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Culture Post
画家・篠塚聖哉、アンドーギャラリーにて個展開催。貴方はこの絵に何を感じる?

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遠い日の記憶は、貴方の頭のなか、そして心のなかで、色や名前を失って徐々に抽象化されていく。あのとき歩いた大きな石、あのとき見上げた大きな木、それらは長い時間をかけて記憶のなかで変化していくのだ。篠塚聖哉は、人々の生をめぐる “記憶” をテーマに描く画家。そんな彼の個展が現在、清澄白河・アンドーギャラリーにて開催されている。
 
日本列島を北上しながら各地を旅してきたという篠塚。今回の展覧会では、その旅の間で印象に残ったモチーフを主題として掲げている。記憶をキャンバスに落とし込むにあたって、頭のなかのイメージを引き出そうとしたとき、それらそれぞれが、本来持つべき色や名前を失っていることに気付いたそうだ。そして同時にそのイメージ群は、そのとき自身がとった行動や、感じた出来事と結びついていったという。旅の途中で見上げた木が、そのとき感じた花粉にとって代わられるというように……。
ここに描かれた作家の記憶の断片は、観る者が自身の記憶で補完していくことで、新たな存在へと移り変わっていく。作家と鑑賞者、両者の記憶が結びついたとき、絵画のモチーフと同時に、貴方の心に眠るやさしい思い出も、少しずつ深みのある色を帯びてくるはずだ。描かれた画面に、貴方はどんな色を感じるだろう?
 
篠塚聖哉 Old Days
会期/2016年2月2日(火)〜 4月30日(土)
会場/アンドーギャラリー 東京都江東区平野3-3-6
時間/11:00〜19:00
休廊/日・月・祝日
TEL/03-5620-2165
URL/www.andogallery.co.jp
 

Text: Kahlua Tsunoda

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