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    <title>Numero TOKYOAsako Yuzuki / 柚木麻子 | Numero TOKYO</title>
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    <description>クリエイションが詰まったインターナショナル・モード誌『Numero TOKYO』のWEBサイト</description>
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        <title>柚木麻子×竹中夏海×ゆっきゅん「Y2Kマインドで好きなカラーを貫く」</title>
        <link>https://numero.jp/interview432/</link>
        <pubDate>Sat, 23 Mar 2024 03:00:54 +0900</pubDate>
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        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Interview]]></category>
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		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[Asako Yuzuki / 柚木麻子]]></category>
		<category><![CDATA[Yukkyun / ゆっきゅん]]></category>
		<category><![CDATA[Living in Colors]]></category>
		<category><![CDATA[Natsumi Takenaka / 竹中夏海]]></category>
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            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>Y2K（=2000年代）カルチャーを昨日のことのように色鮮やかに語り尽くし、大きな話題を呼んだポッドキャスト『Y2K新書』。パーソナリティの3人に2023年のY2Kリバイバルを振り返りながら24年どんな色になりたいかを聞いた。（『Numero TOKYO（ヌメロ・トウキョウ）』2024年1・2月合併号掲載）</p>
<p class="picture"></p>
Y2Kの正体は川瀬智子!?
<p>──2023年は何を契機にY2Kリバイバルを実感しましたか。</p>
<p>柚木麻子（以下、柚）「ちょうどこの前、子どもと一緒に商店街のハロウィンイベントに参加したんです。そうしたら、いたんですよ、Y2Kゾンビが！　平成ギャルの女子中学生コスプレをした子がいたんです。『どうしたの、その服？』って思わず聞いたら、「お母さんと一緒にイーストボーイに買いに行った」って！」 </p>
<p>竹中夏海（以下、竹）：「えー、かわいい！　あの頃はまだまだイーストボーイが高かった時代だよね」</p>
<p>柚「あと『池袋ウエストゲートパーク』（1）のキング（窪塚洋介）の手下のカラーギャングの格好してるお父さんを見かけた。これが渋谷とかではなく商店街のハロウィンなのがいいよね。Y2Kって本当に定着したんだなってわかるじゃん」</p>
<p>竹「TikTokでも『#平成高校生』とか流行ってるよね」</p>
<p>ゆっきゅん（以下、ゆ）「私もTikTokで2007年の女子高生をずっとやっている人の動画を見てます。ウィルコム（2）のこととか、『あの元カレはCD焼けることぐらいしか良いところがなかった』って話を永遠にしてるの」</p>
<p>柚「その人、来年の『おもしろ荘』でバズって有名になりそう」</p>
<p>竹「私はウィルコムではないけど、LOVE定額（3）使ってたな」</p>
<p>柚「岡田准一くんがぶっさん（4）になった後にCMに出演していたよね、ボーダフォンの。あと昔ってさ、パソコンつなげるのにも秒ごとにお金がかかってたじゃん。そういえば友達のキミコがTLC（5）のファンサイトにつなぐためにバイト代つぎ込んでた。定額って本当にいい時代だよね」</p>
</p><p></p><p class="picture"></p>
