（角川文化振興財団）2023年　Photo：Wataru Hoshi</p>
短歌で恋の質感や空気感を味わう
<p>「春の二階のダンスホールに集ひきて風をもてあますレズビアンたち女の子を好きになったのはいつ、と　水中でするお喋りの声</p>
<p>この歌集の内容は実に多彩で、『恋愛歌集』とひとくくりにはできないのだが、恋の心情や関係性の機微を、セクシュアリティなども繊細に扱いつつ高い表現技術と詩性をもって示しているのも確かだから、ここに紹介したい。</p>
<p>私ばかりが愛情に飢ゑてゐて恥づかしい銀杏並木のコインランドリー</p>
<p>思いの質や強さが相手と非対称であるときの苦しみ。それに惑わされる自分を自覚してもいる。『銀杏並木の～』では、日常と季節のささやかな美しさに目を留めてもいる。こんなふうに俯瞰し思考が優位に働くのも恋の一側面だろう。</p>
<p>雨音に灯すランタン　深づめのあなたの指をくちに含みつ<br />
借りるねと言つて彼女がつけてゆくすこし重い香水、秋の戸</p>
<p>一方でこれらは恋のシーンを、思考を先立てずに提示している。雨音、ランタン、指、香り、戸といったものの、質感・空気感を、存分に味わいたい」<br />Text：Taro Someno</p>
<p>染野太朗（そめの・たろう）<br />
歌人。1977年、茨城県生まれ。大阪府在住。歌集に『あの日の海』『人魚』『初恋』。最新作に、くどうれいんとの短歌集『恋のすべて』（扶桑社）がある。</p>
<p></p>6. キュレーター、批評家、編集者・丸山美佳 選<br />
『明るくていい部屋』
<p>金川晋吾／著（ふげん社）2024年</p>
変化と自由の希求をめぐる切実な葛藤
<p>「四人の共同生活を写し取った写真集である。一対一の親交から三人、さらに四人へと変化していく関係性と、日常のささやかな積み重ねのなかの心情をすくい取ろうとする写真家の金川晋吾の率直な言葉からも、その様子は描かれている。これを『恋愛』の作品と呼ぶには語弊があるが、他者と親密な関係を結ぶこと──それは必ずしも一対一の恋や性愛を意味しない──は、複雑で揺らぎ続ける感情を抱え続けることであり、その厄介さと喜びがこの本には息づいている。</p>
<p>一人一人と関係性を紡ぎながら時に文字通りにさらけ出す日常、そして社会で生きていく毎日の連なりの中に確かに存在する複層的な感情や違和感に形を与えてもらっているような感覚を覚える。それは時に胸が締めつけられ浮き立つ感情であり、悲しみや孤独が同居する。社会の規範と向きあい、日常に潜むずれや摩擦を手放さずに、誰かと近しい関係を結びながら変化と自由の希求をめぐる葛藤は、こんなにも切実で素敵である」<br />Text：Mika Maruyama</p>
<p>丸山美佳（まるやま・みか）<br />
ウィーンと松本を拠点にキュレーター、批評家、編集者として活動。遠藤麻衣とともにクィアフェミニストの芸術実践を目指すZINE／プラットフォーム「Multiple Spirits」を出版・運営。森美術館「六本木クロッシング2025展：時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」にMultiple Spiritsとして出展中（～3月29日）。<br />
&nbsp;</p>
7. 編集者、ライター・綿貫大介 選『マッサン』
<p>NHK連続テレビ小説「マッサン」2014年　作：羽原大介　出演：玉山鉄二、シャーロット・ケイト・フォックス　NHK総合テレビで毎週月～金曜日の12:30～12:45に再放送中。NHK ONEでも同時・見逃しを配信。©NHK</p>
「個」としての誠実な対峙
<p>「排外主義の影が色濃く漂う今、あたらめて届けたい物語がある。NHK連続テレビ小説『マッサン』が描くのは、大正から昭和の激動の時代に日本初のウイスキー造りに挑んだ亀山政春（マッサン）と、スコットランド人の妻・エリーの軌跡だ。この国で差別や偏見に晒されたエリーが、特高警察に連行されそうになる際に放った叫び（第119話）は特に必見。『どうしてここにいてはいけないのか、私にわかるように教えて下さい。私が、日本人ではないからですか？ この鼻ですか？ この髪の毛ですか？ この瞳ですか？ 私は、亀山エリーです。あなたと同じ人間です！』。マッサンは一緒に、国家に抵抗する。</p>
<p>相手を自分の枠組みに押し込めるのではなく、異なる背景を持つ『個』として丸ごと受け入れること。その誠実な対峙こそが、時に暴力性をはらむ恋愛という営みを、崇高な連帯へと昇華させるのではないだろうか。違いを排除せず、共に生き抜く覚悟。二人が貫いた愛に、何度泣かされたかわからない」<br />Text：Daisuke Watanuki</p>
<p>綿貫大介（わたぬき・だいすけ）<br />
編集者・ライター・テレビっ子。主にエンタメ分野を中心に多くの媒体でインタビューの聞き手や批評コラムを執筆するほか、アーティストの会報誌の企画・編集なども手がける。<br />
&nbsp;</p>
8. ポッドキャスター・ユリ・アボ 選『パスト ライブス／再会』
<p>監督：セリーヌ・ソン　出演：グレタ・リー、ユ・テオ、ジョン・マガロ　2023年　Blu-ray¥5,500  DVD￥4,400 発売元：ハピネットファントム・スタジオ  販売元：ハピネット・メディアマーケティングCopyright 2022 © Twenty Years Rights LLC. All Rights Reserved</p>
尊重という愛の形を教えてくれる
<p>「幼い頃に惹かれ合いながらも離れ離れになった男女が、大人になって再会する物語。女性はアメリカで結婚し、劇作家として自立したキャリアを歩んでいる。だからこの物語は、恋愛がすべてだとか、実らなかった恋を取り戻す方向には進まない。キュンとするのは、彼女の暮らすニューヨークを二人で観光する場面。再会のハグ、同じ景色を見ながら並んで歩く時間。この時間が永遠に続けと言わんばかりの空気もありつつ、触れたい気持ちや期待を抱えたまま、互いに踏み込まないでいる。関係が進む瞬間の高揚ではなく、踏み込まない選択のなかで、相手の今の人生を尊重しようとする距離感が愛おしい。</p>
<p>そうしたやりとりを通して、恋愛として結ばれなくても、人として愛し続ける関係があることを距離と沈黙で描いていく。人と人のあいだに生まれた縁は、恋愛の成就だけで測れるものではなく、実らなかった恋や選ばなかった道も含めて、確かに人生の一部なのだと、静かに教えてくれる」<br />Text：Yuri Abo</p>
<p>ユリ・アボ<br />
兼業ポッドキャスター。ジェンダーや性をテーマにしたクリエイティブプロジェクトにおいて、編集・企画・発信など横断して活動。ポッドキャスト番組『もっと違和感！』を配信中。</p>
<p></p><p>The post 恋のときめき、安らぎ、尊さ…いまこそみたい恋愛映画、本、ドラマ first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/03/sns2.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/03/151e95b98ed1fd933f06610bfd9ecf90.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ホームリネンブランド「ÉCHAPPER」が初のポップアップを開催 </ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20210606-echapper/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>『WONDER ARCHITECTURE　世界のビックリ建築を追え。』</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20201031-wonder-architecture/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>新たな才能を発掘！「ギンザ・ショートフィルム・コンテスト」初開催</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20190329-ginzashortfilmcontest/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>ホームリネンブランド「ÉCHAPPER」が初のポップアップを開催 </title>
            <url>https://numero.jp/news-20210606-echapper/</url>
        </related>
            <related>
            <title>『WONDER ARCHITECTURE　世界のビックリ建築を追え。』</title>
            <url>https://numero.jp/news-20201031-wonder-architecture/</url>
        </related>
            <related>
            <title>新たな才能を発掘！「ギンザ・ショートフィルム・コンテスト」初開催</title>
            <url>https://numero.jp/news-20190329-ginzashortfilmcontest/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=502525</guid>
        <title>松尾貴史が選ぶ今月の映画『しあわせな選択』</title>
        <link>https://numero.jp/20260318-cinema-takashimatsuo/</link>
        <pubDate>Wed, 18 Mar 2026 03:00:22 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[今月のシネマ]]></category>
		<category><![CDATA[Takashi Matsuo / 松尾貴史]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>主人公マンス（イ·ビョンホン）は、妻（ソン·イェジン）と2人の子ども、2匹の犬と郊外の大きな家で“完璧”な人生を送っていた。しかし突然、解雇され、就活にも失敗。そこで彼に閃いたのは衝撃のアイデアだった…。韓国を代表する巨匠パク・チャヌク監督が、俳優イ・ビョンホン、ソン・イェジンとタッグを組んだ話題作『しあわせな選択』の見どころを松尾貴史が語る。（『Numero TOKYO（ヌメロ・トウキョウ）』2026年4月号掲載）</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
現代社会の“しあわせ”とは
<p>人が「選択」をするのは、広い意味での幸せのためです。私はここ10年ほど、「幸せとは、選択肢の多さにある」のではないかと思うようになっています。</p>
<p>しあわせの定義は確定的には言えませんが、やはり新しい命を授かるのは最大級のものでしょう。生まれたての赤ちゃんは輝いていますが、それはその後の選択肢の多さではないでしょうか。</p>
<p class="picture"></p>
<p>ところが、入りたい学校に進めなければ、就きたい職業に就くことができなくなる確率が高くなります。視力が落ちたら、パイロットになる夢を諦めざるを得ないでしょう。年齢を重ねるとチャンスも減っていきます。つまり、しあわせに向かうためにはどれだけ多くの選択肢を自分に残すべきかを優先すべきなのかもしれません。</p>
<p>この作品の題名「しあわせな選択」とは、まさに私が日々考えていることにジャストミートだったのです。韓国を代表する巨匠パク·チャヌク監督の新作は、時代の流れに翻弄される主人公とその家族の姿が描かれています。</p>
<p>主人公は長年会社で真面目に働き、堅実にキャリアを重ねてきたマンス（パク·チャヌク監督作品には25年ぶり出演のイ·ビョンホン）。突然会社から解雇を言い渡され、その場しのぎでのアルバイト生活を続けますが、いよいよお家まで失うような状況になり、かつてのライバルたちとのせめぎ合いが、全く予想もしない方向へ転がってしまいます。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>サスペンスではありますが、滑稽でペーソスを誘うコメディにもなっていて、ただ深刻な世界が苦手な私にも退屈を与えません。「どう生きるべきか」という普遍的なテーマを、重厚になりすぎない塩梅で刺激的に運んでくれるのです。</p>
<p>再就職という設定は一見ありふれているようで、しかしただの家族ドラマにおさまらない珍妙な発想の連続で、最後まで展開が読めません。骨格は家族ドラマですが、現代社会の「競争」「再起」「選択」というテーマに絡めて、ブラックユーモアも洒脱で、イ·ビョンホンとソン·イェジンの、初共演とは思えない演技の相乗効果が絶妙です。</p>
<p class="picture"></p>
<p>再就職を目指すベテラン役のイ·ソンミンのリアルで細やかな芝居もなかなかの味わいがあります。見どころの一つだと思います。他の人物像も、魅力的なキャラクターばかりで全く見飽きません。世界各国でさまざまな映画祭に出品されて大きな話題になっているようで、数々の賞にも輝きました。</p>
<p>度々取り調べに訪れる刑事二人とのスリルの中にもとぼけた味わいのあるやり取りも私の好物でした。ひょっとすると『パラサイト　半地下の家族』のような盛り上がりを見せるかもしれません。</p>
<p></p>
『しあわせな選択』
<p>監督／パク・チャヌク<br />
出演／イ・ビョンホン、ソン・イェジン、パク・ヒスン、イ・ソンミン、ヨム・ヘラン、チャ・スンウォン<br />
全国公開中<br />
https://nootherchoice.jp/</p>
<p>配給／キノフィルムズ<br />
ⓒ2025 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM ALL RIGHTS RESERVED</p>
<p class="btn_entry">「松尾貴史が選ぶ今月の映画」をもっと見る</p>
<p></p><p>The post 松尾貴史が選ぶ今月の映画『しあわせな選択』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/03/cb034da7b237a15c39878688e00e9f2f.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/03/dcc601c7c06fc40e8c10e56adbde770b.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>テヤナ・テイラー、アカデミー賞舞台裏で警備員とひと騒動</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260317-teyanataylor/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ヒラリー・ダフ、両親や姉との疎遠な関係を激白</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260316-hilaryduff/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ビリー・アイリッシュ、映画作品で女優デビューへ</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260314-billieeilish/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>テヤナ・テイラー、アカデミー賞舞台裏で警備員とひと騒動</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260317-teyanataylor/</url>
        </related>
            <related>
            <title>ヒラリー・ダフ、両親や姉との疎遠な関係を激白</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260316-hilaryduff/</url>
        </related>
            <related>
            <title>ビリー・アイリッシュ、映画作品で女優デビューへ</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260314-billieeilish/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=499677</guid>
