ルイ・ヴィトンと〇〇〇を結ぶ、“赤い糸”とは?『Le fil rouge』@エスパス ルイ・ヴィトン 東京 | Numero TOKYO - Part 3
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ルイ・ヴィトンと〇〇〇を結ぶ、“赤い糸”とは?
『Le fil rouge』@エスパス ルイ・ヴィトン 東京

稲葉英樹による展覧会ロゴマーク Graphic by ©Hideki Inaba, 2014
稲葉英樹による展覧会ロゴマーク Graphic by ©Hideki Inaba, 2014

突然ですが、クイズです。 「ラグジュアリーブランドと 〇〇〇 は、“赤い糸” で結ばれている」 〇〇〇に入る言葉とは? (ヒント:カタカナでもアルファベットでも3文字の単語) ……その答えにつながる、新たな展望へと挑む展覧会が、ルイ・ヴィトン表参道7階の「エスパス ルイ・ヴィトン 東京」で開幕する。

そして……いよいよ開幕を迎える東京の展示。 展示作家は、男性向けポルノ雑誌の写真に刺繍を施し、女性の絵画制作の方法を探求するエジプト出身のガーダ・アメール。 絵画(ハイアート/高級芸術)と裁縫(ロウアート/大衆芸術)を組み合わせた作品を発表するオランダ出身のマイケル・レデッカー。 250本もの測鉛線(金属製の重りが付いた紐)を用いたインスタレーションを展開するイタリア出身のタティアナ・トゥルヴェ。 そして、ベルギー出身のハンス・オプ・デ・ベークによる、パペット(操り人形)を用いた3都市共通の映像作品が上映される。
東京の出展作家の作品より、Michael Raedecker『mimicry』(2014年) Photos: Peter White Courtesy: The Artist and Galerie Max Hetzler, Berlin | Paris
東京の出展作家の作品より、Michael Raedecker『mimicry』(2014年) Photos: Peter White Courtesy: The Artist and Galerie Max Hetzler, Berlin | Paris
自らの生い立ち、進学や就職など、その時々の決断によって刻まれてきた軌跡をタテ糸に、日々遭遇する情報や人々との予期せぬ関係性をヨコ糸として、時々刻々と織り上げられていく私たちの一生。 その中で生まれる数限りない体験や出来事を、糸を用いたものづくりによって支えながら、ブランドという名の価値体系自体を革新し続けるルイ・ヴィトン。 そして、いまある価値観を時に疑い、時に呼び覚ましながら、固定観念で隔てられていた人やモノ、概念同士を “関係性の糸” によって結び付け、新たな時代のヴィジョンを描き出すアーティストたち––。   この世界のあらゆる場面と関係を紡ぎながら、ともに新たな価値観を切り拓いてきたラグジュアリーブランドとアーティストが、必然性によって結ばれた “赤い糸” によって、さらなる結節を果たそうとする試み。 Le fil rouge––ここに交錯を果たす無数の “赤い糸” を体験すること。それはつまり、私たち自身の新しい価値観=“未来” を展望することに他ならない……! (感想文おわり)
昨年開催されたオープンスタジオプログラム『IN SITU-1』に続いて、アーティストとのパートナーシップをさらに進化させようとする、エスパス ルイ・ヴィトンの意欲的な試み。 ルイ・ヴィトン × 現代アート––両者が時代の最前線で紡ぎ出す “赤い糸” と、そこから始まる新地平をぜひ、あなたにも。 Le fil rouge 会期/2015年4月8日(水)〜5月31日(日) 無休 会場/エスパス ルイ・ヴィトン 東京 東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7階 時間/12:00〜20:00 TEL/03-5766-1094 URL/http://espacelouisvuittontokyo.com/ja/

Text:Keita Fukasawa

Profile

深沢慶太(Keita Fukasawa) フリー編集者/ライター/『Numéro TOKYO』コントリビューティング・エディター。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numéro TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集・執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集や、編集者9人のインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)など。

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