<p>ゆ「TLCのファンコミュニティに参加してたキミコ、カッコよすぎ（笑）。ちなみにファッションでY2Kリバイバルしたものに関してはすべてTommy february6（以下、トミー）がすでにやっていたと思っています。今のスクールっぽいスタイルも、ジャージもすでにトミーが着ていたんです。あのアンニュイでポップでおしゃれな感じは最高。20年ぶりに現れた川瀬智子（6）があのちゃんです」</p>
<p>竹「そうだよね、あのやる気のない感じなんて、まさにそんな感じする」</p>
<p>ゆ「でも本当にやる気がなかったら、あそこまでやれてないから（笑）」</p>
<p>柚「めちゃめちゃ器用だよね」</p>
<p>ゆ「Tommy heavenly6 のスモーキーでちょっとゴスっぽいメイクも今流行ってるし、これ全部、川瀬智子に時代が追いついたっていうこと」</p>
<p>竹「本当にそうだね、早すぎた。日韓ワールドカップ（7）のとき、トミーがアディダスのユニフォームのワンピを着ているのを雑誌で見たの。ワンピの下に白いコットンレースのペチコートみたいなのを合わせていて、それが本当にかわいかったのを今でも覚えてる。最近露出がないけど、みんなが騒いだら出てきてくれるかな」</p>
<p>ゆ「だから私は騒ごうと思ってる。てか、スポーティ×ガーリーって、今日の私の格好ですよ。実際に今、世界的にZ世代の間で『Blokette core』スタイルって名称でトレンドになっているみたい。スポーティなユニフォームやトラックジャケットに、かわいいプリーツスカートやリボンを合わせるの」</p>
<p>柚「ジャージをガーリーに着てる人なんて20年前は本当にトミーぐらいで、ほかはやってなかったよね」</p>
<p></p><p>竹「当時憧れていたものを大人になった今だと買える。リバイバルってありがたいよね。ブームの再熱ってこういう人間を狙った商法でもあるんだろうけど」</p>
<p>ゆ「LOVE BOAT（8）とかもそうだわ」</p>
<p>柚「今の子って骨格がおしゃれな洋服にふさわしく進化してると思う。私が今の流行りのファッションを取り入れようとすると、すごい『いいヤツ』になっちゃうんだよね。トミーはクールな印象があったし、今の子もそう着こなせているのに、私がやると『いいヤツ』になっちゃう」</p>
<p>ゆ「ちょっと孤高な感じを出したいんだよね。転校生感っていうか」</p>
<p>竹「転校生に唯一歩み寄る同級生側の「いいヤツ」になっちゃうんだ」</p>
<p>柚「当時は空前の孤高の美少女ブームだったの。『ママレード・ボーイ』の茗子とか。ともさかりえさんとかも孤高な感じがして憧れてたな」</p>
<p>ゆ「女性ソロ歌手が流行っていたのもあるしね」</p>
<p>柚「孤高に憧れて、孤高でいくぞと思って学校に行くんだけど、孤高になれないのが一番の悩みだった」</p>
<p>ゆ「アイドルグループが台頭しだしてから、日本ではもう圧倒的な人は流行らないかと思ったけど、やはりビヨンセみたいな人が必要だと思って私がDIVAを始めました」</p>
<p>柚「DIVAは孤高だよね。私がDIVAを目指しても、すごく楽しそうなカラオケみたいになっちゃう」</p>
<p>ゆ「今って宅録とか一人で制作しているアーティストも多いじゃないですか。そういう人と仲良くなると友達できたって感動されるんですよ」</p>
<p>柚「孤高のDIVAでも連帯できるっていう姿勢は新しいよね」</p>
<p>ゆ「加藤ミリヤさんがThreadsで書いてたんだけど、今の若い世代が一緒に曲を作ったりしている姿を見るといいなって思うって。自分の頃って全員ライバルみたいな感じだったからって。わかるの」</p>
<p>竹「それ若槻千夏さんにも感じる。今フワちゃんとか指原莉乃さんとかと仲良くバラエティやってるの、すごくいいよね。2000年代では無理だったと思う。完全に若槻さんはアプデしてる感じがあるな」</p>
<p></p>新たな孤高モデルが欲しい
<p class="picture"></p>
<p>──孤高が次に流行る、なんてことはあるんでしょうか。</p>
<p>柚「昔の孤高の女の子って、よく考えたら、ぺらぺらしゃべらない分、おじさんにとって都合の良い存在だったんですよ。だからもし次に流行るなら、本人にとっても楽で利益がある、でも何かあったら助けてもらえる仲間もいるみたいな、当人にとって非常に都合が良い孤高が流行るといいなって思います。一人でいる時間を楽しめるけど、ちゃんとセーフティネットもある状態で、何があっても凛としていなければいけないなんてことはない、いい感じの孤高モデルが出来上がるといいなぁ」 </p>
<p>ゆ「私は付き合いが悪いほうだから、結構そのタイプかも。すごく会う人を選んで会ってるからね」</p>
<p>柚「ほかに流行りそうというか、すでにキているんですけど、小池栄子さんと木南晴夏さんが前季ドラマの主演をやっていたじゃないですか。私は20歳の頃からあの二人をずっと見ているんですけど、彼女たちが第一線で主演を張っているって本当にすごいことなんですよ。さらにMEGUMIさんもグイグイ来ているじゃないですか。だから私はバラエティ番組『さとこいめぐさん』（9）を今復活させてほしい」</p>