        <title>『リトル・ミス・サンシャイン』の製作陣が放つ映画『カミング・ホーム』トークイベント付き試写会に3組6名様をご招待</title>
        <link>https://numero.jp/news-20260226-cominghome/</link>
        <pubDate>Thu, 26 Feb 2026 02:00:30 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[News]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>誰もが向き合う老いという現実を、温かなまなざしで描いた映画『カミング・ホーム』が、3月20日（金）より全国で順次公開される。それに先駆け、3月12日（木）に開催されるトークイベント付き試写会に3組6名様をご招待。</p>
79歳の孤独な老人が、思いがけない出来事に直面し…<br />
笑いと涙の感動作！
<p class="picture"></p>
<p>ペンシルベニア州西部の小さな町で暮らす79歳のミルトンは認知症の初期症状を娘に心配されながらも、受け入れられずに一人暮らしを続けていた。そんなある夜、庭に突如、空から正体不明の飛行物体が墜落し、彼の静かな日常は大きく揺らぎ始める。</p>
<p class="picture"></p>
<p>周囲に訴えても相手にされない中、同年代の隣人サンディーとジョイスだけが共に飛行物体を目撃し3人は秘密を共有することに。それぞれの孤独を抱えていた3人は忘れかけていた人生の喜びを取り戻し、やがて自らの“これからの人生”と向き合っていく──。</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
<p>監督を務めるのは、『リトル・ミス・サンシャイン』（06）『ラビング 愛という名前のふたり』（16）など、数々のアカデミー賞ノミネート作品をプロデュースしたマーク・タートルトーブ。79歳の主人公ミルトンを演じるのは、『ガンジー』（82）で主演男優賞に輝き、『シンドラーのリスト』（93）『アイアンマン3』（13）などで知られるベン・キングズレー。米批評サイトRotten Tomatoesでは批評家スコア86％・観客スコア90％の高評価を叩き出した。老いとともに訪れる不安や孤独にそっと寄り添い、やさしく描き出す珠玉のヒューマンドラマが誕生した。</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">試写会に応募する</p>
<p></p>
<p></p>『カミング・ホーム』
<p></p>
<p>監督／マーク・タートルトーブ<br />
出演／ベン・キングズレー、ゾーイ・ウィンターズ、ハリエット・サンソム・ハリス、ジェーン・カーティン、アンナ・ジョージ<br />
3/20（金）よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開<br />
cominghome-movie.com/</p>
<p>配給／NAKACHIKA PICTURES</p>
<p>© 2022 Apple Slice Productions LLC All Rights Reserved.</p>
<p></p><p>The post 『リトル・ミス・サンシャイン』の製作陣が放つ映画『カミング・ホーム』トークイベント付き試写会に3組6名様をご招待 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/02/4cominghome-.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/02/10cominghome-.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>沢田研二×マキノノゾミ9年ぶりの音楽劇シリーズ『ガウディ×ガウディ』</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-2026026-shinjyuku/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>リリー・コリンズ、オードリー・ヘプバーン役に挑戦</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260225-lilycollins/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ゼンデイヤ、「人生の多くは喪失」と悟る</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260224-zendaya/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>沢田研二×マキノノゾミ9年ぶりの音楽劇シリーズ『ガウディ×ガウディ』</title>
            <url>https://numero.jp/news-2026026-shinjyuku/</url>
        </related>
            <related>
            <title>リリー・コリンズ、オードリー・ヘプバーン役に挑戦</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260225-lilycollins/</url>
        </related>
            <related>
            <title>ゼンデイヤ、「人生の多くは喪失」と悟る</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260224-zendaya/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=499255</guid>
        <title>松尾貴史が選ぶ今月の映画『ツーリストファミリー』</title>
        <link>https://numero.jp/20260225-cinema-takashimatsuo/</link>
        <pubDate>Wed, 25 Feb 2026 05:00:37 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[今月のシネマ]]></category>
		<category><![CDATA[Takashi Matsuo / 松尾貴史]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>スリランカでの困窮を極める生活に見切りをつけて、命がけでインドに密入国した４人の家族。身分を偽り、言葉で素性がバレないように近所との接触を控えながら、新天地での生活を始めるが…。映画『ツーリストファミリー』の見どころを松尾貴史が語る。（『Numero TOKYO（ヌメロ・トウキョウ）』2026年3月号掲載）</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
インドに密入国した家族の運命は
<p>この10年ほど、「海外旅行に行くならどこへ行きたいですか？」という質問には必ず「スリランカか南インド」と答えている私です。下北沢でカレー店を営んでいる身として、かの地域のカレーやビリヤニ、スパイス料理を食いまくりたいという野望が燃え続けています。</p>
<p>北インドも好きですが、ニューデリーの料理学校に超短期留学をして、「次は南だ」と心に決めているのです。北インドは小麦粉が主食になる場合が多いのですが、南インドはバスマティライスなど米食文化なので、カレーライスが大好きな私には憧れの地域なのです。スリランカも同じくカレーとライスの組み合わせの国なので、馴染み深いのです。スリランカのスパイスは、トゥナパハというローステッドスパイスが香り高く、毎日食べても飽きないものです、個人的な意見ですが。</p>
<p class="picture"></p>
<p>スリランカの首都は？ と聞かれて即答できる人はどれくらいの割合いるでしょうか。「スリジャヤワルダナプラコッテ」が正解です。今は落ち着いていますが、内乱のせいで長い間、国内の経済が低迷していました。</p>
<p>この映画に出てくる家族も、そうした困難な状況の中、非合法的に難民としてインドのタミルナードゥ州に辿り着き、棲家を得ます。今、アメリカでも日本でも国のリーダーによる外国人に対する誤解が広められています。世界中で排外主義が台頭し、「他所から来た人たち」に対する風当たりが強くなっていますが、この家族の運命はいかに進んでいくのでしょうか。</p>
<p class="picture"></p>
<p>もちろん、難民であることは秘密にしなければなりません。特に、言葉の違いを近所の人たち相手に、どう誤魔化していくのかも見せ場のひとつです。</p>
<p>作品全体に、心にポッと火が灯るような優しさ、温かさが充満しています。深刻で困窮する一家ですが、なぜか絶望の臭いはなく、どこかユーモラスに切り抜けていくのではないかと思わせてくれるムードを纏っています。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>シリアスなテーマではありますが、日常の出来事がうまく構成されていて、癒やしと笑いを提供してくれています。子役のこまっしゃくれたキャラクターも、どこか憎めず、時に一休さんを思わせる難問解決の妙を見せてくれるのも面白いところです。</p>
<p>他者への思いやりや助け合うことの重要さを形にして見せてくれるのですが、まったく説教くさい味付けにならず、差別や偏見の愚かしさを際立たせています。</p>
<p>もちろんインド映画ならではの踊りのシーンは過不足なく取り入れられています。無意味に脈絡なく踊るのではなく、踊らざるを得ない頓知の効いた演出も心憎いところです。主要な登場人物の人格設定が巧妙で、ついつい肩入れしてしまうのも一興です。</p>
<p></p>
『ツーリストファミリー』
<p>監督・脚本／アビシャン・ジーヴィント　<br />
出演／シャシクマール、シムラン、ヨーギ・バーブ<br />
全国公開中<br />
https://spaceboxjapan.jp/touristfamily/</p>
<p>©Million Dollar Studios　©MRP Entertainment</p>
<p class="btn_entry">「松尾貴史が選ぶ今月の映画」をもっと見る</p>
<p></p><p>The post 松尾貴史が選ぶ今月の映画『ツーリストファミリー』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/02/85edf03681895a1129396490c096c3ab.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/02/TF_ec.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ゼンデイヤ、「人生の多くは喪失」と悟る</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260224-zendaya/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>天海祐希、香取慎吾ら超豪華配役に注目！三谷幸喜新作ミュージカル『新宿発8時15分』</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-2026024-shinjyuku/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ケイト・ハドソン、若い頃の過ちに後悔はない</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260223-katehudson/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>ゼンデイヤ、「人生の多くは喪失」と悟る</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260224-zendaya/</url>
        </related>
            <related>
            <title>天海祐希、香取慎吾ら超豪華配役に注目！三谷幸喜新作ミュージカル『新宿発8時15分』</title>
            <url>https://numero.jp/news-2026024-shinjyuku/</url>
        </related>
            <related>
            <title>ケイト・ハドソン、若い頃の過ちに後悔はない</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260223-katehudson/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=498483</guid>
        <title>痛みと赦しを抱きしめる、ヨアキム・トリアー監督の新たなる到達点『センチメンタル・バリュー』</title>
        <link>https://numero.jp/cinema-news-20260221/</link>
        <pubDate>Sat, 21 Feb 2026 03:00:16 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[Naoto Mori / 森直人]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
		<category><![CDATA[cinema review]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>『わたしは最悪。』（2021年）が世界中で大きな話題を呼んだ北欧の名匠、ヨアキム・トリアー監督（1974年生まれ）がまたしても驚くべき成果を示した。 2025年5月、第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で第二席に当たるグランプリを獲得した最新作『センチメンタル・バリュー』は、133分という時間がまるで呼吸のように流れ去る。 複数の物語線がひとつの“家”へと吸い寄せられるように重なり合い、トリアー監督の持ち味である繊細なバランス感覚が極限まで研ぎ澄まされた傑作人間ドラマだ。</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
“家族”と“芸術”が交差する場所
<p>物語は、ボルグ一家の長女である主人公ノーラ（レナーテ・レインスヴェ）が子どもの頃に書いた「家」の擬人化作文から始まる。家は家族の歴史を記憶し、父の不在も、揺らぎも、ただ黙って受け止めてきた──。 トリアー監督はこの“家”を、家族史と芸術の問題へと巧みに接続し、観客をゆっくりと深い場所へ導いていく。</p>
<p>同時にこれは、ノーラという女性の“回復の物語”でもある。 彼女の名が、女性の自立と解放を主題に据えて近代劇の出発点となったヘンリック・イプセンの戯曲『人形の家』（1879年）のヒロインと同じであることは象徴的だ。 著名な映画監督である父グスタヴ（ステラン・スカルスガルド）との関係に刻まれた傷が、家族の物語と個人の痛みを複雑に絡め取り、ノーラの人生を静かに締めつけている。 そこへ、配信時代の芸術のあり方という現代的テーマが重なり、NETFLIXが実名で登場する大胆さも含め、アートとビジネスの緊張関係を挟みながら、“芸術は人を救えるのか”という問いを深く掘り下げていく。</p>
<p class="picture"></p>
<p>ヨアキム・トリアー監督はこれまで、『リプライズ』（2006年）、『オスロ、8月31日』（2011年）、『わたしは最悪。』という“オスロ三部作”で、都市（ノルウェーの首都オスロ）を舞台に若者、あるいはそこに準ずる年代の精神の揺らぎを描いてきた。また『テルマ』（2017年）ではホラーの形式を借りて内面の解放を描き、作品ごとに表現領域を拡張してきた。『センチメンタル・バリュー』は、その延長線上にありながら“家”へと視点を移すことで、より親密で、より痛切な領域へ踏み込んでいる。 家は単なる舞台ではなく、記憶と感情を蓄積する“生き物”として描かれ、トリアーのフィルモグラフィに新たな地層を刻んでいる。</p>
<p class="picture"></p>
