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Culture Art
人々が消えた街の現実を伝える写真展
@シャネル・ネクサス・ホール

パリと東京を拠点に活動する2人の写真家。人間には見ることも感じることもできない “それ” を伝える展覧会『Retrace our steps — ある日人々が消えた街』が、シャネル銀座で開催される。

Text:Keita Fukasawa

Retrace our steps
作品シリーズ『悪夢』より、2013-14 ©Carlos Ayesta + Guillaume Bression

2011年3月11日。
あの日、私たちとすぐ地続きの街に起こった出来事を、果たしてどれだけの人がいまもなお、心に留め続けているだろう?

約8万もの住民が姿を消し、日常の痕跡を残した街並みだけが、音もなく静かに朽ちていく。そして街の外側では、それがまるで遠く離れた世界の話であるかのように……いや、そもそも最初からそんな出来事はなかったとうそぶくように、澄まし顔をした空気が漂っている。
そうした世間の空気感、つまりは私たち自身が作り出す隔絶された時空の中で、“こちら側” とは異質な時間を刻み続ける、福島第一原子力発電所周辺の “no man’s land”(無人地帯)──。

Retrace our steps
作品シリーズ『不穏な自然』より、2014-15 ©Carlos Ayesta + Guillaume Bression

けれども、その街へと分け入っていく人がまったくいなかったかというと、そんなことはなかった。ジャーナリスト、研究者、動物保護の活動家……。
ただその中で、彼ら2人の外国人アーティストたちは、何かが違った。カルロス・アイエスタとギョーム・ブレッション。かたや、1985年ベネズエラ生まれ、パリを拠点に活躍する建築写真家。そして、1980年パリ生まれ、2011年1月に東京へ移住したドキュメンタリー写真家。

かの地を訪れた2人の外国人アーティスト。果たして彼らの目的とは。

Profile

フリー編集者/ライター/『Numéro TOKYO』コントリビューティング・エディター。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numéro TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集・執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集や、編集者9人のインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)など。

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