フィリペ・ジャルジン初の作品集『スケッチ&スナップ』発売、本人に直撃
今回はおよそ10年間の彼のアーカイブから、約100点のドローイング作品、そして初公開となる写真作品約60点を収録。被写体は彼の友人たちを中心に、中にはブラジリアン人気モデルのラケル・ジマーマンやキャロル・トレンティーニなどの姿も。ほか、エルメスやルイヴィトン、パリのシャルルドゴール空港へ寄稿した作品も再録している。巻末には マダガスカルや南アフリカ、ハワイや東京など、彼が辿った旅の軌跡を綴ったメモも。フィリペ自身の言葉で語られたライフスタイル論とともに、ページをめくるたび、旅情がそそられるようだ。
出版にあたりフィリペにインタビューを試みた。
──今は一体どこにいるの?
「スリランカ! ブラジルの友人一家と一緒に旅行に来ているんだ。この後は、フランスのキャップフェレというビーチに行く予定。 友達が家を持っていて、毎年8月ごろはそこに滞在している。今、ブラジルは真冬だしね」
──フランスでは何をするの?
「友達のバースデーを祝ったり、あとはもちろんサーフィン。途中パリに何日か行く予定、あとボルドーにも行くかも。そのあと一旦ブラジルに帰って、年末はハワイで過ごす予定」
──そんなに旅を続けていてよく仕事になるよね。
「ネットがあれば今はどこだって仕事ができるよ。エルメスの人たちだってマダガスカルのビーチで出逢ったんだから!」
──その話、前聞いたけど、もう一回教えて。
「エルメスのPRの子たちがマダガスカルでバケーションしてて、いつの間にか自然に話すようになって。もしかしてリカルド(ハンサムなポルトガル人サーファー)のほうに興味があったのかもね(笑)。その後パリ経由でブラジルに帰るのに、トランジットで時間があったから「ランチでもしない?」って空港から電話したんだ。そしたら『ぜひ会社にきてちょうだい』って。
──それで?
「なにせマダガスカル帰りでしょう? はっきりいってバックパッカーみたいな恰好でエルメスの本社に行ったものだから、始めはみんなにびっくりされた。でも別にエルメスに行くからって、特別におしゃれをすることもないし、自分を変える必要ってないと思うんだよね」
──それが逆にインパクトがあったのかもね。それがきっかけで仕事をゲットしたんだ。
「そうそう。誰かと知り合うのにおしゃれなホテルやバーでハングアウトする必要って全くないと思う。ティファニーの仕事はカーニバルの真っ最中にやってきたし」
──まさかパレードで出逢ったとか?
「自分のウェブ経由で連絡が来たんだけど。でもカーニバルの最中だから、返事は2、3日待ってよ、っていったら驚かれた」
──天下のティファニーに!(笑)
「だってこっちはホリデー最中なんだもの。2日くらい待ってもらっても大きな差はないでしょう? 最終的な〆切は守るし」
──確かに…。常に自然体でいればいいってことか。
「楽しいことを優先したほうがいいよ。その方が人生楽しいよ」
──そうだよね、次に会うのはブラジルかな?
「それか東京とか? 日本の温泉も大好きだよ!」
『スケッチ&スナップ』
著者/フィリペ・ジャルジン
企画・編集/市川暁子
ブックデザイン/菊地敦己事務所
全168ページ/B5版
価格/¥2,300(税別)
発行/六燿社
HP/www.rikuyosha.co.jp/products/detail4346/