<p>さらに『センチメンタル・バリュー』は、たびたびトリアーが敬愛を表明してきた北欧映画の巨匠イングマール・ベルイマン（1918年生～2007年没）の因子をとりわけ強く感じさせる一本でもある。特に権威的な映画監督である父グスタヴの人物像は、ベルイマンの影を色濃くまとった存在だ。劇中には 『仮面／ペルソナ』（1966年）を彷彿させる顔の重なり合うイメージや、役と演じる者の境界が揺らぐショットが登場する。そして“家族”を解剖するような冷徹な視線──。 トリアーはベルイマン的な視覚言語やモチーフを随所にちりばめながら、そこに“和解”や“融和”という現代的視点をそっと差し込む。 ベルイマンの厳しさを受け継ぎつつ、より柔らかく、より等身大の人間的な方向へと歩みを進めている。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>また、グスタヴが15年ぶりの新作として自身の母親の人生を映画化しようとする設定は、ベルイマンが自身の家族を俳優として出演させた『ファニーとアレクサンデル』（1982年）を思わせる。しかしトリアーは、自己神話化ではなく“断絶を超えるための芸術”としてこのモチーフを扱う。 そこにこそ、ベルイマンを敬愛しつつも彼を乗り越えようとするトリアーの姿勢が表れている。同じくベルイマンの影響を独自昇華した例として、ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督の『オスロ、3つの愛の風景』（2024年）──『DREAMS』、『LOVE』、『SEX』と並べてみるのも面白い。</p>
<p class="picture"></p>
<p>そして物語を支えるもうひとつの柱が、妹アグネス（インガ・イブスドッテル・リッレオース）の存在だ。 歴史研究者である彼女は、祖母カリン──戦時中ナチスへの抵抗運動を行ったレジスタンスの一員として活動し、強制収容所から帰還後に家の中で自死した女性──の人生を掘り起こす。父グスタヴは自分の母親、つまりこの祖母を題材に映画を撮ろうとし、その役をノーラに演じさせようとする。 家族史と創作活動が重なり合い、過去と現在が“家”という舞台で響き合っていく。</p>
<p class="picture"></p>
<p>俳優たちの存在感も光る。ノーラを演じるレナーテ・レインスヴェは、『オスロ、8月31日』で映画デビューし、トリアー作品と共に成長してきた俳優だ。『わたしは最悪。』で第74回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞した彼女が、今回も自身とほぼ同じ生年のノーラを演じることで、役と俳優の境界が曖昧になり、作品のメタ性がさらに高まっている。一方、エル・ファニングが演じるアメリカのスター俳優レイチェル・ケンプは、ノーラの“もうひとりの顔”として、『ペルソナ／仮面』的な二重性を鮮やかに照射する。 彼女がノーラの役を“代わりに演じる”という構造は、芸術と人生の境界を揺さぶるトリアーの企みに見事に呼応している。そして父グスタヴ役の名優ステラン・スカルスガルド、妹アグネス役の気鋭インガ・イブスドッテル・リッレオースらとのアンサンブルも完璧だ。</p>
<p class="picture"></p>
<p>加えて忘れ難いのが、時折差し込まれるユーモア。 アグネスの9歳の息子エリックの誕生日に、祖父のグスタヴが衝撃の問題作として知られる『ピアニスト』（2001年／監督：ミヒャエル・ハネケ）と『アレックス』（2002年／監督：ギャスパー・ノエ）のDVDを贈るという常識外れのプレゼント！　芸術家の偏りと破天荒さを象徴するこのシーンだが、笑いと同時に芸術が持つ人間理解のレンジの広さや、世間一般のコードに囚われぬ救いの可能性を浮かび上がらせる。</p>
<p class="picture"></p>
<p>総じて『センチメンタル・バリュー』は、家族、芸術、女性の回復、歴史、そして和解── これら多層的な主題を滑らかに統合したトリアーの新たな到達点といえる。ベルイマンへの敬意をにじませながらも、トリアー独自の優しさと現代性が息づき、重層的でありながら軽やかな映画体験を実現している。近年再評価が高まる英国の伝説的シンガーソングライター、ラビ・シフレの名曲「Cannock Chase」（1972年）が流れるエンディングの余韻まで、すべてが美しく、すべてが必然。来たるべき第98回アカデミー賞（2026年3月15日予定／現地時間）では8部門9ノミネートを果たし、大本命のひとつと目されている。賞レースでの存在感も、きっと大きなものになるだろう。</p>
<p></p>
『センチメンタル・バリュー』
<p>監督／ヨアキム・トリアー　<br />
出演／レナーテ・レインスヴェ、ステラン・スカルスガルド、インガ・イブスドッテル・リッレオース、エル・ファニング<br />
2月20日（金）よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開<br />
https://gaga.ne.jp/sentvalue_NOROSHI/</p>
<p>© 2025 MER FILM / EYE EYE PICTURES / LUMEN / MK PRODUCTIONS / ZENTROPA ENTERTAINMENTS5 APS / ZENTROPA SWEDEN AB / KOMPLIZEN FILM / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ARTE FRANCE CINÉMA / FILM I VÄST / OSLO FILM FUND / MEDIEFONDET ZEFYR / ZDF / ARTE</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">映画レビューをもっと見る</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 痛みと赦しを抱きしめる、ヨアキム・トリアー監督の新たなる到達点『センチメンタル・バリュー』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/02/ff9102ee401ce0fbfa14cd6326769168.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/02/cbf433b9ae2c3f0775b4ce6a070df02a.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>キム・カーダシアン、12歳の娘が事業を設立!?</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260220-kimkardashian/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>阿部サダヲ、広瀬すず、深津絵里ら豪華俳優陣が出演。NODA・MAP最新作『華氏マイナス320°』</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260220-noda-map/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ニコール・キッドマンに新たなロマンス？MGMリゾーツ会長が関心か</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260219-nicolekidman/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>キム・カーダシアン、12歳の娘が事業を設立!?</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260220-kimkardashian/</url>
        </related>
            <related>
            <title>阿部サダヲ、広瀬すず、深津絵里ら豪華俳優陣が出演。NODA・MAP最新作『華氏マイナス320°』</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260220-noda-map/</url>
        </related>
            <related>
            <title>ニコール・キッドマンに新たなロマンス？MGMリゾーツ会長が関心か</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260219-nicolekidman/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=498802</guid>
        <title>【プレゼント】オスカー有力候補！　映画『ハムネット』のトークイベント付き特別試写会に5組10名様をご招待</title>
        <link>https://numero.jp/news-20260219-hamnet/</link>
        <pubDate>Thu, 19 Feb 2026 02:30:14 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[News]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>『ノマドランド』で、第93回アカデミー賞®にて作品賞、監督賞を受賞したクロエ・ジャオ監督の最新作となる映画『ハムネット』が、2026年4月10日（金）公開される。それに先駆けて、3月19日（木）に開催される、トークイベント付き特別試写会に読者5組10名様をご招待！</p>
妻の視点から描く『ハムレット』誕生の物語
<p class="picture"></p>
<p>舞台は1580年イギリスの小さな村。貧しいラテン語教師ウィリアム･シェイクスピアは、森を愛する自由奔放なアグネスと出会う。2人は互いに惹かれ合い、情熱的な恋愛の末に結婚して3人の子供を授かるが、ウィリアムが遠く離れたロンドンで演劇のキャリアを模索する一方、アグネスは独りで子どもたちを守り家庭を支えていた。そんななか一家に大きな不幸が訪れ、かつて揺るぎなかった夫婦の絆が試されることになる──。</p>
<p>ウィリアム・シェイクスピアは、ひとりの息子として、夫として、父としてどのような人物だったのか。愛と喪失を経験した妻アグネスの視点から、名作『ハムレット』誕生の背景を繊細に描き出す。</p>
<p class="picture"></p>
<p>2020年に刊行され、英⼥性⼩説賞や全⽶批評家協会賞を受賞するなど国際的に高い評価を得た、マギー・オファーレルの同名小説『ハムネット』の実写映画化となる本作。妻アグネス・シェイクスピアを演じるのは『ウーマン・トーキング 私たちの選択』のジェシー・バックリー、ウィリアム・シェイクスピア役には『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』のポール・メスカル。さらに、エミリー・ワトソンやジョー・アルウィンといった実力派俳優が脇を固め、製作にはスティーヴン・スピルバーグとサム・メンデスが参加している。</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
<p>第83回ゴールデングローブ賞では作品賞（ドラマ部⾨）、主演⼥優賞（ドラマ部⾨）の2部⾨を受賞したほか、先ごろ発表された第98回アカデミー賞Ⓡでは、作品賞、監督賞、主演⼥優賞などの主要部⾨含め合計8部⾨にノミネートされるなど、今年の賞レースでも大きな注目を集めている。</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">試写会に応募する</p>
<p></p>
<p></p>『ハムネット』
<p><br />
監督／クロエ・ジャオ<br />
脚本／クロエ・ジャオ、マギー・オファーレル<br />
製作／スティーヴン・スピルバーグ、サム・メンデス<br />
出演／ジェシー・バックリー、ポール・メスカル、エミリー・ワトソン、ジョー・アルウィン<br />
https://hamnet-movie.jp/</p>
<p>配給／パルコ　ユニバーサル映画</p>
<p>©2025 FOCUS FEATURES LLC.</p>
<p></p><p>The post 【プレゼント】オスカー有力候補！　映画『ハムネット』のトークイベント付き特別試写会に5組10名様をご招待 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/02/sub5-1.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/02/0217main.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデと「親しすぎる」という噂に言及</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260218-cynthiaerivo/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>マヤ・ホーク、クリスチャン・リー・ハトソンとNYでバレンタイン挙式</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260217-mayahawke/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ノーベル文学賞作家の2作品を日本で舞台に『誰かひとり／回復する人間』</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260217-nobel-prize/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデと「親しすぎる」という噂に言及</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260218-cynthiaerivo/</url>
        </related>
            <related>
            <title>マヤ・ホーク、クリスチャン・リー・ハトソンとNYでバレンタイン挙式</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260217-mayahawke/</url>
        </related>
            <related>
            <title>ノーベル文学賞作家の2作品を日本で舞台に『誰かひとり／回復する人間』</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260217-nobel-prize/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=498438</guid>
        <title>鬼才監督ヨルゴス・ランティモスが放つブラックユーモアの異形作『ブゴニア』</title>
        <link>https://numero.jp/cinema-news-20260216/</link>
        <pubDate>Mon, 16 Feb 2026 03:00:27 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
		<category><![CDATA[cinema review]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[Naoto Mori / 森直人]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>第82回ヴェネチア映画祭コンペティションに出品され、来たるべき第98回アカデミー賞（2026年3月15日予定／現地時間）では作品賞・主演女優賞・作曲賞・脚色賞の4部門にノミネート。賞レースで話題沸騰中の『ブゴニア』だが、本作は『女王陛下のお気に入り』（2018年）や『哀れなるものたち』（2023年）の鬼才、ヨルゴス・ランティモス監督のフィルモグラフィの中でも特異な位置を占める一本だ。</p>
<p>彼らしい冷徹なユーモアと権力構造への眼差しを保ちながら、あえてB級カラーを強く打ち出したジャンル映画的な作りが特徴。監禁スリラーのように始まりつつ、蓋を開ければブラックコメディや風刺SFの領域へと転じていく。これはランティモスに加え、製作のアリ・アスター、そして本作のオリジナルである韓国映画『地球を守れ！』（2003年／監督：チャン・ジュナン）を手がけたCJエンタテインメントのエッセンスが混ざり合った結果といえるだろう。</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
韓国カルトSF『地球を守れ！』をエマ・ストーン主演でリメイク。陰謀論と企業支配がねじれ合う現代の悪夢の行方は!?
