「契約書にサイン」そこから始まる禁断のラブストーリーに、あなたは共感する? | Numero TOKYO
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「契約書にサイン」そこから始まる禁断のラブストーリーに、あなたは共感する?

『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』をご存知だろうか? 若い男女のスキャンダラスで官能的な恋愛模様を描き、女性たちの圧倒的な支持を得て、世界累計1億部を突破した大ベストセラー小説だ。この世紀の話題作が満を持して映画化され、日本でもバレンタインデーを目前に控えた2月13日より公開される。   主人公は恋愛未経験のウブな女子大生、アナ。彼女はひょんなことから、容姿端麗&頭脳明晰な若手企業家グレイと運命的な出会いを果たし、ミステリアスな彼にたちまち惹かれる。ここまでなら「なんだ、ありがちなハーレクインロマンスか」と早合点しそうになるけれど、事態は思わぬ展開に。なんとグレイは、彼がアナを心身ともに(行動、食事、服装、睡眠、エクササイズの方法からセックスについてまで!)支配する旨を記した、秘密の契約書にサインしないかと持ちかけてくるのだ。彼はある過去が原因で、そんな方法でしか女性と付き合えないのだという。ためらいながらも、同意してしまうアナ。かくして、誰にも言えない2人の官能的な日々が幕を開けるのだが、初めて愛した男性をすべて受け入れたいと願うアナ、そして、そんな彼女の純粋さにほだされ本気の愛に目覚めてしまったのではないかと戸惑うグレイの、切なくも激しい愛の行き着く先やいかに……?
  この手の映画、中には「オジさんの欲望丸出し系の作品が多くて苦手」など先入観のある女性もいるかもしれないが、本作は原作も脚本も監督もメインスタッフがなんと女性。 単にエロティックなだけでなく、その裏にある生々しい感情の推移も、女性クリエイターならではの繊細さで、美しく、スタイリッシュに描かれている。平凡な少女がセレブな男性のエスコートによりワンランク上の大人の女性に成長していくシンデレラストーリーに着目して、ちょっぴり刺激的な『プリティ・ウーマン』として楽しむのもよし、女性の駄目な部分も含め『セックス・アンド・ザ・シティ』並みにリアルに描かれたアナの姿に、共感したり反省したりするのもよし。いずれにしても、まさに女性による女性のための究極のラブストーリーに仕上がっているので、ぜひ劇場でチェックして。  
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ(Fifty Shades Of Grey) 監督/サム・テイラー=ジョンソン 脚本/ケリー・マーセル 原作/E L ジェイムズ 『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(ハヤカワ文庫) キャスト/ダコタ・ジョンソン、ジェイミー・ドーナン、リタ・オラ 公開/2月13日(金)より全国ロードショー 配給/東宝東和 HP/http://fiftyshadesmovie.jp   Text:Keisuke Kagiwada

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