<p>ゆ「それ小池栄子さんがインタビューで言ってたの。『はやく起きた朝は…』の番組の空気感が好きだから、めぐちゃんやサトエリみたいな同世代メンバーで番組やりたいって」</p>
<p>柚「時代のニーズにも合ってる！ 」</p>
<p>竹「それは見るよね。やってほしい」</p>
<p>柚「みんなが今一番見たいのは、栄子MEGUMIサトエリのシスターフッドなんです！</p>
<p>ゆ「3人が出演する実写化可能な作品を書いてよ柚木さん（笑）」</p>
<p></p><p>柚「40代になった『さとこいめぐさん』を今の日本に届けるべきだと真剣に思いますね」</p>
<p>ゆ「やっぱり私たちさ、イエローキャブ（10）が大好きなんだよね」</p>
<p>竹「この前にたまたま『恋愛寫眞』（11）を見返したの。広末涼子さんと松田龍平さん主演なんだけど、完全に小池栄子さんの映画だと思ってたからね。インパクト強すぎて」</p>
<p>ゆ「小池栄子さんが出ると『小池栄子の映画』になるもんね。『八日目の蝉』とかも。サトエリに関しては私たちは早稲田松竹で23年9月に再上映された庵野秀明監督の実写版『キューティーハニー』（12）をあらためて見に行っているぐらい好きだし」</p>
<p>柚「MEGUMIさんが最近出した著書『キレイはこれでつくれます』も読みました。タレント本批評家の私からするとあれは完全に実用書のジャンルです」</p>
<p>ゆ「勤勉さと真面目さが出てるよね」</p>
<p>柚「悩める女性たちが良い情報にアクセスできるように設計されたインフラでしたね。素晴らしい内容でした。ただタレント本って本来、それ言ってるのお前だけよっていう内容が面白いものなんだよね。私はそういうのが好きなんだけど、役に立たない内容って消えゆく傾向にあるなって思った。今ってみんな有益で有意義な情報が好きでしょ？」</p>
<p>ゆ「歌もうまい人ばかりもてはやされますよね。女優が歌わなくなった問題は、文化の軽率さにみんなが耐えられなくなったからだと思っています。私は女優の歌手活動をもっと応援したいです」</p>
<p></p><p>──3人の24年はどんな色にしていきたいですか？</p>
<p>ゆ「私は今、ヘアアイロンからポーチまでオーロラのアイテムに目がないんですけど、イエローキャブのイエローでもいいんじゃないですか？」</p>
<p>竹「間違いないですね！」</p>
<p>柚「イエローで思い出したんだけど、最近、70年代の杉田かおるの映画やドラマを見ていて気づいたのが、あの時代の俳優さんたちって、イエベ、ブルベ、骨格を全部無視しているの。今だったら似合わないっていわれる服をしゃあしゃあと着ていて。それが面白いなって、Y2Kっぽいかなって思っちゃった」</p>
<p>ゆ「私もだいたい無視してるわ。ピンクがずっと好きで着続けてて、それは24年も変わらない」</p>
<p>竹「私も今ピンクなの。ずっと抵抗があったんだけど最近は阿佐ヶ谷姉妹のことばかり考えていて。あんな風に楽しく自分のためにピンクを着てみたいな」</p>
<p></p><p>1. 池袋ウエストゲートパーク<br />
2000年にTBS系で放送された宮藤官九郎脚本ドラマ。東京・池袋を舞台に、主役のマコト（長瀬智也）たちがけんかや友情に明け暮れるストーリー。</p>
<p>2. ウィルコム<br />
2005年から14年まで存在したPHSサービス。ウィルコム同士の通話が無料になる「ウィルコム定額プラン」があり、カップルに支持された。</p>
<p>3. LOVE定額<br />
ボーダフォン（現ソフトバンク）が2005年に始めた、ボーダフォン同士の指定した相手先への通話やメールがし放題になるオプションサービス。</p>
<p>4. ぶっさん<br />
岡田准一が主演した2002年放送のTBS系ドラマ『木更津キャッツアイ』の主人公のニックネーム。03年と06年には映画化もされた。</p>
<p>5. TLC<br />
T-Boz、Left Eye、Chilli からなる女性R&amp;Bグループ。2002年にLeft Eyeが事故で亡くなり、現在は二人で活動中。</p>
<p>6. 川瀬智子<br />
the brilliant greenのボーカリストで、ソロプロジェクトとしてTommy february6およびTommy heavenly6名義でも活動。愛称はTommy。</p>
<p>7. 日韓ワールドカップ<br />
2002年に日本と韓国の共同開催で行われたFIFAワールドカップ（アジア初開催）。ベッカム人気で、街にはソフトモヒカンヘアがあふれた。</p>
<p>8. LOVE BOAT<br />
