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    <title>Numero TOKYOBanana Yoshimoto / 吉本ばなな | Numero TOKYO</title>
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    <description>クリエイションが詰まったインターナショナル・モード誌『Numero TOKYO』のWEBサイト</description>
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        <title>吉本ばななインタビュー「目指していた世界が、実現しつつある」</title>
        <link>https://numero.jp/interview272/</link>
        <pubDate>Tue, 28 Sep 2021 09:00:05 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
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        		<category><![CDATA[Interview]]></category>
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            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
何を書いたか覚えていなかったけれど、譲れなかった部分
<p>──『ムーン・ライトシャドウ』は吉本さんが日大の卒業制作として1987年に発表された作品ですが、2021年というタイミングでの公開になりましたね。</p>
<p>「何年も前からこの話はあったんですが、それが何回もボツになって。なぜかちょっと前に浮上して実現したんです」</p>
<p>──本作を手がけたエドモンド・ヨウ監督の印象をお伺いできますか？</p>
<p>「ロックダウン中だったので、初めて会話したのは画面越しだったんです。大した話はしませんでした。その時点でもう映画になることは決まっていたから、まあいいかって（笑）。彼の短編の作品はいくつか観ていて映像の力がある人だと思っていたので、任せて大丈夫だなと。撮影のときもコロナ禍の大変な状況で映画を撮っていらっしゃったので、あまりしゃべれなくて。どういうところをどう撮りたいかという明確なものがあって、それを実現させるために大胆にいろんなことを切り捨てたりできる方なんだろうなと思いましたし、実際にそうでした」</p>
<p>──22歳の頃、34年前に描いた作品が映像化されるというのは、どういう気持ちなんでしょうか。</p>
<p>「何を書いたかも覚えてないので、最初に脚本を読んだときにこんなシーン書いたっけ？ と思って。読み返したら書いてなかったので、やっぱりそうかと。まず、脚本の時点で大胆な変更があったんです。ただ私がどうしても譲れないところがいくつかあって、うまく言えないけれど、『こんなに地に足がついていて大丈夫ですか？』というようなことは何回か申し上げたんです。でも映像になったら、監督によって大胆な編集が施されていて、もはや他の誰が作ったものでもない監督のものになっていて、全然文句はありませんでした。還暦前の贈り物をもらった、いいことしてもらっちゃったな、そんな感じです。自分ごとだったらもう少し緊張したりもするのかもしれないけれど、ある意味、他人ごとというか。（原作が）役立って良かったねーと思っています」</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
<p class="picture"></p>
日本の映画、という感じがしないところがよかった
<p>──具体的にどの部分が譲れなかったのかを伺ってもいいでしょうか。</p>
<p>「例えば、臼田あさ美さんが演じた麗（うらら）という人が、資格や職業を持っていたりするのは違うんじゃないかと。年齢もわからないし、何しているかわからない人だから魅力的なのであって。そういうことは脚本家の高橋知由さんに強く言ってしまって、悪いことをしたなと今では思っていますが、いろいろなカットを試みた監督のほうが悪いから、最終的には私なんて大したことないなと（笑）」</p>
<p>──共有してたんでしょうね、監督と。</p>
<p>「してないんですよ。でもたぶん、何かを共有してたんでしょうね。結果的に、たぶんロックダウンも幸いして、監督が思う存分一人で編集できたのかなと。あと音楽がすごくワールドワイドで、日本の映画という感じがしないところもよかったなと思ってます」</p>
<p>──小松菜奈さんも佐藤緋美さんも、中原ナナさんも、優しくてちょっと変わっているという吉本さんの小説の中にいそうな人たちだなぁと思ったのですが、特に等という役が宮沢氷魚さんとぴったりはまっている印象を受けました。</p>
