新生「ミュグレー」の舵をとるデイヴィッド・コマ初来日インタビュー | Numero TOKYO
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新生「ミュグレー」の舵をとるデイヴィッド・コマ初来日インタビュー

「ティエリー・ミュグレー(Thierry Mugler)」改め、新生「ミュグレー(Mugler Paris)」のアーティスティック・ディレクターに、デイヴィッド・コマ(David Koma)が就任して2シーズン目を迎えた。15歳という若さでファッションデザインを開始し、その類稀なる才能を発揮してきたコマ。伝説的デザイナー、ティエリー・ミュグレーや、記憶に新しいところでは2013年までクリエイティブ・ディレクションを手掛けたニコラ・フォルミケッティの後を引き継ぐことになったが、その重圧をはねのけるように、現代に生きる大胆で美しいミュグレーウーマンを見事に描き、高い評価を得ている。来日したコマに2015-16年秋冬コレクションについて迫るほか、彼が考えるブランドの世界観を語ってもらった。
──2015-16秋冬コレクションのコンセプトは、サーキットボード(基板)やICチップというデジタルなものからヒントを得たというが、その背景となったものとは?
「幼い頃よくコンピューターで遊んでいたが、ある日その中身をとても見たくなった。するとその中には色鮮やかな線や部品で溢れていて、その美しい光景は僕にとって強烈なインパクトだった。ちょうどプレフォールコレクションの準備をしていたときに、偶然コンピューターの部品を見つけて、子どものときに受けたあのインパクトがフラッシュバックした。『今こそこれをデザインに取り入れてみよう』と思ったんだ」
──具体的にどんな風に服に落とし込んだ?
「まずはサーキットボードをモダンなイメージで再現するにはどうすべきかを考えた。そこで、レーザーカットやメタリックレザーをボンディングするなど新たなテクニックを作り上げた。アイレットも多用し、メカニックな表情をプラスした。これらのディテールはプレフォールコレクションから継続していて、秋冬コレクションではさらにジャケットやコートなどメンズのテイラリングアイテムを取り入れ、よりシャープなイメージに仕上げた」
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