平成のギャルブランドとして人気を博したアパレルブランド。「ラブボ」の愛称で親しまれ、へそ出しTシャツやミニスカートなどでギャル文化を牽引。</p>
<p>9. さとこいめぐさん<br />
2004年10月から半年間、日本テレビ系で土曜深夜に放送されていたバラエティ番組。佐藤江梨子、小池栄子、MEGUMIの3人がトリオとして出演。</p>
<p>10. イエローキャブ<br />
女性タレントのマネジメントをメインに営業活動を行っていた芸能事務所。野田義治が名物社長として話題になり、多くのグラビアアイドルを輩出。</p>
<p>11. 恋愛寫眞<br />
2003年に公開された堤幸彦監督による日本映画で、東京とニューヨークを舞台としたラブストーリー。小池栄子はダンサー志望のアヤ役を好演。</p>
<p>12. 実写版『キューティーハニー』<br />
佐藤江梨子がキューティーハニーを演じた2004年公開の映画。市川実和子演じる刑事・ 秋夏子とハニーのシスターフッドムービーとしても必見。</p>
<p></p><p>TBS Podcast番組『Y2K新書』<br />
Y2Kカルチャーが大好きな小説家の柚木麻子、振付師の竹中夏海、DIVAのゆっきゅんの3人が2000年代前後のドラマや音楽、流行やファッションなどを縦横無尽に語るポッドキャスト番組。シーズン1（全12回）がApple podcasts、Spotifyなどで大好評配信中。制作：TBSラジオ</p>
<p></p>Profile
<p>竹中夏海<br />
1984年生まれ。振付師。私立恵比寿中学や＝LOVEなど数多くのアイドルを手がけるほか、テレビ東京「ゴッドタン」の人気キャラクター“ヒム子”や藤井隆などの振付を担当。著書にアイドルの健康課題と向き合った『アイドル保健体育』（CDジャーナル）ほか。</p>
<p>ゆっきゅん<br />
イマジナリー1989年生まれ（実際は 1995年生まれ）。自分のままで生きることを肯定＆鼓舞する新世代のポップアイコン、DIVAとして活動中。2022年に1stアルバム『DIVA YOU』、今年5月に最新シングル「隕石でごめんなさい」をリリース。</p>
<p>柚木麻子<br />
1981年生まれ。作家。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞し、10年に同作を含む『終点のあの子』でデビュー。最新作に新たなシスターフッドの形を描き出した小説『オール・ノット』（講談社）。</p>
<p></p><p>The post 柚木麻子×竹中夏海×ゆっきゅん「Y2Kマインドで好きなカラーを貫く」 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>柚木麻子に聞く、おいしい表現の秘密</title>
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        <pubDate>Thu, 07 Jul 2022 09:00:13 +0900</pubDate>
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        		<category><![CDATA[Interview]]></category>
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		<category><![CDATA[Asako Yuzuki / 柚木麻子]]></category>
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            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>ベストセラー『BUTTER』のバター醤油ご飯をはじめ、数多くの著書で食べ物を魅力的に描いてきた作家の柚木麻子においしそうな食の表現はどのようにして生まれるのか、また欲望や生活に密着した“食”を描くことで見えてくることについてインタビュー。そこには自身の体験に基づく社会構造への疑問があった。鋭い目線で社会を見つめる柚木の本音トークが炸裂！（『Numero TOKYO（ヌメロ・トウキョウ）』2022年6月号掲載）</p>
<p class="picture"></p>
人生が反映されるフード描写
<p>──柚木さんの作品で描かれる食べ物の描写はどれも印象的ですが、短編集『ついでにジェントルメン』所収の「エルゴと不倫鮨」では小洒落た鮨屋の会員客と、子連れでやって来る一見の女性客が注文する鮨ネタやワインの対比も面白くて。</p>
