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    <title>Numero TOKYOAnna Osada / 長田杏奈 | Numero TOKYO</title>
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    <description>クリエイションが詰まったインターナショナル・モード誌『Numero TOKYO』のWEBサイト</description>
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        <title>イシヅカユウ × 長田杏奈 対談「クィア映画について語ろう」</title>
        <link>https://numero.jp/interview259/</link>
        <pubDate>Tue, 27 Jul 2021 11:40:33 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Interview]]></category>
		<category><![CDATA[People]]></category>
		<category><![CDATA[Yu Ishizuka / イシヅカユウ]]></category>
		<category><![CDATA[Anna Osada / 長田杏奈]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[interview]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
イシヅカユウ、本格的な演技に初挑戦
<p>長田杏奈（以下、長田）「初主演映画『片袖の魚』公開おめでとうございます。劇場公開に先立って、歴史あるクィア映画祭に正式に招待されたことでも話題になりましたよね。コロナ禍で映画館にとって厳しい状況が続くなか、インディペンデントな短編が封切りするなり満員御礼ですぐに上映期間の延長が決まったのはすごいこと。『#片袖の魚を地元で観たい』というハッシュタグも生まれていて、少しでも多くの人に届いてほしい作品です」</p>
<p>イシヅカユウ（以下、イシヅカ）「ありがとうございます」</p>
<p>長田「モデルとして活動されているイシヅカさんは、本格的な演技は本作が初めですよね。スクリーンの中で、普段の雰囲気とは全く違う、アクアリウム会社で働くちょっと内気な新谷ひかりさんとして存在していることに驚きました」</p>
</p><p></p><p>イシヅカ「そう言ってもらえてホッとします。『片袖の魚』は、トランスジェンダー女性の役をトランスジェンダー女性が演じるという作品で、私も当事者としてオーディションで選ばれたわけですが。いちばん怖いのは、ひかりちゃんが私と全く同じ人間であるかのように、ドキュメンタリーとしてられてしまうことだったんです。ひかりちゃんは、私とは暮らしている環境も性格もまったく違う女性。その違いをどう演じるかとても悩みました」</p>
<p>長田「この作品は、装いを通してヒロインの気持ちが伝わる場面が多くて。赤いワンピースで地元を闊歩するシーンでは、一歩一歩にひかりの期待と誇りを感じさせつつ、決してモデル歩きにはなっていない加減が絶妙でした。こういう言い方はよくないかもしれないけど、初主演ならモデルのお仕事の延長でカリスマ性で押すだけでも通用するのに、それに甘んじる気がないんだなーって」</p>
<p>イシヅカ「気づいてもらえてうれしいです。モデルはカメラが回っているところで動きを決める仕事なので、決めずに動くのが意外と難しくて、特に歩き方はめちゃくちゃ苦労したんです。新宿の東口に立って、いろんな人の歩き方を観察して。私はもともと若尾文子さんに憧れていて、演者の技巧にリスペクトがあるからこそ穢したくなくて」</p>
<p></p><p>映画『片袖の魚』©2021みのむしフィルム</p>
<p>長田「冒頭の会社のユニフォームの長袖ポロシャツでの登場シーンも、モデルの意識のままで着たら『あえてのギークファッション』みたいなおしゃれ感が出てしまったと思うんです。でも、あくまでナチュラルで素朴な印象でした」</p>
<p>イシヅカ「ユニフォームを着ているシーンは、昔の自分の寄る辺なさを思い出して演じました。ユニフォームって、無駄に男女で分かれていますよね。仕事内容は同じなのに、男性は青で女性はピンクみたいな。トランスジェンダーだということを知られずに女性として社会に埋没したいのに、ユニフォームで違う側に振り分けらたらどうしようと不安がつきまとうんです」</p>
<p>長田「最近は少し変わってきたけれど、学校の制服も女子はスカートで男子はパンツが標準装備。戸籍の性に合わせた制服を無理強いされて、不登校になるトランスジェンダー当事者が少なからずいると聞きます」</p>
<p>イシヅカ「私も学校は辛かったですね。『片袖の魚』でひかりを演じるのは、ちょっと前の自分はもちろん、中学生とか小学生のもっと悩んでいた頃の自分思い返す作業でもありました」</p>
<p></p>トランスジェンダー女性の役を当事者が演じるということ
<p>Netflix映画『トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして』。トランスジェンダーがハリウッドでいかに描かれてきたかを振り返りながら、当事者がそれぞれの思いを語るドキュメンタリー。Netflixで独占配信中。</p>
<p>長田「『片袖の魚』は、日本で初めてとなるトランスジェンダー女性当事者の俳優オーディションを開催したことも話題になりましたね」</p>
<p>イシヅカ「東海林毅監督の前作『ホモソーシャルダンス』（2019）のコレオグラフィーを担当した方が、オーディションがあると教えてくれて。日本で全く議論さえもされてこなかった『トランスジェンダーの役を当事者が演じる』試みを、どんどんやろうという姿勢に共感しました。その時は主演を射止めてやろうみたいな野望はなく、ちょっとした役でいいからこの作品に関わりたいという一心でした」</p>
<p>長田「2020年にNetflixで公開されたトランスジェンダーがハリウッドでいかに描かれてきたかを伝えるドキュメンタリー作品、『トランスジェンダーとハリウッド、過去、現在、そして』に衝撃を受けました。私は長年シスジェンダー（※注2）の俳優がトランスジェンダーを演じることになんの疑問も感じていなかったし、なんなら当事者性がない人がトランスを演じることが演技力の試金石みたいな風潮にそのままのっかってたなと、反省しました」</p>
<p>イシヅカ「私自身は、必ずしもトランスジェンダーの役を同じトランスジェンダーが演じなければならないという立場ではありません。ただ、日本の状況として、ポテンシャルのある当事者の俳優がいるかもしれないのに、その人たちが活躍できる土壌が全くない。その現状を無視して、トランスジェンダー役をシスジェンダーの人がするというのは違うんじゃないかなと思うんです」</p>