<p>脚色を担当したのは『ザ・メニュー』（2022年／監督：マーク・マイロッド）やHBOドラマ『メディア王～華麗なる一族～』（2018年～）などのウィル・トレイシー。ブラックユーモアや社会風刺を得意とする彼の参加によって、企画のコンセプトはより明確に研ぎ澄まされている。全体としては117分の長編でありながら主題はミニマムに絞られており、星新一や筒井康隆、あるいは藤子・F・不二雄の異色短編SFを思わせる“ショートショート的”な味わいもある。</p>
<p class="picture"></p>
<p>物語はこうだ。世界に名を轟かせるセレブリティであり、業界の新しいトップリーダーと目される超大手製薬会社オークソリスのカリスマ経営者ミシェル・フラー（エマ・ストーン）が、何者かに誘拐される。犯人はミシェルの会社の末端社員であり、彼女のことを“地球を滅ぼす宇宙人”だと固く信じる陰謀論者のテディ（ジェシー・プレモンス）と、彼を慕う従弟のドン（エイダン・デルビス）だった。</p>
<p>二人は彼女を自宅の地下室に監禁し、地球から手を引くよう要求する。また養蜂も手がけるテディは、昨今の世界的問題であるミツバチの絶滅危機や、それをもたらす地球の環境破壊も、すべてアンドロメダ聖人であるミシェルの仕業だと決め込んでいた。ミシェルはSNSの影響を受けたテディの妄執が全部勘違いであり、警察とFBIがあらゆる手段を使って自分を捜索するはずだと警告するが、まったく話の噛み合わない両者。だがやがてテディの隠された事情が明らかになり、荒唐無稽な誘拐劇は予想外の方向へと転じていく──。</p>
<p class="picture"></p>
<p>本作の基盤には『地球を守れ！』のプロットの強さが、批評的かつ現代的に最適化された形で活かされている。格差社会や階級闘争を描いた同作は、のちにCJエンタテインメントの代表作となるポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』（2019年）に影響を与えた“元ネタ”のひとつだ。『ブゴニア』はその構造をスライドさせつつ、誘拐される製薬会社CEOを男性から女性へと変更し、さらに原作にあった刑事パートをばっさり削除。これにより「グローバル企業のカリスマ女性社長 vs 陰謀論に囚われた末端社員の男性」という対決構図がよりソリッドに浮かび上がった。</p>
<p>ここで炸裂するのが、エマ・ストーン演じるミシェル社長と、ジェシー・プレモンス演じるテディの“屁理屈合戦”だ。例えば『異端者の家』（2024年／監督：スコット・ベック&#038;ブライアン・ウッズ）などを思わせる言葉の応酬は、ウィル・トレイシーによる脚色のとりわけ秀逸な部分。徹底的に分断された二人の対話はひたすら平行線をたどる。その状況を受けてミシェルがふと「これはダメだ」と悟り、相手の論理に乗るふりをしてスイッチを切り替える瞬間なども、構成の巧みさが光る。</p>
<p class="picture"></p>
<p>ミシェルはテディの言説を冷静に解析し、「あなたはエコーチェンバー現象に陥っている」と指摘する。インターネットのアルゴリズムにより同調空間に閉じ込められ、陰謀論へと絡め取られているという説明は、フィルターバブルとも呼ばれる現代社会の病理を鋭く突く。</p>
<p>しかし本作の最大のアイロニーは、こうした“定番的・教科書的な陰謀論批判”の裏側に隠れている。テディ役のジェシー・プレモンスは役作りのため、ジャーナリストのナオミ・クラインが2023年に発表した著書『ドッペンゲンガー　鏡の世界への旅』（訳：幾島幸子／岩波書店刊）を参考に読み、多くの人々が陰謀論に染まっていく時、論拠はフェイクでも、その心の中に恐怖心を起こしている“種”自体は本物だという視点に影響を受けたという。つまりテディの不信感の“種”は現実に存在するのだ。グローバル企業が「多様性」を掲げながら地球を破壊する構造、そしてミツバチの絶滅危機を象徴する“養蜂”のモチーフが、現代文明の破壊性を照射する。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>『ブゴニア（Bugonia）』という謎めいた映画のタイトルは、牛を意味する「bous」と、誕生・発生を意味する「gonos」が組み合わさった言葉。古代ギリシャの民間信仰に由来し、「牛の死骸からハチが生まれる（死からの再生）」を指す。ランティモス監督の説明によると、本作では腐敗した人類文明（雄牛）が消滅し、新たな生態系（ミツバチ）が生まれるという、寓話的なメタファーとして用いられている。</p>
<p>これはどっちが正義で、どっちが間違っているといった話ではない。それは『地球を守れ！』を踏襲しつつ、終盤に待ち構えている驚愕のクライマックスが鮮やかに示す。もちろん詳細の記述は控えるが、それまでの視点が高次へと上昇し、ワンステージ上の目線から人類の世界を見下ろす構図は圧巻かつ戦慄、同時にどこか爽やかだ。小鳥のさえずりとともに流れるのは、マレーネ・ディートリッヒが歌う反戦歌「花はどこへ行った」。ピート・シーガー作詞作曲、バート・バカラック編曲による名ナンバーが、映画の余韻を深く響かせる。</p>
<p class="picture"></p>
<p>この結末を知ってから逆算的に『ブゴニア』本編を再見すると、おそらく初見の時にはわからなかった要素や細部がいろいろ飲み込めてくるはずだ。例えばミシェルが車内で流しながら一緒に歌うチャペル・ローンの大ヒット曲「Good Luck, Babe!」（2024年）にも、意外に繊細な“意味”が読み取れるかもしれない。なお拷問シーンで流れるグリーン・デイの「Basket Case」（1994年）は、『地球を守れ！』のパンク版「オーバー・ザ・レインボウ」へのオマージュとして機能するなど、音楽面の工夫も本作の魅力のひとつである。</p>
<p>映像面の完成度も申し分ない。撮影はランティモス組の常連ロビー・ライアン。ほぼ密室劇でありながらビスタビジョンで撮影され、世界に1台しか残っていない稀少カメラ「Wilcam11」を使用。画面構成から音響設計、エンドクレジットのタイポグラフィに至るまで、徹底してゴージャスなデザイン性が貫かれている。</p>
<p>もちろんランティモス監督の作家性の核となる「権力ゲーム」の主題は、本作でも健在だ。ギリシャを拠点に活動していた初期の『籠の中の乙女』（2009年）や『ロブスター』（2015年）から、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』（2017年）、前作『憐れみの３章』（2024年）へと続く系譜（以上は盟友の脚本家、エフティミス・フィリップと組んだ作品群）を踏まえた延長で、『ブゴニア』は“この企画なら監督はランティモスしかいない”と思わせる適材適所の一本となった。</p>
<p class="picture"></p>
<p>キャスト陣も盤石である。丸刈り頭のヴィジュアルも話題のエマ・ストーンは、ランティモス作品への出演が長編4作目となる（短編『Bleat』を含めれば5度目）。2020年に映画会社フルーツ・ツリーを設立した彼女はプロデューサーとしても参加。女性としては史上最年少でオスカー通算7度ノミネートという記録を更新し続ける存在感を発揮する。『シビル・ウォー アメリカ最後の日』（2024年／監督：アレックス・ガーランド）の怪演が絶賛されたジェシー・プレモンスは『憐れみの3章』に続く出演で、陰謀論者の複雑な内面を見事に体現。さらにドン役の新星エイダン・デルビス、テディの母親サンディ役のアリシア・シルヴァーストーンらも強烈な印象を残す。</p>
<p>『ブゴニア』は陰謀論と企業支配、環境破壊と人類の危機という重いテーマを、アイロニカルな笑いや独特の壮麗な美学で包み込んだ最新型の風刺劇だ。露悪的な描写が爆裂する作風はキワモノのようでいて、実は極めて王道の“現代寓話”として成立している。『地球を守れ！』のアップデートとしても抜群の仕上がりといえるだろう。</p>
<p></p>
『ブゴニア』
<p>監督／ヨルゴス・ランティモス<br />
出演／エマ・ストーン、ジェシー・プレモンス、エイダン・デルビス<br />
2月13日(金) よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開<br />
https://gaga.ne.jp/bugonia/</p>
<p>配給／ギャガ　ユニバーサル映画　　　<br />
©2025 FOCUS FEATURES LLC.</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">映画レビューをもっと見る</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 鬼才監督ヨルゴス・ランティモスが放つブラックユーモアの異形作『ブゴニア』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/02/93a78a232fe932050a9d3954747f6389.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/02/41e71105934816fe40e4738b48c275c3.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ケムリ研究室第5回公演は、大正昭和初期に生きる人々を描く『サボテンの微笑み』</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260216-saboten/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>マーゴット・ロビー、成功の裏にあったレイチェル・マクアダムスの影響を語る</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260215-margotrobbie/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>カミラ・カベロ、ブロンド後の髪回復に1年かかったことを告白</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260214-camilacabello/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>ケムリ研究室第5回公演は、大正昭和初期に生きる人々を描く『サボテンの微笑み』</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260216-saboten/</url>
        </related>
            <related>
            <title>マーゴット・ロビー、成功の裏にあったレイチェル・マクアダムスの影響を語る</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260215-margotrobbie/</url>
        </related>
            <related>
            <title>カミラ・カベロ、ブロンド後の髪回復に1年かかったことを告白</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260214-camilacabello/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=495507</guid>
        <title>ポスト#MeTooに位置する新たな傑作。映画『グッドワン』</title>
        <link>https://numero.jp/cinema-news-20260120/</link>
        <pubDate>Tue, 20 Jan 2026 09:00:50 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
		<category><![CDATA[cinema review]]></category>
		<category><![CDATA[Naoto Mori / 森直人]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>米国インディペンデントの新鋭監督が素晴らしいデビュー作を放った。1984年生まれで、LAを拠点に活動するインディア・ドナルドソン。彼女の初長編作となる2024年の映画『グッド・ワン』は、多感なティーンの少女が直面する気まずい状況を通し、日常の延長にある光景を扱いながら、言葉と沈黙のあいだに潜む震えを繊細かつ鋭敏にすくい上げていく。ケリー・ライカート監督の傑作『オールド・ジョイ』（2006年）からの影響や発展を感じさせる本作は、サンダンス映画祭でワールドプレミア上映され、第77回カンヌ国際映画祭の監督週間に出品された。ちなみに監督の父親は『追いつめられて』（1987年）や『世界最速のインディアン』（2005年）など、ハリウッドメジャーでも活躍してきたニュージーランド出身の映画監督／プロデューサー、ロジャー・ドナルドソンだ。</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
思春期の少女の揺らぎが“無自覚な男性性”の影や棘をすくい上げる
<p>物語は17歳の女子高生のサム（リリー・コリアス）が、父親のクリス（ジェームズ・レグロス）とその友人マット（ダニー・マッカーシー）と共に、米ニューヨーク州のキャッツキル山地へ二泊三日のキャンプ旅行に出かけるところから始まる。本来ならマットの息子ディランも同行するはずだったが、父親との確執から直前に参加を拒否し、結果としてサムは二人の中年男性に囲まれた奇妙な旅に放り込まれる形となった。大学進学を控えた彼女にとって、それは父との貴重な思い出となるはずの休暇でありながら、どこか不穏な影が差し込む時間でもある。</p>
<p class="picture"></p>
<p>クリスとマットは、長年の友情がもはや習慣のように固まった関係にある。責任感が強いが中年の混乱に沈むクリスと、失敗した元俳優として冗談に逃げながらも深い失望を抱えるマット。二人の軽口や苛立ちは山道のざらついた空気とともにサムの視界に流れ込む。例えばマットは、サムのクィアという属性──ジェシーというガールフレンドのことを何の気なしにからかう。またクリスとマットは共に離婚を経験しており、クリスは前妻（つまりサムの母親）より今の妻のほうが楽だと、娘の前で平然と話したりもする。</p>
<p class="picture"></p>
<p>彼らガサツでゴツい親父の“無自覚な男性性”は、サムの視点から不快な棘として表出されていく。ドナルドソン監督は明快な説明を避け、われわれ観客に微妙な空気のささくれ立ちを受け取らせる。男たちは酒の酔いに任せて浮気話を始め、彼女の前で見せるべきでない姿をさらけ出す。彼らのノンデリカシーな態度によって、最初はぎこちないながらも楽しかった旅は、やがて言葉にできない不安の膜に覆われていく。</p>
<p>さらにトレイルでたまたま出会った三人組の若い男性グループと合流すると、クリスとマットの配慮に欠ける姿勢はますます際立つ。紅一点状態になってしまったサムが生理中であることに彼らが気づかないという小さな事実は、彼女の孤立と男女の身体的・社会的な断絶を鋭く照らし、彼女は彼らの知らない世界を抱えたまま歩き続ける。映画はこうした細部を積み重ね、思春期の少女が「良い子（Good One）」であることを求められ続ける構造を暴いていくのだ。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>#MeToo以降、トキシック・マスキュリニティ（有害な男性性）の糾弾を主題とする映画はひとつの潮流となった感があるが、ここまで微細な抑圧を注視した作品は稀かもしれない。『グッドワン』の中で決定的な“事件”として噴出するのは、酔っ払ったマットがサムに向けてしまう不用意な性的発言と、それを“男同士”の感覚で擁護してしまうクリスの暗黙の慣れ合いだ。もはや骨身にまで染みついた男性優位の価値観と、父性の暴力的な側面が具合悪く絡み合う。サムはその圧力の中で静かに、しかし確かに反抗の火を灯していく。彼女の「いいかげんにしろ！」というような心の叫びは声にならず、視線や沈黙の揺れとして画面に刻まれる。</p>