<p>「私、ああいうしゃらくさい鮨屋が大嫌いで、腹の底からバカにしているんですよ。なのに、出産したらすごく行きたくなってしまったんです、シャンパンと炙ったウニを出すような店に。実はよく似た店が行きやすい場所にあり、経営がうまくいかなくなったのか、私が出産した頃に“お子さまも歓迎”みたいになったんですよ。でも実際に授乳期が終わったタイミングで子どもを抱えて行ってみたら使い勝手は悪いわ、お子さま歓迎のわりには冷淡だわで、居心地の悪い思いをして。近所に住むワインに詳しい知人にその話をしたら『ああいう店ってさ、必ずワインの樽香の話をするやつがいるよね』という話になり、その人があまりにも的確な悪口を言うのでうれしくなって書き留めたメモから生まれた短編なんです」</p>
</p><p></p><p>──小説の場合、文字だけでおいしさを表現しないといけないから、実食とか取材とか大変そうですね。</p>
<p>「実は私、食べたことのないものも平気で書いています。『BUTTER』のエシレバターを使ったバター醤油ご飯も食べたことがないまま書いていたし、『〜不倫鮨』のナッツの樽香がする軽いワインもしゃらくさい鮨も食べてないんですよ。なにせ子どもが泣くから、カリフォルニアロールを食べたくらいで店を追い出されましたから（笑）。でも、味がわからないからこそ、食べてみたいという気持ちが生まれて、おいしそうに描けるのかもしれないです」</p>
<p>──登場人物にどんな味わいのものを食べさせるかは、けっこう考えた上で決められているのですか？</p>
<p>「私はあのお母さんに感情移入していたから、自分が食べたいもの、飲みたいものにしていました。なんか、別にすごく食べたいわけではないフワフワしたものを口にしたくないっていうのが、私の中にあるんだと思うんです。もし作中に登場する食べ物がおいしそうに思えたら、それは私がそれを心底食べたいと感じながら書いたからではないかと（笑）」</p>
<p></p><p>『ついでにジェントルメン』（文藝春秋） 記事中で触れた「エルゴと不倫鮨」、美容外科に置かれた児童文学全集によって人生が変わる人々を描いた「あしみじおじさん」など、柚木節が冴え渡る7編を収録した短編集。社会へのモヤモヤを感じている人は一読を。</p>
<p>──「立っている者は舅でも使え」に登場する、居酒屋のフライドポテトや明太チーズいももちと、お酒の描写も実においしそうでした。</p>
<p>「短編集に収録されている作品は子育てをしながら書いていたので、とにかく飲みに行きたい、居酒屋に行きたい、となっていたんですよ。自分の人生が描写にすごく反映されているんだと思います。でも、出産してから景色が変わって見えて、世の中の不均等が見えてきたんです。ベビーカーを蹴られたり、舌打ちをされたり、嫌な思いをけっこうしていて。あと子連れだと入れる飲食店は少ないし、『〜不倫鮨』のような鮨屋はデート用のお店で、カップルもしくは家事育児をしない男性が若い女性と行くお店だったりする。そこに家事育児をしている人がなぜ入ってはいけないのか。そう考えることによって、世の中は家事育児を誰かにやってもらえる家庭を持った、年収の高い男性によってつくられていて、そこから自分が漏れていることに気がついたんです。男性中心の世界でも、もはやその“男性”からこぼれている若い世代の人も多いのではないかと思います。もう出産前とでは本当に世界の見え方が変わりました」</p>
<p></p>児童文学がルーツだという気づき
<p>──大河小説の『らんたん』では、河井道が大のうなぎ好きとして描かれていましたが、あれは柚木さんの創作なのでしょうか。</p>
<p>「『らんたん』は実話ベースで、確かめようがないことは私の想像で書いているんですが、道先生は実際にうなぎとメロンが大好きだったんですよ。当時としては聖職者の教師としてあり得ないくらい俗っぽい食の好みだったらしいんですけど、私はそれで道先生のことを面白く感じるようになってしまって。でも『らんたん』を書いて、欧米と日本の違いって何だろうと考えたとき、資本家たちがキリスト教精神に基づいて、公共にお金を投資する文化で。それも一長一短あるので全てが良いとは言えませんが、日本にはその考えがなさすぎる。現在の空前のバターブームが来る前に私は『BUTTER』を書いたのですが、カロリーも値段も高いけど足せば料理を確実においしくしてくれるバターへの信頼は、日本という国のケチさ加減に気がついたところから来ているんですよ」</p>
<p>『らんたん』（小学館） 恵泉女学園創立者である河合道と、道の右腕だった渡辺ゆり。シスターフッドの契りを結んだ二人の、明治から昭和にかけて女性の教育に尽力する人生を追った大河小説。数々のおいしそうなフード描写にもご注目を。</p>
<p></p><p>──『マジカルグランマ』では、倹約のためにバターの代わりにサラダオイルを使って作ったクッキーが登場しますよね。</p>