<p></p><p>長田「またNetflixの話になっちゃうんですけど、80年代のクィアカルチャーを描く『POSE/ポーズ』（2019）では、俳優だけでなくスタッフにも当事者を採用しすることで雇用を生み出し、コミュニティに貢献したことが注目されましたよね。主演のMJ・ロドリゲスが、トランスジェンダーの俳優としては初めてエミー賞主演女優賞にノミネートされたのもホットなニュース！」</p>
<p>イシヅカ「当事者が当事者を演じることで、トランスジェンダーをどういう風に演じたらいいかというロールモデルが、ひとつできる。その一歩は大きいと思います。実際、当事者性がなかったらどうやって演じたらいいかわからない部分って、たくさんあると思うんです。あまりにも突拍子もないことを言われてガーンとなり、頭の中が真っ白になり咄嗟に言葉が出ないような経験は、当事者の多くが経験しているはず」</p>
<p>長田「例えば『片袖の魚』の居酒屋のシーンで、悪気はないんだろうけどマイクロアグレッション（※注3）に当たるようないじりの場面がありましたよね。あのシーンはひかりちゃんがお酒が強いことが、せめてもの救いだと感じました」</p>
<p>イシヅカ「あれは、そんなに強くないけれどいたたまれなくて何度も手が伸びてしまったんだと思うんです。ホルモン剤を飲んでいると肝臓が弱くなるので……。悪気はないんだろうなと思うから強く言えなくて、飲むしかない」</p>
<p></p><p>長田「なるほど……。劇中でも服薬してパッチを貼ってという場面がさりげなく描かれていましたよね。悪気がない差別でも辛いのに、SNSや政治の場面ではトランスジェンダーに対する苛烈な差別が問題になっています」</p>
<p>イシヅカ「私はどんな人や意見に対しても『そういう気持ちになることもあるよね』というスタンスなのですが、最近のトランス差別に関しては、そう思えない段階にきているなと感じます。差別を禁止すると法律を利用して犯罪をする人がいるという主張があるけれど、当事者の苦しみを矮小化してまるで犯罪予備軍のように語るのは暴力的だと感じます。当事者の苦しみは別物ですから」</p>
<p>長田「そういう差別がある中で、当事者性を背負って人前に出るのはかなり勇気がいりますよね。既にモデルとしてのキャリアがある中で、トランス女性という側面に大きくスポットライトが当たることに不安はありませんでしたか？」</p>
<p>イシヅカ「正直これまでは、『公表はするけれど売りにはしたくない』気持ちがあって、重きを置かれ過ぎない仕事を意識して選んできた部分があったんです。トランスジェンダーかどうかとは関係ないところで活躍している当事者を見て勇気づけられる人もいると思うし。でも、差別が激化している状況の中で、私なりの責任は果たしたいと思いました。幸い周りのサポートにも恵まれていて、辛いことがあってもハンッ！って跳ね返せる強さもある程度は持ち合わせているので」</p>
<p></p>本来の自分を否定される辛さ
<p>映画『リトル・ガール』。生まれたときに割り当てられた性に違和感を持つ女の子・サシャと、その家族が直面する多くの葛藤や喜びを捉えたドキュメンタリー。現実の差別や課題をもあぶり出した。2021年11月19日（金）より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開予定。©AGAT FILMS &#038; CIE – ARTE France – Final Cut For real - 2020
</p>
<p>長田「『片袖の魚』は、社会の中でトランスジェンダー女性がどんな風に暮らし、何に支えられ何に傷ついているのかに触れるきっかけになる素晴らしい映画。マイノリティをモンスター化して不安を煽る差別に対抗するために、同じ社会で既にともに生きている当事者のリアルを伝える作品はとても重要だと思います。トランスジェンダー女性のリアルを伝える作品として、11月公開の映画『リトル・ガール』（2020）もぜひたくさんの人に観てほしいですよね。7歳のトランスジェンダーの女の子サシャが、家族に守られながら、規範を押し付けようとする学校や社会と向き合う様子を捉えたドキュメンタリーです」</p>
<p>イシヅカ「劇中曲にドビュッシーが使われていて、映像も綺麗でした。私も小さい頃から性別違和があって、きっと周りにも漏れ出ていたと思うんですけど。幼稚園から小学校に上がった途端にはっきりと男女で分けられて、『一緒に遊んじゃいけない！』と女の子としてシャットアウトされてしまって、すごく辛かったのを思い出しました。ランドセルも本当は赤がよかったのに、黒を選んで吐きそうになりながら6年間持って。学校がすごく辛くて休みがちでした」</p>
<p>長田「日常的に身に付けるもので本来の自分を否定されるのは辛すぎますよね。ましてや、自分について説明する言葉を持たない年齢で。バレエ教室で衣装が渡されるシーンは切なかったです。サシャの場合は、家族の理解があるのがまだ救いでしたが……」</p>
<p>イシヅカ「なんで母親ばっかりが悩んで戦わなきゃいけないの？とは思いましね。うちも母がすごく理解して周りと孤軍奮闘してくれたんです。祖父母なんかは、『教育で男の子に戻せるはず』と信じて男の子用のおもちゃを渡してきて、はねのけてセーラームーンのグッズを集めていましたけど（笑）。担任も『男の子と一緒にいたら普通の男の子に戻るから』って。当時は今ほどではないにしろ、性同一性障害という言葉が知られるようになって戸籍を変える事例も出始めた時期。学校とかコミュニティがもっと勉強してくれていたらよかったんですけど」</p>
<p></p><p>長田「2021年になっても、親にも教師にも理解されず、自分はみんなと違って変なんだと疎外感を覚えている子供たちは少なくないですよね。フランスではもっと理解が進んでいるのかなと思っていたけど、学校の態度がかなり保守的でびっくりしました」</p>
<p>イシヅカ「私の場合は、中学生の時に母が性同一性障害や性別違和の権威の精神科医を見つけてきて。その先生が直談判してくれたら、それまで頑なだった学校の態度がコロッと変わったんです。女子の制服を着るのは認められないが、ジャージ登校なら認めますって」</p>
<p>長田「サシャの家族も、理解のある小児精神科医の先生と出会えてホッとしました。日本ではまだ一般的ではない二次性徴を抑制するホルモン療法についても提案していましたね」</p>
<p>イシヅカ「あんなにちっちゃいときに、『あなたが選ぶんだよ』と言われたら、私だったら選べなかったかもしれない。でも、そういう選択肢があって議論がされていることや、当事者がどれだけのものを突きつけられているかはもっと知られてほしいですね」</p>
<p></p>当事者が傷つかないクィアの描き方
<p>映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』。高校生活を遊びを犠牲に勉強だけに費やしたモリーとエイミーが、失った時間を取り戻すべく高校卒業前夜にパーティデビューする一夜を描いた青春コメディ。Netflixほかで配信中。DVD¥4,180　販売元 ‏ : ‎ TCエンタテインメント（C）2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.</p>