<p>「４人の関係性がすごく理解できたというか、ビジュアルのバランスもすごく納得がいきました。小松さんもそう仰っていたけれど、とにかく氷魚君の長男感ですよね。お兄ちゃんだから自分の感情はいちいち言わないところは、本当にフィットしてたなと思います。好きな人と『やった、一緒に住もうよ！』とならない感じ。もしほかの人が演じたら冷たいふうに見えてしまったかもしれないけれど、そうじゃなくて、家族のためにいろいろとバランスを考えているんだろうな、長男だから、という感じがすごく上手でした」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
「死ぬって人間の温もりを失うことなんだ」
<p>──今の10代、20代はジェンダーレスだったり関係性にラベルをつけなかったりと、吉本さんが描いてきた小説の登場人物に近い感覚を持っているように感じるのですが、そういうキャストが吉本さんの作品を演じているからしっくりくる、という側面もあるかもしれませんね。</p>
<p>「私たちの時代と違って、結婚制度に縛られていない感じは作品にすごくフィットしていますよね。スヌーピーの世界って、大人の顔は出てこないじゃないですか。学校の先生や親は声だけ出てくる。ああいう感じがしましたね。映画の中にも一応会話の中には親たちが出てくるんだけど、いちいち干渉することもなく、死んじゃったからお葬式をするとかそういう描写もなく、全部夢なのかもしれないという。それが今の感じで、私が思っていたというか目指していた感じ」</p>
<p>──ずっと前から書いていたことが。</p>
<p>「そうですね。いいじゃんこれでと感じていたことが、やっと実現しつつあるなと思いました」</p>
<p>──原作よりも映画はさらに現実と死の境界線が曖昧に描かれていて、いろんな感情に触れてくる、折に触れて見返したくなるような不思議な作品になっていますね。</p>
<p>「人間が演じると、死ぬって人間の温もりを失うことなんだという感じがより濃く出ますね、小説よりもずっとずっと。それをビジュアルで見ると強烈だなと思いました。そもそも私の小説が、『だからどうした？』という小説なので、それと同じようにこの映画も『だから何が言いたかったの』と思う人も多いかもしれない。でもそういう人も後になって、もう1回観たいかもと思うんじゃないかなという映像でした」</p>
<p></p><p class="picture"></p>
年を重ねて、悪い人や怖いことも書けるように
<p>──吉本さんは今18歳になる息子さんがいらっしゃいますが、息子さんや彼と同世代の若者から感じていることはありますか？</p>
<p>「息子は義務教育を受けていないんですが、彼を見ていると義務教育が自分を害した部分をすごく感じますね。才能を阻害したというか。考え方に組み込まれてしまっていて、いつまで経ってもそこから抜けられないんだなと。私も受けなければ良かったなと思います。でも自分の場合は、親が年を取っていたから、義務教育を受けないと言ったらたぶん反対されたでしょうし、時代が変わってよかったなと。それと、ジェンダーに縛られてない人が増えたことも、すごくいいことだなと思います」</p>
<p>──年を重ねてきたことで見えてきたことはありますか？</p>
<p>「向き不向きはさすがにわかるようになりましたね。若いときは何でもやらないといけなかったからとりあえず何でもやりましたけど、今は向いてないものは最初からやらない。なぜなら、もう人生の時間がないから。そう相手にも言えるようになりました。徐々に周りの人とか死に始めていますからね。余計なことを断る力を強く持つようになったかなと」</p>
<p>──そう思い始めたのはいつ頃からなのでしょうか？</p>
<p>「やっぱり、親が全員いなくなったあたりですかね。義理のお父さんと実の両親が亡くなって、いちばん上の列になっちゃったなと。それで、後のことを考えないと、と思うようになりました。あとは、もうちょっと幅の広いことを書けるようになったかな。悪い人とか怖いこととか、そういうことに対してもちょっと積極的になってきたという気持ちはあります」</p>
<p></p><p></p>
『ムーンライト・シャドウ』
<p>さつき（小松菜奈）と等（宮沢氷魚）は導かれるように出会い、恋に落ちる。等の弟の柊（佐藤緋美）と、柊の恋人ゆみこ（中原ナナ）とも意気投合し、４人は多くの時間を共に過ごす。しかし、等とゆみこが突然死んでしまい、突然の別れに悲しみに暮れるさつきと柊。それぞれの方法で悲しみに向き合おうとしたとき、２人は不思議な女性・麗と出会い、少しずつ日常を取り戻していくが……。</p>
<p>監督／エドモンド・ヨウ <br />
出演／小松菜奈、宮沢氷魚、佐藤緋美、 中原ナナ、臼田あさ美 <br />
原作／吉本ばなな<br />
全国公開中<br />
 moonlight-shadow-movie.com</p>
<p></p><p>The post 吉本ばななインタビュー「目指していた世界が、実現しつつある」 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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