トーマス・ルフ展東京では今日/明日が最後のチャンス | Numero TOKYO
Culture / Editor's Post

トーマス・ルフ展
東京では今日/明日が最後のチャンス

「Interieurs」(1979-1983) Thomas Ruff
「Interieurs」(1979-1983) Thomas Ruff

週末のご予定はお決まりですか?

東京国立近代美術館にて、今年8月にスタートしたトーマス・ルフ展がとうとう明日(11月13日)で最終日です。12月10日から石川・金沢21世紀美術館での開催が決まっていますが、都内で巨匠の作品を拝みたい!と思っている方は最後のチャンス。 トーマス・ルフは、ドイツ出身(1958年生まれ)の写真家。デュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に学んだ「ベッヒャー派」として、1990年代以降の写真表現をリードしてきた存在。学友には、アンドレアス・グルスキーやトーマス・シュトゥルートがいます。今回の展示では、初期のものから最新作、世界初公開の作品までが一堂に会しています。 誰もいない家族や友人の自宅室内を撮影した「Interieurs(室内)」(上の写真)や、展覧会のPRビジュアルにも使われた高さ約2メートルにもおよぶ作品「Porträts」、幼少期カメラより先に望遠鏡を手に入れたほど少年時代から想いを馳せていた宇宙がテーマの「cassini」「ma.r.s.」、インターネット上から集めた画像素材使った「nudes」「jpeg」など、18シリーズ125点作品が展示されていて、かなり見応えがありました。 建築、都市風景、ヌード、天体など、扱うテーマは様々。そして出会いや発見がある度に新しい撮影方法や表現方法にトライしているので、展示されたシリーズの変わり目にある説明文を読むのもとても楽しかったです(情報量が豊富で、かなり頭を使いました)。広い会場をゆっくり歩きながら見ていると、それが一人の作家の作品だということを忘れそうになるほど。写真表現への探究心に衝撃を受けます。 「Interieurs」(1979-1983) 「Porträts」(1986-1991,1998) 「nudes」(1990-) 「jpeg」(2004-) 「cassini」(2008-) 「ma.r.s.」(2010-) 上にもリンクを貼ったトーマス・ルフの公式サイトは、アートディレクションも素敵で見ているととまらなります。こちらはこの展覧会のための特設ページ。本展の見どころや、女優のKIKIさん、美術家の奈良美智さん、クリエイターの真鍋大度さん(ライゾマティクスリサーチ)、演出家の藤田俊太郎さん、劇作家で演出家の成井豊さんが語る「ルフとわたし」のコメントなどがチェックできるので、来場のおともに。そして、ミュージアムショップで販売されているマグネットやTシャツ、トートバッグもかわいいので(最終日は品数僅少かもしれませんが)、ぜひチェックを。 会場はルールを守れば写真撮影OKだったので、どうしても今日明日では会場に辿り着けないという方は、インスタグラムで「#thomasruff」や「#トーマスルフ展」をこっそり覗いてみるのはいかがでしょうか。覗いたら最後、12月は金沢にいるかもしれません。 トーマス・ルフ展 会場/東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー 住所/東京都千代田区北の丸公園3-1 会期/2016年8月30日(火)〜11月13日(日) 開館時間/10:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで 主催/東京国立近代美術館、読売新聞社、ぴあ、WOWOW 後援/J-WAVE 協力/Lufthansa Cargo AG、全日本空輸(株) Tel/03-5777-8600

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