<p>長田「クィアを取り巻く環境はまだまだ厳しい局面が多いけれど、イシヅカさんおすすめの『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』（2019）は、元気が出る内容でした。真面目に勉強を頑張ってきた二人組が、高校卒業間近になってハメを外す学園コメディですよね」</p>
<p>イシヅカ「いろいろなジェンダーやセクシュアリティが当たり前に受け入れられている世界を描く記念碑的作品。先入観や間違った認識が無くなって法的なことも教育的なことも整えば、ジェンダーや人種で人を差別する必要なく学校生活が送れるようになるよ、という未来を見せてくれます。シリアスにならずに、爆笑しながら楽しめるクィア的要素の詰まった作品です。ある意味ユートピア映画ではあるのだけれど……」</p>
<p></p><p>映画『TOVE／トーベ』。世界中で愛されるキャラクター、ムーミンの産みの親として知られるトーベ・ヤンソンの半生を描く。厳格な父や保守的な美術界との軋轢で満たされない日々のなか、自由を渇望し、やがて激しい恋に落ちていく。10/1（金）より、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国ロードショー。© 2020 Helsinki-filmi, all rights reserved</p>
<p>長田「当たり前だけど何か？ぐらいあっけらかんと描かれているのはよかったです。差別に怯えずに済む学園生活が、早くユートピアではなく見慣れた現実になるといいですね。人気童話ムーミンシリーズの原作者を描いた『トーベ』は、不倫にも同性愛にも、『自由を試す』心意気で無邪気に飛び込んでいくトーベ・ヤンソンが印象的でした。1940年代のフィンランドでは、同性愛は犯罪であり病気と見なされていて、1971年までは違法だったんですよね。でも映画の中ではそれほど悲壮感はなくて。それより、家父長のプレッシャーがキツかった」</p>
<p>イシヅカ「当時の女性の生きづらさやレズビアンの置かれた状況の中で、自分に正直に自由に生きようとしている姿には励まされますね。今でいうとバイセクシュアルなのかな。時代背景の描き方が自然で美化していないバランス感覚が良かった」</p>
<p>長田「重ね着が可愛くて、ノートにメモりました。ファー付きのヘチマ襟のアウターの下に、ボウタイシャツを着たくなる！　部屋着も充実していて、ガウンが欲しくなりました」</p>
<p>イシヅカ「ファッションはもちろん、インテリアも見どころ。ちょうど引越しのタイミングで観たので、家具選びの参考にしました。ビッグバンドのジャズもいい。もともとあの年代のテイストが好きなんです」</p>
<p></p><p>長田「私ね、ムーミン谷シリーズの小説版が人格形成の礎なんです。成長してから『あの物語を作ったのはこういう人だったんだ！』と再発見できました。嵐の日に不倫相手が家に来ても、温かいお茶とタオルを差し出すとかではなく、散歩に誘って土砂降りの岩場で相手が転んだのを見て大笑いっていう。ああ、こういう人が書いたんだーって妙に納得しました。『禁断の愛』みたいなヘテロセクシュアル中心のテンプレコピーがついてないのも良かった。ジェンダークィアをテンプレ的に描いて、マジョリティが消費する構図は良くない。ファッションセンス抜群のゲイの友達とか主人公に片想いするレズビアンの役が量産されたり。露骨にアクセサリーやスパイス扱いされ続けるのは気をつけないと」</p>
<p>イシヅカ「これまではトランスジェンダー役の演じ方やキャラクターの作られ方が実情とかけ離れていて、当事者が観たときに傷つくケースがとても多かったんですよね。だからこそ、『片袖の魚』は、いますごく辛いとか自信持てないという当事者に届いて欲しい。引っ込み思案なヒロインが、だんだんと覚悟を決めて自分とも人とも向き合って、不器用なりに一生懸命やろうという普遍的な話でもあるので、たくさんの人に観ていただきたいです」</p>
<p>K’s cinemaにて対談を終えたイシヅカユウ（左）と長田杏奈（右）に記念写真を撮影させてもらった。</p>
<p>※注1「トランスジェンダー女性」……トランスジェンダーで、性自認が女性の人のこと。トランスジェンダーとは、生まれたときに割り当てられた性別と性同一性が一致しない人のこと。<br />
※注2「シスジェンダー」……生まれたときに割り当てられた性別と性同一性が一致し、それに従って生きる人のこと。<br />
※注3「マイクロアグレッション」……ステレオタイプや偏見による無意識の発言や行動で、無自覚に相手を傷つけてしまうこと。</p>
<p></p><p></p>
『片袖の魚』
<p>自分を不完全な存在だと思い込み、自信を持てないまま東京でひとり社会生活を送るトランスジェンダー女性の新谷ひかり（イシヅカユウ）。ある日出張で故郷の街へと出向くことになり、高校の同級生だった久田敬（黒住尚生）に、いまの自分の姿を見てほしいと考え、勇気をふり絞って連絡をするのだが……。</p>
<p>原案／文月悠光「片袖の魚」（詩集『わたしたちの猫』収録/ナナロク社より刊行)<br />
プロデューサー・脚本・監督／東海林　毅<br />
出演／イシヅカユウ、広畑りか、黒住尚生、猪狩ともか、原日出子<br />
新宿K’s cinemaにて公開中。川越スカラ座、浜松シネマイーラ、横浜シネマリンで順次上映予定。</p>
<p>&nbsp;<br />




長田杏奈・三原勇希対談「フェミニズム作品を語ろう」 
Culture / 03 11 2020



</p>
<p></p><p>The post イシヅカユウ × 長田杏奈 対談「クィア映画について語ろう」 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>ボディについて考えるための本10選</title>
        <link>https://numero.jp/20210721-books-for-the-body/</link>
        <pubDate>Mon, 12 Jul 2021 11:00:23 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
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        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[からだのはなし]]></category>
		<category><![CDATA[Body Philosophy]]></category>
		<category><![CDATA[Anna Osada / 長田杏奈]]></category>
		<category><![CDATA[book]]></category>
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            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p class="picture"></p>
01『別の人』
「同意不要」とされた傷