<p class="picture"></p>
<p>自然音と呼応するセリア・ホランダーの音楽、そしてエンディングで流れる伝説のシンガーソングライター、コニー・コンヴァース（1924年生まれ～1974年に失踪）の歌声とストレンジなフォークサウンド（楽曲は「Talkin&#8217; Like You (Two Tall Mountains)」）が、この小さな旅の余韻を深く響かせる。『グッドワン』ではひとりの少女が世界の粗さに触れ、そこから身を起こす瞬間を丁寧に描き出す。言葉の間に沈むものこそが人生を形づくるのだという確信を、そっと胸に置いていく作品でもある。主人公サムの難しい感情の揺らぎを体現したリリー・コリアスは、本作が映画初主演。今後の活躍が期待される新星だ。</p>
<p></p>
『グッドワン』
<p>監督・脚本／インディア・ドナルドソン　<br />
出演／リリー・コリアス　ジェームズ・レグロス　ダニー・マッカーシー<br />
全国公開中<br />
https://cinema.starcat.co.jp/goodone/</p>
<p>©2024 Hey Bear LLC.</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">映画レビューをもっと見る</p>
<p></p>
<p></p><p>The post ポスト#MeTooに位置する新たな傑作。映画『グッドワン』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/01/sub7.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/01/goodo_ec.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>写真家・操上和美を写し出す一冊『今という永遠　写真家・操上和美の90年』発売！</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260119-kazumikurigami/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>マコーレー・カルキン、キーランとの兄弟共演の可能性を語る</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260118-macaulayculkin/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>リアーナ、今年の夏に音楽活動を再開!?</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260117-rihanna/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>写真家・操上和美を写し出す一冊『今という永遠　写真家・操上和美の90年』発売！</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260119-kazumikurigami/</url>
        </related>
            <related>
            <title>マコーレー・カルキン、キーランとの兄弟共演の可能性を語る</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260118-macaulayculkin/</url>
        </related>
            <related>
            <title>リアーナ、今年の夏に音楽活動を再開!?</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260117-rihanna/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=494791</guid>
        <title>10人の有識者が選ぶ、“手放すことで強くなる”本と映画</title>
        <link>https://numero.jp/20260118-let-go-to-get-stronger/</link>
        <pubDate>Sun, 18 Jan 2026 01:00:30 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[Rie Tsukinaga / 月永理絵]]></category>
		<category><![CDATA[Naoto Mori / 森直人]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[Hitomi Kanehara / 金原 ひとみ]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
		<category><![CDATA[book]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>10人の有識者たちが、「やめる」「手放す」という決断をしたその先の世界を明るく照らしてくれる本と映画をセレクト。価値観やしがらみに縛られず、自分軸で生きるために。その決断を讃えよう。（『Numero TOKYO（ヌメロ・トウキョウ）』2026年1・2月合併号掲載）</p>
<p>&nbsp;</p>
英文学者・北村紗衣 選『タイタニック』
<p class="picture"></p>
手放すという決断が道をひらく
<p>「『手放す』というキーワードでまず思いつくのは『タイタニック』だ。これは私の世代の女性映画ファンには、映画館に行って映画を見るようになるきっかけを作った大事な映画だと思うのだが、人生の大事な局面では何かを手放さないといけないこともあるということをはっきり描いている。誰でも知っている映画だと思うのでネタバレするが、タイタニック号沈没後、ケイト・ウィンスレット演じるヒロインのローズは、レオナルド・ディカプリオ演じる恋人ジャックが、救助が来る直前に冷たい海で死んでしまったのに気づく。愛する人を失ってくじけそうになるローズだが、生前にジャックに対して決して諦めないと誓っていたため、文字通りジャックの手を放して必死に助けを求める。これでローズは救助されて生きのびることができた。これはローズがジャックとの愛を通して成長し、他人に頼らなくても生きられる一人前の大人の女性になったことを示す場面だ。</p>
<p>さらに映画の最後の部分で、年老いたローズはもう一度、手放す行為を行う。ジャックとの思い出の品でもある高価な宝石『碧洋のハート』を船の上から海に投げ捨てるのだ。この場面の解釈はいろいろあるが、私の解釈は、この宝石はローズの心そのものを象徴するというものだ。ローズは今までひとりで背負ってきたジャックとの物語を初めて人に打ち明け、重荷を下ろしたような気持ちになっている。もう先が長くないこともわかっているローズは、終活の準備として自分の心を海に沈むジャックに再び捧げようとする。ジャックが海に沈んでいく場面と、宝石が海に沈む場面はそっくりに撮られている。この二つの『手放す』場面は、どちらもローズの愛が亡くなったジャックのもと、つまりは海の底にあることを示唆している場面だと思われる」<br />Text：Sae Kitamura</p>
<p>北村紗衣（きたむら・さえ）<br />
武蔵大学人文学部英語英米文化学科教授。専門はシェイクスピア、舞台芸術史、フェミニスト批評。ウィキペディアでも活動している。</p>
<p>&nbsp;</p>
声優・池澤春菜 選『オメラスから歩み去る人々』
<p class="picture"></p>
誰かの犠牲の上に成り立つ幸せを思う
<p>「いらないものを捨てる。抱えていたものを手放す。感謝して卒業し、次へ進む。捨てることで、前向きな変化が得られることもある。だがもし、それが自分の生活を壊し、心地よさを損ない、大切な人や物と別れることを意味するのだとしたら。それでも、わたしたちは『捨てる』という決断ができるだろうか。</p>
<p>アーシュラ・Ｋ・ル・グィンの『オメラスから歩み去る人々』はわずか十数ページの短い小説だ。それでも読んだ人に強烈な印象を残す。誰もが幸せで満ち足りた生活を送る、美しい都市オメラス。だがその地下に、ひとりの子どもがいる。窓もなく、湿った床の上で、ひとり膝を抱えて座る知的障害のある子ども。その子が地下にいることを誰もが知っている。その子が垢と排泄物にまみれ、誰の愛も知らず、絶望と孤独の中にいることが、都市の繁栄を支えている。たったひとりの犠牲が、オメラスに生きる全ての人に幸せをもたらす。殆どの人は、葛藤し、悩み、苦しみ、泣き、自分の無力さに打ちひしがれ、やがて受け入れる。あるいは、忘れてしまう。そうして幸せに生きていく。だが時折、誰かが街の外に出る。そしてそのまま歩き続け、帰ってこない。</p>
<p>この小説に答えはない。あるのは永遠の問いだけだ。だからこそ、読んだ人を変えるのではないかと思う。わたしたちの生きる世界も、誰かの犠牲の上に成り立っていることがたくさんある。能天気なことをお花畑と揶揄する言い回しがある。けれど、その花は誰かの亡骸の上に咲いているのかもしれない。歩み去ることが、正義とは限らない。捨てるとは、不要なものを選ぶ行為だけではない。いつか、歩み去ることも選ぶこともできず、わたしが地下に取り残されるかもしれない。だから問い続けるしかない。わたしたちの足元にも、オメラスはあるのだから」<br />Text：Haruna Ikezawa</p>
<p>池澤春菜（いけざわ・はるな）<br />
声優。作家。第20代日本SFクラブ会長。『SFのSは、ステキのS』で星雲賞ノンフィクション部門を受賞。2024年に初短編集『わたしは孤独な星のように』刊行。</p>
<p>&nbsp;</p>
映画ライター・月永理絵 選『バーナデット ママは行方不明』
<p class="picture"></p>
何不自由ない生活を放り出して見つけた居場所
<p>「ある日突然、娘と夫との何不自由ない生活を放り出し家族の前から姿を消す主婦バーナデットをケイト・ブランシェットが演じる。実はバーナデットには、有名な建築家だったがある事件を機に家庭に入った過去がある。スクリューボールコメディのような怒濤の展開のなかで、とにかく彼女が社会でうまく振る舞えない人である、ということがひしひしと伝わってくる。人付き合いが大の苦手で、近所付き合いはもちろん、家族との旅行がプレッシャーとなり挙動不審に。それをごまかすための行動が大惨事を巻き起こし、遠い南極へと逃げ出すバーナデットだが、そこでの出会いが奇跡を起こす。</p>
<p>何より感動的なのは、彼女が自分の欠点だと思っていた全てが、実は彼女の才能を発揮するために必要なものだったと判明すること。こうしなければ、と思い込んでいた全てを一度手放してみれば、思いがけない居場所が見つかるかもしれない。そんな希望を与えてくれる映画」<br />Text：Rie Tsukinaga</p>
<p>月永理絵（つきなが・りえ）<br />
映画ライター、編集者。朝日新聞や「週刊文春」「CREA.web」などで映画評やインタビュー記事を執筆。著書に『酔わせる映画　ヴァカンスの朝はシードルで始まる』（春陽堂書店）。</p>
<p>&nbsp;</p>
ブックディレクター・山口博之 選『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』
<p class="picture"></p>
答えを急ぐのをやめる
<p>「SNSでも本でも、さまざまなイシューについてあなたはどちら側だと問われ、成功するなら何をやるべき、素早く決断をしろという言葉が流れ続けてくる。答えを迫られているような、とにかく急がされているような感じがしてしまう。『ネガティヴ・ケイパビリティ』は、『わからないことに耐えながら、じっと観察して本質にじりじり迫っていく』ような力やあり方のことで、この本はその『わざわざ立ち止まってモヤモヤした状態でいるための力』を再評価し、どこか回りくどく、無駄に思われるようなことの大切さを教えてくれる。</p>
<p>哲学者である著者3人のやり取り自体、安易に答えを示さず、多様な引用や比喩、話題を経由して展開され、しっかりと観察し、対象ににじり寄っていく感覚を味わうことができる。ネガティヴ・ケイパビリティとともに、観察すること、公私の間にあるコモンの必要性、イベントではなくエピソードを、という考えをこれから大切にしたくなった」<br />Text：Hiroyuki Yamaguchi</p>
<p>山口博之（やまぐち・ひろゆき）<br />
ブックディレクター、編集者。旅の本屋BOOK246、選書集団BACHを経て2017年にgood and sonを設立。公共図書館から個人邸までさまざまな場のブックディレクションを手がける。</p>
</p><p></p>映画評論家・森直人 選『ハッピー・オールド・イヤー』
<p>監督・脚本／ナワポン・タムロンラタナリット　出演／チュティモン・ジョンジャルーンスックジン　Prime Videoにてレンタル配信中　©2019 GDH 559 Co.,Ltd.</p>
人生をリセットするための断捨離
<p>「年の瀬、バンコクの片隅で、一人の女性が“さよなら”の準備をしている。新世代のタイ映画『ハッピー・オールド・イヤー』の主人公ジーンは、北欧で学んだミニマリズムを胸に、自宅をデザイン事務所に変えようと奮闘中。だけど家の中はモノと記憶であふれている。ピアノ、CD、雑誌、洋服、古いカメラ――それらはただの物体じゃなく、過去の自分や誰かとの関係そのものだ。捨てるのは簡単じゃない。時に痛みを伴うし迷いもある。でもジーンは、ただ片付けるだけじゃなく“返す”という選択をする。元カレに借りたカメラを返すとき、彼女の心にも静かな風が吹く。これは断捨離という儀式の形を取った人生のリセットボタンなんだなと思う。</p>
<p>この映画はモノを手放すことで心が少しずつ自由になっていく過程を、優しく、でも鋭く描いている。新しい年を迎える前にそっと問いかけてみたくなる。『本当に大切なものってなんだろう』と。風通しの良い心で新しい一歩を踏み出すために」<br />Text：Naoto Mori</p>
<p>森直人（もり・なおと）<br />
映画評論家。著書に『シネマ・ガレージ～廃墟のなかの子供たち～』（フィルムアート社）など。YouTubeチャンネル「活弁シネマ倶楽部」MC担当。</p>
<p>&nbsp;</p>
ライター・林みき 選『ナチュラルボーンチキン』
<p>著者／金原ひとみ　発行／河出書房新社</p>
安寧という檻から抜け出す
<p>「特集のテーマを聞いて、真っ先に思い浮かんだのがこの作品。主人公は、出版社の労務課に勤務する45歳の浜野文乃。食事から着るものにはじまり、生活そのものをルーティン化することによって心の安寧を維持している人物だ。しかし、青髪のツーブロックでスケボーに乗って通勤し、推しのホストに入れ上げる陽キャの極みともいえる文芸編集部の平木直理と出会ったことにより、浜野の判で押したような生活はトルネードに巻き込まれたかのごとく崩れていく。</p>
<p>このあらすじだけでは、平木が平穏を脅かす迷惑な存在に思えるかもしれないが、平木に振り回される度に凝り固まっていた心が動きはじめ、徐々に己を取り戻していく浜野の姿に、安寧が自分を閉じ込める檻になり得ると実感させられるのは、きっと私だけではないはずだ。『手放す』とは何かを失うことではなく、新たな物事を手に入れられる可能性を生み出すことだと前向きな気持ちになれる読書体験をぜひ」<br />Text：Miki Hayashi</p>
<p>林みき（はやし・みき）<br />
ライター。ファッション＆カルチャー誌の創刊と編集に7年間携わった後、フリーランスに。『Numéro TOKYO』本誌・公式サイトでは新刊レビューおよび文芸記事を担当。</p>
<p>&nbsp;</p>
映画批評家・児玉美月 選『プリシラ』
