さようなら伝説のフォトグラファー、ビル・カニンガム | Numero TOKYO
Fashion / Editor's Post

さようなら伝説のフォトグラファー、ビル・カニンガム

bill cunningham  fashionphotographer  streetsnap legend
bill cunningham fashionphotographer streetsnap legend

衝撃のニュース。伝説のファッションフォトグラファー、ビル・カニンガムさんが亡くなった。インスタグラムにやけにビルさんの写真があがってくると思っていたら、まさか…。ガーーーッン、ショックです。 まさにメンズのファッションウィークまっただ中、信じられない悲報。トレードマークの青いジャケットを着た彼の姿がそこになかったなんて信じられない。

コレクション取材に行くようになって、生のビルさんに出会えるとうれしかった。 そんな個人的な思いから、ついついビルさんを逆パパラッチしていました。秘蔵のビル写真とともに振り返ります。

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雨の日だって負けない、青のポンチョを着用で激写してたビルさん。
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寒空の下でも、冬仕様の青のコートで獲物をハントする。
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ショウ会場でもフロントロウで撮影しやすいシートが彼の特等席。 各ブランドからリスペクトされていた証拠です。
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会場内に入っても物色する青のインナーダウン姿のビルさん。2016-17AWのマーク・ジェイコブスの会場はちょっとまぶしかったのかサングラス着用。これが私にとっては最後に見たビルさんとなりました。 数年前に彼のドキュメンタリー映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』が公開され、一貫した哲学とストリートファッションを追い求める頑固な姿勢がかっこよくて、ますますファンになりました。 会場の中でも外でも、彼の心を捉える被写体が現れると、うれしそうに笑いながら激写していたのを見て、私まで思わずうれしくなったものです。 元祖ストリートスナップカメラマンとして、ニューヨークタイムズで、人生のほとんどの長きわたり活動し続けた彼は、 今やこんなにストリートスタイルを追いかけるカメラマンが増えるなんて想像していたのでしょうか。ひとつのジャンルを築き上げ、彼の功績はあまりにも大きいです。 デヴィッド・ボウイもプリンスも悲しいけれど、ファッション業界にとってビルさんの死はあまりにリアルに悲しい出来事だったに違いないと思います。 ご冥福をお祈りいたします。

Profile

佐々木真純Masumi Sasaki フィーチャー・ディレクター/ウェブ・コンテンツディレクター。大学在学中から編集プロダクションにて雑誌などに携わる。『流行通信』編集部に在籍した後、創刊メンバーとして『Numero TOKYO』に参加。ファッション、アート、音楽、映画、サブカルなど幅広いコンテンツを手がける何でも屋。操上和美が撮影する「男の利き手」や「東信のフラワーアート」の担当編集。ここ数年の趣味は山登りで、得意芸の“カラオケ”は編集部名物。自宅エクササイズ器具に目がない(なんならコレクター)。

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