<p>デートDVを告発し中傷にさらされる主人公をはじめ、「同意不要の存在」として尊 厳を踏みにじられた女 性の記憶や感情を丹念に描く。明快な制度や被害者像からこぼれ落ち、「落ち度があったのでは」という二次被害に傷つきながら、やがて自分さえも疑うようになる。性暴力のリアルとその後も続く人生に思いをはせてほしい。（長田杏奈）</p>
</p><p></p><p>『「ぐずぐず」の理由』 鷲田清一/著（KADOKAWA）</p>
02『「ぐずぐず」の理由』
体から出て体へと戻る言葉
<p>「待つ」や「聞く」といった受動的で積極的に評価されない行為に目を向けてきた哲学者の鷲田清一。冒頭で、オノマトペは“理解はできないけれど、納得はできる”言葉だと書く。論理的に説明ができない“内臓感覚”から生まれ、言葉として発せられ、それがスッと“腑”に落ちる。体から体へと再帰する言葉のあり方を探る。（山口博之）</p>
<p></p><p>『処女の道程』 酒井順子/著（新潮社）</p>
03『処女の道程』
さらば、都合のいい「純潔」
<p>平安の昔から現代まで「処女」や「貞操」がどのように語られてきたのかを軽妙なタッチで綴る。女性の体が性交経験の有無で価値づけられジャッジされてきた背景には、男性たちに都合のいい幻想や家父長制が透けて見える。社会や他人による勝手な値踏みをはねつけ体の尊厳を守るワクチンとして、知っておきたい文化史。（長田杏奈）</p>
<p></p><p>『回復する人間』 ハン・ガン/著 斎藤真理子/訳（白水社）</p>
04『回復する人間』
回復とは元通りになることなのか
<p>ハン・ガンは、傷や痛み、喪失にまつわる物語を書いてきた。本書にも傷と回復を描いた7つの短編が収められている。疎遠だった姉のお葬式でくじいた足。その治療のお灸で火傷して細菌感染し、小さな穴が開いた女性を描く「回復する人間」。回復する体と実感するさまざまな痛みが、姉とのすれ違いや喪失を呼び起こし、重なっていく。（山口博之）</p>
<p></p><p>『禁断の果実──女性の身体と性のタブー』 リーヴ・ストロームクヴィスト/著 相川千尋/訳（花伝社）</p>
05『禁断の果実──女性の身体と性のタブー』
作られたタブーを笑い飛ばす
<p>コーンフレークを発明したケロッグ博士しかり、精神医学の父フロイトしかり。普段は名士と知られる人が、女性の話になるとなぜかバグるというのは古今東西を問わないらしい。権威による間違った決めつけは、時に女性の健康や命を脅かす。読む者の喜怒哀楽を刺激する、女性器や生理のタブーに斬り込むギャグコミック。（長田杏奈）</p>
<p></p><p>『手の倫理』 伊藤亜紗/著（講談社）</p>
06『手の倫理』
「さわる」ではなく「ふれる」こと
<p>盲目や吃音の人の体について研究し、体と意識に新しい視点を提示してきた著者は、触覚と倫理において、メッセージを伝達する「さわる」ではなく、関係を生成していく「ふれる」に着目した。ふれるは、こうあれという道徳一般ではなく、生成変化する個別の倫理を導く。手を通して、変化する自分の中の倫理と多様性に触れる試み。（山口博之）</p>
<p></p><p>『月経と犯罪──“生理”はどう語られてきたか』 田中ひかる/著（平凡社）</p>
07『月経と犯罪──“生理”はどう語られてきたか』
「生理中なら犯人」の濡れ衣
<p>「女性は生理があるから罪を犯す」と真顔で信じられていた時代があった。犯罪人類学者は「女性にとって噓をつくことは生理的な現象で、特に月経時にはそれが顕著である」と断じ、明治の女子教育に大きな影響を与えた。ミソジニー(女性嫌悪)的な眼差しがいかに女性とその身体に濡れ衣を着せてきたか、トンデモ史実に震える。（長田杏奈）</p>
<p></p><p>『彼女の体とその他の断片』 カルメン・マリア・マチャド/著 小澤英実、小澤身和子、 岸本佐知子、松田青子/訳（エトセトラブックス）</p>
08『彼女の体とその他の断片』
存在するのに見えないとされること
<p>ファンタジーや寓話のような世界で、女性やセクシュアルマイノリティを描いた著者のデビュー作。引用は、女性たちの体が消えていく奇病が流行する短編「本物の女には体がある」から。テレビの男性出演者が、あいつらは噓をつき、欺こうとしていると放つ言葉だ。きっとこの男性は、姿が見えていたときにも信じていなかっただろう。（山口博之）</p>
<p></p><p>『これからのヴァギナの話をしよう』 リン・エンライト/著 小澤身和子/訳（河出書房新社）</p>
09 『これからのヴァギナの話をしよう』
見て、知って、語る。ヴァギナ再発見
<p>性教育・クリトリス・オーガズム・生理・不妊・更年期など、本来はタブーにされるべきではないのにタブーとされがちなヴァギナ(膣)のリアルを解き明かす。取材や科学的データに加え、飾らない個人の経験をオープンに語り、さんざんヴァギナと向き合った先に「私はヴァギナ以上の存在である」と宣言する点が信頼できる。（長田杏奈）</p>
<p></p><p>『ダイエット幻想──やせること、愛されること』 磯野真穂／著（筑摩書房）</p>
10『ダイエット幻想──やせること、愛されること』
ダイエットの語源は、way of life
<p>医療人類学を専門とする著者は、医療従事者の思想や実践がいかなる文化的な背景を持つのかを見てきた。体重を落とすダイエットという思想と行為の背景を探り、痩せたいと思わせられる社会と承認欲求、そして「自分らしく」という言葉のねじれを明らかにする。外部と触れながら、外部で満たされない心身になるために。（山口博之）</p>
<p class="btn_entry">
特集「からだのはなし」をもっと見る</p>
<p></p><p>The post ボディについて考えるための本10選 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>実践！ 自分を愛するための小さなアイデア30 【day28】ネイルは旬色を選ぶ</title>
        <link>https://numero.jp/20210428-self-compassion-day28/</link>
        <pubDate>Wed, 28 Apr 2021 11:00:00 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[実践！ 自分を愛するための小さなアイデア30]]></category>
		<category><![CDATA[Love Thy Self]]></category>
		<category><![CDATA[Anna Osada / 長田杏奈]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section">Day.28<br />
「ネイルは旬色を選ぶ」
難易度：★☆☆（今すぐにトライできる！）
<p>ネイルは気分をあげてくれる大事なお守り。旬色なら今日は無敵！</p>
<p class="picture"></p>
<p>韓国発のメイクアップブランド、ヒンス（hince）から発売されたザ・モーメント・コレクションのグロウアップネイルカラーは、ありそうでなかった絶妙なニュアンスカラーが豊富に揃う。長田杏奈のお気に入りは「リコレクト」と名付けられた一本。「水彩のような透けているブルーに、薄曇り＆ネオンのニュアンスがほんのりあってかわいいんです」</p>
