スティーヴ・アオキが今、ブランドを始動した理由は? 米原康正が直撃 | Numero TOKYO
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スティーヴ・アオキが今、ブランドを始動した理由は? 米原康正が直撃

EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)界の中でも群を抜いたパフォーマンスで観客の心を掴み、世界中にファンを持つアーティストスティーヴ・アオキ。彼が手がけるミュージックレーベル「ディムマック(DIM MAK)」が、アパレルコレクションを立ち上げた。ファッションラインとしてこれまでもTシャツやキャップなどのアイテムを展開してきたが、2015−16年秋冬シーズンよりコレクションとして本格始動。アーティストとして唯一無二の地位を築いて来た彼がいま、ファッションブランドを立ち上げた意味とは? 公私ともに親交の深く、アジアツアーでも行動を共にしたエディター兼フォトグラファーの米原康正が直撃。
米原康正(以下Y)「スティーヴがファッションブランドをやるってことに対しての違和感は全くなかったから、そこは驚かないにしても、コレクションを初めて見たとき、こっち(モード)の路線できたのか!という衝撃があった。ストリートの要素はあるんだけどキッズだけのための服じゃなくて、ラグジュアリーを求める層へのアプローチ。これをどう展開するんだろうなって興味がすごく沸いた。ファッションって見た目だけじゃなくてカルチャーを包括したときにブランドとして価値ができると思うから、時代としては求められている流れなんじゃないかな。モードな服にこだわった理由は?」
Steve Aoki(以下S)「僕としては、ファッションとの関わりは初めてではなくて、最初はTシャツ作りからはじまった。スタートした当時(2006年)と比べると、スティーヴ・アオキのプレイヤーとしての価値と、音楽レーベル『DIM MAK』の価値がそれぞれ伸びていったという状況の中、それぞれのファンのアイデンティティに重ならない部分が出て来たことに気づいた。客観的に見て、スティーヴ・アオキのファンと、『DIM MAK』のファンが必ずしも同じファッションを追求しないっていうこと。具体的に言うと、スティーヴ・アオキのフォロワーには、手頃でとにかく楽しめるようなパーティーピープルのためのアイテム。それに対して『DIM MAK』のフォロワーには、ファッションを文化として提案したいと思ったということ。だから今回発表した『DIM MAK』のコレクションラインは、本物志向で作ることにした。デザインにも生地にも生産国にもすごくこだわっているし、時間をかけて完成させた。クリエイティビティのプロセスを大切にしたかったから、その結果、ラグジュアリーを求める人のためのコレクションになったんだ」
Y「どれを見ても、全部スティーヴが着ると似合うものなんだよね。俺が着ても似合うかなって不安だけど(笑)。着ていればOKじゃなくて、ちょっとハードルがあって、覚悟して着るというのがいいよね。日本のファンのことも考えて作ってる感じがする」
【日本のデザインやファッションが好き】

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