髪が傷む2大原因は、カラーやパーマなどのケミカル施術と、ドライヤーや高温スタイリングツールによる熱。ほかにも紫外線、湿気、大気汚染など毎日あらゆるストレスを受けている髪を、先進ケアでいたわって。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2025年6月号掲載)

話題のヘアボンドを解剖
髪の主成分であるケラチンというたんぱく質は、高熱を与えるとその結合が損なわれ、毛髪繊維が脆くなる原因に。毛髪内部の壊れた結合(=ボンド)を修復する「ボンドビルディング」は、髪の強さと弾力性、輝きを育む注目のアプローチ。

ペプチドが握る髪の未来
エイジングケアの救世主として、昨今世界的に注目の成分ペプチド。ぺプチドとはアミノ酸が2個以上結合した物質で、体内にも存在。種類も多様でその作用もさまざまで、コラーゲン生成を高める、肌が持つ再生力を高める……など非常にマルチタスク。分子サイズが小さいため皮膚に浸透しやすく、安全性が高いのも特徴だ。最近はペプチド配合のヘアケアも増加中。顔と1枚の皮膚でつながっている頭皮への有効性はもちろん、たんぱく質同士を結びつける毛髪への作用など、マルチタスク成分なペプチドのメリットを搭載したヘアケアは今後も注目。

つるつる髪を阻むカルシウムや金属をキレート
「毛髪がザラついている」「ツヤが鈍い」と感じるなら、それは毛髪表面に余分なミネラルや汚れがビルドアップしている可能性大。「与える」前に蓄積した汚れをしっかり落とすケアを。水道中に含まれる、鉄や銅などの金属イオン、カルシウムなどのミネラルは、毎日のシャワーで髪に蓄積し、髪のザラつき、くすみ、パサつきの原因に。キレートして輝きを取り戻して。

髪からストレスを溜めない
精神的ストレスはヘアロスの原因のひとつ。年齢に関係なく、毎日のシャンプー&コンディショナーはストレスを癒やすものを選びたい。

ガラスのような輝きを求めて
ガラスのような肌=“グラススキン”に触発された、ガラスや鏡のように光を反射する超光沢髪“グラスヘア”が流行中。乾燥した髪はツヤがなくくすんで見えるので、キューティクルが整った反射性が高い髪を育むのがポイント。オイルやスプレーのツヤは、ベタついて重く見えるのでほどほどに。くすんだ肌に潤いを与えると輝くように、髪に潤いを与えるスペシャルケアが、グラスヘアへの近道。

スカルプケアの最適解を知る
ブリーチやケミカル施術を繰り返しているのに頭皮ケアを怠っていると、薄毛リスクへ一直線かも⁉ 未来の自分のために、長期的に頭皮をいたわるケアを忘れずに。乾性のフケやかゆみは炎症で敏感に傾いているサインかも。洗浄力の強いラウレス硫酸系シャンプーで皮脂を洗い落としすぎていないか見直しを。

頭皮のビルドアップを除去
頭皮トラブルが予想される季節。かゆみやべたつきが気になったら、週1回の頭皮クレンジングをシャンプー前の習慣にしてみては。自然由来成分のパワーで「与える」と「取り除く」が同時にできるアイテムがおすすめ。皮脂や汗、毛穴に溜まったほこりや汚れも落ちてすっきり快適。

スタイリング剤もユニークに進化中
もっといいスタイリング剤ない?に応える注目アイテムを紹介。

色落ちさせないカラーケア
ヘアカラー直後から1、2週間は、カラー専用のシャンプーやケアがマスト。褪色防止やpHの調整、残留成分の除去など頭皮や毛髪ダメージに多角的にアプローチ。

髪から奏でる香りのリチュアル
髪が揺れるたび、風がそよぐたび、ふわりと香るヘアフレグランス。香水が強く感じられやすい高温多湿の時期に取り入れたい。髪をケアしながら香りを纏えるのも魅力。

速乾とさらさら髪を両立
ドライヤーの熱を利用して毛髪を補修するトリートメントは、毎日のドライ時間の強い味方。ドライヤー時間の短縮にも。

脱・空洞化で髪密度を上げる
髪のエイジングサインのひとつが、髪内部の空洞化。内部構造の劣化でたんぱく質や水分が失われスカスカになる現象だ。ハリやコシが損なわれてダメージやうねりが目立つ原因に。若々しさを保つ髪密度ケアを取り入れて。

Photos:TOKI(model) John Chan(product) Model:Zsoka Hair:Takayuki Shibata Makeup:Asami Taguchi Styling:Yoshiko Kishimoto Edit & Text : Naho Sasaki