</p><p></p><p class="btn_entry">
実践！ 自分を愛するための小さなアイデア30をもっと読む</p>
<p></p><p>The post 実践！ 自分を愛するための小さなアイデア30 【day28】ネイルは旬色を選ぶ first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>実践！ 自分を愛するための小さなアイデア30 【day27】植物を育てる</title>
        <link>https://numero.jp/20210427-self-compassion-day27/</link>
        <pubDate>Tue, 27 Apr 2021 11:00:20 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[Anna Osada / 長田杏奈]]></category>
		<category><![CDATA[実践！ 自分を愛するための小さなアイデア30]]></category>
		<category><![CDATA[Love Thy Self]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section">Day.27<br />
「植物を育てる」
難易度：★★☆（新しい一歩が必要）
<p>植物を愛する美容ライターの長田杏奈さんが、自宅の庭やベランダで育てやすい花を紹介してくれた。植物の生命力や美しさに、パワーをもらって。</p>
<p class="picture"></p>
<p>「植物を通して土に触れたり、季節の移り変わりや生老病死のサイクルを感じること。多様な彩りや質感、フォルム、香りの美しさに触れることは日々の喜びです。花びらが螺らでん鈿のように光るラナンキュラス ラックスは、切り花でも鉢植えでも花つきが良く、球根で毎年増えるのでおすすめ。香りを楽しむならチュベローズ」</p>
<p class="picture"></p>
<p class="picture"></p>
</p><p></p><p class="btn_entry">
実践！ 自分を愛するための小さなアイデア30をもっと読む</p>
<p></p><p>The post 実践！ 自分を愛するための小さなアイデア30 【day27】植物を育てる first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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        <title>実践！ 自分を愛するための小さなアイデア30 【day26】コスメで自尊心を高める</title>
        <link>https://numero.jp/20210426-self-compassion-day26/</link>
        <pubDate>Mon, 26 Apr 2021 11:00:31 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[実践！ 自分を愛するための小さなアイデア30]]></category>
		<category><![CDATA[Anna Osada / 長田杏奈]]></category>
		<category><![CDATA[Love Thy Self]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section">Day.26<br />
「コスメで自尊心を高める」
難易度：★★☆（新しい一歩が必要）
<p>著書『美容は自尊心の筋トレ』で「自分に向き合って慈しみ、自己表現する美容」を教えてくれた長田杏奈さんに、自分らしさを引き立ててくれる最新お気に入りコスメを紹介してもらった。</p>
１. 酒粕オイルでシンプルケア
<p><br />
「金沢の老舗酒蔵、福光屋のエモリエントオイルを使ったシンプルケアにハマり中。スチーマーを当てながらこのオイルで優しくマッサージするだけで、むっちりツルツルの肌になるし、クロモジの香りにも癒やされます」</p>
</p><p></p>２. 素顔が引き立つリップバーム
<p>ナーズ ソフトマットティンティッドリップバーム 00365 シナモンヌード ￥3,300 数量限定発売 ナーズ ジャパン 0120-356-686<br />
「ナーズのソフトマットなヌードブラウンのティントリップバームは素顔に塗ってもしゃれるんです。素の唇がちょっと素敵に見える仕上がりと、モダンでスマートなメタリックパッケージが好き」</p>
３. 優秀日焼け止めで肌の調子もUP
<p>リンクルホワイトU V プロテクター （S P F50+・PA+ + + +）50g ￥3,500 オルビス 0120-010-010<br />
「負担感のない塗り心地と保湿力で、シワ改善と美白も叶える日焼け止め。紫外線ダメージから肌を守りながら、日に日に肌のコンディションが整う充実感が。プレステージな手応えを、3,000円台で叶えたところがすごい」</p>
<p class="btn_entry">
実践！ 自分を愛するための小さなアイデア30をもっと読む</p>
<p></p><p>The post 実践！ 自分を愛するための小さなアイデア30 【day26】コスメで自尊心を高める first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                            <ldnfeed:image>
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        <title>賢者が選出！ 面白い&#038;タメになるポッドキャスト番組　vol.2 長田杏奈</title>
        <link>https://numero.jp/20210402-listenup-2/</link>
        <pubDate>Fri, 02 Apr 2021 11:00:00 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[Anna Osada / 長田杏奈]]></category>
		<category><![CDATA[podcast]]></category>
		<category><![CDATA[listenup!]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>時間を有効に使える、“聴く”コンテンツが話題沸騰。時事問題や性、ビューティにカルチャーまで、番組の色や出演者は実にさまざまだ。ポッドキャスト出演者とヘビーリスナーが出演番組と一押しのチャンネルをご紹介。第2回目は美容ライターの長田杏奈に聞いた。（『ヌメロ・トウキョウ（Numero TOKYO）』2021年4月号掲載）</p>
</p><p></p>長田杏奈の番組<br />
