アーティスト束芋「苦しみから生まれるもの作り。それは人生に欠かせないものです」 | Numero TOKYO
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アーティスト束芋「苦しみから生まれるもの作り。それは人生に欠かせないものです」

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それぞれの分野で活躍し、生き生きと輝いているクリエイティブな女性たちが選んだ、幸せのカタチに迫るシリーズ。第一弾は、卒業制作が賞を受賞し、アーティストとして早くから注目を集めた束芋。国内外で多くの個展を開催し、順風満帆に見える彼女の人生を変えた6つのモメントとは?(Numéro TOKYO 2015年9月号掲載

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もともとグラフィックデザイナーを目指していた束芋は、2003年に五島記念文化財団の助成で1年間ロンドンに滞在し、デザイナー、ジョナサン・バーンブルックのスタジオに通う機会を得た。にもかかわらず、「デザイナーになる素質が自分にはないと気づいた」と、3カ月でギブアップ。その後は、ロンドンに滞在しながらもなにもできないという苦痛な日々を過ごす。そんな状況を克服する転機となったのが、2006年の個展『ヨロヨロン 束芋』。悩んだ末に出てきた結果、自分の内面を掘り下げて作った作品が、人々の心に響き、人との繋がりを生むこともあると気づくこととなった。そして、今はアーティストとして思い通りになりすぎている状況への不安や、出産年齢のタイムリミットに対しての葛藤もあるという。「もの作りは生きていく上で欠かせないこと。私の場合、思い通りにならないイライラや苦しみが形となって生まれてくる。自分の中から生まれてきても思い通りにならない存在である子どもはもしかしたら、いま自分に一番必要な存在かもしれない」。
Portrait:Motohiko Hasui Interview&Text:Akane Maekawa Edit:Masumi Sasaki

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