バレエダンサー 飯島望未世界に挑戦する彼女が叶えたい夢 | Numero TOKYO - Part 3
People / Interview

バレエダンサー 飯島望未
世界に挑戦する彼女が叶えたい夢

バレエ・ダンサーとして世界を舞台に活躍し、インスタグラムを通してファッショニスタとしても注目を集める飯島望未にインタビュー。

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従来のバレリーナのイメージを覆す独自のファッション ──オシャレな私服にも反響がある飯島さんは、ファッション業界の人にその突破口を開きつつある人物だと思います。 「ファッションは母親の影響で、物心が付いたころから大好きでした。幼い頃は母の着せ替え人形にさせられていて、さらに小学校からはオードリー・ヘップバーンなど、往年の女優が登場する60年代の古い映画も観せられていました。インスタグラムを始めたきかっけも、最初は趣味のファッションを載せるため。でも徐々にフォロワー数が増えてくると、『バレエダンサーでこんな方がいるんですね』と言われることが多くなり、だったら、そこから私じゃなくてバレエ自体に興味を持ってくれたら嬉しいなと思って、続けるようになりました」 ──「ヴァレンティノ」などラグジュアリーブランドのアカウントからも多くタグ付けされていますよね。 「もともと『ヴァレンティノ』のドレスを着て、ブランドをタグ付けしたインスタグラムの投稿を、リポストしてくれたのがきかっけ。そこからフォロワーも一気に増えました。黒髪のときは、クラシックなAラインのスカートなどが好きでしたが、金髪にしてからは、それが似合わなくなってしまって。あくまでベースはクラシックですが、モードなテイストも好きなので、特にこだわらず、その時の気分で服装を決めています」
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──様々なファッションを着こなすしなやかな身体も魅力ですが、バレエダンサーとして食事管理や美容にも気を使っているのでしょうか? 「美容には疎くて、最近やっと常温で水を飲み始めました(笑)。食生活では、踊る前に食べると気持ちが悪くなってしまうので1日1食。アスリートが1日1食なんて、身体に悪いと批判されることが多いですが、それが自分のスタイルというか、やり方というか、私には合っている方法なんだと思っています。ただ、友達と会ったりすれば一緒に食事を楽しむし、お酒を飲むのも好きですよ」 ──8月にはチューリッヒ・バレエ団への移籍が決定していますが、再び海外に出ようと思ったきかっけは何だったのでしょうか? 「スイスは、コンテンポラリー作品や優秀な振り付け家が多いことで有名な国です。チューリッヒ・バレエ団には、こういう踊り手になりたいと思うダンサーがたくさんいるし、ディレクターも才能がある人。バレエ団がアットホームな雰囲気だったことも、在籍を決めた理由になりました。 ──日本滞在中最後の出演作品となる「ゼロ・ポイント」の見どころはどこでしょうか? 「高知県立美術館で初演される舞台で、“輪廻転生”をコンセプトに一人の女性が生まれ変わる様を表現します。私が演じるのは、バーチャルと現実の狭間に存在するようなキャラクター。新しい挑戦として、プロジェクションマッピングを駆使した演出も見どころです。さらに音楽は、バンクーバー出身のアーティスト、ティム・ヘッカーが作曲したテクノを使用するので、総合的にすごくかっこいい作品になると思います。 目標は、海外に負けないバレエの土壌作り ──さらに今後の目標は? 「海外でさらにキャリアを積んでいきたいです。今は、日本でもっとコンテンポラリーを踊りたいと思っても、作品を持ってくるだけの力のある人物がいません。作品に払う著作権が高いので、スポンサーが付かないと難しいという現状はありますが、私自身が海外の人たちとコネクションを作ることで、将来的に日本に素晴らしい作品を引っ張ってこられるような人物になりたい。例えば、ヒューストンで『イン・ザ・ミドル』を踊ったときに、フォーサイス財団の方が私を選んでくれたように、自分がダンサーとして頑張って、何かに特化することで、携わった人たちと信頼関係を深めていきたいです。 貪欲ですが、バレエダンサーとしての実力は自分が一番分かっているし、これからも努力はしていきますが、自分が有名になりたいという訳ではありません。海外にいたときは『自分が一番!』とか『どれだけ上に行けるか』と思っていましたが、帰国してからは考えが変わりました。無謀かもしれませんが、バレエを盛り上げたいと思っている人たちが協力し合い、もっとダンサーたちが良い作品を踊れるような土壌を日本に作っていきたいです」 ──将来的にまた日本に戻ってくることも考えていますか? 「やっぱり日本が母国なので、日本の人たちに見てもらいたいという気持ちは強いです。海外でしか学べないことはたくさんありますし、私も海外に出ていますが、いい人材がアメリカやヨーロッパに流れてしまうのはもったいない。またいつか日本に戻ってきたいし、踊りたいと思うからこそ、そうするために環境を改善していかなければいけないと感じています。海外に対抗できるくらいの日本のカンパニー作りに協力できたらと思っています」

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Ms.COINTREAU

Photos:Satomi Yamauchi 
Hair&Make:Fumiko Hiraga
Interview&Text:Anri Murakami(WWD JAPAN)
Edit:Yukiko Shinmura

Profile

飯島望未(Nozomi Iijima)バレエダンサー。大阪出身。6歳からバレエを始める。13歳で『ユース・アメリカ・グランプリ』3位に入賞し、奨学金を獲得。07年15歳で単身渡米する。ヒューストン・バレエ団の研修生になり、翌年同バレエ団とプロ契約を結ぶ。13年米ダンスマガジンにおいて「25人のいま観るべきダンサー」に選出。14年ソリストに昇格し、『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』などのクラシックバレエの作品だけでなく、ウィリアム・フォーサイス振り付けの『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレベイテッド』などのコンテンポラリー作品でも高い評価を得る。15年同バレエ団を退団。帰国後は、日本を中心に精力的に活躍。16年8月からはスイスのチューリッヒ・バレエ団への所属が決定している。

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