『長田杏奈のなんかなんかコスメ』
<p class="picture"></p>
美は誰のものかを問う
<p>口癖の「なんか」を連呼しながらコスメを紹介。話題は「もの」に留まらず、世の中で起きている「こと」や新書にも及ぶ。著書の題名であり、信条でもある「美容は自尊心の筋トレ」とは何を指すのか。ニュースレター「なんかなんか通信」も配信中。長田の優しい語り口が心地よく、寝る前にお風呂やベッドで聴くと、特に癒やし効果あり。</p>
<p>URL／anchor.fm/annaosada</p>
<p></p>
<p></p>長田杏奈のおすすめ番組<br />
『GETTING CURIOUS with Jonathan Van Ness』
<p class="picture"></p>
『クィア・アイ』のジョナサンがナビ
<p>Netflix『クィア・アイ』で美容のコンサルティングをするジョナサン・ヴァン・ネスの大ファンだという長田。彼が好奇心の赴くまま注目するトピックを紹介し、専門家の見解を聞きながら考察するという内容。「ジェンダーから古代文明、スケートまで。ジョナサンの関心の広さ、ユーモアとシリアスのバランスに夢中」</p>
<p>www.jonathanvanness.com/gettingcurious</p>
<p></p>
<p></p>
<p class="btn_entry">「賢者が選出！ 面白い&#038;タメになるポッドキャスト番組」をもっと読む</p>
<p></p>
<p></p><p>The post 賢者が選出！ 面白い&タメになるポッドキャスト番組　vol.2 長田杏奈 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
        </description>
                                    <ldnfeed:rel>
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        <title>長田杏奈・三原勇希対談「フェミニズム作品を語ろう」</title>
        <link>https://numero.jp/20201103-talking-about-feminism-1/</link>
        <pubDate>Tue, 03 Nov 2020 07:00:33 +0900</pubDate>
        <lastpubDate></lastpubDate>
        <status>1</status>
        		<category><![CDATA[Feature]]></category>
		<category><![CDATA[Culture]]></category>
		<category><![CDATA[interview]]></category>
		<category><![CDATA[pickup]]></category>
		<category><![CDATA[Yuuki Mihara / 三原勇希]]></category>
		<category><![CDATA[Feminism / フェミニズム]]></category>
		<category><![CDATA[Anna Osada / 長田杏奈]]></category>
        <description>
            <![CDATA[<article><p class="first_section"><p>ここ数年、世界各国で #Metooをはじめとするさまざまなムーブメントが盛り上がりを見せ、興味深い作品が次々と発表されている。韓国でフェミニズム運動を加速させた小説『82年生まれ、キム・ジヨン』もその一つ。日本でも海外文学として異例の大ヒットを記録し、今年10月には同名映画が国内で公開。フェミニズムの裾野を広げようとしている。</p>
<p>今回はフェミマガジン『エトセトラVOL.3 私の私による私のための身体』で責任編集を務めた美容ライターの長田杏奈と、ポッドキャストやコラムなどで発する等身大のコメントが注目を集めるタレントの三原勇希が対談。自身の体のことやセクシュアリティについて理解を深め、価値観をアップデートするきっかけになった作品をオンラインで紹介し合った。</p>
この痛みを感じるのは私だけじゃなかった
<p class="picture"></p>
<p>長田（以下、O）「『82年生まれ、キム・ジヨン』（以下、『キム・ジヨン』）【1】はもともと小説でも読んでいましたが、映画を観て改めて、とても身近な地獄だと思いました。私の隣にコン・ユはいないけど（笑）」</p>
<p>三原（以下、M）「そうですね。やっぱり心当たりがあって観ていて辛くなるシーンが多かったですし、この価値観はまるで地層のように、気づかないうちにずっと積み重ねられてきたものだなと」</p>
<p>O「この作品は切り取り方が違えば、“女性の幸せライフ”に映ると思うんです。好きな人と結婚して、赤ちゃんが無事に生まれて、立派な家があって。世の中で“幸せ”とされているものが揃っているのに、ジヨンの心は静かに侵食され、閉じ込められているように感じる。個人の抗いを社会という圧力によって覆われている描写がリアルで。</p>
<p>特に映画で印象的だったのはオープニングとラストシーン。どちらもジヨンがカフェラテを飲もうとする場面で、オープニングではささやかな息抜きのために外出したジヨンに対して、『旦那の稼ぎでコーヒー飲んでぶらぶらするなんてママ虫（育児をせずに遊びまわる母親を指す、韓国のネットスラング）は、いいご身分だよな』と他人が言い放つ。</p>
<p>出産前後は時間的にも金銭的にも“人が淹れてくれたお茶を飲む”なんて余裕がなかなか持てない母親に対してこの言葉は本当に辛い。だけど、ラストでジヨンは相手に思いの丈をぶつけて言い返していた。その姿を見られてよかったなと」</p>
</p><p></p><p>（左から）書籍『彼女の名前は』、『82年生まれ、キム・ジヨン』、映画パンフレット『82年生まれ、キム・ジヨン』</p>
<p>M「小説と映画で重要な設定が違うので、いろんな意見が飛び交っているけれど、私は別の行き先を描いたものとしてそれぞれ楽しめましたし、映画は泣きました。小説はカルテのように淡々と話が進んでいきますよね。その中でも心の描写がすごく印象的で、寂しさについて『ホコリが溜まっているとははっきり目でわかっているのに、放ったらかしにしておくしかない』という表現なんてすごく共感しました」</p>
<p>O「9月に日本語版が発売されたばかりの『キム・ジヨン』の著者、チョ・ナムジュさんの小説『彼女の名前は』【2】では、その積もったホコリを払えなかった後の話、ホコリを取ってみた人の話、ホコリをじっと見てみた人の話などいろんな物語が描かれています。</p>
<p>年齢も職業も多様な“彼女たち”の話を聞き続けたナムジュさんのまなざしが一貫して優しいというか、語り手の機微を読み取って丁寧に表現している。一人一人の語りを過度にドラマティックにしたり、わかりやすくまとめたりしない。そういうところに著者の誠実さを感じます。“こういうもんなんだ”という社会の無理強いに、納得せず、説得されず、違和感を訴える人たちの物語だと思います」</p>