<p>監督・脚本／ソフィア・コッポラ　出演／ケイリー・スピーニー、ジェイコブ・エロルディ　価格／Blu-ray ¥5,500　DVD ￥4,400　発売・販売／ギャガ　©The Apartment S.r.l All Rights Reserved 2023</p>
スターとの結婚生活に終止符。新たな人生を歩み出す
<p>「1985年、『キング・オブ・ロックンロール』とも称されたエルヴィス・プレスリーの生涯唯一の妻であったプリシラ・プレスリーが、エルヴィスと共に過ごした14年間を綴った回想録『私のエルヴィス』を刊行した。この回顧録を基に、ガーリーカルチャーの代名詞である映画作家ソフィア・コッポラが、プリシラの視点から知られざる物語を紡いだ。</p>
<p>50年代の終わり、14歳のプリシラはすでに著名だったエルヴィスと運命の出逢いを果たす。やがてメンフィスにある邸宅での夢のような生活の中、プリシラは結婚と出産を経験するものの、果たしてこのままでいいのかと違和感が芽生えてしまう。エルヴィスの好みだったヘアメイクやファッションは少しずつ変化し、映画が進むにつれてプリシラはまるで別人のようになっていく。『プリシラ』は、愛していたとしても自分の人生のために手放さなければならない関係があること、そして女性の自立を描いている」<br />Text：Mizuki Kodama</p>
<p>©The Apartment S.r.l All Rights Reserved 2023</p>
<p>児玉美月（こだま・みづき）<br />
映画批評家。共著に『彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家』、『反=恋愛映画論——「花束みたいな恋をした」からホン・サンスまで』、『「百合映画」完全ガイド』などがある。</p>
<p>&nbsp;</p>
書評家・豊崎由美 選『喜べ、幸いなる魂よ』
<p>著者／佐藤亜紀　発行／KADOKAWA</p>
しがらみを捨て自身の喜びのために生きる
<p>「18世紀後半のベルギー、フランネル地方を舞台にしたこの物語のヒロインは、亜麻糸商として成功した父親のもとに生まれたヤネケ。とてつもなく頭がよく好奇心旺盛なヤネケは幼なじみのように育った心優しいヤンとの間に子どもができると、単身女性の互助会組織のような『ベギン会』に入っている叔母のもとで出産。でも、結婚して一緒に子育てをしたいというヤンの願いを退け、ベギン会の中で自分の研究に没頭する。そんなヤネケを勝手と思う人がいるかもしれないが、小説を最後まで読めば彼女の生き方を潔いと思う人のほうが多いはず。</p>
<p>女性名では論文が発表できないからと、ヤンの名前を借りることを意に介さない。ヤネケには功名心のかけらもない。ヤンが商売で困れば惜しみなく知恵を貸す親切さも持ち合わせている。家や結婚や俗世、いろんなことを捨て、軽やかに自身の能力を伸ばし試す喜びに生きる。まさに仏教でいうところの放下。そんなヤネケの生き方にわたしは憧れる」<br />Text：Yumi Toyozaki</p>
<p>豊崎由美（とよざき・ゆみ）<br />
書評家。「週刊新潮」などに連載を持つ。共著に『文学賞メッタ斬り！』シリーズなど、単著に『時評書評』『どうかしてました』など多数。</p>
<p></p>ライター・小川知子 選『人生の最期にシたいコト』
<p>出演／ミシェル・ウィリアムズ、ジェニー・スレイト　ディズニープラスのスターで独占配信中　©2025 Disney and its related entities</p>
身体と欲望を取り戻す旅へ
<p>「かつて自分を安心させていたものが、いつしか自分の本音を見えなくさせることはある。実在の人物モリー・コーチャンはステージⅣの転移性乳がんの診断を受け、15年間連れ添った夫と離婚。これまでの人生を手放したことから、自身の身体と欲望を取り戻す旅が始まる。親友ニッキー・ボイヤーと始めた人気ポッドキャストをもとにしたコメディドラマは、死に向かうモリー（ミシェル・ウィリアムズ）が『40代女性』や『がん患者』といったラベルから解放され、主体性を取り戻していく日々を描く。</p>
<p>モリーを看取るニッキーは、あくまで介護者ではなく友人として寄り添い、混乱し、怒り、笑いながら彼女の生きざまを応援する。二人の対等で深い愛情に、もう当分ドラマは見なくてもいいと思えるほど満たされた。ケアと愛にまつわるダイナミクスについて考えながらも、涙が出るほど笑い転げて、確かにエンパワーされた。いつか来る死を前に、この物語を知っている自分でよかった、そう思えるほどに」<br />Text：Tomoko Ogawa</p>
<p>小川知子（おがわ・ともこ） <br />
ライター。インタビュー、コラムの寄稿、翻訳などを行う。共著に『みんなの恋愛映画100選』（オークラ出版）がある。</p>
<p>&nbsp;</p>
誠光社店主・堀部篤史 選『残像に口紅を』
<p>著者／筒井康隆　発行／中央公論新社</p>
五十音が一つずつ失われていくとき
<p>「『ひとつのことばが失われた時、そのことばがいかに大切なものだったかが初めて分かる。そして当然のことだが、ことばが失われた時にはそのことばが示しているものも世界から消える』（本文より）。小説世界から、五十音が一つずつ失われていく実験作としてよく知られる本作。その遊戯性、小説内で言語について語り尽くすメタ構造の面白さもさることながら、読後ページから目を上げ、周りを見渡すと、この世界は言語で構築されていることに気づかされるのがこの作品の凄みである。作家自身がその後断筆、虚構が現実化することで本作はようやく完結する。</p>
<p>日々新たなネットミームやスラングが生まれ続け、名付けられていなかったものに名前が与えられることで、複雑さと禍々しさを増すこの世界から、言葉が剥がれていくとすれば。肝心なのは何を失うかではなく、何を残すのか。自分自身50歳を目前にした今、老いていくことのメタファーにも読めてしまう」<br />Text：Atsushi Horibe</p>
<p>堀部篤史（ほりべ・あつし）<br />
京都は御所と鴨川に挟まれた河原町丸太町路地裏の書店、誠光社店主。小売と同時に編集、出版、執筆なども並行して行う。</p>
<p></p><p>The post 10人の有識者が選ぶ、“手放すことで強くなる”本と映画 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/01/cde7b66a678af01e81a861ac34230437-1.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/01/cde7b66a678af01e81a861ac34230437-1.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ホームリネンブランド「ÉCHAPPER」が初のポップアップを開催 </ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20210606-echapper/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>『WONDER ARCHITECTURE　世界のビックリ建築を追え。』</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20201031-wonder-architecture/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>新たな才能を発掘！「ギンザ・ショートフィルム・コンテスト」初開催</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20190329-ginzashortfilmcontest/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>ホームリネンブランド「ÉCHAPPER」が初のポップアップを開催 </title>
            <url>https://numero.jp/news-20210606-echapper/</url>
        </related>
            <related>
            <title>『WONDER ARCHITECTURE　世界のビックリ建築を追え。』</title>
            <url>https://numero.jp/news-20201031-wonder-architecture/</url>
        </related>
            <related>
            <title>新たな才能を発掘！「ギンザ・ショートフィルム・コンテスト」初開催</title>
            <url>https://numero.jp/news-20190329-ginzashortfilmcontest/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=494971</guid>
        <title>鬼才ダーレン・アロノフスキーによるポップな痛快アクション！ 映画『コート・スティーリング』</title>
        <link>https://numero.jp/cinema-news-20260114/</link>
        <pubDate>Wed, 14 Jan 2026 05:00:19 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[News]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[Naoto Mori / 森直人]]></category>
		<category><![CDATA[cinema review]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>鬼才監督ダーレン・アロノフスキー（1969年生まれ）が、まさかの“ど直球エンタメ”を投げ込んできた。『レクイエム・フォー・ドリーム』（2000年）や『レスラー』（2008年）、『ブラック・スワン』（2010年）、『ザ・ホエール』（2022年）など、これまで観客の心を容赦なく締め上げきた彼が、今回放ったのは、なんと笑ってドキドキしてスカッとできるクライムアクション。「まず何より“楽しい映画”を作りたかった」という監督本人の言葉どおり、実際めちゃくちゃ面白い。その意外な軽やかさに驚かされつつ、同時にアロノフスキーの特徴的な個性が確かに息づいているのが興味深い。ジャンル映画の形式を借りたことで、むしろ作家性がより鮮明に立ち上がっている側面もあるのだ。そんな注目の最新作が、2025年8月29日に米国公開となった痛快作『コート・スティーリング』である。</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
オースティン・バトラーが猥雑な都市空間で犯罪に巻き込まれる
<p>物語の時代設定は1998年。舞台となるのは米ニューヨークシティーの下町。ロウアー・イースト・サイドを起点に、チャイナタウン、コニーアイランド、ブライトン・ビーチ、そしてクイーンズのフラッシングといった、ニューヨークでも特に多様性が濃縮されたエリアだ。民族も文化も宗教も入り混じる“サラダボウル都市”の混沌が、画面の隅々までみっちり詰まっている。アロノフスキー監督が長編デビュー作『π』（1998年）を撮っていた頃に実際に暮らしていた地域でもあり、彼にとっての原点回帰でもある。原作はチャーリー・ヒューストンの同名小説（2004年発表）で、脚本も彼が単独で執筆。アロノフスキーとは旧知の仲らしい。</p>
<p class="picture"></p>
<p>主人公の青年ハンク・トンプソンを演じるのはオースティン・バトラー。『エルヴィス』（2022年／監督：バズ・ラーマン）の主演や『デューン 砂の惑星PART2』（2024年／監督：ドゥニ・ヴィルヌーヴ）の悪役などで絶好調の彼だが、かねてからアロノフスキー作品の大ファンだったらしく、念願のタッグがここで実現した形だ。</p>
<p>ハンクはカルフォルニア州パターソン出身という設定。かつて地元にいた頃、メジャーリーグ入りを期待された元高校野球のスター選手だったが、事故と酒で人生を踏み外し、今はNYイースト・ヴィレッジの店でバーテンダーとして働き、恋人イヴォンヌ（ゾーイ・クラヴィッツ）と付き合いながら静かに暮らしている。ところが同じ安アパートに住むパンクスで変わり者の隣人ラス（マット・スミス）から、猫の世話を頼まれたことがきっかけで、予想もつかぬ大混乱と絶体絶命の大ピンチに巻き込まれていく。</p>
<p class="picture"></p>
<p>タイトルの『コート・スティーリング（Caught Stealing）』とは「盗塁失敗」を意味する野球用語で、広義では「チャンスをつかもうとして失敗すること」を指す。主人公ハンクがかぶるサンフランシスコ・ジャイアンツのキャップは、失われた未来の象徴であり、同時にタイトルが示す“失敗した者”の烙印を体現している。アロノフスキー作品において、自らの弱さに抗えず破滅へと向かう人物像は繰り返し描かれてきたが、本作のハンクもまたその系譜に連なる“アロノフスキー的主人公”である。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>やがてロシアンマフィアの二人組、プエルトリコ系ドラッグディーラー、超正統派ユダヤ教ハシド派の殺し屋兄弟……ニューヨークの多民族性がそのまま裏社会のカオスとして押し寄せ、ハンクの生活は地獄絵図に。逃げても逃げてもトラブルは増えるばかりで、ついには取り返しのつかない悲劇が起こり、どん底まで落ちたハンクはどうにか形勢逆転に打って出ようとする。</p>
<p>ここで面白いのは、アロノフスキーが長年描いてきた“ADDICTION（依存、中毒）”というテーマを、今回は重苦しい心理劇ではなく、アクションとブラックユーモアを混ぜた“ジェットコースター型エンタメ”として描いていることだ。腎臓を失って酒が飲めなくなっても、ハンクは問題から逃げ続ける性質を変えられない。その転落ぶりを観客が笑いながら、時にはあきれ、併走するように追いかける展開は、アロノフスキーが自らの個性をシンプルかつ陽性に再構築したような新境地を感じさせる。</p>
<p class="picture"></p>
<p>撮影はアロノフスキーの学生時代からの盟友マシュー・リバティーク。『π』から続く名コンビが、ロケーション撮影とデジタル処理を組み合わせて1998年のニューヨークの猥雑な空気を蘇らせた。伝説のレンタルビデオショップ「キムズビデオ」の店頭や、9.11以前のシンボルであったツインタワーが映り込むのも、当時の“生の都市”を封じ込めようとする監督の意図が感じられる。さらにカーチェイスやクラッシュなどのリアルアクションも盛りだくさん。アロノフスキーが本気で娯楽映画を作りに来ている熱がびんびん伝わる。またNYPDのローマン刑事（レジーナ・キング）が「ヴェセルカの白黒クッキー」を好むといった細部の描写からは、監督がニューヨークを単なる背景ではなく、文化の層が積み重なった“記憶の街”として扱っていることがわかる。</p>
<p class="picture"></p>
<p>『コート・スティーリング』は、鬼才アロノフスキーが原点の街へと帰り、混沌と暴力とユーモアをこれまでにない軽やかさで織り交ぜたポップなエンタメ快作。アート系監督が本気で遊ぶと、こんなに楽しい映画になるのか――その驚きがずっと続く一本だ。主人公ハンクの母親を演じる某ベテランスターがノンクレジット出演で登場する、終盤のサプライズにも注目！</p>
<p></p>
<p>『コート・スティーリング』<br />
監督／ダーレン・アロノフスキー<br />
出演／オースティン・バトラー、レジーナ・キング、ゾーイ・クラヴィッツ、マット・スミス<br />
全国公開中<br />
