Beauty / Feature

起業家/インフルエンサー エンリケ インタビュー 「すべての事業が生活の一部となっているビジネス展開を」

「Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)」の誌面とWEB、YouTubeで連動するビューティ連載「どんどんハッピーになれる! 幸せな美容」の第10回に登場したインフルエンサー、エンリケさんにインタビュー。

バルマンのシャツジャケット、ニナ・リッチのスカート/すべてエンリケさん私物
バルマンのシャツジャケット、ニナ・リッチのスカート/すべてエンリケさん私物

「自分が成功するとかではなくて、
誰かをハッピーにするのが楽しく、
その気持ちがやりがいになっています」

「2019年11月30日をもってエンリケは夜の業界を引退することになりました」と突然発表。4日間に渡って行われた引退式でも5億円を売り上げ、エンリケさんは“華麗なる伝説”を作り上げたレジェンドとして、皆が知る存在へ。キャバクラで働いていた頃、シャンパン“直瓶”飲みのSNS投稿で全国にその名が知れ渡り、指名がどんどん入るように。SNSが自身のキャリアを大きく転換するきっかけを作った。

──ご自身が発信するSNSの影響力をどんな形で実感しましたか?

「当時、facebookライブというのがあって、時間がある時にライブを始めると、見ている人からコメントが来るようになって。直接お客さまに連絡するよりも、リアルタイムで『いま、○○(場所名)にいますよ!』とSNSで言ったほうが、自分のことを伝えやすく、お仕事としてSNSをすごく活用しました。
まずは“私”という存在を知っていただくために、フォロワーを増やさなければならない……というところから始まって、フォロワー数を伸ばす施策に毎日葛藤しましたね。見たくなる、覗きたくなるようなSNS作りを目指しました。たとえば、誰でも着られるような服ではなく、自分だからこそ着こなせる服で“今日のファッションコーデ”を頻繁に投稿したり。女性に見ていただけるアカウント作りに、私は意識を向けました」

──なぜ同性をターゲットに絞ったのですか?

「みんながやっていることでは、頭ひとつ出た存在になれないと思って。まず最初に、ブログからスタートしたのですが、意外と女性からのコメントが多く、『あっ、これ女性にいけるんだ!』って感じて。意識して、変顔を晒したりとか(笑)。キラキラの世界のなかでも、身近に思える存在でありたいと思ったから、オフな姿だったり、あんまり着飾っていない素の部分を晒し出したことで、女性のファンが増えていきました。『同性から応援されるためにはどうしたらいいか?』と考えたとき、仕事をしている姿を見ていただこうと思ったんです。毎日出勤してますよとか、こんなにお酒飲んでますよ…というリアルな姿を見ていただくことで、気にしてもらえるような存在になろうと意識していましたね。キャバクラはそもそも男性が来る場所なので、男性に向けて特別にアピールしなくても、来てくださるので(笑)」

──エンリケさんが引退を発表したのは、“日本一のキャバ嬢”と有名になった頃。絶頂期になぜ辞めようと思ったのですか?

「いい時に辞めたほうが、かっこいいからというプライドです。落ちて辞めるのって、すごくカッコ悪いと思っていて。だったら、頂点を極めたときにスパッと引退したほうが、後々ずっと名前が残るかなって思った」

引退式の最終日はヴァレンティノのドレスを着て。(インスタグラム@eri.ogawa1102より)
引退式の最終日はヴァレンティノのドレスを着て。(インスタグラム@eri.ogawa1102より)

──名古屋で夜の世界を卒業した後、結婚して東京へと移住。引退後は東京で、シャンパンサロン、エステ、脱毛、ブランド品の販売・買収などを手がける起業家へと転身しました。なぜ、経営者になろうと思ったのでしょうか?

「キャバクラでプレイヤーをやっているとき、働きながら『(会社の)上の人ってすごいな』って常に感じていたんです。昔から経営者に憧れていて、独立したいという気持ちはすごく幼い時からあって。家庭環境など含めて、私はあまりいい育ちじゃなかったから『成功してやる!』という執着がすごかったんです。昔の悔しい想いがずっとあって。経営者になるというのは、小学校時代からの夢でした」

──すでに小学校の時に「自分でなにかをやって生きていく」と考えていたのですね。

「そう。ただ若い頃はそのやり方もわからなかったし、最初はお金もなかったので。キャバクラで働いているときに、いろんな分野の経営者の方たちが飲みに来てくださったので、たくさんのことを吸収することができました」

──起業家として新しい挑戦をする際、背中を押したものはなんだったのでしょうか?

「あれもこれも…と考えてしまったら、スタートができないので、自分がわからないことは誰かに聞けばいい、自分ができないことをできる人を雇えばいいという考えに辿り着いて。経営者は、従業員が『この人についていきたい!』と思わせる、人を惹きつける“人間力”が一番大切だということに気付き、『私でもできるかな?』って思ったんです。そしてまずはSNSを使って、社員の募集を行いました。事務員や秘書など、最初は会社を3人からスタート。そこからチームができ、いま従業員は130人ぐらいになりました」

──現在、「上場を目指す」と公言されているエンリケさん。以前の環境とは全く異なるなか、これはとても大変な挑戦…と感じることはなんですか?

「社内の人間関係がいちばん難しいですね。働き続けてもらうことが、ここまで大変だということを想像していなかった。『どうやったら、会社に長く勤めてもらえるか?』を考えたときに、やっぱりコミュニケーションがいちばん大事だなと。だから最近では、社員一人一人と話す機会を作ったり、ご飯を食べに行ったりと近い距離で壁をなるべく作らないように心掛けています」

今年2月にオープンした「鮨エンリケ」にて。(インスタグラム@eri.ogawa1102より)
今年2月にオープンした「鮨エンリケ」にて。(インスタグラム@eri.ogawa1102より)

──仕事を通して得られる、新しい喜びはありますか?