<p>M「あとがきに“『キム・ジヨン』は自分で声を上げない。（中略）半歩でも前に進もうと、そのためにこの本を書いた”とありましたよね。介護の話などシビアな現実を映し出した話も多い中、特に厄介だなと思ったのは、“お前のためを思って言ってやってるんだぞ”っていう声。日常にこういう人いるなって」</p>
<p>O「さもわかった風なもの言いが心をえぐる凶器になる。断崖絶壁にやっとのことでぶら下がっている人の指を、良かれと思って無造作に踏みつけちゃう」</p>
<p>M「この本は『キム・ジヨン』よりも更に多様でリアルで、ささやかな“あるある”が短編でたくさん詰まっているので読みやすいし、フェミニズムに無自覚な人にも思い当たる節がきっとあると思う。自分が感じた痛みが“自分だけじゃなかったんだ”と気づくはず」</p>
<p></p><p>違和感瞬間「GENDER/LIBERTY」雑誌『IWAKAN』より</p>
<p>O「もみ消されがちな違和感に対して、ちゃんと光が当たっているところがいいですよね。違和感といえば、今年10月にクリエイティブスタジオREINGが創刊した雑誌『IWAKAN』【3】にも注目をしています。第1号のテーマは“女男”。男女ではなくて、女男。もうここから問題提起が始まっている。この雑誌では、二元論で語られがちな女と男の問題だけでなく、LGBTQ+を含めたジェンダーやセクシュアリティについて語ろうとしています。男性誌、女性誌とカテゴライズしがちな出版界にこうした雑誌が誕生しただけでも誉れ高い。</p>
<p>電車内で撮影されたグラビアや、性器をモチーフにした斬新なアートワークもインパクトがありました。これは私の勝手な意見ですが、フェミニズムやジェンダー、セクシュアリティについて語るとき、まじめにやるのも大事だけど、イケてるビジュアルを作ることも一つの手だなって。一目で惹きつけて肚落ちさせるパワーがありますよね」</p>
<p>M「そうですね。楽しいこととかイケてるものには、問題もポジティブに訴える力がありますよね」</p>
<p></p>次の人に同じ思いをさせたくない
<p>映画『スキャンダル』Academy Award® is the registered trademark and service mark of the Academy of Motion Picture Arts and Sciences.Bombshell © 2019 Lucite Desk LLC and Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved. Artwork &amp; Supplementary Materials © 2020 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.</p>
<p>M「映画『スキャンダル』【4】は私をフェミニストだと自覚させてくれた作品なんです。実はそれまで私は“フェミニスト＝過激”だと勝手なイメージから、そう名乗ることに抵抗を抱いていたし、10代からモデルやタレントとして活動をしてきた自分はある種女性であることをウリにしているんじゃないかと考えると、なかなか自分のスタンスが定まらなかった。だけど、『スキャンダル』を観たとき、映画の中で起きたセクハラに似たことを自分も過去に経験していて、痛みが蘇りました。はっきりと『あれはやっぱりおかしいことだったんだ』と気づいた。当時は、自分や友達の身に起きたことは我慢すべきものだと思っていたけど、やっと問題として捉えることができたんです。</p>
<p>巨大なテレビ業界を相手にするという特殊な話ですが、実社会でも“自分が声をあげてもどうしようもないんじゃないか”と思うことはありますよね。この作品ではどう立ち向かうかということも描かれていて、“じゃあ自分には何ができるだろう？”と考えるきっかけにもなりました」</p>
<p></p><p>長田杏奈</p>
<p>O「私がこの作品を見て興味深いと思ったのは、女性の連帯、いわゆるシスターフッドと聞いて想像しがちな、手に手をとった“One for all, All for one”的な団結を描いていない点。気が強くて、エゴも野心も腹黒さもある女性たちが自分自身のために戦って、それがピタゴラスイッチみたいにカチカチッとはまって結果的に大きな共通の敵を倒すところがいいなって」</p>
<p>M「痛快でしたよね。私はやっぱり、自分が体験したことを若い子たちにしてほしくないっていう感情が芽生えたことが大きかったです」</p>
<p>O「女性の次世代に対する態度って、大きく二つのタイプに分けられると思うんです。三原さんのように自分が受けた体験を絶対に次の人にさせたくないと思うタイプと、自分の女性性につけ込まれてときには嫌な思いも経験したけれどそれに耐えたり利用した結果、成功したり一人前と認められたことに矜持を感じるタイプ。『キム・ジヨン』にも後者のような叔母がいましたよね。“女はこういうもんなんだ。私だってずっとそうやってきたんだから”って」</p>
<p></p><p>ドラマ『17.3 about a sex』</p>
<p>M「いました。ABEMAのオリジナルドラマ『17.3 about a sex』（以下、『17.3』）【5】にも“大人は自分の見てきた世界を疑わないから”って台詞があって、それに通じるなと思います」</p>
<p>O「あれは名台詞ですよね。私はNetflixの『セックス・エデュケーション』が大好きなんですが、日本でも『17.3』という性教育にまつわるレベルの高い作品ができたことに感動しています」</p>
<p>M 「私も驚きました。ストーリー自体もすごくおもしろいしキャストもイケてるのに、勉強になることだらけ。自分が10代の時に観ていたらどれだけ心強いか…！」</p>
<p>O「衝撃的だったのは、2話目のテーマがアセクシュアル（他者に対して性的欲求や恋愛感情を抱かないセクシュアリティ）だったこと。これまでの作品はあまりにも恋愛至上主義的だったと思うんです。シスジェンダー（身体的性別と性自認が一致している人）同士のヘテロセクシュアル（異性愛）でロマンティックな恋愛がすべてで、しかも、そことはまったく関係ないはずの業界、たとえばファッションやビューティにも紐付けられて“モテる服”とか“男性ウケするメイク”といった特集が組まれてしまう。</p>
<p>でも、こうしたアセクシュアルやXジェンダー（性自認が男性にも女性にも当てはまらない人）といったさまざまなセクシュアリティやジェンダーへの理解が少しずつだけど進みつつある今、“異性同士で恋愛して当たり前”という考え方自体がもう古いのでは、と」</p>
<p></p><p>三原勇希<br />
M「たしかに。『17.3』はいろんな価値観の人が出てくるのがいいですよね。個人的にはパンセクシュアルの朝日悠くんがすごくいいなって。2020年の出来杉くんって感じで、毎回言動に拍手したくなります（笑）。彼が主人公の咲良にお守りとしてコンドームを渡すシーンがあるじゃないですか。あの時、咲良が『じゃあ割り勘ね』ってお金を渡すのを見て、うれしくなりました。そうだよね、コンドームって買ってもらうものじゃないよねって。ふたりは対等だし、女性には主体性がある。あの行為自体に女性が“客体”ではない避妊が描かれているなと」</p>
