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展示風景より、「ライト・パビリオン」に投影された上海の夜景(Photo: 金子俊男) 2016年。地球はいま、これまでにない “キラキラ感” を放っていた……! ヨーロッパ、アメリカ、アジア、そして日本。宇宙から見た地球の夜景を見てみれば、都市と都市、その間の陸地を結ぶ網の目のように、無数の灯りが瞬いている。 それは誰あろう、私たち人間の活動が生み出す熱量の輝きなのだった。 ……でもその光が、何の計画もなく勝手気ままに放たれていたら、どうだろう。 たとえば住宅街。空き地にコインパーキングがオープンして、空車を表す「空」マークのグリーンの光が隣家の白壁に激しく反射。住宅街の一角に、稲川淳二の怪談番組のような不気味なムードが漂っている(実話)。 あるいは、街灯や自動販売機などの光が路上だけでなく、本来は不必要なはずの空をも照らし出している状況。星が見えなくなるなどの「光害(こうがい/ひかりがい)」を引き起こし、エネルギーの壮大な無駄づかいになっている……(これも実話)。 LPAの近作より、岐阜市立図書館を中心とした複合施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」(設計:伊東豊雄)の照明デザイン ©ライティング プランナーズ アソシエーツ ©金子俊男 こうした状況に対して一石を投じるべく立ち上がったのが、日本を代表する照明デザイナー・面出 薫(めんで・かおる)。 東京国際フォーラムや六本木ヒルズ、アマンリゾートのホテルから、シンガポール中心市街地照明マスタープランなど、国内外の大型プロジェクトを手がける一方、あらゆる角度から街の光を観察・調査する非営利の活動団体「照明探偵団」としても精力的に活動。その彼が率いる照明デザイン事務所「LPA(ライティング プランナーズ アソシエーツ)」による展覧会が、ベルリン、シンガポール、香港での巡回を経て現在、東京・月島にて開催されている。
Text:Keita Fukasawa
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