<p>「お金がない人の場合は節約だからケチだとは思わないんですけど、人にシェアするお金も権力も持っている人ほど、絶対に若手に地位を譲らない。近年流行った“論破”も、会話のコスパが悪いから話をすぐに終わらせるためにするものだったりする。それと現代のハラスメント問題ともつながることですが、自分の言うことを聞く人と確実にセックスをしたいとなったら暴力に向かうじゃないですか。そう考えたら、富める権力側に根ざしている自己中心性と想像力のなさ、精神の貧困からすべてが来ていると気づき、わーっとなって。たぶんそれは『BUTTER』でも描いたことなのかなって」</p>
<p>『マジカルグランマ』（朝日新聞出版） 結婚により主婦となった、元女優の正子。倹約生活を送る中、75歳を目前に再デビューを果たすも夫の死によりスキャンダルに巻き込まれる。社会の不寛容さや差別をものとせず、したたかに生きる正子の姿は実に痛快！</p>
<p>『BUTTER』（新潮文庫）　 世間を沸かした連続不審死事件の被告人に面会を取り付けた、週刊誌記者の主人公。しかし被告人の言動により外見も内面も変貌してゆく物語を描いた社会派長編。バターの描写に食欲を刺激されすぎないよう、要注意。</p>
<p></p><p>──そのケチさがなくなると、『ついでにジェントルメン』のあしながおじさんならぬ「あしみじおじさん」のラストみたいになりそう。</p>
<p>「私の作家としてのルーツは、突き詰めると海外の児童文学なんじゃないかと思うのですが、私が好きだった少女小説は主人公の女の子よりも資本家の意識が変わるところで話が終わる作品がすごく多い。それこそ『アルプスの少女ハイジ』は経済小説で、ハイジがどれくらいのお金をゼーゼマン家から引っ張ってこれるかという、お金が動く話だとわかって」</p>
<p>──ハイジ、恐ろしい子…っ！</p>
<p>「恐ろしい少女なんですよ（笑）。性的な魅力とかではなく、ハイジの『アルムでのびのび暮らしたい』『クララとも仲良くしたい』という両立不可能な願望を体を張って主張しつづけたことで、ゼーゼマン家に革命をもたらし、彼を資本家から慈善家へと変える。でも私が好きだった作品は全部そういう話で。貧乏でも笑っているというのが日本の文学だとしたら、海外の文学は資本家を慈善家へと変えて、お金を引っ張ってきたから笑っているんだと気づいて、すごいなと思ったんですよ。経済をナメていないからこそ、欧米の児童小説に胸を打たれたんだと思います。それがわかったら作品の見え方も変わって、『若草物語』や『赤毛のアン』も今の価値観で見るとちゃんとしたフェミニズムだとか、腑に落ちることがいっぱいあって。そういった楽しい物語の中にライフハックが入っていることを私は書きたいんだなと、ふと気づかされたのが『あしみじおじさん』でしたね」</p>
<p></p><p>眼鏡を外した菊池寛の銅像と見つめ合う。</p>
<p>──『ついでにジェントルメン』はさまざまなライフハックにあふれている短編集だと感じます。</p>
<p>「多くの読者にとっても、そうなるといいなと思います。でも『若草物語』にしろ『赤毛のアン』にしろ、作中に登場する食がすごく印象的なんですよね。最近、樋口一葉の『にごりえ』を読んだんですけど、やっぱりカステラがすごく気になってしまって（笑）。自分が本を読むときは、登場する食べ物が記憶に残るし、気になった食べ物がどんなものなのかを考えることが好きだから、自分の小説にも食べ物を登場させるのだと思います。アストリッド・リンドグレーンの『やかまし村』シリーズに登場するザリガニとか、今だったらイケアで食べられますけど、当時は“ザリガニって食べられるの!?”みたいな感じでしたし。大人になって、子どもの頃に本で知った食べ物に遭遇すると楽しいですし、やっぱり自分のルーツは海外の児童文学にあるのだと感じます。いま読んでいる翻訳小説でも“これ何!?”となることが多々あるから、10年後とかに実際食べることができたら、すごくうれしいですね」</p>
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映画・小説・マンガのアレが食べたい！ 【映画編】 
Culture / 09 07 2022



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映画・小説・マンガのアレが食べたい！ 【小説＆マンガ編】 
Culture / 11 07 2022



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<p></p><p>The post 柚木麻子に聞く、おいしい表現の秘密 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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