<p>O「身体にまつわるイシューをまとめた『エトセトラ』の取材を進めている時期、いろんな世代の人に“どういう性教育を受けてきた？”って訊いていたら、“堕胎のビデオを見せられた”って回答が意外なほど多くて。血まみれの赤ちゃんを取り出す中絶シーンの映像だったそうで、世界的に見たらもうその堕胎方法すら時代遅れなんですけど、“こんな悲惨なことがあるんだから、あなたたちの年齢でセックスしないほうがいいよ”って、そんな脅しのような情報を与えることが性教育だなんてありえない。だから、自分の体を守るためにも、人の尊厳を踏みにじらないためにも『17.3』は若い人だけでなく、多くの人に観てほしいと思います」</p>
<p></p>私たちの体を奪われないために
<p>書籍『これからのヴァギナの話をしよう』</p>
<p>M「自分のこと、女性の体のことをもっと知りたいと思って手に取ったのが『これからのヴァギナの話をしよう』【6】です。科学的な根拠や作者自身の赤裸々な経験談に基づいて、ヴァギナについて詳細に解説をしてくれるような本で、知らなかったこともたくさんあってびっくりしました」</p>
<p>O「たとえばどんなことに驚きました？」</p>
<p>M「やっぱりまだ自分が経験していない妊娠や更年期の様々なデータには驚きました。あと処女膜についての章では、世界中の女性が間違った情報にこんなに苦しめられてきたのかと。ティーンのときは“処女膜っていう薄い膜があって、初めてセックスしたときに破れる”っていう噂を信じていたし、ヴァギナの話までは友達ともあまりしてこなかったから」</p>
<p>O「女性の体っていまだに迷信や幻想、都市伝説みたいな話がたくさんありますよね。この本にもあるけれど、精神分析学の創始者として知られるフロイトでさえ、“クリトリス・オーガズムは、性的に『未熟』”といっていたり。自分の身体についてちゃんと知ろうと思い立っても、巷には“子宮を温めればすべて解決する”とか“今すぐ膣ケアをしないと劣化する”といった本が並んでいたりして、きちんとしたデータに基づいて作られた本が少なすぎる。一方で、より専門的な本には、当事者意識が欠けていたり、社会的な“女性はこうあるべき”の文脈に乗っかりすぎていたり……。医療にこそ、フェミニズムの視点が大事なのに」</p>
<p>M「そうですよね。この本を読むと、ヴァギナにまつわることは本当に人それぞれで“こうすればこうなる”という型なんてないし、誰かが作った基準にあてはめる意味のなさを再確認できる。知識を得られる本であり、自分のことについても深く考えられる本です。フェミニズムを考えることはすべての女性の権利なんだと気づかせてくれます」</p>
<p>O「一冊まるまるヴァギナについて熱く語っているのに、最後はあっさりと“私は私のヴァギナ以上の存在”と手放すところも好きです」</p>
<p></p><p>書籍『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』</p>
<p>M「そうですね（笑）。私はフェミニズムを考えるうちに、思いをうまく言葉にできなくてはがゆい思いをするようになりました。『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』【7】は、考え方が違う相手にどう返すか、どう理解してもらえるか、といったことが具体例とともに書かれていて、言葉にしたいときの助けになります」</p>
<p>O「すごく実用的ですよね。価値観の違う人に反論したり、説明するのってすごく消耗するけど、ここでは“そもそもわかろうともしない人に、あなたの労力を使う必要ない”ってきっぱり書かれてあるのがいいですよね」</p>
<p>M「そうなんです。言いたいことを的確に言えないという悩みはフェミニズムにかかわる話だけではないと思うので、うまく気持ちを伝えたいと思うすべての人にすすめたい。問題の構造がわかりやすいし、自分でもわからなかったモヤモヤを解体してくれます」</p>
<p></p>“産む”“産まない”は誰が決める？
<p>書籍『誓願』『侍女の物語』</p>
<p>O「『キム・ジヨン』の著者の次作が出たと聞いて、すぐに思い出したのが『侍女の物語』でした。ちょうど今、続編の『誓願』を読んでいて」</p>
<p>M「カナダで1985年に発売された本が、2017年にアメリカでドラマ化され、そして2020年のいま、続編小説が発売されるってすごいですよね」</p>
<p>O「そうなんです。作者のマーガレット・アトウッドが今、その必要性を感じたからかなと。Huluで『ハンドメイズ・テイル／侍女の物語』【8】が配信されたとき、私は架空のディストピアの残酷物語だと思っていたけど、観てみたらすべて現実の地続きにある身に覚えのある話や史実にもある話ばかりだった。アトウッドはインタビューで“自分はこれまでの歴史上や現実社会に存在しなかったものは一つも書いたことがない”と語っていて、その意味がわかってすごくこわい。私たちが何も疑わず声を上げずに唯々諾々と従っていたら、こういう社会が実現してしまうんじゃないかって」</p>
<p></p><p>ドラマ『ハンドメイズ・テイル／侍女の物語』© 2020 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved. </p>
<p>M「私はグラフィックノベルで読んでいるのですが、これもかなり不気味なタッチで描かれていてすごくこわいです。“産むための道具”とされている侍女は名前を奪われ、赤い服しか与えられず、特権階級の妻であってもグリーンのワンピースしか身につけることを許されていない。記号化されることでその異質さがより強調されている」</p>
<p>O「今の日本では、少子化問題についてさまざまな議論が行われているけれど、過去には人口が増えすぎて中絶や不妊手術が推奨された時代もあった。一方で、軍国主義の中で、産めよ殖やせよ、お国のために5人以上産めと叫ばれる時代も。そうやって産む体を持たない権力者たちの都合によって、主体性を置いてけぼりにしたまま“産む”“産まない”がコントロールされる歴史が繰り返されている。現代もその途上にあると思うから、自分の体の権利を知らないところで奪われないように、まずは現状を知って、きちんと声を上げ続けていかなくてはと思います」</p>
<p>M「今は本だけじゃなくて、映像作品やビジュアルブックなどさまざまな作品でフェミニズムに触れられるようになりましたよね。私もずっと意識を持って考え続けてきて、結果的に１本の映画からその扉が開いた。まずは興味のあるものから手にしてもらって、こういう話を普通に友達や家族とできる社会になってほしい。ともに悩みながら、考えていきたいです」</p>




対談企画「フェミニズム作品を語ろう」で登場した本・映画・ドラマを一挙紹介！ 
Culture / 03 11 2020




<p></p><p>The post 長田杏奈・三原勇希対談「フェミニズム作品を語ろう」 first appeared on Numero TOKYO.</p></article>]]>
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