https://caught-stealing.jp/</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">映画レビューをもっと見る</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 鬼才ダーレン・アロノフスキーによるポップな痛快アクション！ 映画『コート・スティーリング』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/01/c8f85f03ab82d9f98fbba5e7cf863277.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/01/ae4bf42488607306f53c4dfe86c171da.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ケンダル・ジェンナー、「整形は一切していない」と強調</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260113-kendalljenner/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>グウィネス・パルトロウ、救急車の番号が分からない!?</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260112-gwynethpaltrow/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ケイト・ハドソン、「年齢は気にしない」前だけを見る生き方を語る</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20260111-katehudson/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>ケンダル・ジェンナー、「整形は一切していない」と強調</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260113-kendalljenner/</url>
        </related>
            <related>
            <title>グウィネス・パルトロウ、救急車の番号が分からない!?</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260112-gwynethpaltrow/</url>
        </related>
            <related>
            <title>ケイト・ハドソン、「年齢は気にしない」前だけを見る生き方を語る</title>
            <url>https://numero.jp/news-20260111-katehudson/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=494747</guid>
        <title>1月16日公開！映画『ウォーフェア 戦地最前線』青山学院大学の学生が退役軍人と考える、戦地のリアル</title>
        <link>https://numero.jp/20260112-warfare/</link>
        <pubDate>Mon, 12 Jan 2026 01:00:43 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>米国内の分断を描いた『シビル・ウォー アメリカ最後の日』で注目を集めたアレックス・ガーランド監督の最新作『ウォーフェア 戦地最前線』が、1月16日に日本公開される。</p>
<p>本作でガーランド監督が徹底したのは、戦争を“ドラマ”として描かないこと。そのために、イラク戦争でネイビーシールズ隊員として従軍したレイ・メンドーサが共同監督・脚本をてがけ、自身の実体験をもとに戦場の時間と感覚を限りなく忠実に再現した。</p>
<p class="picture"></p>
<p>作品の本公開に先駆け、青山学院大学 国際政治経済学部の学生15名が本作を鑑賞し、ジョセフ・クインが演じたサムのモデルになったジョー・ヒルデブランドとの対談とディスカッションを行った。戦争経験者が身近にいない世代の学生たちは、この映画をどう受け止めたのか。</p>
<p>想像していた戦争と、映像で体感する戦争の違い
</p>
<p>本作の舞台は2006年のイラク。アメリカ軍特殊部隊8名の小隊が、最も危険な地域とされる街ラマディでアルカイダ幹部の監視任務に就いていた。彼らの予想に反して突如始まる襲撃。そこから描かれるのは、勝利や正義の瞬間ではなく、ただ「生き延びようとするだけの時間」だ。映画的な音楽や劇的な演出はほとんどない95分間。観客は兵士たちと同じ時間を共有し、状況を把握する冷静さと考える余裕を奪われていく。</p>
<p class="picture"></p>
<p>今回、対談に参加したのは「いつか外交やビジネスなど国際的な仕事に就きたい」と志す、国際政治学科を専攻する学生たち。彼らが本作を鑑賞後に、口にしたのは「自分が想像していた戦争と、映像で体感した戦争はまったく違った」という感覚だった。これまで授業やニュース、映画を通じて触れてきた戦争は、一つの物語や情報として整理され、理解しやすい口調で語られてきた。しかし本作では、爆発後に突然訪れる耳鳴りのような沈黙、銃声と叫び声が入り混じる混乱、視界も思考も奪われる戦地の“ノイズ”そのものが描かれる。</p>
<p>学生の一人はこう語る。「なかなか過ぎていかない時間の長さと緊張感が、兵士たちが置かれている極限状態を疑似体験させる装置のように感じました」さらに「これまで文章や言葉で戦争を知ったつもりでいましたが、映像として体験すると、想像の限界を超えた苦しさと恐怖がありました」というコメントも。戦争が“理解できる出来事”から、“身体で感じてしまう体験”や“死を予感すること”へと変わった瞬間だったという。</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
退役軍人が率直に語った、軍人としての勤めと戦争の虚しさ
<p>対談の中でまずあがった質問は「自身の経験と、映画の内容に相違はあるか」という問いだった。それに対し、ジョー・ヒルデブランドは「95％は正確です。残りの5％は、実体験を映像として成立させるための調整のようなもの。自分たちが経験したことを忠実に描くことで、観る人が戦場を追体験できるようにしたかった」と答えた。</p>
<p>この言葉に、学生たちは驚きつつ、納得している様子だった。それは決して誇張ではなく、「作品が観ている側が消耗するほどリアルだった」からだ。</p>
<p>さらにジョー・ヒルデブランドが語ったのは、この作品が誕生した理由。「脚を失う大怪我をした戦友のエリオットは、19年経ったいまも戦地で自分の身に何が起きたのか記憶にありません。映像化して戦地で何が起こり、どうしてこういう状況になったかを彼に見せてあげたいという気持ちで作った作品でもあります。戦地から戻って兵士たちが語り合う機会はありませんでした。その間、個々が抱えた重荷から解放されるためにも、もう一度痛みを経験してでも作る価値があった作品です」</p>
<p class="picture"></p>
<p>他にも「日本は徴兵がなく、国のために戦う感覚が正直わからない」という、率直な問いも学生から投げかけられた。それに対して答えはこうだった。「羊と狼、そしてシェパード犬を想像してください。私は自分を皆さんの平穏な生活を守る“シェパード犬”だと思っています。戦場で考えていたのは、国の理念よりも、目の前の仲間を守ることでした」</p>
<p>学生たちもまた、兵士を“英雄”としてではなく、「国から目的を果たすために派遣され、極限状況に置かれた一人の人間」として捉え直したという。「戦場では、どんなに優秀な軍人でも自分と仲間の命を守ることで精一杯。一人の人間に戦争全体をどうこうできる余裕なんてないと感じました」</p>
<p>それから、イラク戦争はイラクに大量破壊兵器があることを大義に始まった。実際はそのような兵器は見つからず、いまだに侵攻についての批判が止まない。その点を尋ねると、ジョー・ヒルデブランドは「不幸なことに、侵攻を判断するのは軍の上層部であり政府。我々には判断ができない領域です。それに完璧な政府は存在しません。もちろん、より良い政府にするために選挙に参加し投票を行います。批判があったことは知っているものの、実際に下された判断を覆すことはできません。なので政府や軍を指揮する人にもこの作品を観てほしいです。実際の戦地がどれほど醜く、過酷で、個人的なものだと伝えたい」と語った。</p>
<p class="picture"></p>
<p class="picture"></p>
<p>また、数人の学生が語った印象的だった場面がある。映画終盤に瓦礫の中からイラク兵たちが静かに姿を現すシーンだった。激しい戦闘のあとに訪れる、不自然なほどの静けさ。勝利でも、解放でもない、ただ人がそこに立っている光景だ。「戦争が終わったというより、ただ戦争が米兵と共に現れて、米兵と共に去っていったように感じました」戦争は始まりよりも、終わったあとの方が重い空気が漂う。その現実が、強く胸に残ったという。</p>
<p></p>授業で学ぶ戦争と、現場の戦争のあいだ
<p>国際政治学部の授業では、戦争が起こる理由や政策決定のプロセスを学ぶという。しかし、実際に現場で何が起きているのか、兵士ひとりひとりがどんな状態に置かれているのかは、ほとんど知り得ない。</p>
<p>「これまでに鑑賞した戦争映画は市民目線のものが多数だった。そういう意味でも、この映画を観ることは新たな視点を学べるので意義深いこと」</p>
<p>「現実を知らなければ、戦争や政策について語ることが空虚になってしまう気がしました」</p>
<p>「戦争を“知ったつもり”になっていたことに気づいた」</p>
<p>そんな意見もあり、この映画は、理論と現実のあいだにある大きな隔たりを、学生たちに突きつけた。『ウォーフェア 戦地最前線』は、戦争を止める答えを示す作品ではない。しかし、戦争がどれほど個人的な体験であり、人間同士が起こす出来事でありながらいかに残酷であるかを、観る者に示している。</p>
<p class="picture"></p>
<p>最後にウクライナとロシア、イスラエル・パレスチナ間のガザ紛争、タイとカンボジア、米国とベネズエラなど、昨今増え続けている戦争について、ジョー・ヒルデブランドはこう語る。</p>
<p>「悲しい現実だが、自分が生きている間に戦争がなかったことは一度もなかった。戦争は醜いもので、どんな形を取ってでも止めるべき。戦争以外の選択を模索するべきだと強く思っています。一方で日本の学生たちが口々に『日本は平和だ』と言えることは本当に素晴らしいこと。その裏で戦う兵士がいることも覚えていてもらえたらと思います」</p>
<p>平和な日本に生きる私たちが、戦争を遠い出来事にしないために。この映画は、考え語り続けるためのきっかけとなるはずだ。</p>
<p></p>
『ウォーフェア　戦地最前線』
<p>2006年、イラク。監督を務めたメンドーサが所属していたアメリカ特殊部隊の小隊８名は、危険地帯ラマディで、アルカイダ幹部の監視と狙撃の任務についていた。ところが事態を察知した敵兵から先制攻撃を受け、突如全面衝突が始まる。反乱勢力に完全包囲され、負傷者が続出。救助を要請するが、さらなる攻撃を受け現場は地獄と化す。混乱の中、本部との通信を閉ざした通信兵・メンドーサ、指揮官のエリックは部隊への指示を完全に放棄し、皆から信頼される狙撃手のエリオット（愛称:ブージャー･ブー(鼻くそブーの意)）は爆撃により意識を失ってしまう。痛みに耐えきれず叫び声を上げる者、鎮痛剤のモルヒネを打ち間違える者、持ち場を守らずパニックに陥る者。彼らは、逃げ場のないウォーフェア（＝戦闘）から、いかにして脱出するのか。</p>
<p>脚本・監督／アレックス・ガーランド、レイ・メンドーサ<br />
出演／ディファラオ・ウン=ア=タイ、ウィル・ポールター、ジョセフ・クイン、コズモ・ジャーヴィス、チャールズ・メルトン<br />
配給／ハピネットファントム・スタジオ<br />
© 2025 Real Time Situation LLC. All Rights Reserved.<br />
2026年1月16日 （金）　TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開<br />
https://a24jp.com/films/warfare/</p>
<p></p><p>The post 1月16日公開！映画『ウォーフェア 戦地最前線』青山学院大学の学生が退役軍人と考える、戦地のリアル first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/01/sub3.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2026/01/main-2_EC.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ホームリネンブランド「ÉCHAPPER」が初のポップアップを開催 </ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20210606-echapper/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>『WONDER ARCHITECTURE　世界のビックリ建築を追え。』</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20201031-wonder-architecture/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>新たな才能を発掘！「ギンザ・ショートフィルム・コンテスト」初開催</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20190329-ginzashortfilmcontest/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>ホームリネンブランド「ÉCHAPPER」が初のポップアップを開催 </title>
            <url>https://numero.jp/news-20210606-echapper/</url>
        </related>
            <related>
            <title>『WONDER ARCHITECTURE　世界のビックリ建築を追え。』</title>
            <url>https://numero.jp/news-20201031-wonder-architecture/</url>
        </related>
            <related>
            <title>新たな才能を発掘！「ギンザ・ショートフィルム・コンテスト」初開催</title>
            <url>https://numero.jp/news-20190329-ginzashortfilmcontest/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=494135</guid>
        <title>20代の新鋭監督が描く！ 映画『世界一不運なお針子の人生最悪な一日』</title>
        <link>https://numero.jp/cinema-news-20251231/</link>
