かつて過ごした英国のエッセンスが宿る、クラシカルで自由なスタイリング。NOルールなひらめきから生まれる岸本佳子のストリート&モードな装い。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2025年7・8月合併号掲載)
“ドレスをカジュアルに着て颯爽と下町を歩きたい”

ドレスもTシャツも同じ洋服。カジュアルに着てOK。自由な発想がスタイリングの幅をぐっと広げる。トレーニングパンツに、足元にはドクターマーチンの8ホール、仕上げにハットを加えたら、和パンクなドレッシーの完成。
“ギャルにも人気のミリタリー”

年齢や性別を問わず、長年愛され続けるミリタリーアイテム。その機能性の高さを活かしつつ、軽やかに着こなすのが今っぽい。フェザーの装飾を付けたフードとキラキラのベルトが、東京ストリートにギャルエッセンスを添える。
“ジェットセッターはアスレジャースタイルがお好き”

アクティブに旅をするなら、動きやすさが何より大切。シワになりにくい素材のジャンプスーツは高機能かつ、合わせ次第でドレスアップも思いのまま。キャップとスニーカーは、軽快に世界を渡るジェットセッターの必須アイテム。
“ギークなロックスター”

バンドTシャツにはロック気分なジャケットを羽織り、チェックのネルシャツとオールインワンを重ねてギークの魅力を引き出す。ロイヤルなブルートーンでまとめつつ、顔まわりにはカラーフレームのアイウェアと真っ赤なリップで女性らしさも忘れずに。
“フェティッシュ×モード=原宿ロリータ”

フェティッシュをモードに昇華すると、日常に馴染むロリータ風のファッションに。ポイントは、甘くないリボンの使い方。ブラウスはあえて前後逆に着て、特徴的なディテールを隠さずに魅せる。ルールに縛られず、自由にリボンを縛って!
“大人の肌見せは堂々と。アティチュードもスタイリングのうち”

ランジェリーライクなアイテムを取り入れるなら、媚びずに潔く。テーラメイドなスラックスを合わせ、メンズライクにまとめることにより、ランジェリーも “正装” になる。堂々と着るその自信こそが、スタイルを完成させるのには不可欠。
“AI バレリーナ”

可愛らしくなりがちな流行りのバレエコアだが、フューチャリスティックなサングラスを一点投入するだけで、たちまち個性的でクールなバレリーナスタイルに仕上がる。クラシックをアップデートして、時代を先取りして。
“梅雨こそスイムウェア。濡れてOKだと雨の日も快適”

憂鬱な雨の日は、スイムウェアをタウンユースに取り入れることでファッションの幅が広がり、気分も晴れやかに。豊富なバリエーションのスイムウェアは、普段とは違った色やデザインにも挑戦できる絶好の機会。雨の日だからこそ、遊び心を忘れずに。
“凛とした女性の戦闘服、ジャージ。どっからでもかかってこい”

リラックスなジャージスタイルは、小物使いで差をつける。Tバックを覗かせ、ポインテッドトゥのハイヒールを合わせて女性らしくアップデート。そこにワイルドなグローブやバッグを加えて、女性の力強さを引き出して。
“ジーンズのドレスアップ。多分、五つ星もOK”

ジーンズをドレスアップする楽しさ。近年ストリートの格が急上昇し、手入れされたスニーカーはもはやローファー並みの存在に。それらをタキシードやベスト、蝶ネクタイと合わせれば、高級ホテルやレストランにもふさわしい、ストリート貴族スタイルが完成。
“重ね着はNOルールで良し。Numéroがそれを許します”

レイヤードスタイルは、その日の気分で自由に調整。失敗しないコツは、長いものから順に重ね、白のような淡いトーンで揃えること。ボトムはミニ丈でアシンメトリーなものを選べば、自由なレイヤーがワンピースのように自然に繋がり、バランスよく仕上がる。
“オーバーサイズはロールアップで。自分サイズに自由自在”

せっかく買ったのに、サイズが合わず着る機会がない…そんな悩みも、ロールアップで簡単に解決。トレンドのオーバーサイズでも、手首や足首を見せることで華奢な印象に。それはテクニックであり、おしゃれに変える小さな魔法。
Photos:Yeong Jun Kim Fashion Director:Yoshiko Kishimoto Hair&Makeup:Masayoshi Okudaira Edit&Text:Makoto Matsuoka