「お客さまが喜ぶ顔を見るのが、本当に嬉しいです。私にとっての喜びは、やっぱりお客さんなんだ!って。自分が成功するとかではなくて、誰かをハッピーにするのが楽しく、その気持ちがやりがいになっています。自分だけ幸せになっても、従業員みんながハッピーでないと意味がないと今は思っていて。従業員は家族みたいな存在。だから、『もっと頑張らなきゃいけないな』って思います」

──この先、実現したいことはなんですか?

「何をもって“成功”というのかは人それぞれですが……キャバクラを辞めて、他業種の事業で成功している人って本当に少ないんですよ。夜の仕事を辞めて、結婚して落ち着いたとか、違う仕事に転職…とかは、多いんですけれども。私は夜の仕事に対しての偏見を変えたいなとも思っていて。キャバ嬢もすごく素敵な職業だし、『ここをスタートに、こんなふうにもできるんだ!』っていう、誰も作り上げたことがないことをやり遂げたい。それが目標だから、そのために会社を大きくしなければ。また、『エンリケ』という私の名前を皆さんが知ってくれている今だからこそ、事業成長のスピード感はとっても大事だなと思っています」

──どんな事業展開を考えていらっしゃりますか?

「LIFE TIME VALUE事業のような、一人のお客様と長くお付き合いできる事業の確立を目指しています。美しくになりたい方のために脱毛サロンとエステサロン、ご飯を美味しく食べたいお客様のためにお寿司やさん、お酒を飲みたい方にはシャンパンサロンと、すべての事業が生活の一部になっている形が夢なんです。お酒の後のシメに焼肉やラーメン、ヘアメイクしたい方のためにヘアサロンを…というところまで、実はやりたいと思っています」

──6月にはバスクチーズ専門店もオープンしましたね。

「はい。激戦地だったので交渉が大変でしたが、銀座8丁目に2階建てのとても良い物件が見つかって! こうやって、少しずつ有言実行じゃないですけれど、実現していくことが大事なんじゃないかなと思って。でも、やるからには赤字は出したくないですし、美味しいと言われたいから頑張っています」

今年6月末にオープンした、BASQUE CHEESE CAKE ENRIKE。オープンからまもなく、予約困難なスイーツとして話題に。(インスタグラム@eri.ogawa1102より)
今年6月末にオープンした、BASQUE CHEESE CAKE ENRIKE。オープンからまもなく、予約困難なスイーツとして話題に。(インスタグラム@eri.ogawa1102より)

──夢を叶える秘訣はなんだと思いますか?

「小さなことから目標を達成して、自信をつけることが大切。それが夢を叶える秘訣かな。最初は、叶いやすい夢から叶えていくこと。大きな夢を一瞬にして叶えられるなんてことはほんの一握りの確率だし、そんな夢はすぐに壊れるはず。夢を叶えるためには、時間もかけていいと思うんです。すぐに諦めず、毎日コツコツ1分1秒でも大事にすること。夢って叶えるものじゃなくて、気がついたらその方向に現実が動いて、叶っているというものだから。
『経営者になりたい』と昔から願っていたけれど、私は経営者になるために学校に通ったわけではない。キャバクラで働き、仕事で結果出して、いま経営者になっている。だから毎日意識して行動すれば、必然と夢は叶うはず。でも叶えるためには、夢だけを追うんじゃなくて、毎日を大事にしていくことが第一なんじゃないかなと思います」

Numero TOKYO 2021年6月号より。フェンディの私服で撮影。
Numero TOKYO 2021年6月号より。フェンディの私服で撮影。

──自分らしい人生を歩む上で、エンリケさんが大切にしていることはなんですか?

「ブレないこと。迷わないこと。迷うぐらいだったら、最初からやらない。そういう、強い気持ちで行動すること。私はファッションがすごく好きなんですが、お洋服も同じで、迷うぐらいだったら買わない(笑)。無駄なく人生を歩みたいです」

──エンリケさんにとって、美しいなと思う女性はどんな人?

「自信に満ち溢れている女性。キアラ・フェラーニがすごく好きなんです。セレブリティなのに『すごい!』って思わせない、彼女の持つユーモアや親近感が好き。そういう人ってキレイだなって思うんです。もちろん、キアラの顔や外見も素敵なんですけれども、あの内面から出る美しさは特別──そんな女性に憧れます」

──ファッションと美容好きのエンリケさんに、最後の質問。ファッション&ビューティの楽しさ、喜びってどんなときに感じますか?

「ファッションの“楽しさ”って、着て初めて感じるもの。ただ服を見ているだけじゃ楽しめないと思うんです。実際に身に纏って初めて、その洋服のデザインを肌で感じられる。刺繍などの一つ一つのディテールにも気を留めてみると、職人やデザイナーが服に込めた気持ちがジーンと感じられて。そういうことを考えながらお洋服を着ることが、すごく楽しいんです」

Photos : Akihito Igarashi Hair : Shotaro Makeup : Kouta Interview & Text : Hisako Yamazaki

Profile

エンリケ(えんりけ)Enrike 1987年11月2日生まれ、岐阜県出身。2019年名古屋・錦の老舗高級キャバクラ「アールズカフェ」にて、盛大に行われた引退式では、4日で5億円を売り上げ、名実ともに伝説を残す。現在は拠点を東京に移し、会社経営者として多方面で活躍中。インスタグラム:@eri.ogawa1102

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