        <pubDate>Wed, 31 Dec 2025 07:00:32 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[News]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[cinema review]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[Naoto Mori / 森直人]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>原題は“Sew Torn（破れを縫う）”。スイスの田舎町を舞台に繰り広げられる異色クライムサスペンス映画『世界一不運なお針子の人生最悪な一日』は、運命の糸が絡まり合い、ひとりの女性を試練へと導く物語である。監督は米カリフォルニア出身の新鋭、フレディ・マクドナルド（2000年生まれ）。アメリカン・フィルム・インスティチュート（AFI）入学の際に19歳で制作した6分の同名短編が、憧れのジョエル・コーエン監督に絶賛され、長編に発展。本作は2024年のサウス・バイ・サウスウエスト映画祭（SXSW）で初上映され、ロカルノ映画祭やシッチェス映画祭でも観客を大いに魅了した。</p>
<p class="picture"></p>
三つの選択によって運命が枝分かれする、変化球の傑作クライムサスペンス！
<p>主人公はスイスの山中にある小さな町で、お針子（裁縫師）をしている内気な若い女性バーバラ（イヴ・コノリー）。彼女は唯一の肉親だった母親を亡くし、裁縫店兼仕立て屋のお店をひとりで運営していく身になるが、もはや倒産寸前。相談できる友人も恋人もいない。</p>
<p class="picture"></p>
<p>そんなある日、母親から引き継いだ常連客のグレース（キャロライン・グッドオール）という婦人の三度目のウェディングドレスを仕立てる仕事に出かけるが、約束の時間に遅刻したうえ、大事なボタンを紛失してしまう。「このバカ娘！」と激怒する婦人。あわてて愛車に乗り込んだバーバラは、店にボタンを取りに戻ろうとするが、その途中で事故現場に遭遇する。路上には血まみれで倒れている男がふたり。さらに破れた白い粉入りの紙袋、拳銃、そして大金の入ったトランク。<br />
 <br />
その瞬間、バーバラの脳裏には「選択、選択、選択（choices, choices, choices）……」という言葉がよぎる。ここから〈完全犯罪（横取り）〉〈通報〉〈見て見ぬふり〉という三つのパターンが、それぞれ独立して展開されていくのだ。<br />
 </p>
</p><p></p><p><br />
 <br />
「もしもこの道を選んだら……」という形で、選択別の運命模様が枝分かれしていくシミュレーション式の作劇は、ドイツ映画『ラン・ローラ・ラン』（1998年／監督：トム・ティクヴァ）を連想させる。あるいは恋愛映画だが、イギリス・アメリカ映画『スライディング・ドア』（1998年／監督：ピーター・ハウイット）を加えてもいいかもしれない（あの映画に出演したジョン・リンチが、この『世界一不運なお針子の人生最悪な一日』にも重要な役で登場する！）。そして素晴らしくギミックの効いたストーリーテリングの中で、コーエン兄弟譲りの予測不可能かつ黒い笑いを交えたミステリー展開が快調なテンポで巻き起こっていく。変化球のジェットコースタームービーだといってもいい。</p>
<p class="picture"></p>
<p>バーバラが自らの運命を切り開くための武器は仕事用の裁縫道具だ。肌身離さず持っている“針と糸”を自由自在に駆使し、次々と襲いかかる絶体絶命のピンチを乗り切っていく。巨大な針と黄色い糸巻きを後ろに装備したブルーの小型車フィアット500も含め、ポップな美術や小道具使いが秀逸である。またハラハラドキドキの息もつかせぬ緊張が続く中、亡き母親からの「店を守るのよ」という抑圧を受けた、自立や解放といったテーマも巧みに浮かび上がってくる。<br />
 </p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>お針子という存在は、布を縫い合わせる者。この映画においては、人生そのものを縫い直そうとする者の寓意とも読めるだろう。たった一度の選択や判断で、その後の人生の行方まで大きく変わってしまう。われわれ観客は主人公バーバラの不運に驚き、一緒に慌てふためき、彼女の孤独に寄り添う。そして怒涛の一日が終わる頃には、人生とは不完全な縫い目の連続であることを悟るのだ。弱冠24歳にして高品質の長編デビュー作を撮りあげた、注目株フレディ・マクドナルド監督の今後にも期待！</p>
<p></p>
『世界一不運なお針子の人生最悪な1日』
<p>監督／フレディ・マクドナルド<br />
出演／イヴ・コノリー、カルム・ワーシー、ジョン・リンチ<br />
公開中<br />
https://synca.jp/ohariko/</p>
<p>© Sew Torn, LLC</p>
<p></p>
<p class="btn_entry">映画レビューをもっと見る</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 20代の新鋭監督が描く！ 映画『世界一不運なお針子の人生最悪な一日』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2025/12/sub7_ohariko.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2025/12/ohariko_ec.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>キム・カーダシアン、子犬のクリスマスプレゼントに動物愛護団体から批判</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20251230-kimkardashian/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>ケイト・ハドソン、『スパイダーマン』への出演を断ったことを後悔</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20251229-katehudson/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>トム・クルーズ、出演作の全キャラクターのセリフを把握している!?</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20251228-tomcruise/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>キム・カーダシアン、子犬のクリスマスプレゼントに動物愛護団体から批判</title>
            <url>https://numero.jp/news-20251230-kimkardashian/</url>
        </related>
            <related>
            <title>ケイト・ハドソン、『スパイダーマン』への出演を断ったことを後悔</title>
            <url>https://numero.jp/news-20251229-katehudson/</url>
        </related>
            <related>
            <title>トム・クルーズ、出演作の全キャラクターのセリフを把握している!?</title>
            <url>https://numero.jp/news-20251228-tomcruise/</url>
        </related>
                </item>
    <item>
        <guid isPermaLink="false">https://numero.jp/?p=492015</guid>
        <title>松尾貴史が選ぶ今月の映画『殺し屋のプロット』</title>
        <link>https://numero.jp/20251223-cinema-takashimatsuo/</link>
        <pubDate>Tue, 23 Dec 2025 05:00:57 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[cinema]]></category>
		<category><![CDATA[Takashi Matsuo / 松尾貴史]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[今月のシネマ]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
<p>名優マイケル・キートンが主演、監督、製作を手がける映画『殺し屋のプロット』。凄腕の殺し屋ジョン・ノックス（マイケル・キートン）はある日、急速に記憶を失う病だと診断され、残された時間は少ないと知る。そこに疎遠だった一人息子が現れて、人を殺した罪を隠してほしいと涙ながらに訴えるが……。本作の見どころを松尾貴史が語る。（『Numero TOKYO（ヌメロ・トウキョウ）』2025年1・2月合併号掲載）</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
独創的なハードボイルド作品
<p>マイケル・キートンが惚れ込んだ脚本が素晴らしいのです。原題は『Knox Goes Away』、つまり「ノックスは遠くへ消え去る」ですから、『殺し屋のプロット』は邦題にありがちな、意訳を飛び越えた全くニュアンスの違うタイトルです。ここで「プロット（物語の筋、構成、骨子）」という言葉を使うからには、その脚本の面白さに注目がいくことを想定しているとしか思えないのです。つまりは、配給関係者が「この物語には付き合う価値あり」と意思表示しているということでしょう。</p>
<p class="picture"></p>
<p>ストーリー自体もすこぶる面白いのですが、細部に至る会話のちょっとしたやりとりや言葉の選び方が秀逸です。冒頭の相棒とのやりとりにも、知的な遊びやセンスが光っています。主人公のノックスだけではなく、日系の捜査責任者の女性も無駄のないセリフの中にユーモアが光っていて、会話を聞いているだけで痛快なのです。</p>
<p>主人公ノックスは殺し屋です。博士号を二つ取得していて、元陸軍偵察部隊の将校という経歴の持ち主で、哲学書を読むのが楽しみという奥行きのある人物です。殺し屋としても、悪人しか狙わないという、アメリカの必殺仕事人的な存在です。それでいて、ターゲットの人物像には興味を示さないというパラドキシカルな面も持っています。</p>
<p></p><p class="picture"></p>
<p>彼は治療する術がない難病「クロイツフェルト・ヤコブ病」に冒されていて、記憶を失っていく深刻な状況なのです。進行は早く、数週間以内に「いろいろなこと」を片付けなければならない差し迫った状態になっています。</p>
<p>能力と経験と計画性で成り立つ完全犯罪を遂行すべき殺し屋という職業と、脳が破壊され記憶がなくなっていくという状況のジレンマの中で、強烈な葛藤が彼を襲います。記憶を失ってしまえば、自分が誰であり、仕事とは何であり、生きる意味とは何かという問いかけが、見ている私たちにものしかかります。ノックスの愛好する哲学のテーマそのものではないでしょうか。裏社会を描いたノワール作品でもありますが、冷徹なハードボイルドの要素に家族の絆のようなものが交錯する、独創的な作品なのです。</p>
<p class="picture"></p>
<p>物語や映像美も重厚ですが、そこに厚みを加えているのが、ハリウッドの生けるレジェンド、アル・パチーノの存在でしょう。意外なことに、マイケル・キートンとは初共演なのです。彼の居住まいが何とも重厚感を醸し出していて、縁起物を見たような気持ちにさせてくれます。余談ですが、美女と一緒にいると、余計に彼の輝きを感じるのはなぜなのでしょうか。</p>
<p>都市の光と影、暖かさと冷たさのコントラストが絶妙の緊張と緩和を醸し出していて、その影の部分から観客に想像を喚起させる余地がふんだんにあるのも作品の魅力です。</p>
<p></p>
『殺し屋のプロット』
<p>監督・製作／マイケル・キートン<br />
出演／マイケル・キートン、ジェームズ・マースデン、ヨアンナ・クーリク、マーシャ・ゲイ・ハーデン、アル・パチーノ<br />
全国公開中<br />
https://kga-movie.jp</p>
<p>© 2023 HIDDEN HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.<br />
配給／キノフィルムズ</p>
<p class="btn_entry">「松尾貴史が選ぶ今月の映画」をもっと見る</p>
<p></p><p>The post 松尾貴史が選ぶ今月の映画『殺し屋のプロット』 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
                                <ldnfeed:image_link>https://numero.jp/wp-content/uploads/2025/12/e635bcb2995ee1ba949aa69c7fdb2605.jpg</ldnfeed:image_link>
                <ldnfeed:image_subject></ldnfeed:image_subject>
                            </ldnfeed:image>
        <enclosure url="https://numero.jp/wp-content/uploads/2025/12/koroshiya_ec.jpg" />

                                <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>キーラ・ナイトレイ、キスシーン前の儀式を告白</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20251222-keiraknightley/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>グウィネス・パルトロウ、出演映画の批評は読まない</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20251221-gwynethpaltrow/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                    <ldnfeed:rel>
            <ldnfeed:rel_subject>マコーレー・カルキン、今では「クロックスを履く郊外のパパ」</ldnfeed:rel_subject>
            <ldnfeed:rel_link>https://numero.jp/news-20251220-macaulayculkin/</ldnfeed:rel_link>
        </ldnfeed:rel>
                <related>
            <title>キーラ・ナイトレイ、キスシーン前の儀式を告白</title>
            <url>https://numero.jp/news-20251222-keiraknightley/</url>
        </related>
            <related>
            <title>グウィネス・パルトロウ、出演映画の批評は読まない</title>
            <url>https://numero.jp/news-20251221-gwynethpaltrow/</url>
        </related>
            <related>
            <title>マコーレー・カルキン、今では「クロックスを履く郊外のパパ」</title>
            <url>https://numero.jp/news-20251220-macaulayculkin/</url>
        </related>
                </item>
</channel>
</rss>
